Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

クラシックコンサート:シュトゥットガルト室内管弦楽団@コンセルトヘバウ(アムステルダム)

2015-04-24 08:56:45 | Concert
この前の日曜日、11時からはじまる日曜午前のコンサートを聞きに、アムステルダムのコンセルトヘバウへ。
このコンサートは休憩がない1時間ちょっとのコンサートでお昼過ぎに終わり、ランチをゆっくり食べて、午後はアムステルダムを楽しむのにちょうどよいのです。
今回は左手のバルコニー席です。上からだと視界と音の感じがやはり、1階席とはちがいます。
プログラムは、
C.Ph.E. Bach - Symfonie in Bes, Wq. 182/2 'Hamburger'
J. Haydn - Celloconcert in D, Hob. VIIb: 2
J. Haydn - Symfonie nr. 47 in G
でした。
オーケストラはシュトゥットガルト室内管弦楽団、指揮はMatthias Foremny、ソロのチェリストはQuirine Viersenでした。
ハイドンのチェロ協奏曲を弾くオランダのチェリストQuirine Viersenがお目当てで買ったチケットでした。Quirine Viersenは鮮やかな青のシンプルなドレスで、背が高く見えました。演奏はよかったけれど、ハイドンはあまり私の好みじゃないなあと思いました。
ハイドンの交響曲(No.47)の第三楽章に回文と同じように、前からも後ろからも同じようになる旋律があるとパンフレットに書いてあったので、気を付けて聞いてみましたが、あまりよくわかりませんでした。
ホール内には陽光が射しこみ、明るく、なんか楽しく軽やかな気持ちになるコンサートでした。
体調は良好です。


後期レンブラント展@アムステルダム国立美術館

2015-04-19 20:05:36 | Wblog:お出かけMuseum
後期レンブラント展(Late Rembrandt)」を見にアムステルダム国立美術館へ行ってきました。
特別展で、時間が決まったチケットをまずは購入しておかなくてはいけませんでした。時間は日曜の午後3時から5時。
3時前に行くと入場口に列ができており、並んでいるとスムーズに入ることができました。
中は、たくさんの人で、ゆっくり見れる雰囲気じゃありませんでした。
解説の小さなパンフレット本が自由にもらえ、その中にそれぞれの絵の横についている説明と同じものがすべて載っていたので、それを読みながら絵を見てまわりました。大きな絵は一応ちゃんと見ましたが、エッチングなどの小さなものは、人混みに負けて、ほとんどパスしました。
いちばんの見どころは、レンブラントの自画像で、最初に入ったところに3点、後の方で1点があったと思います。レンブラントってこんな人だったんだなというのがはっきりとわかります。またやはり、光の当たっている部分とそうでない部分の強弱の付け方、絵具の盛り方、また筆だけでなくナイフを使っての創作などその時代において実験的な技術も使っています。後期の作品群で、終わりのほうの一点では、顔はしっかり描いているけれど、服や手は曖昧に色が置かれているだけのようなちょっとモダンな感じのする作品もありました。
全部で100点くらいあり、私は1時間くらいで見てまわりましたが、しっかり全部見るなら、1時間半、2時間くらいかかるかと思います。
なにせ、人が多いのが難点でした。平日ならもっとすいているのかもしれません。
開催は、5月27日までです。
体調は良好です。




Restaurant:De Nederlanden@Vreeland aan de Vecht (オランダ)

2015-04-17 07:37:06 | Restaurant/Cafe
この日は記念日だったので、レストラン「De Nederlanden」へ行ってきました。
アムステルダムとユトレヒトのあいだ、ヒルバーサムも近くにあり、ミシュランスター1つ星のレストランが3軒ほど集中してある地区にあります。
以前は近くの「't Amsterdammatje」がお気に入りでよく行っていたのですが、ウェブサイトのメニューが去年の6月から変わっておらず、足が遠のいています。「Tante Koosje」という選択もあったのですが、この3つの中ではオランダレストランのランキングで上位の「De Nederlanden」に今回はしました。
以前に一度行ったことがあり、その印象も良かったので。
さて、いろいろメニューはありますが、あまりたくさんは食べれないので、4コースメニューを注文。いつも通り夫はワインアレンジメントも。
まずはアミューズ。一口サイズのものが、4種類。ミニ寿司という名の、ほんとにミニチュアの寿司のような見た目のものがかわいくて、味も愉快でよかったです。
このあと、パンとバター、塩が出てきます。パンはとても美味しい独特のものでした。
そして、またアミューズ。ウニ風味のソースの中にサーモンが少し入っています。ウニの殻に入っており、一口サイズですが、ウニの味がして美味しかったです。こういう家では絶対に食べられないものが食べられるのがレストランの良いところです。
前菜1は、鯖で、とても軽くスモークしてあったと思いますが、ほとんど生の食感。リンゴのシャーベット、赤カブ、アンチョビなどとのコンビネーションでいろいろ楽しめ、とても美味しかったです。
前菜2は、鯛の切り身のグリルで、焼き具合はパーフェクト。ロブスターの身も少し入っていて、イカスミのソースとで味がとってもリッチ。トマトのコンポートの酸味もアクセントになってて良かったです。
メインは、ビーフの肩肉。写真のように二切れで、少し脂が入っていて、私の口によく合うお味。シャーロット、レンズ豆、シェリー酒と肉汁との美味しいソースがかかっています。今が出始めのホワイトアスパラやグリーンビーンズの彩りもよく、いつもはメインがお腹に重く、難儀する私ですが、楽しんで食べることができました。
このメインにはもう一皿ついていて、同じお肉からのタルタルが出てきました。一口サイズですが、爽やかでよかったです。
このあと、デザート。レモンやゆずの味が聞いたクリームとパンナコッタ、ヨーグルトで、グレープフルーツも入っていました。お肉がどちらかというと濃い味だったので、このデザートでさっぱりした感じでした。
私はボリュームがあって甘ったるいデザートが苦手だったので、このデザートが気に入りました。でも、甘いもの好きの人にはちょっともの足りないんじゃとお思っていたら、実はもう一品きました。
スフレです。暖かいスフレが来て、シェフの人がやってきて、アイスクリームをひと匙、その上に乗せてくれます。このスフレ、中がとろけていて、カスタードの味が口のなかに広がり、絶品です。そういえば、以前に来たときも食べた覚えがあります。このレストランの自慢の一品なのでしょう。
金曜の夜で、レストランはほぼ満員。予約は必須でしょう。
ホテルでもあるので、宿泊客か英語を話すお客もちらほら。テーブルは広く、ゆっくりと食事が楽しめます。
給仕もとても気持ちよく、また来たいなと思いました。
体調は良好です。

Cafe:Extrablatt@アーヘン(ドイツ)

2015-04-16 08:13:32 | Restaurant/Cafe
ドイツのアーヘンへ行ったときに軽い食事をしたのが、「Extrablatt」でした。
Rathausがある広場に面しているカフェです。
チェーン店で、ドイツ国内に数店舗あるようです。
サンドイッチ類、ハンバーガー、シュニッツェル、ピザなどいろいろなメニューがありました。
私は、アメリカンピタ(写真)を注文。BBQソース付のチキンが中に入ったピタで、付け合わせの太めのポテトフライがほくほくでとても美味しかったです。
夫は、ハンバーガーを注文していましたが、大きなサイズで満足したそうです。
まあふつうのカフェですが、ちょっとジャンクに簡単に食事をしたいときには良さそうです。
もっと良いお店もあるんでしょうけど、あらかじめ調べていなかったので、行き当たりばったりでした。
体調は良好です。


クラシックコンサート:アルバン・ベルク、マーラー@Eurograss(アーヘン)

2015-04-15 22:33:56 | Concert
ドイツのアーヘンへクラシックコンサートを聴きに行ってきました。
場所はEurograss(写真)というホール。新しめのホールで、内部はあまりデザイン的にどうというわけでもない、ふつうな感じでした。舞台が低く、見やすかったです。
オーケストラは、Sinfonieorchester Aachen(アーヘン交響楽団)で、指揮はKazem Abdullah、バイオリンはMichael Barenboimでした。
プログラムは、
Alban Berg バイオリン協奏曲
Gustav Mahler 交響曲第一番「Titan」
でした。
本当は、Midori(五嶋みどり)のシューマンのバイオリン協奏曲を聞くために買ったチケットですが、キャンセルになり、別のバイオリニストの別のバイオリン協奏曲となりました。残念。
さて、Alban Berg(アルバン・ベルク)のバイオリン協奏曲、はじめて聞きました。アルバン・ベルクは1935年に50歳で亡くなっているのですが、その最後の曲だそうです。シェーンベルクを先生と仰いでいたそうですから、現代的な感じのする曲でした。
Michael Barenboimは、30歳くらいの小柄なバイオリストでした。堂々たる演奏でした。
指揮のKazem Abdullahは、米国出身で、私がはじめて見た黒人の指揮者でした。柔らかい動作の指揮でした
マーラーの交響曲第一番、よく聞きなれた曲なので、じっくりと楽しめました。
このコンサート、開始が6時で、終わったのが8時すぎでした。オランダに比べると、時間帯が早いです。オランダだと、8時開始がふつうですから。
体調は良好です。

アーヘン日帰り旅行@ドイツ

2015-04-12 09:36:18 | 旅行(ドイツ)
ドイツのアーヘン(Aachen)という町へ行ってきました。
オランダのマーストリヒト近くの町で、車で2時間半くらいでした。
この町で五嶋みどりさんがシューマンのバイオリン協奏曲を弾く演奏会があったので行ってみようということになりました。
アーヘンに行くのは初めてでした。
早めのランチを家で済ませてから出発。夫の車で行く予定だったんですが、車に乗ろうと思ったら、タイヤがパンクしていることが発覚。急きょ、私の小さな車で行くことになりました。ナビにアーヘンの駐車場の住所を入力しようとしたら、なんと私の車のナビにはドイツの地図がインストールされていないことが発覚。夫のナビを取りに行って、住所を入力しましたが、小さな車にはそのナビをうまく取り付けることができず、助手席で私が手にもって見ることになりました。
そんなドタバタの出発でしたが、往路はスムーズに行き、劇場近くの駐車場に無事駐車しました。
まずは大聖堂だよね、ということで、見えている尖塔の方角へ歩いて、アーヘン大聖堂へ。
アーヘン大聖堂は、8世紀末頃から建てられたもので、時代ごとに少しずつ増築され、いろいろな様式の建物がくっついている形です。カール大帝が埋葬された場所としても有名で、神聖ローマ帝国の王たちの戴冠式が行われたところでもあります。世界遺産になっています。
中は、これまでオランダの教会では見たことがないような豪華さで、モザイクで模様が描かれ、その青の色の美しいのが印象に残りました。そして、ステンドグラスも特徴があり、とても美しいので、この教会を見るだけにもアーヘンを訪れる価値はあると思いました。
その後、市庁舎(Rathaus)へ行きました。こちらも大きな建物で、広場に面しています。
時間があったので、市庁舎の中を見学。一時期には、この市庁舎と大聖堂が通路などでつながっており、大聖堂で戴冠式があった後、この市庁舎のいちばん上の階にある大広間で晩餐会が行われていました。この大広間にはカール大帝を主人公にした大きなフレスコ画がいくつもあります。
この市庁舎の上のほうの階からの大聖堂の眺めが最高です。昔の皇帝たちが眺めていた景色なんだだろうなと思いました。
4時ころになったので、広場に面したカフェで軽く夕食をとり、5時過ぎにカフェをあとにして、コンサート会場へ。アーヘンの劇場(TheaterAachen)は白い古い劇場風の建物で赤い旗が何本か立っていて、つい写真をとりたくなるものでした。正面玄関のドアを開けようとしたら、開けることができません。あれっと思って、違うところに入口があるのかなと、劇場の周りをくるりと一周しましたが、入口はありませんでした。プリントアウトしたチケットをよくよく見て見ると、TheaterAachenのマークはあるのですが、その脇のほうにEurogressという文字と住所が…。このEurogressというのが、コンサート会場だろうということで、そちらに移動しなくてはとなりました。このとき、5時半で、開演は6時だったので、30分しかありません。携帯のGooglemapで調べようとしたのですがうまくいかず、人に聞いたりしながら、急いでなんとかかなり町はずれにあるEurogressに到着。開演10分前でした。ほんと冷や汗をかきました。花がいっぱい咲いている公園に面しており、時間があればゆっくり散歩したいような場所にありました。
バイオリニストがよく見える席に座り、さてお目当ての五嶋みどりのシューマンのバイオリン協奏曲をと思いました。家で何度も聞いて予習していたので、最初の印象的な出だしを頭に浮かべながら待ちました。最初にオーケストラの人たちが登場し、その後、指揮者とバイオリニストが登場。と思ったら、バイオリニストは小柄の男性でした。「えっ」と夫と顔を見合わせました。曲が始まりましたが、それはシューマンとまったく違うプロコイエフか何かのような聞いたこともないモダンなバイオリン協奏曲でした。狐につままれたような気分で聞いて、休憩時にロビーでプログラムをもらって、見てみると、五嶋みどりさんは体調不良のため出演をキャンセルしたとのことでした。
なんのためにアーヘンまで来たのかと思いましたが、まあ大聖堂とか楽しめたので良しとしましょう。
でもほんと変なことばかりの一日でした。疲れました。
帰りの道も、少し渋滞に巻き込まれたりして、かなりへとへとになりました。
天気がよかったので、アーヘンの町は人々で賑わっていて、春を満喫しているようでした。

本「蒼路の旅人」

2015-04-11 08:23:51 | Book
上橋菜穂子著「蒼路の旅人」を読了。
全10巻の「守り人」シリーズの7巻目です。シリーズの主人公の女用心棒バルサや呪術師のタンダが登場しなくて、新ヨゴ皇国の皇太子であるチャグムが活躍する作品です。
以前の作品で、チャグムはまだ10歳くらいの少年でバルサと出会います。まだ幼かったチャグムがだんだんと成長し、この「蒼路の旅人」では15、6歳になっています。この成長を、いままで読んできたシリーズ作品のところどころで見知っていますから、チャグムにはとても親近感をもって読めます。
今回のストーリーは、海の国サンガルが帝国タルシュの侵攻に合い、隣国の新ヨゴ皇国に援軍を依頼してきます。この罠とわかっている依頼に、チャグムの祖父である海軍大将が送られることになり、それに反発したチャグムも帝である父の命令により、サンガル国の海域へ送られます。
父と有望な息子との間の微妙な関係、自分の想いとは別に国同士の争いに巻き込まれていき、国民の幸せのためにそれをなんとか良い方向に導くたずなを握っているために、苦難の選択をしていかねばならないチャグム。
この物語では、タルシュ帝国の王子側の事情も語られ、王子の人となりも描かれています。国同士の戦いは、一方が善で他方が悪なのではなくて、それぞれの事情があり、それぞれの個人の事情もあるということが、多音声的に語られているのが、効果的に感じました。
この「蒼路の旅人」は、次の3巻からなる「天と地の守り人」へのステップとなる作品で、早く次を読みたいと思いました。
2015年の本屋大賞が上橋菜穂子の小説「鹿の王」になったというニュースを聞きました。児童文学、ファンタジーの枠組みで語られがちな著者ですが、こうして一般の読者にも大きく広がって受け入れられて当然です。
どんどんと次の作品を読むのが楽しみです。
体調は良好です。




Cafe:MuseumBrasserie@デン・ボス(オランダ)

2015-04-08 07:44:28 | Restaurant/Cafe
デン・ボスの北ブラバント美術館を訪れたとき、美術館内のカフェレストランMuseum Brasserieでランチを食べました。
イースター休暇の日曜日だったので、かなりの人出で混んでいました。
デン・ボスといえば、巨大なチョコレートがコーティングされたシュークリームのようなボッシェ・ボル(Bossche bol)というものが有名なんですが、ランチを食べたかったので、甘いものは残念ながらパスして、ふつうにクラブサンドイッチを注文。
写真のようなボリュームで、パンは軽くローストしてあってパリっとしており、おいしかったです。
薄切りのポテトチップスは、紫色、赤、黄色と三種類のポテトのチップスで、味のバリエーションが楽しめました。
美術館でひと休憩するのに最適です。テラス席もあるので、夏場は美しい中庭を見ながらゆっくりコーヒーとボッシェ・ボルというのもいいかと思います。
体調は良好です。

Noordbrabants Museum@デン・ボス(オランダ)

2015-04-05 08:58:49 | Wblog:お出かけMuseum
オランダのデン・ボスにある北ブラバント美術館(Noordbrabants Museum)に行ってきました。
この美術館、最近リニューアルされて、とってもモダンで大きな美術館になっています。
中庭(写真)がすてきで、この中庭を見ながら、その周囲を回る形で、展示室があります。
今回、この美術家に足を運んだのは、ヴュルト(Würth)のプライベートコレクション展があったからです。ヴュルトはドイツの地方にあるネジのメーカーでした。現在79歳で会長のラインホルト・ヴュルトは、この会社で15歳から仕事をはじめ、1954年19歳のとき創業者である父が早逝したのであとを継ぎました。それから、10年もしないうちに世界的な部品販売メーカーになりました。若い頃からラインホルト・ヴュルトはアートに関心があり、1960年代からアートの蒐集を始めました。彼は、買った作品を会社のホールや応接室などに飾りました。現在は、いくつかの場所に美術館を運営しており、所蔵作品はトータルで
16000点以上にものぼります。
その中には有名な作家の貴重な作品もあります。今回は、そんな作品を集めた展覧会でした。
いちばんの目玉はデイヴィッド・ホックニーの3本の木がある風景を、春夏秋冬と季節ごとに書いた4点の作品で、大きな部屋の4方向の壁にそれぞれかかっていました。一つ一つが、横に長い2×6メートルくらいある大きな作品で、色遣いがヴィヴィットで、デイヴィッド・ホックニーの味わいが深いものでした。
その他、これまで見たことのないムンクの海岸を描いた作品、ボテロの太っちょの人物の作品、ピカソ、シャガール、キリコ、エルンスト、マグリット、ウォーホル、リヒテンシュタインなどの作品がありました。
とてもよかったです。
Würthは日本にも会社があり、その名はウルトジャパンとなっています。ヴュルトより、ウルトのほうが日本人に発音しやすいからかなと思います。
さて、この企画展以外にも、北ブラバント州はゴッホが育った町ですから、ゴッホ関係の展示もいろいろありました。
また、デン・ボスは、奇妙な動物や想像上の生物などを織り込んだ緻密な絵で有名な中世の画家ヒエロニムス・ボスの生誕地でもあるので、ヒエロニムス・ボスの作品もいくつかありました。
地方の美術館にしては大きな美術館で、軽いランチも含め、約3時間、ゆっくりと見てまわりました。
デン・ボスの町は散策するのも楽しい場所なのですが、天気は良かったのですが、風が冷たく、薄手のコートしか着ていなかったので、風邪をひくと困るので、美術館を出たあとは、すぐに帰途につきました。
体調は良好です。


本「テンペスト」

2015-04-04 07:41:32 | Book
池上永一著「テンペスト」を読了。
沖縄(琉球)を舞台にした、文庫本で全4冊の長編大河ロマンです。
琉球王朝のころの話で、主人公の真鶴が、宦官の寧温と素性を偽って、琉球版の科挙である科試に挑戦し、王府に入り手腕を発揮し、一方では友情、兄弟愛、恋愛などの要素が組み込まれ、めくるめく物語が展開します。
史実にはかなり忠実のようで、欧米列強が東アジア進出をもくろみ、中国や日本との関係が変わっていく時代を、琉球王国からの視点で描かれており、とても興味深かったです。
琉球がいかに日本とはちがった文化圏で、独自の文化をもち、優雅で洗練されたものであったか感じられます。
ストーリー展開は、浅田次郎著の「蒼穹の昴」によく似ているなあと思いました。こちらは中国が舞台ですが、宦官の天才が活躍する部分や歴史に翻弄される部分などです。
ただ、「蒼穹の昴」のほうが文学作品として格は高いです。「テンペスト」は、女性が宦官に扮して誰も気づかないとか、のちに真鶴と寧温の一人二役を毎日続けるとか、ちょっと現実ばなれした部分が多いです。王宮の女性たちが住む<内>の世界でのやりとりもとてもマンガちっくで、読んでいてちょっと気が引く部分が多々ありました。
まあ、娯楽エンターテイメント小説として読むのにはいいのかもしれません。歴史の勉強にもなるし。
琉球王朝のことがよくわかったのはとてもよかったです。その点だけでもこの本を読む価値はあると思います。
体調は良好です。