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Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

Museum Het Schip@アムステルダム

2016-07-10 08:04:50 | Wblog:お出かけMuseum
日曜日、Museum Het Schipに行ってきました。Het Schipはオランダ語で船という意味ですが、このミュージアムは船のミュージアムではなく、Amsterdamse Schoolという建築様式のミュージアムです。このミュージアムがある建物がアムステルダム派建築の代表的なもので、見た目が船のように見えることからこの建物の名前が「Het Schip」なのです。
写真のような、少し奇抜なデザインの建物で、曲線が多く使われ、細部に趣向が凝らされています。見てみれば、その独特さに気づくはずです。
毎時間ごとにガイドツアーがあります。オランダ語ですが、英語を希望する人には英語の説明が載ったファイルが貸し出されます。ガイドツアーでは、建物内にある郵便局や住居部分を見学することができます。
Michel de Klerkの設計で、1914-1921年に建設されました。大きな建物で、大部分が労働者用の住宅(市営住宅のようなもの)で、一部が学校、郵便局などになっています。
見学ツアーに参加した人が「当時、公共住宅にどうしてこんな贅沢な建物を作ることができたんですか?」と訊いていました。当時の労働者の生活環境はすこぶる悪く、労働者に良い住環境をという政策のもと行われた建設で、当時は今と違って、予算がちゃんと材料や建設そのものへ使われたからできたんだろうと、ガイドの人は答えていました。
郵便局はひとつの美術品のように美しく、工夫も凝らされ、労働者がその郵便局に行くことそのものが誇りに思えるものとなっています。
展示部分もあり、この建物ができた理由がフィルムで説明され、アムステルダムやオランダの他のアムステルダム派建築の紹介や、インテリア品の紹介など、アムステルダム派についてよくわかるようになっています。
7月の日曜日とあって、訪問者は多く、ガイドツアーはかなりの大人数でした。
建築やデザインに興味のある人におすすめのミュージアムです。


ディック・ブルーナのアトリエ@Centraal Museum(ユトレヒト)

2016-07-04 08:44:04 | Wblog:お出かけMuseum
日曜日、ユトレヒトにあるセントラル美術館(Centraal Museum)へ行きました。
もう何度も行っているのですが、かなり駅から歩きます。
今回は見たい展示が二つあって、「ディック・ブルーナのアトリエ」と「ユトレヒトのドム塔について」です。
「ディック・ブルーナのアトリエ」は、ミッフィで有名なブルーナのアトリエ(写真)を再現したもので、彼の日常での仕事ぶりがどんなだったかがわかるものです。展示の説明には日本語がすべてついています。実際にブルーナが使っていたソファなどにも座ることができ、また毎朝乗っていた自転車や、たくさんの蔵書、ファンからの贈り物などが見ることができます。なかには、さくらももこさん直筆のちびまる子ちゃんとミッフィのイラストもありました。あまり混んでおらず、ゆっくりと見ることができました。
「ユトレヒトのドム塔について」は、ユトレヒトのシンボルとも言えるドム塔(Dom)の歴史についての展示です。どのように作られたかなど詳しく展示があります。あのような大きな建造物を、直属の常時雇用者は25人ほどで統括的に効率よく建造していたとは驚きです。
最初の案は結局実現せず、今のような形の塔になった変遷がわかります。
「ディック・ブルーナのアトリエ」は常設展示ですが、ユトレヒトのドム塔について」は2016年10月2日までです。
体調は良好です。



OlafurEliasson展@Museum Boijmans Van Beuningen(ロッテルダム)

2016-06-26 11:29:43 | Wblog:お出かけMuseum
ロッテルダムへ行く用事があり、時間つぶしにMuseum Boijmans Van Beuningen(ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館)へ行ったら、Olafur Eliasson(オラファー・エリアソン)の「Notion motion」という展覧会をやっていたので見たら、すごく良かったです。おすすめです。
光を水面に当て、反射した光がスクリーンに映る白黒の模様が絶えず動き、なんともいえぬ感動を与えます。生と死のような、自然というものの根本の姿というようなものを、感じさせます。
最初の部屋は、木の床でできていますが、ところどころ浮いています。色といい、凹凸といい、なんとなく私は砂丘のように思いました。そして大スクリーンには常に動く、黒白模様。大気が常に動いていて、空の様相が常に変化するように、そこに自然を感じるのです。
写真は最後の部屋で、黄色いものはスポンジです。このスポンジはワイヤに吊り下げられていて、一定時間ごとに機械仕掛けで巻き上げられてポタンと水面に落ちます。すると波紋が広がって、スクリーンに映る黒白模様が大きく変化します。そして、波紋が小さくなるにつれて模様はどんどん違う形になっていき、変化し続け、落ち着きそうになったところで、またパタンと来ます。
まだ始まったばかりの展覧会なので、人は少なく、じっくりと鑑賞できました。こういうのって、美術館でしか見れないものです。
Olafur Eliasson(オラファー・エリアソン)は、デンマーク出身ですが、両親はアイスランド人です。1967年生まれです。
この展覧会は2016年9月18日までです。
体調は良好です。

Airborne Museum@アーネム

2016-06-16 09:59:14 | Wblog:お出かけMuseum
アーネム近郊のOosterbeekにある「Airborne Museum」に行ってきました。
「遠すぎた橋」という映画で有名な第二次世界大戦後期のマーケット・ガーデン作戦について詳しく展示されている博物館です。
博物館の前には当時の戦車(写真)がありました。
Airborneというのは空挺のこと、直訳すると空挺博物館となります。
イギリス、アメリカ、カナダ、ポーランドなどの連合軍が、ドイツ占領下にあるオランダを解放しようと、ライン川にかかるいくつもの橋を巡って奇襲をかけるのですが、最後のアーネムにかかる橋が確保できず、結局大失敗に終わります。
この作戦で大きな役割を果たしたのが、空挺部隊です。飛行機から何万もの空挺兵がパラシュート降下で、川北のドイツ領へ舞い降りました。
市街での戦闘が数日続いた結果、撤退となりました。
たくさんの装備や備品などを置き去りにすることになり、それらをドイツ軍は再利用し、ドイツ軍を助けることにもなってしまいました。
この計画が失敗したことで、1944年のクリスマスまでには終わるはずだったドイツ軍占領が長引き、物資がオランダ国内では不足し、オランダ国民は「飢饉の冬」を経験します。食料不足、燃料不足のため、とても厳しい一冬だったそうです。
博物館の最初に簡単なフィルムを見ます。このフィルムは、英語、オランダ語、ドイツ語、ポーランド語が対応しています。
当時の軍服、銃器、日曜日などたくさん展示がありました。私はあまり興味はないのですが、ミリタリー系に興味のある人には十分な展示だと思います。熱心に見ている人がたくさんいました。また外国からの訪問者も多かったです。
毎年、この作戦に参加した人たちを招いて、アーネムでは式典が行われています。
体調は良好です。

Living in the Amsterdam School展@アムステルダム市立美術館

2016-05-24 10:14:18 | Wblog:お出かけMuseum
先日アムステルダム市立美術館(Stedelijk Museum)で開催中(2016年8月28日まで)の「Living in the Amsterdam School」(アムステルダム派建築の中に住む)展を見に行ってきました。副題は、1910年から1930年のインテリアデザインです。
アムステルダム派の建築家は内部のインテリアなどもデザインしていました。またアムステルダム派建築に影響を受けたインテリアの他にもグラフィックなども展示されており、かなりボリュームのあるしっかりとした展覧会でした。
写真は、当時の時計を集めたコーナーです。
この時期のオランダの様式はかなりユニークです。まあ一種のアールデコです。Michel de Klerk、Piet Kramer、Hildo Kropなどが主なデザイナーです。
前世代のベルラーヘのような直線的な建物への反動か、アムステルダム派は装飾にこだわり、波型や丸みを多用します。ちょうど経済的にも余裕がある時期で、奇抜な建築物が作られます。そしてその後、またまたその反動か、バウハウスのような機能性を追求した一見シンプルな建築の時代がやってきます。
個人的にはアムステルダム派のインテリアは建築ほど好きではないです。
今回のインテリアなどに目を向けた展示は初めてとのこと、その意味で興味深いものでした。また、植民地だったインドネシアの影響についてのコーナーもあり、多角的でした。
体調は良好です。





「ブレイトネルの着物姿の少女たち」展@アムステルダム国立美術館

2016-05-15 11:20:06 | Wblog:お出かけMuseum
Breitner(ブレイトネル)の着物姿の少女をテーマにした14作品の展覧会が行なわれているのでアムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)へ見に行ってきました。
ブレイトネルはオランダの画家で、1893-96年の間に集中して、着物を着た少女の作品を制作しています。彼は写真家でもあり、関連した写真やデッサンなども展示されていました。
モデルになった少女はGeesje Kwakという名で、16歳から18歳の間にブレイトネルのモデルをしていました。あまり裕福な家庭ではなく、引っ越しを繰り返し、18歳の時に家族と南アフリカに移民します。しかし、その地で結核を患い、22歳で亡くなっています。
同じ着物を着た作品があり、ポーズや絨毯などの表現の違いで、印象が変わります。赤い着物、白い着物、青い着物の作品がそれぞれあり、また帯を見せるために背中を正面にした立ち姿の作品があります。この場合、壁に鏡があって、鏡に映る顔が描かれています。
ブレイトネルのことは知らなかったのですが、ヌードやアムステルダムの風景なども描いています。
着物の絵は、ジャポニズムの影響を受けた作品として有名だそうです。
体調は良好です。


マウリッツハウス美術館@デン・ハーグ

2016-04-30 15:20:44 | Wblog:お出かけMuseum
昨日、デン・ハーグにあるマウリッツハウス美術館へ行ってきました。
電車で行きました。デン・ハーグ中央駅から徒歩で10分くらいでした。
10時頃に駅に着き、そのまま美術館へ。すぐ上の階へ行き、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)』(写真)がある部屋へ。一階から見る人が多いためか、部屋の中にはまだ誰もいなくて、この有名な絵を独り占めで鑑賞できました。次の部屋へ行く頃には、だんだんと人が増えてきました。日本人もちらほらといて、ああゴールデンウィークだと思いました。
『真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)』は、少女の表情がいいですよね。あと青いターバンの色の爽やかなモダンな感じがすてきです。
隣りの部屋のカレル・ファブリティウスの『ゴシキヒワ』も今回見たかった作品。レンブラントの才能ある弟子だったファブリティウスだが、デルフトの大爆発で32歳で死去しており、作品の多くも失われ、現存するのは10作品程度という。その中の代表作がこれです。
その他、レンブラントの『テュルプ博士の解剖学講義』(1632年)や自画像、フェルメールの『デルフトの眺望』などをじっくりと鑑賞しました。
実はマウリッツハウス美術館は以前にも来たことがあり、今回はいくつかの重要な作品をもう一度見ることと、エントランスが新しくなり、新館ができたのでそれを見るのが目的でした。
新館は、特別展をやっており、マウリッツハウス美術館は展示スペースが狭いので、所有していても展示できない作品が多々あり、そのことについての展示でした。面白かったけれど、これのためにわざわざ足を運ぶような展示ではありません。
全部で二時間くらい美術館を楽しみました。
体調は良好です。




「DAVID BOWIE is」展@フローニンゲン美術館

2016-02-19 10:27:04 | Wblog:お出かけMuseum
「DAVID BOWIE is」展を見にオランダ北東部にあるフローニンゲン美術館(Groninger Museum)に行ってきました。
すごく人気の展覧会で当日券はほぼ売り切れなので、ウェブで前売り券を買いました。フローニンゲンは遠いので一泊することにして、何週間か前から計画を立てていました。
風邪はまだ治りきっていなくて体調はいまひとつだったんですが、行くことにしました。
1時から2時の間に入場する券だったので、お昼ころにフローニンゲンに着くように車で出かけました。
フローニンゲン美術館は駅の近くのわかりやすい場所にあります。
入口でヘッドフォンを受け取ります。展示の場所ごとに自然に音声が流れるので、自分で操作する必要はありません。英語だったり、オランダ語だったりで、山本寛斎のインタビューのところでは日本語が流れてきます。音声は一つだけで、言語を選ぶことはできません。
もちろん、デヴィッド・ボウイの曲もがんがん流れてきます。
展示は年代順で、実際に使用した楽器や衣装、資料などいろいろとても盛りだくさんで見応えがありました。すごく充実した展覧会です。
ただ人がとても多くてあまりゆっくり見られないのが残念でした。
様々なことに興味を持って、それを実にうまく取り入れて、自分独自の世界を作っていった人なんだなあと思いました。
ベルリン時代には絵を描いていたそうで、3枚ほど展示されていましたが、それがとても良かったです。一つは三島由紀夫の顔を描いたもので、当時ベッドの上の壁に掛けていたそうです。大きな絵で、強調した筆遣いの作風が、マルレーネ・デュマスの絵と少し似ているように思いました。あとの二つは、イギー・ポップを描いたものでした。
この展覧会はボウイの公認のもので、世界各地を回っていて、今はオランダでやっています。4月10日までなので、興味がある方は是非行かれるとよいと思います。
全部見て、お茶をして3時間強くらいかかりました。
あと、Joris Laarmanの展覧会もやっていたので、見ました。最新のテクノロジーを使ったモニュメントや椅子などの展示で面白かったです。
あまり休憩できる椅子などがなかったので、ずっと立ちっぱなしでとっても疲れました。
が、なんとか見たいものがみれてよかったです。

「ブリューゲルの魔女」展@Museum Catharijneconvent(Utrecht)

2015-12-13 18:58:47 | Wblog:お出かけMuseum
「De heksen van Bruegel(ブリューゲルの魔女)」展を見にユトレヒトのMuseum Catharijneconventに行ってきました。
このミュージアムは、修道院の中にあり、キリスト教の宗教美術品を主に展示しているのですが、歴史が古いユトレヒトだけにかなり貴重なものも多いようです。
以前に一度来たことがあるので、今回は特別展の「De heksen van Bruegel(ブリューゲルの魔女)」だけを見ました。
16世紀の半ば頃に、冷夏で作物も実らず、嵐に見舞われ、また異常なほど寒い冬が何年か続いたことがありました。この災いの元は魔女にあると、魔女を糾弾しスケープゴートにしようという気運が高まりました。これに目を付けたアントワープの出版業者が、魔女が災いをもたらしているさまを描いた絵をブリューゲルに注文しました。そして、描かれた絵には、魔女の4つのアイテム、ほうき、魔法の薬を煮て作る鍋、大きな火、黒猫があり、そのあともこれらが魔女の重要アイテムとなりました。
絵と書きましたが、白黒のかわら版のような絵で、これが版画のように印刷されて出まわったようです。
魔女狩りは1450年頃からヨーロッパに各地であったようですが、ドイツでは万単位の女性が殺されたそうです。オランダはそれほどではなく、何百人かの女性が魔女として殺されました。
ビューゲルと言えば、風景の中に人々の姿を小さくたくさん描いた絵の印象が強いですが、この展覧会で見た絵は、ヒエロニムス・ボスの絵のように、奇妙な生物がたくさんいて、異様でした。
この展覧会は2016年1月31日までです。
体調は良好です。

Witte de With現代美術館@ロッテルダム

2015-12-06 14:46:26 | Wblog:お出かけMuseum
ダグラス・クープランドの展覧会を見に、「Witte de With現代美術館」に行ってきました。
ダグラス・クープランドは、『ジェネレーションX』など90年代に小説家として有名でしたが、最近は美術家として作品を作ったり、現代アートの収集などもしています。今回、「Bit Rot」という題での展覧会でした。
ポップな色遣いと、コマーシャルなシンボルやキャラクターを使う作品など、いろいろありました。いちばんおもしろかったのは、10㎝くらいの低い板で囲まれた5m×6mくらいの枠の中で、10台くらいのルンバの上に石膏で作られたいろいろな像が乗っていて、それらが動き回り、ぶつかっては音をたてたりするもので、中にはピンポン玉やサッカーボールなども転がっていて、始終、様相が変わって、おもしろかったです。
こういう作品が、駅の広い待ち合わせ場所の前や、ショッピングモールのホールなどにあれば時間つぶしに見れて、おもしろいだろうと思いました。
ダグラス・クープランドの展覧会は、この美術館の建物の3階と4階部分で、他にも現代アートの展示がいろいろありました。
写真は、二つの枠が自動で上がって来て、その枠内がシャボン玉の表面のような膜で覆われて、自然な虹のような色合いが動いている様を見て楽しむもので、何分かすると、ぱっと膜がはじけてなくなります。そして、枠は下がっていき、石鹸水のような液体の中に沈み、また上がってくると膜ができているというものです。枠が二つあることで、膜と光の反射にバラエティが出て、すごく良い効果が出ていました。
とてもすてきでした。
この美術館、存在をずっと知らずにいました。外見からは普通の建物に見えてしまいます。お昼前に行ったからか、人もほとんどおらず、ゆっくりと楽しめました。
体調は良好です。