Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

本「Stalker」

2015-01-31 11:03:15 | Book
ラーシュ・ケプレル(Lars Kepler)著「Stalker」を読了。
ヨーナ・リンナが活躍するスウェーデンのミステリー小説シリーズ第5弾。ずっとオランダ語版を第1弾から「Hypnose(邦題「催眠」)」「Contract(邦題「契約」)」「Getuige」「Slaap」と読んでいて、最初の2作はとても良くて、このシリーズにはまりました。
著者のラーシュ・ケプレルはペンネームで実際には夫婦が二人で共同執筆しています。
第5弾の「Stalker(ストーカー)」は半分以上の物語の主役が、これまでも重要な役割を担ってきたカロリンスカ医科大学の精神科医エリック・マリア・バルクです。もちろんヨーナ刑事も活躍します。
はっきり言って、この第5弾は駄作です。これといったサブストーリーの深みがなく、シリーズの他の作品では歴史上の事実に基づいた興味深いエピソードなどが絡んでくるのですが、そういうのが一切なく、あまりおもしろくありませんでした。
犯人もだいたい見当がつき、ノルウェイの刑事ハリー・ホーレのシリーズ「The Snowman」と同じかと思ったのですが、少し違いました。
物語の時期がこれまで冬が多かったのですが、今回は夏に始まります。そこが少し印象が違い、よかったです。
シリーズで読んでいるので、また第6弾がでたら読むと思いますが、クオリティを下げずにシリーズを続けてほしいです。
体調は良好です。


映画「Labour of Love」@ロッテルダム国際映画祭2015

2015-01-30 09:43:19 | Movie
今年のロッテルダム国際映画祭で見た二本目の映画は「Labour of Love」でした。
インドのカルカッタを舞台にしたインド映画で、監督はAditya Vikram Sengupta。会場に来ており、上映前に挨拶をしていました。彼の妻がプロデューサーで、彼女も来場していました。「お金を貯めて、貯まったら、少し撮影して、また貯めて、撮影してという繰り返しでした」と語っていました。
この映画、「景気後退により、失業率が上昇している」などのニュースを読む声が少し流れるだけで、そのほかの台詞がまったくありません。それゆえ、映像に集中して見ることができ、またその映像がじっくりと見る鑑賞にたえるものなのです。
最初は、女性が路地を歩く後ろ姿からはじまります。美しいインドの衣装をまとった女性で、見ていくうちに、どこかへ急いでいることがわかります。トラムに乗り、バスに乗り、インドの雑踏の雰囲気が伝わってきます。そして、始業のベルとともに会社に着きます。
そして、男性はアパートメントでコーヒーカップを飲みほし、それを水でゆすぎ、そばに置きます。服を脱ぎ、洗い場へ行き、体を洗い、洗濯をし、洗濯ものを外に干す。そういう日常のものごとを時系列順に、女性側と男性側のシーンを交互に進んでいきます。
日々の、日本でもふつうに行われることですが、やはりインドという文化の違うところなので、ディテールが異なり、とても目を楽しませます。ベランダの模様だとか、衣服の形、食べ物などなど。
音楽もインドの音楽が効果的にさりげねく使われており、天井についている扇風機の音が、まとわりつくような暑さを実感させます。
最後には、感動のシーンがあります。
映画だなあーという映画です。とても楽しめ、感銘も受けました。
こういう愛の形もあるのだなあ、こういう生活もあるのだなあと思いました。
おすすめの映画です。今回見た3本の中ではいちばんよかったです。
体調は良好です。


映画「Timbuktu」@ロッテルダム国際映画祭2015

2015-01-28 08:33:33 | Movie
今年のロッテルダム国際映画祭で見た二本目の映画は「Timbuktu」でした。Timbuktu(トンブクトゥ)はアフリカのマリ共和国にある都市の名です。砂漠の真ん中にある町で、古くは栄えた町だそうで、私は知らなかったのですが、名前を聞けばアフリカの砂漠の町の名だとピンとくる人も多いようです。
モーリタニア出身のアブデラマン・シサコ監督の作品で、イスラム過激派に支配された砂漠の町で侵攻しつつある静かな恐怖が描かれています。民族音楽が要所に使われ、砂漠の町の雰囲気がとても感じられます。
武器をもった支配グループは、住民たちに、音楽を禁じ、女性にはスカーフ、手袋の着用を強制し、よそからやってきた支配グループのメンバーは地元の美しい女性を気に入り、彼女やその家族の意思に反し、無理やり結婚させたりします。
むち打ち刑や石を頭に投げて行う処刑など、残虐な行為も見せています。
支配グループのリーダー的人物はリビアからきており、地元の言葉はしゃべれません。タバコを吸うのは禁忌であるのに、リーダーは隠れて吸ったりしています。
イスラムの名のもとに、理不尽なことが進められており、住民たちはときには口答えしたり、密かに音楽を楽しんだりしていますが、武器をもった支配グループには太刀打ちできるはずもありません。静かに、恐怖の支配が進んでいきます。
その地域が逃避しようとする人もいるのでしょうが、やはりずっとその土地で暮らしてきた人々ですから、貧しく厳しい砂漠の土地ながら、その美しい寂寞とした風景に愛着を感じ、恐怖をかかえながらもそこで暮らし続けることをひとつの抵抗として示している内面の意志を感じます。
ストーリー的には細かなことで、ちょっと疑問というか、どうしてと思うところもあるのですが、すごく町で起こっていることの恐怖とやるせなさが画面から溢れていて、とてもよかったです。
体調は良好です。




映画「三泊四日、五時の鐘」@ロッテルダム国際映画祭2015

2015-01-26 11:26:14 | Movie
今年もロッテルダム国際映画祭の時期がやってきました。
今回は月曜日の午後から夜にかけて、3本の映画を見ることにしました。
まず最初の映画が、日本映画の「三泊四日、五時の鐘」です。こちらでは、「Chigasaki Story」というタイトルでした。
茅ケ崎の歴史のある旅館に夏のアルバイトとして勤める大学生のトモハル。彼の考古学ゼミの友人たちがこの旅館にゼミ合宿で訪れます。同じ時期に、この旅館のオーナーの娘で最近結婚したリサが勤めていた会社の同僚二人マキとカリンがリサの結婚パーティのためにこの旅館を訪れ滞在します。大学生の若者たちと引率の先生、20代だと思われる同僚二人が繰り広げる人間模様を茅ケ崎の海岸沿いの風景を背景に撮ったエンターテインメント映画です。
監督は日本映画大学4年生の三澤拓哉。エグゼクティブプロデューサーが杉野希妃で、マキ役でも出演しています。
杉野希妃といえば去年もこのロッテルダム国際映画祭で彼女がプロデューサーとしてかかわり出演もしていた映画「Au Revoir L'été(ほとりの朔子)」を見ました。このときは彼女がロッテルダムに来ていて、映画上映前に挨拶もしていました。
映画自体ですが、大学生ぐらいの年齢の人が見るには共感できて楽しく見れるのでしょうが、私にはなんかものたりなかったです。
日本国内をターゲットとした映画だから当然なんでしょうが、音楽がなんか安っぽくて、いまひとつでした。最初のシーンでかかるちょっとコミカルなありふれた曲も、日本映画ではときどきこういう曲を流して、シーンのコミカルさというか、コメディータッチな感じを強調するのをよく目にしますが、日本の映像にそぐわなくて、何でこの曲?と思います。タイトルの「5時の鐘」とあるように映画で突然「夕焼け小焼け」が流れるシーンが3回ほどあります。海に近い町などでは夕方の五時に町内放送の形でこの手の音楽を町全体に流すことを知っている日本人にとっては、シーンの意味が理解できますが、外国人には???でしょう。
若者たちとOLとのよくある人間模様、典型的人物像はよく描かれていて、娯楽として楽しめるけれど、感心するとか感動するとかいった類の作品ではありません。私が他に見た2作品がテーマ性のある作品だったせいか、この映画の訴えたいことなどを考えると何だったのかと思います。
まあ、ときには笑い声などを起こり、観客、特に若い観客が楽しんでいたようです。
前回の「Au Revoir L'été(ほとりの朔子)」にも大学の先生が登場しますが、この映画でも大学の先生がよく似た役回りで出てきて、なんか安易に感じました。
まだ若い監督だし、きっと同世代のパブリックにはもっと受けがいいだろうと思います。
最初のほうのマキとカリンのダイアローグはテンポがよくて、楽しめました。
この日は小雨が降るあいにくの天候でした。去年も雨模様だった記憶があります。気温は最高気温が8度と高めでした。ロッテルダムのいくつかの映画館で開催されているイベントなので、映画館から映画館へ移動しなくてはいけないので、天気が悪かったりひどく寒いとちょっとたいへんです。
体調は良好です。


Restaurant:Taj Mahal@ユトレヒト

2015-01-25 09:52:38 | Restaurant/Cafe
先週の日曜日の午後のクラシックコンサートを楽しんだ後、夕食のためにインド料理のTaj Mahalを訪れました。以前にも行ったことがあります。
午後6時開店のレストランが多いなか、毎日午後5時から開いているので便利なレストランです。
「Taj Mahalメニュー」を注文。これは二人分のセットメニューです。
まずは突き出しのように、薄く焼いたパリパリのクレープのようなものが出てきます。ちょっと塩気があり、甘いソースやココナッツ風味のソースなどを付けていただきます。ビールに合うようなお味です。
そして、サモサとオニオンバジです。どちらも揚げたてでアツアツです。
メインはもちろんカレー。三種類のカレー(写真)にライス、ナン、サラダ、ミックスグリルです。ミックスグリルのタンドリーチキンがとても美味しかったです。ボリュームは二人では多いくらいでした。
デザートは、ライスケーキかピスタッチオとココナッツのアイスクリームかを選べます。私はアイスの方にしました。なんかもっちりしている食感が小豆アイスのようでした。
店内は7時頃には満員のようでした。
カジュアルにインド料理を楽しみたいときにはおすすめです。
体調は良好です。


Restaurant:Hard Rock Cafe@アムステルダム

2015-01-23 07:50:17 | Restaurant/Cafe
クラフトワークをParadisoに見に行った日、まずアムステルダムのライチェ広場周辺で夕食を食べることにしました。
実はWAGAMAMAに行く予定だったのですが、あいにく休業中で、向いにあるHard Rock Cafeへ行きました。
日本にも何店舗かあって一度行ってみたかったのですが、行けずにいました。
ノリのよい店員さんたちがいて、店内にはもちろんハードロックが流れていますが、音量は話ができる程度に控えられていて、ガンガンかかっているという感じではありません。
私はクラシックバーガー(写真)を注文しました。6オンスの小ぶりなサイズのバーガーです。通常サイズは私には巨大だったので、これでちょうどよくお腹いっぱいになりました。バーガーの焼き具合を聞かれます。ウェルダンでしっかり焼いてもらうことにしました。
出来上がるまでにけっこう待ちます。待っただけあるとても美味しいバーガーでした。ポテトもほくほくで味付けがしてあって、美味しかったです。ケチャップとマスタードの瓶が添えられ、自分で好きなだけ味を足すことができます。
ファーストフードほど早くはなく、だいたいこの食事をするのに1時間強くらいかかりました。
6時前に入店しましたが、6時半頃には満員近くになっていました。観光客のような外国からの人も多そうでした
接客はテキパキしていて気持ちよかったです。
早く食事を済ませたいときにはまた来てもいいなあと思いました。
体調は良好です。今、外は小雪が舞っています。

本「苦海浄土」

2015-01-21 09:32:52 | Book
石牟礼道子著「苦海浄土」を読了。
1969年の作品ですが、2004年に発行された講談社文庫の新装版で読みました。
「わが水俣病」という副題がついているとおり、水俣病を扱った作品です。
水俣の近くで詩歌を詠む文学好きの主婦だった著者が、地元で起こったこの悲惨な病に衝撃を受け、近くで見て、話を聞き、独自の文学にまとめあげたものです。ノンフィクションといえば事実に沿って書かれておりノンフィクションですが、病気になった人が心のうちを吐露する場面は作者の心も耳で聞いた部分があるようです。そのことについては「解説 石牟礼道子の世界」という文章がこの文庫には収められており、作者が方言を駆使して、水俣病患者たちの海や漁業に対する愛情を表現し、それを無残に毒の海に変えてしまった大企業そして産業社会の大きな論理を告発しています。この本が「聞き書き」のルポルタージュだと思われているようだが、そうではないということも、この文章の中に書かれていました。
水俣病については、映像のドキュメンタリーや写真などで見たことがありましたが、その凄まじい病の悲惨さについては、この本でより明らかに心に響きました。作者が病によってものが言えぬ患者のことばを文学的手法で再現しているのです。
作者の文学的言い回しが、ときおり私には読み辛いこともありましたが、絡みつくような文章が魂の叫びというか、囚われたくないものに囚われてしまった身動きのできない凪のような雰囲気を感じさせ、この本の独自さを増しているように思います。
大企業のチッソが君臨し、以前はこの会社が自慢でもあった小さな地方の町で、奇病が発生し、原因は海の魚介類だということが明白なのに、原因究明はなかなかすすまず、熊大が原因を有機水銀と発表した後も、汚染元のチッソは理由をつけて有機水銀を垂れ流し、政府の対応も遅れ、賠償も何もよくわからない初期にこれ以上は補償を要求しませんという文句がついた証文に捺印するのを条件に死亡の場合大人10万円、子ども3万円という少額で手を打たされ、胎児性水俣病についても異常な数の脳性まひ的症状をもつ子どもがこの地域で生まれているのに、その子どもの一人が亡くなって解剖で水銀が検出されるまで水俣病とは認められず何も補償はなく、病気なった人々そして家族がどんなに貧しく、肩身の狭い思いをして過ごさなければならなかったのか、こういうことが全体的に読んでわかるのはやはりこういう本でなくてはだめだなあと思いました。映像や写真で訴えられるものもあるけれど、文章でなくては伝わらないものもあるのです。
大企業の論理、利益優先の論理、政府の対応の悪さ、取り残され苦しむ個人という構図は、前世紀から繰り返されています。
「苦海浄土」には第二部「神々の村」、第三部「天の魚」があります。これらが手軽に手に入るように文庫化してほしいです。
体調は良好です。オランダは氷点下前後の気温で外は寒いです。

クラシックコンサート:Anna Fedorova&NPO@TivoliVredenburg

2015-01-18 10:38:28 | Concert
日曜日、ユトレヒトのTivoliVredenburgの大ホールにクラシックコンサートを聴きに行ってきました。
Anna Fedorova(アンナ・フェドロヴァ)は、最近オランダで売り出し中のウクライナ出身の若手女性ピアニストです。いくつものコンクールで優勝しており、かなりのテクニシャンです。彼女がラフマニノフの第2番を弾くというので、聞いてみたいなあと思いました。
オーケストラは、Nederlands Philharmonisch Orkest(ネーデルラント・フィルハーモニー管弦楽団)で、アムステルダムのオーケストラです。
指揮はAndrew Gramsでした。バイオリニスト出身の指揮者で、指揮中にバイオリンを弾くような仕草で指示を出している場面がありました。
プログラムは、
Stravinsky Circus Polka, voor een Jonge Olifant
Rachmaninov Pianoconcert nr. 2
Tsjaikovski Symfonie nr. 3
でした。
最初のストラビンスキーは、四分ほどの短い曲で、誰でも聞いたことがある曲だと思いますが、ストラビンスキーの作品だとは知りませんでした。サーカスの若い象のために書いた曲です。
アンナ・フェドロヴァのラフマニノフですが、途中で右手の親指の爪にケガをしたそうで、それを気にしている様子がありました。それなりによかったのですが、以前に聞いたルガンスキーやガヴリリュクに比べるとなんかきれいにまとまりすぎている感じがしました。アンコールで、ブラームスのインテルメッツォ2番を弾いてくれました。こちらは情感がこもっていてとても美しい響きでした。
チャイコフスキーの3番は最後のフィナーレががつんときて、祝祭的でよかったです。
このコンサートは午後の三時からで五時過ぎに終わりました。2時15分から解説があって、それも聞きました。チャイコフスキーの交響曲第3番は副題に「ポーランド」という名がついているが、これは政治的につけられた名で、実際にはポーランドとは関係ないとのことでした。
この日曜午後のコンサートは、コンサート前にショッピング、コンサート後は夕食にちょうどいい時間で、ユトレヒトで良い時間を過ごせるのでおすすめです。
体調は良好です。


Kraftwerk@Paradiso(アムステルダム)

2015-01-16 08:58:01 | Concert
クラフトワーク(Kraftwerk)のコンサートに行ってきました。
8日間あるコンサートの初日でした。それぞれのコンサートにアルバムのタイトルがついており、そのアルバムを全曲演奏するというコンセプトです。初日は、もちろん初アルバムの「Autobahn(アウトバーン)」です。
開場は6時半で、7時過ぎごろにParadisoに行きました。チケットには名前が印刷してあり、本人確認のために身分証明書のチェックがあります。
早めに行ったつもりでしたが、2階、3階の数少ない椅子席はすべて埋まっており、3階の正面の端のほうで立ってみることになりました。
3Dの映像とともに楽しめる趣向で、入場のときに3D用のメガネをもらいました。
8時半きっちりに演奏が始まり、最初の曲「Autobahn(アウトバーン)」で、すぐに懐かしいテクノな音の世界へタイムスリップしました。映像は高速道路を走るレトロな自動車でした。ラジオが映り、ラジオのノイズが聞こえ、ラジオから曲が聞こえてくるという音の変化が映像とともに楽しめました。
長いこの曲のあと、アルバムからの曲をやって、その後はベストヒットをどんどんやってくれました。
ヒット曲「放射能(Radioactivity)」では「日本も放射能 フクシマ 放射能 空気 水 今すぐやめろ」などと日本語が大きく映し出され、日本語の歌詞で歌っていて、びっくりしました。ここ何年かはこのバーションをやっているそうですね。
「Trans-Europe Express」、「The Man Machine」、「Computer World」、「Tour de France」などヒット曲が次々に演奏され、それぞれに合った映像が流れ、よかったです。
観客からは掛け声や口笛などが要所要所で入り、雰囲気はとてもよかったです。しかし踊っている人はほとんどいなかったです。私は懐かしい曲が流れると何曲か体が自然に動いてしまいました。久しぶりに気持ちよかったです。
若い頃によくクラフトワークを聞いていたので、そのころと同じシンセの音に恍惚としました。
観客の年齢層は高く、白髪の人も目だちました。私は若いほうでした。
オランダでは同時代に楽しんだ人はもう60代かもしれません。私はYMOを知ってそのあとで、クラフトワークを聞き始めたのでリアルタイムではないです。
アンコールの一回目はロボットで、クラフトワークの人形が4体出てきました。面白かったです。
二回目は、本人たちが再登場して、テクノポップを演奏してくれました。最後には一人ずつ演奏を披露して、お辞儀をして、舞台から消えていきました。
いちばん最後にリーダーのラルフ・ヒュッターがオランダ語で「Tot morgen(また明日)」と言って去っていきました。
私はこの一日だけですが、8日間すべて行く人もいるようです。
1日を除いてすべてもう売り切れています。
人生でクラフトワークを生で見ることはないだろうと思っていたのに、見れてうれしいです。
私にとって耳になじむ良い音とリズムで、たいへん楽しめました。
体調は良好です。


本「神の守り人」

2015-01-13 08:52:38 | Book
上橋菜穂子著「神の守り人」(上)来訪編(下)帰還編を2冊続けて読了。
短槍の達人バルサが活躍するファンタジー小説の第五弾、第六弾です。今回は主人公のバルサとその友人の呪術師タンダが活躍します。
また先住民族と支配民族、支配民族によって書かれた歴史、言い伝えが絡む物語です。
抑圧されている民族タルのまだ幼い少女アスラに窮地になったとき「助けて。悪い人たちを殺して」と強く思うことで周りの人々を殺戮してしまう能力が宿ります。アスラには少し年上の兄チキサがいて、彼は妹を守って逃亡の旅にでます。
ここで思い出したのが、アメリカ大人気だったTVドラマシリーズ「HEROS(ヒーローズ)」に登場するアレハンドロとマヤの兄妹。年齢は少し上ながらも、妹のマヤに念じることでおこる殺戮能力が宿り、二人でメキシコから逃亡します。妹が無垢に描かれ、兄はとても妹思いで、妹にその力は使わないでほしいと嘆願するところや、妹自身は殺戮時にはコントロールがきかないことなどよく似ています。
本の最後には児玉清さんの解説があり、「実は、僕がSF物やファンタジー物といわれる物語が余り好きでなかったのもこの点にあった。リアリティが無いと物語に喰いついていけなくなってしまうのだ。」とあり、私も同じだったなあと思いだしました。SFやファンタジーはほとんど読んだことがなく、避けていたのですが、上橋菜穂子にははまってしまったのです。
児玉さんも最初に読んだのは『獣の奏者』だそうで、数ページ読み進めるうちに物語にのめり込んでしまったそうです。これも私も同じで、きっかけは『獣の奏者』でした。『獣の奏者』のほうが作者の最近のシリーズなので、もっと洗練されているような気がします。まずは一冊と思う人は、『獣の奏者』をおすすめします。
体調は良好です。