フィギュアスケートの全日本選手権が終わり、来年のバンクーバー五輪代表が決定した。男女ともに3名の代表とアイスダンスのペアが選出された。
シングル男女の3人はいずれもメダル候補といえるぐらいの実力者であり本番が楽しみである。思えばいつ頃からフィギュアで日本が活躍できるようになったのか。男子では佐野稔さん、女子では渡部絵美さん、伊藤みどりさんなどの時代からであろう。彼らの活躍は記憶に残っているが、印象としては世界との差は依然としてあったという感じである。伊藤みどりさんのジャンプは素晴らしかったが芸術面、表現力などはカタリーナ・ビット(当時 東ドイツ)には及ばなかった。あの当時、日本の選手達がこの競技でここまで活躍できるとは誰が想像しただろうか。
最近では体型においても欧米に劣らない、というよりはキム・ヨナ選手(韓国)や浅田真央選手などは欧米的な肉付きではないスレンダーな美である。その体型を武器にジャンプも軽く感じさせる。
今大会、浅田真央選手は背水の陣で臨んだ。彼女を画面で見た瞬間に「絞られた」と感じた。もともとスレンンダーな身体がさらに絞られていた。おそらく数キロは落としてきたに違いない。女子選手と体重、脂肪量と競技成績には大きな相関関係がある。種目にもよるが、男子に比べて筋力の少ない女子は、体重を落とすことでパフォーマンスをあげる効果が期待できる。15歳の頃のジャンプの感覚と女性の身体になったジャンプは技術は同じでも全く違ったものなのだろう。安藤選手が前回のオリンピックで苦しんだのもそういった部分にあったのかもしれない。
精神面でも成長がみられた。以前の彼女のインタビューは「ミスをしないで滑りたい」というものが多かった。「ミスをしないで」というのは守りの姿勢を生む。悪い滑りの時は気持ちが下がっているので重心がスケートに乗らずにスピード感がなくなる。安全にという思いがスピードをなくさせ、余計にジャンプを難しくする。土曜日のショートを終わった時点での彼女のコメントは「練習のとおりに滑りたい」というものだった。このコメントには「自分のやったことしか出せない。それ以上でもそれ以下でもない滑り」という、達観したようなものが感じられた。
おそらくオリンピックで勝つためにはもう一歩進んで「攻めの姿勢」が求められるだろう。
スケートは全く専門外なので私が感じたことは専門家にいわせれば的外れな意見なのかもしれない。しかし、そんな風に自分で分析しながら見られる楽しさがフィギュアスケートにはある。
対人競技と違って闘うのは相手ではなく、自分のプレッシャーと心の弱さでもある。
柔道も負けた時は誰のせいにもできない。皆の前で投げられるのは恥ずかしい。フィギュアを見ていても似たものを感じた。リンクに立ってしまえば転んでも転んでも演技が終わらなければ帰って来れない。
華やかに見える選手達の心は非常に強い鎧をまとっているに違いない。
シングル男女の3人はいずれもメダル候補といえるぐらいの実力者であり本番が楽しみである。思えばいつ頃からフィギュアで日本が活躍できるようになったのか。男子では佐野稔さん、女子では渡部絵美さん、伊藤みどりさんなどの時代からであろう。彼らの活躍は記憶に残っているが、印象としては世界との差は依然としてあったという感じである。伊藤みどりさんのジャンプは素晴らしかったが芸術面、表現力などはカタリーナ・ビット(当時 東ドイツ)には及ばなかった。あの当時、日本の選手達がこの競技でここまで活躍できるとは誰が想像しただろうか。
最近では体型においても欧米に劣らない、というよりはキム・ヨナ選手(韓国)や浅田真央選手などは欧米的な肉付きではないスレンダーな美である。その体型を武器にジャンプも軽く感じさせる。
今大会、浅田真央選手は背水の陣で臨んだ。彼女を画面で見た瞬間に「絞られた」と感じた。もともとスレンンダーな身体がさらに絞られていた。おそらく数キロは落としてきたに違いない。女子選手と体重、脂肪量と競技成績には大きな相関関係がある。種目にもよるが、男子に比べて筋力の少ない女子は、体重を落とすことでパフォーマンスをあげる効果が期待できる。15歳の頃のジャンプの感覚と女性の身体になったジャンプは技術は同じでも全く違ったものなのだろう。安藤選手が前回のオリンピックで苦しんだのもそういった部分にあったのかもしれない。
精神面でも成長がみられた。以前の彼女のインタビューは「ミスをしないで滑りたい」というものが多かった。「ミスをしないで」というのは守りの姿勢を生む。悪い滑りの時は気持ちが下がっているので重心がスケートに乗らずにスピード感がなくなる。安全にという思いがスピードをなくさせ、余計にジャンプを難しくする。土曜日のショートを終わった時点での彼女のコメントは「練習のとおりに滑りたい」というものだった。このコメントには「自分のやったことしか出せない。それ以上でもそれ以下でもない滑り」という、達観したようなものが感じられた。
おそらくオリンピックで勝つためにはもう一歩進んで「攻めの姿勢」が求められるだろう。
スケートは全く専門外なので私が感じたことは専門家にいわせれば的外れな意見なのかもしれない。しかし、そんな風に自分で分析しながら見られる楽しさがフィギュアスケートにはある。
対人競技と違って闘うのは相手ではなく、自分のプレッシャーと心の弱さでもある。
柔道も負けた時は誰のせいにもできない。皆の前で投げられるのは恥ずかしい。フィギュアを見ていても似たものを感じた。リンクに立ってしまえば転んでも転んでも演技が終わらなければ帰って来れない。
華やかに見える選手達の心は非常に強い鎧をまとっているに違いない。