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Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

漫画「サラリーマン金太郎」

2013-12-18 09:23:12 | Book
本宮ひろ志「サラリーマン金太郎」を読了。
ipadの無料アプリで全30巻を読み終えました。
私はマンガを読むのが子どもの頃から大好き。でもマンガを日本からネットで買ったりはしていませんでした。無料というの魅かれて読み始めたら、有名なマンガだけあってとても面白かったです。
このアプリ、毎日30分しか読めません。お金を払えば長く読むことができるのですが、まあ1日30分くらいで我慢しておいたほうが他のこともできていいです。毎日少しずつ読む楽しみがあります。
高卒で暴走族あがりの金太郎がサラリーマンとして出世していく物語です。バブル期からはじまり、バブルが弾け、90年代、グロバーバル化と時代の変遷を描きながら、日本のサラリーマン、会社というものについての主人公の常軌を逸した行動と考え方が新鮮で、痛快です。
まあマンガですから、絵空物語的なことは否めませんが、面白かったです。
今は「続 サラリーマン金太郎」をダウンロードして、毎日30分ずつ読んでいます。
無料なのは期間限定のようですが、こういうサービスを見逃さず、利用したいです。
風邪で体調がいまひとつなのでベッドの上での読書がすすみます。38度を超すと読書も辛くなってきますが、微熱くらいならOKです。なかなか治りませんが、今日は昨日より良い感じです。

本「収容所からきた遺書」

2013-12-15 13:43:50 | Book
辺見じゅん著「収容所からきた遺書」を読了。
どこかで感動したという種類の書評を読み、購入しました。その後長く本棚に読まずに置きっぱなしにしていたのですが、ようやく手にとりました。
読みだしたら止まらず、一夜を挟んだ2日で読了。その夜も、読了した日の夜もかなり長く、本の内容が頭の中に残り、いろいろと考えてしまいました。
私は本を読む前にはその本についてのあらすじなど読まず、前知識なく読むほうです。そういうこともあり、またこの本のタイトルを「ラーゲリから来た手紙」を間違って思いこんでおり、後半まで主人公が死亡するのかどうか知らず、どういう展開になるのかとはらはらしながら読みました。(ラーゲリは収容所をさすロシア語でタイトルにもルビでふってあります。)
内容は、第二次大戦後シベリア抑留された山本幡男氏についてのノンフィクションです。
私はシベリア抑留ということについては聞いたことがありましたが、実際のところよく知らなかったことに愕然としました。
本の最初にソ連の地図があり、どこに収容所があったかとどれほどの規模であったかがわかるようになっています。収容所は、シベリアだけではなく、ソ連各地に広がり、モンゴルやモスクワ近郊、カスピ海近くまで全土に散らばっていました。日本人収容者数が2万人以上の町、1万人以上の町があちらこちらにあります。その数計65万人、そのうち1割が帰らぬ人となりました。抑留期間は最長11年。山本幡男氏はこの最長組の仲間でした。
収容所の生活がいかに厳しく、非人間的だったことが描かれるとともに、山本幡男氏が俳句の句会を主催し、仲間と共に俳句を作り、人間らしさ、日本人らしさを見失わず、仲間を元気づける存在だったかが描かれています。
ほんとうに最後は感動の話です。現実にあったことですが、すごいロマンでドラマな話です。
収容所という、食べ物も黒パンだけのようなひもじい生活で、毎日労働が課され、冬には零下40度という鼻が凍る寒さで、時には殴られ、衛生状態も悪く、自由に物を書いたり読んだりすることが許されない場所で、いつ日本に帰れるかもわからず過ごす日々は耐え難いものだったと思います。そんな中でも、
「ぼくはね、自殺なんて考えたことありませんよ。こんな楽しい世の中なのになんで自分から死ななきゃならんのですか。生きておれば、必ず楽しいことがたくさんあるよ」
と言って、彼はニッと笑える心の持ち主でした。
病気が悪化していった頃には、「結局ね、パトスだけがわれわれ人間にとって最初の審判者であり、また最後の審判者なんだ。そう思えてきたよ」と言ったりしています。
本の中には、仲間たちの俳句、彼の詩、文章、そして遺書がおさめられています。それらを日本に持ち帰ることにどんな努力が必要だったのか、また、俳句や詩を読むと、収容所生活の過酷な心情がびしびじと伝わってきます。
満州から引き揚げの話や収容所生活の話を読むと、私のような病気持ちはいちばん先に死んでいくしかないなと痛感します。終戦から70年弱の今、自分が平和な国で不自由のない生活をしていることに心から感謝の気持ちが沸いてきました。
二度とこんなことが起こらないようにと思う一方で、実は世界の他の地域に目を向ければ、シリアやアフリカ一部などでは今も過酷な生活をせざる負えない状況にいる人々が多くいることを思い、やるせない気持ちにもなりました。
読んでよかったと思った一冊でした。
日曜日ですが、微熱があり少しダウン中。風邪がまだぐずぐずしている様子です。

本「孤笛のかなた」

2013-12-10 09:58:57 | Book
上橋菜穂子著「孤笛のかなた」を読了。
「獣の奏者」シリーズを読んで、この作者の世界にはまってしまいました。ただ元来、私はファンタジーが苦手。これまで読んだのは、この「獣の奏者」シリーズとハリーポッターくらいです。
この本も最初はどうかなあと思って読みはじめましたが、小春丸が登場するくらいからもうどっぷり物語世界に入って読みました。
小夜は少し、「獣の奏者」のエリンを思わせました。しっかりしていて、まっすぐな性格。
舞台は日本のどこかのようです。日本の美しい景色がこの本を読んでいると浮かんできます。桜の満開な景色、梅が満開でその香りがただよう光景、小川のせせらぎ、ススキ野、里山などなど。
児童文学として最初に理論社から発行されたそうで、そのときはイラスト付きだったとのこと。私が読んだのは文庫本でした。
ファンタジーですからいろいろと設定があり、<オギ>の術、闇の戸、葉陰などの独特な用語が登場し、子どもには難しいのではないかなあと思ったりしますが、そんなことは気にせずどんどん読んじゃうのかなあ。
児童文学なので最後はうまくおさまるのだろうと思いながらも、最後までどう落ち着くのかはらはらしました。
この作者の本に共通するのは、「愛する人をとことん守る」ということかな。それも短視眼ではなく、長視眼で。
別の長編シリーズ「守り人」に手をだそうかどうか迷っています。読みだすと11冊くらいあるので、どうしようかなと。最近日本語の本ばかりなので、ぼつぼつ英語やオランダ語の本も読みたいしと考えています。
体調は平熱になり、ほぼ良好です。まだ咳が残っています。



本「僕が大人になったら」

2013-12-06 07:54:25 | Book
佐渡裕著「僕が大人になったら -若き指揮者のヨーロッパ孤軍奮闘記ー」を読了。
少し前に同著者の「僕はいかにして指揮者になったのか」を読んだので、その続編に手を出しました。月刊「CDジャーナル」誌に掲載されたものをまとめたもので内容はあまり濃くないです。反対に言えば、気楽に読めるものです。
著者の明るい性格と音楽をいかに楽しんでいて、また皆に楽しんでほしいと思っているかという意気を感じました。
何度かピアニストのイーヴォ・ボゴレリッチのことが書かれていて、私はまったく知らないピアニストだったので興味をもちました。ちょっと偏屈そうに書かれていました。
佐渡氏は日本はもとより、フランス、イタリア、オーストリアなどで活躍されている様子が描かれていますが、オランダではコンサートをしないのかなあ。最近はドイツでもコンサートをしているようですね。是非一度見てみたいと思いました。身体が大きいからダイナミックなんだろうなと思います。
さて、エッセイを立て続けに読んだので、そろそろ物語が読みたくなってきています。
体調は、風邪をひいてしまいました。高熱は出ていませんが、できるだけベッドにいて、早く治ることを望んでいます。




本「次郎と正子」

2013-11-01 07:29:21 | Book
牧山桂子著「次郎と正子 -娘が語る素顔の白洲家-」を読了。
白洲次郎って名前をここ近年よく聞くようになったのだけどどんな人かまったく知らないなあと思っていたのと、三宅一生が若いころに白洲正子の銀座にあるお店に通っていたという話を聞いた後に、この本が目に留まって購入しました。
母の正子が桂離宮を好んでいたために、娘に桂子という名前をつけたそうです。桂離宮、行ったことがないなあ、行ってみたいなあと思いました。
次郎と正子は大正の時代にアメリカ留学やイギリス留学をしていた上流階級の人達です。娘の目から見て、この二人がふつうの父親母親といかに違っていたかが綴られています。正子は家事がまったくできなかったようです。もちろんお手伝いさんが常にいたから、家事ができなくてもよかったのです。
いろいろなエピソードが書かれていますが、やはり白洲次郎と白洲正子が社会的に見てどんな人なのかということを押さえてから読むべきだったのでしょう。この二人の功績をきちんと知らずに読んだので、なんか上流階級のきままな人達のプライベートな断片集という感じでした。
昔の良い時代の出来事のような書き方もされていますが、どうなんでしょうか。
読みやすく、息抜きに読むにはよかったです。
体調は良好です。まだ疲れやすく、のどに違和感があります。





本「僕はいかにして指揮者になったのか」

2013-10-25 08:44:42 | Book
佐渡裕著「僕はいかにして指揮者になったのか」を読了。
クラシックコンサートに行くようになって、クラシックの世界をもう少しよく知りたいと思い、最近クラシック関係の本に手をだしています。
佐渡裕といえば、小澤征爾に次ぐ、有名な日本人指揮者。噂は聞いていましたが、私は実際には一度も彼のコンサートに行ったことがありません。
この本では、彼の子供時代の話から、バーンスタインとの出会い、ブザンソンコンクールなどについて書かれています。ブザンソンのコンクールの話は、最近読んだ小澤征爾の「ボクの音楽武者修行」の中にも出てきて、比較して読むと面白かったです。
面白いと言えば、バーンスタインのことを書いている部分で、バーンスタインの言葉がすべて関西弁になっているのがユニークです。大御所バーンスタインのエピソードも多く、関西弁でしゃべる設定なので、なんか親しみがわきます。
また、100回コンサートに行って、心底感動できるコンサートは10回あるかないかだとあり、そういう感動は録音されたものではなく会場で生で聞くことでのみ得られるというようなことが書いてありました。私はまだ心が揺さぶられるような感動を得たことはないので、いつかそういう体験をしたいなあと思いました。
それにしても佐渡裕氏に音楽に対する愛情がストレートに書かれている本でした。
体調はいまひとつ。でもノドの痛みがやわらいでいるように思うので、よい方向だと思います。

本「壬生義士伝」

2013-10-09 08:00:18 | Book
浅田次郎著「壬生義士伝」を読了。上下間で計900ページくらいある長編です。時代物は読まなかったのですが、同著者の「蒼穹の昴」シリーズを読んでたいへん面白かったので、書評などでおすすめのこの本に手を出しました。
読んだ感想は、読んでよかった、感動しました。
岩手の盛岡藩の足軽武士吉村寛一郎が脱藩して新撰組に加わった半生を描いたものです。
何度も書いていますが、私は日本史に疎いのですが、この本を読んで、新撰組のこと、幕末のこと、当時の東北のことがより理解できました。新しい知識と理解が得られることはいくつになっても楽しいことです。
家族愛、友情、武士とは何か、義とは何かを考えさせられました。義に生きる武士、しかし何に義を感じるかが問題なのです。
幕末から150年弱ですが、現在のなんと恵まれて自由なことかと思います。
主人公の語りの部分など東北弁で書かれている部分が多く、とても味のある訛りです。「あまちゃん」で「じぇじぇじぇ」が有名になりましたが、この本では「じゃじゃ」が出てきます。少し似てますね。
待合室など外で読んでいたので涙はなるべく出さないようにしていたのですが、次郎右衛門が最期に実の母に会う場面で唯一涙がこぼれてしまいました。
このような優れた長編を読むのは最上の楽しみの一つです。良い本の巡り合えるとほんとうれしくなります。
体調は良好です。



本「ブレイズメス1990」

2013-09-26 20:19:04 | Book
海堂尊著「ブレイズメス1990」を読了。
この著者の作品はたくさん読んでいます。作品内に主役級で登場した人物が別の作品では脇役で出てきたりして、作品を読むごとに人物の相関図がどんどん広がっていくのが、この著者の作品を読んでいく楽しみにもなっています。
今回は、世界で一人しかできない画期的な心臓手術ができる外科医天城が主人公です。登場時はモナコ公国のハートセンターの医師です。突然国際的な雰囲気から始まります。
なんとなく以前に読んだ同著者の「外科医 須磨久善」を彷彿とさせますが、キャラクター部分など設定はかなり違っています。須磨久善は実在の人物ですからね。
この本の最大の見せ場は、外科医天城が東京の国際フォーラムで公開手術を行う場面です。緊張を伴う場で、さらりとアメリカから来た同業者を口でやりこめ、颯爽と手術に挑みます。話の流れは見え見えですが、医療という私の知らない分野のディティールがあり、興味深く読むことができました。作者独特のユーモアは好き嫌いがあると思いますが、私はOKです。
この著者の本を読んでいると、知らない単語や表現に出くわすことがあるのですが、今回は「白色レグホン」。文中に「白色レグホンのようにきょときょとと佐伯教授を見つめる」とあるのですが、この「白色レグホン」が何のことかしりませんでした。調べると、ニワトリの種類の一つのことなんですね。採卵用の白いニワトリのことだそうです。こういう新しい発見があるのもうれしいです。
まだまだこの著者は活発に書いていて、この桜宮市の物語ワールドがどんどん広がっていくさまを読むのがとっても楽しみになっています。
体調は良好です。でも、少しノドが痛いので、のど飴をなめています。



本「En dan nog iets」

2013-09-07 11:19:25 | Book
Paulien Cornelisse著「En dan nog iets」を読了。
ずいぶん前に読んだ「Taal is zeg maar echt mijn ding」の続編です。この2冊、オランダでは大ベストセラーになっています。
オランダ語の言い回しなど、著者が違和感を覚えるものや面白いものなどについて、最長2ページくらいの短い文章でまとめたコラム集です。イラストも付いており、ほんとうに読みやすいです。
また、オランダ豆知識も入っています。例えば、オランダの自動車のナンバープレートで、最初がVのものは小型の業務用自動車で、Aは王室用だそうです。
この著者は若い頃に広島大学に1年ほど留学した経験があり、日本語についての知識もあります。時には、日本語についての考察もあり、それはそれで楽しく読めます。
オランダ語を少し勉強している人には取っ付きやすく、おすすめです。
体調は良好です。


本「The Snowman」

2013-09-03 10:09:19 | Book
Jo Nesbø著「The Snowman」を読了。
Jo Nesbø(ジョー・ネスボ)はノルウェーの作家で、ハリー・ホーレ刑事シリーズがとても面白いです。
全部で現在9作このシリーズが出ています。私は3作目の「The Redbreast(コマドリの賭け)」から読み始めました。ノルウェー語は読めないので、英語です。
「The Snowman」はシリーズ7作目。オスロとベルゲンを舞台にしています。既婚で子どもがいる女性が突然行方不明になる事件がいくつか発生します。ちょうど雪が降り始める頃にその事件は発生し、現場には雪だるまが残されます。そして、ハリー宛にSnowmanという署名のある手紙が届きます。シリアルキラーの犯行だと考え、捜査に乗り出します。
魅力はやはり主人公ハリー・ホーレのはみだし加減でしょう。アルコール依存症だったのですが、この作品ではお酒をやめています。私生活の話が絡み、好きな女性ラケルとの微妙な関係がなんとも言えず悲壮です。
「The Snowman」は作品としてはちょっと短絡的すぎていまひとつな感じもしますが、オスロのフラム博物館やホルメンコーレンジャンプ台などが出てきて、オスロ旅行に行ったときに実際の訪れたので、そのときのことが思い出され、とても楽しんで読むことができました。
「The Snowman」がマーティン・スコセッシの監督で映画化される計画がありましたが、座礁に乗り上げたようです。別の監督を探しているとか。映画になったら是非見てみたいです。
体調は良好です。