授業がなくても、いつものメンバーがあたしの休日に食い込んでくる。
まずはリーティンシン。
ヤツは一人の時でも、廊下を黙って歩けない。
ちょくちょくベトナム部屋に遊びに来て、そのたびあたしの部屋の前をブツブツ言いながら通るのがわかる。
午前中に廊下からヤツの声がした。あたしは勉強の手を止め、からかってやろうと外に出た。
姿は見えなかったけど、ちょうど部屋に入るところで、部屋の前まで走って行くとあたしに気付いたようにバタンとドアが閉まった。
……ヤツは帰りに来るに違いない。
部屋の中で身構えていると、案の定部屋のドアを叩く音がした。
あたしは勢いよく部屋を飛び出したけれど、すでにヤツの姿は見えず、階段を駆け下りる足音が響いていた。
それでもダッシュして2階まで追いかけてみた。ヤツの部屋のドアがバタンと閉まるのが見えただけ。逃げ足の速いヤツめ。
3時頃、浩一からメールが来た。
「今宿舎にいる?」
なんだ?
「いるよ。」
「君にアイスを買ってあげようと思うけど、食べる?」
なに? 浩一、気が利くじゃん! 今日はかなり涼しいけど、もらっておこう。
日曜に出かけたとき、あたしがアイス食べたいと言っていたのを覚えていたのね。いつもコーヒーを淹れてあげてるお礼かしら。
「もろろん食べる!」
「じゃあ、出てきなよ。」
出てきなよって、どこに?
「今どこにいるの?」
「図書館。宿舎の下で会おう。」
アイス2個しかかって来ないのかしら。気になるのは、ゆっちゃんの分のアイスもあるのかどうか。
「浩一からメール来た?」ゆっちゃんのところに行ってみた。
「来ないよ。」
なんであたしだけ?いつも3人で行動するのに。
1階に下りて、浩一を待つ。
外を眺めながら、手にアイスをぶら下げて帰ってくる浩一を想像していた。
「行こうか。」
浩一が階段の方から現れた。
アイスをもっていない。行こうかって、どういうことよ。
「まだ買ってないの?」
「うん。」
は?一緒に買いに行くの?
「どこまで行くの?」
「バンガード。」
バンガード?歩いて10分以上かかるじゃん!
「あたし時間ないの。20分後に友達来るから。」
断った。
当然ゆっちゃんに報告。
「こんなメール来たら、買ってきてくれるもんだと思うよね!」
もやもや覚めやらぬまま、約束があったから部屋に戻った。
王ちゃんがこの間撮った写真を持ってきてくれた。
素敵な写真の数々…。
ゆっちゃんとうっとりしながら1枚1枚堪能した。
喋り捲る王ちゃんに癒され、時は流れた。
「浩一といるより全然充実してたよね。」ゆっちゃんもそう言う。
それでも、もやもやは消えなくてアヤトのところに行った。
「アヤト聞いて~!」
「なんすか~?」
返事が聞こえたので、ドアを開けて勝手に部屋に入り、ソファーに座って愚痴をこぼした。
「浩一、なんかズレてんだよね! こんな涼しい日に、わざわざバンガードまで歩いてアイス食べたいと思う? しかも、浩一と2人で!」
「僕、その浩一って人知らないからなんとも言えませんけど…。」
アヤトに話してちょっとすっきりした。
空き部屋があったので覗いてみた。ここに住んでいた子は見つめられて眠っていたのね。、
まずはリーティンシン。
ヤツは一人の時でも、廊下を黙って歩けない。
ちょくちょくベトナム部屋に遊びに来て、そのたびあたしの部屋の前をブツブツ言いながら通るのがわかる。
午前中に廊下からヤツの声がした。あたしは勉強の手を止め、からかってやろうと外に出た。
姿は見えなかったけど、ちょうど部屋に入るところで、部屋の前まで走って行くとあたしに気付いたようにバタンとドアが閉まった。
……ヤツは帰りに来るに違いない。
部屋の中で身構えていると、案の定部屋のドアを叩く音がした。
あたしは勢いよく部屋を飛び出したけれど、すでにヤツの姿は見えず、階段を駆け下りる足音が響いていた。
それでもダッシュして2階まで追いかけてみた。ヤツの部屋のドアがバタンと閉まるのが見えただけ。逃げ足の速いヤツめ。
3時頃、浩一からメールが来た。
「今宿舎にいる?」
なんだ?
「いるよ。」
「君にアイスを買ってあげようと思うけど、食べる?」
なに? 浩一、気が利くじゃん! 今日はかなり涼しいけど、もらっておこう。
日曜に出かけたとき、あたしがアイス食べたいと言っていたのを覚えていたのね。いつもコーヒーを淹れてあげてるお礼かしら。
「もろろん食べる!」
「じゃあ、出てきなよ。」
出てきなよって、どこに?
「今どこにいるの?」
「図書館。宿舎の下で会おう。」
アイス2個しかかって来ないのかしら。気になるのは、ゆっちゃんの分のアイスもあるのかどうか。
「浩一からメール来た?」ゆっちゃんのところに行ってみた。
「来ないよ。」
なんであたしだけ?いつも3人で行動するのに。
1階に下りて、浩一を待つ。
外を眺めながら、手にアイスをぶら下げて帰ってくる浩一を想像していた。
「行こうか。」
浩一が階段の方から現れた。
アイスをもっていない。行こうかって、どういうことよ。
「まだ買ってないの?」
「うん。」
は?一緒に買いに行くの?
「どこまで行くの?」
「バンガード。」
バンガード?歩いて10分以上かかるじゃん!
「あたし時間ないの。20分後に友達来るから。」
断った。
当然ゆっちゃんに報告。
「こんなメール来たら、買ってきてくれるもんだと思うよね!」
もやもや覚めやらぬまま、約束があったから部屋に戻った。
王ちゃんがこの間撮った写真を持ってきてくれた。
素敵な写真の数々…。
ゆっちゃんとうっとりしながら1枚1枚堪能した。
喋り捲る王ちゃんに癒され、時は流れた。
「浩一といるより全然充実してたよね。」ゆっちゃんもそう言う。
それでも、もやもやは消えなくてアヤトのところに行った。
「アヤト聞いて~!」
「なんすか~?」
返事が聞こえたので、ドアを開けて勝手に部屋に入り、ソファーに座って愚痴をこぼした。
「浩一、なんかズレてんだよね! こんな涼しい日に、わざわざバンガードまで歩いてアイス食べたいと思う? しかも、浩一と2人で!」
「僕、その浩一って人知らないからなんとも言えませんけど…。」
アヤトに話してちょっとすっきりした。
空き部屋があったので覗いてみた。ここに住んでいた子は見つめられて眠っていたのね。、