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Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

本「ボクの音楽武者修行」

2013-08-28 14:58:01 | Book
小澤征爾著「ボクの音楽武者修行」を読了。
クラシックのコンサートにはよく行くけれど、クラシック音楽のことはよく知らないので、少し知識を得たいなあと思い、読みました。といってもクラシック音楽自体についての話はあまりなかったです。
1959年に貨物船で神戸からマルセイユへ出発し、マルセイユからパリまではスクーターで行き、ブザンソン国際指揮者コンクールに参加し1位となり、またその後アメリカのバークシャー音楽祭でのコンクールでも成功をおさめ、ついにはニューヨーク・フィルの副指揮者になるまでの話が、当時小澤征爾が家族に送った手紙などの収録とともに、時系列に沿って書かれています。
まだ海外に日本人がほんとうに少なかった時代の頃のことで、才能がある、あるいはお金のある、あるいは名誉のある人のみが海外にいた時代。その少数の人が助け合って海外で暮らしていた様子がよく出ています。
やはり日本人の日本食に対する思いは強く、和食をどこで食べたとか、うれしかったとかの記述が多く出てきます。
今では、オランダでは中規模以上に町には寿司レストランがあり、アムステルダムやアムステルダムフェーンに行けば日本食材もだいたい手に入ります。また、和食のお弁当の配達まであります。なんと恵まれていることか。というか、海外に住んでいる日本人の数がすごく多くなっているからですよね。今じゃ、海外に住んでいるからということのみで友達になるのは以前に比べて難しいんじゃないかなと思います。
この本、若さ特有の生き生きとした感じが筆致によく表れています。意欲があるこんな若者なら、良識のある大人なら是非手助けしたいと思うのでしょう。彼は、いろんな人に助けられ、成功を収めていきます。読んでいてすがすがしい感じがしました。
体調は良好です。涼しくなったので風邪をひかないように気をつけなくちゃ。




本「謎解きはディナーのあとで」

2013-08-21 08:52:02 | Book
東川篤哉著「謎解きはディナーのあとで」を読了。
本屋大賞を受賞して話題に一時なっていたので、読みたいと思っていました。
ユーモアミステリーで、とても読みやすく、短編集なので、ちょっとした時間の暇つぶしには最適です。
主人公は超大金持ちのお嬢様で、しかも刑事。事件現場にシルバーのジャガーで乗り付けるちょっと困った上司も一流企業の御曹司。でもこの二人、推理能力はいまひとつです。事件を解決するのはいつも、お嬢様に使える執事。30代そこそこの黒づくめの服を着た少し口の悪い執事ですが、お嬢様刑事が事件内容を語ると、それをもとにあっという間に犯人を推理してしまいます。
まあ日本ではドラマ化もされているそうなので、ほとんどの人は知っている作品なのでしょう。
面白く、すいすい読める分には良かったですが、やはり中高生が読んで面白いものなんでしょうね、私にはちょっと物足りないというか、わざわざ読みたい類の本ではありませんでした。
ミステリーのトリック好きならいいのかも知れませんが、なんかちょっと軽すぎて、続編を読みたいという感じではないです。
体調は良好です。

本「Slaap」

2013-08-15 14:51:22 | Book
Lars Kepler(ラーシュ・ケプレル)著「Slaap」を読了。
「Hypnose(邦題「催眠」)」「Contract(邦題「契約」)」「Getuige」と読んできたヨーナ・リンナ刑事シリーズの第4作目です。原語はスエーデン語ですが、私はオランダ語版を読んでいます。
一つの章というか区切りが短く、2、3ページなので、気軽にどんどん読めてしまいます。
前作の「Getuige(目撃者)」は私としてはいまひとつだったのですが、今回の「Slaap」(眠り)はとてもよかったです。原題は「Sandmannen」なので、「砂男」か「サンドマン」ですね。原題のほうが内容と合っているかもと思います。
今回は、主人公ヨーナ・リンナが宿敵として恐れる男Jurek Walterが登場します。Jurekは何人もの人を誘拐し、監禁した末に殺している殺人鬼ですが、何年も前にヨーナが逮捕し、現在厳重監視の刑務所にいます。
十何年か前に著名な小説家の幼い息子と娘が行方不明になります。結局見つからず、近くの湖で溺れたのだろうということになりましたが、ヨーナはひそかにJurekの仕業だと考えていました。そして、突然この息子が十何年かぶりに発見されます。この息子は20代前半の青年に成長しており、彼によると、窓のない暗いカプセルのような部屋の中にずっと妹と一緒に閉じ込められていたといいます。独りそこに残された妹を救うために、危険な作戦が実行に移されます。
このシリーズはヨーナ・リンナの人生の物語としても読めます。
この本を最後まで読むと、大きな展開があり、早く続きを読みたいと思いました。しかし、まだ次作は発売されていないんです。
噂によれば、10作で完結となるような長いシリーズの構想があるとか…。
それにしても、このスエーデンのシリーズと、ノルウェイの刑事ハリー・ホーレのシリーズは読みごたえがあり、いいです。でも時々頭の中で、この二つがこんがらがってしまうこともあります。
今回の作品では、ソ連時代のカザフスタンにあったレーニンスクのことが、私の知らなかった歴史の一片として、とても興味深かったです。Wikiでいろいろ調べてしまいました。
体調は良好です。昨夜は久しぶりにぐっすり眠れました。

本「ロードス島攻防記」

2013-08-07 10:29:57 | Book
1年前に読んだ本について書いたものがアーカイブに残っていました。
塩野七生著「ロードス島攻防記」を読了。
今年の休暇はロードス島に行くことにしたので、関係のある本を探して見つけたのがこの本でした。
ロードス島への飛行機の中で読みました。とても面白く、飛行機の中の時間が苦にならずよかったです。
塩野七生さんの本は今まで一度もちゃんと読んだことがなく、初めてでした。物語の中に史実が組み込まれていて、とても理解しやすく、わくわくしながら読みました。このような本を若い頃にもっと読んでいたら、世界史が楽しかったかもしれません。
さて、この本ですが、1522年の聖ヨハネ騎士団とトルコ軍のロードス島での戦いを扱ったものです。
聖ヨハネ騎士団に入れるのは、ヨーロッパの貴族の息子たちのみでした。長男は領主を継ぐので、次男かそれ以降の男子です。子どものころから、騎士たる訓練を受け、20代前後で、騎士団に入り、各地で訓練を受けた後、ロードス島にある本拠地へ送られてきます。
物語は、1522年の4月にイタリアの貴族の息子アントニオが、船に乗って、ロードス島に到着するところから始まります。聖ヨハネ騎士団の服装の図版もあり、視覚的に美青年がエーゲ海の船の上から、ロードス島をのぞむところが、映画のようにイメージされます。
聖ヨハネ騎士団の面々についても格好よく描かれて、ちょっと少女漫画を思わせる感じもあり、そこがまた私のツボに入って、面白く読めました。また、敵側でもあるトルコ軍のスルタン、スレイマン一世のこともよく描かれており、若くて知的な大将だったのだなということがよくわかりました。
この本を読んだおかげで、ロードス島の旧市街を見て回るのに、高揚感を感じることができました。
この戦いで、聖ヨハネ騎士団は敗北し、島を去り、転々とした後、マルタ島に本拠地を得て、マルタ騎士団とも呼ばれるようになるのですね。まったく知りませんでした。
ロードス島に行くなら、是非この本を読んでからにすることをおすすめします。
ロードス島の旅行の記録はこちらです。
現在の体調は良好です。

本「人形の家」

2013-08-03 13:27:26 | Book
イプセン著の戯曲「人形の家」を読了。
古典を読みたいなあと思った時期があって、随分前に買った本。途中まで読んで、何故かほっぽりだしていたのですが、急に思い立って、最後まで読みました。とても薄い本(約150ページ)なんですけどね。
この戯曲の主人公ノラは、男に頼らず、自分の頭で考えること、自分自身で生きることに目覚めた女性の代表的キャラクターとして、よく他の本などで目にすることがあります。
何か最後は唐突なような気がするのですが、19世紀の劇の脚本として、社会的反響も含んで考えなくてはいけないのでしょう。
このあと、このノラがどういう人生を生きたのか、(ないと思いますが)続きがあれば読んでみたいです。
イプセンはノルウェー出身。しかし、この作品には特にノルウェー色を感じませんでした。
体調は良好。

本「The Walking Dead」(1&2)

2013-07-31 10:14:17 | Book
本棚にあったので、読み出したら止まらず、最後まで読んでしまいました。
この本『The Walking Dead』は、元々はアメリカのコミックです。最近流行りのゾンビものです。いわゆるマンガですが、大人も読むタイプのかなりしっかりとした作りの本です。私が読んだのは、オランダ語翻訳版でした。
アメリカの原作の方は2003年から始まっており、TVドラマになって話題をよんだようです。
文と原案をRobert Kirkman、絵をCharlie Adlard、グレイスケールをCliff Rathburnが担当しており、カバーの絵はTony Mooreです。
ストーリーは、田舎の警察官がある日、撃たれてコーマに陥ります。病院でコーマから目覚めてみると、回りには生きている人間は一人も居ず、ゾンビばかり。なんとか、大都市のアトランタへ向かい、そこで生きている人間の仲間や家族と合うことができるのですが、ゾンビばかりの世界で、自分たちの安全を確保し、小さなグループでどうやってうまく生き延びていくか、試行錯誤の日々の姿が描き出されています。
国から助けが来ると信じる者、もう以前のような生活は来ないんだと悲観的になる者、これまでのルールは守っていられないことを悟り、また大きな世界の変化を前にして、人自身も変わらずにはおられない…。
2巻目までしか家になかったのですが、2巻の最終ページが次の展開を読みたくなるようそそる形になっていて、早く3巻を読みたいです。今のところ8巻まで出ているみたいです。
ゾンビものはずっと避けていて、映画も見たことないんですけど、今回初めてゾンビものを読んでみて、ゾンビというものを設定することによっていろいろなことが語られやすくなるのだなあと思いました。
日本のコミック本って、500円か高くても1000円くらいだと思うんですが、この本1冊19.95ユーロ(2000円強)もするんですね。ページナンバーがふってないから、何ページあるのかわかりませんが、厚さは1cm強くらいの本です。じっくり読んでも2、3時間で読めちゃいます。
毎月1冊ずつ買って、楽しみながら読むことにしようかなあ。でも楽しむというよりは、内容はかなりシリアスで、様々なことを考えさせられてしまいます。
体調は良好です。昨日、免疫グロブリンの点滴を受けました。





本「天地明察」

2013-07-25 10:40:08 | Book
冲方丁著「天地明察」を読了。
文庫本の上下巻でしたが、面白く、軽快な調子で話が進み、楽しく読めました。
時代小説、歴史小説は読まなかったのですが、「蒼穹の昴」を読んだことから、歴史に題材をとった小説が面白いことを知り、最近この分野にも手を出しています。
この本は、吉川英治文学新人賞、本屋大賞も受賞しています。映画にもなっているようですね。
内容は、囲碁棋士の家に生まれた渋川春海が、生涯の大半をかけて、改暦に尽力するさまを描いています。日本史に疎い私でも名前を聞いたことがある、水戸光圀、本因坊家、関孝和、保科正之などが登場します。
特に、保科正之が、この本を読んで、どれほど傑出した人物であったかがよく理解できました。会津藩主で、江戸幕府の行った改革の創案者であったのですね。
軽快な筆致は好き嫌いがあるかもしれませんが、私は好きでした。なんか読んでいると、アニメのシーンが浮かぶようでした。
ちゃんと恋愛の伏線もあり、読後感はとても爽やかです。
読んでよかったなと思える一冊でした。
体調は良好です。夜も寝室が29.5度。西日が当たるからでしょうね。ちょっと暑すぎです。

本「ホワイトアウト」

2013-07-04 08:34:40 | Book
真保裕一著「ホワイトアウト」を読了。
吉川英治文学新人賞受賞、このミステリーがすごい!で国内部門1位など、かなり好評だったので、文庫化されているのを知って買い、読みました。
でも、ちょっと期待外れでした。山とか、この類のサスペンス小説が好きな人にはよいのでしょうが、私には何かいまひとつ響くものがありませんでした。
最初の三分の一くらいは興味をもって面白く読めたのですが、それからが長く、雪深い場所の寒さや困難さの描写が延々と続き、あーこれって映画で見たほうが楽しめるだろうなあと思いました(映画化されてヒットしたそうです)。文章が硬質というか、私には合わなかったです。最後の三分の一は、あらすじがわかる程度に読み飛ばしてしまいました。
内容は、冬の雪深いダムの水力発電所を武装した一団が占拠し、アクセスができる唯一のトンネルも爆破されて通れなくなり、雄大なダムを擁した発電所施設で、武装一団と人質になった人々(特にたまたま訪問していた女性)、そしてダイハードぶりの活躍を見せる発電所の職員(富樫)、なかなか対策のとれない警察が織り成すサスペンス&アドベンチャー小説です。
良い点は、最初の「十一月 奥遠和」の章はとても良かったです。これは、この事件の以前の出来事で、この本の主人公といえる富樫が遭難者救助に同僚と出かけ、ホワイトアウトに見舞われるものです。この章は、読みごたえがあり、じっくりと読みました。
もしかしたら、私は、山や雪の経験がほとんどないので、共感、実感の部分で弱い部分があって楽しめなかったのかなとも思いました。
体調は良好です。ちょっと疲れたというか、ぼーっとする感じがするのはHbが低いせいかな。

本「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

2013-06-25 09:18:37 | Book
村上春樹著「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読了。
日本から友人が送ってくれました。久しぶりの新刊ハードカバー。とても読みやすく、先週の風邪でノドが痛くて体調がすぐれぬときに読むのに良かったです。
主人公は38歳の男性。SFやファンタジー要素はなく、現代が舞台。東京、名古屋、フィンランドで、話が展開します。
フィンランドへは、フィンランド人と結婚した高校時代の女友達クロを訪ねて向かうのですが、私も結婚してオランダに住んでいるので、このクロの心情の一部に共感する部分がありました。やはり、日本から逃げてきた部分があるのかなあって。
この著者の趣味なのか、この本のすてきな女性はいつもワンピースを着ていて、ワンピースなんてめったに着ない私としては、男の人の書いた小説だなあとちょっと違和感。
違和感といえば、会話自体がやはりありえない展開。でも、これって村上春樹的といえばそうなので、そこを楽しんで読むんでしょう。
以前も書いたと思いますが、私自身が歳をとっていき、もう大学生が主人公の小説は読んでもいまひとつ思うところがずれてしまいます。今回の本は、若いという時代をすぎ、中年に差しかかる人物が主人公で、自分の若い頃を振り返ったり、今の位置、これからをもっと落ち着いて考えている点で、私も少し自分に近づけて考えることが出来ました。
『巡礼の年/ル・マル・デュ・ペイ』のピアノ曲がこの本の中には繰り返しでてきて、その曲が本全体に流れているようです。youtubeで少し聞いたりしたけれど、またゆっくりと聞いてみたいです。
体調は一時期よりずいぶん良くなりました。土日はルマン24時間を見ながら、家でおとなしくしていました。まだノドの違和感が残っています。でも大丈夫でしょう。

本「クォンタム・ファミリーズ」

2013-06-14 11:12:06 | Book
東浩紀著「クォンタム・ファミリーズ」を読了。三島賞受賞作。
あまり予備知識なく読み始めました。小説だから難しくないだろうと思っていましたが、カントやドストエフスキーの引用あり、量子脳計算、クリプキ数、多次元マンデルブロ集合など耳慣れない言葉もでてきます。
近未来小説で、並行世界を扱っているので、想像力をよく働かせて理解しないと、物語がわからなくなってしまいます。
インターネットが発達し、しかし、自動で虚偽の記述が作成されるウイルスのようなもので、ネットの世界が嘘の情報が氾濫し、何が本当で何が嘘かわからなくなってしまい、誰もネットの情報を信じなくなってしまっている世界だとか、もしかしたら、そんなことも起こりうるなあと思いながら読みました。
また、並行世界で起こっていることが自分の頭の中に流れ込んでくるという話は、私は夢をとてもよく見るので、この夢が本当は並行世界でおこっていることだったらと考えると、面白かったです。
この物語はとても複雑で、並行世界間の移動のほかにも、時間軸の移動、現実世界と物語世界の移動と、ダイナミックに世界が展開されます。しかし、その中で起こっていることは、いつのときでも人が対峙する家族の問題、親子の問題、愛情の問題、罪の意識などです。
400ページ強あり、長めの小説です。退屈することなく、面白く読めました。SFはあまり読まないからか、とても新鮮でした。
また、この作家の小説が文庫化されれば、読んでみるつもりです。
気候が今、暑くもなく寒くもなくで、体調は良好です。