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Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

映画「さようなら」@ロッテルダム国際映画祭2016

2016-02-01 16:54:29 | Movie
二本目に見たのは深田晃司監督の「さようなら」。
監督自身が舞台挨拶に来ていました。「眠くなる映画と言われるので、眠くなったらどうぞ眠ってください」というよなことを言って、場内に笑いがもれました。
近未来を舞台にして映画で、原発が一斉に爆発してしまって、日本列島に住めなくなり、人々が海外への難民の順番を待つ状況になります。毎週のように抽選か何かで、番号が発表され、各国へ逃げることになります。
主人公は白人の若い女性ターニャで、日本語は話しますが、少したどたどしい感じです。人里離れた一軒家にアンドロイドのレイナと一緒に暮らしています。このアンドロイドロボットは大阪大学で製作されている実際のヒューマノイド系のロボットを使用しており、見た目は本当の女性のようです。話すことができ、日本語のほか、英語、フランス語、ドイツ語も堪能です。たくさんの詩を覚えており、暗唱してくれます。しかし、歩行機能はないようで、電動車椅子に座って移動しています。
病弱なターニャは、いつも窓の前のソファに寝そべっています。その窓の外には野原の風景が広がっており、その風景が移り変わることで、季節の変化を感じさせます。この窓とソファのシーンを映している時間がとても長くて、それが眠気を誘うのかも知れません。が、私はかなりこの映画、興味深く見ました。
災害、難民問題、死、アンドロイドというテーマが描かれており、いろいろと考えさせられる部分がありました。
海外への難民選別で、どういう人たちが後まわしにされるのかということも、あーそうだなと思いました。
放射能で住めなくなって、みんなが海外に出たあと、何十年も何百年も後に、またこの地を訪れて再発見するような物語を夢想したりしました。
まあ、いろいろと考えさせられる映画で、美しいシーンもたくさんありました。
最近海外で見る日本映画にありがちなワンパターン、すぐに女性の裸が映され、男女のワンパターンなセックスシーン、日本のお祭り的なシーンがあるのはこの映画もそうでしたが、まあ最後でターニャの裸体には意味があったのだなとは思いました。
なんか色というかトーンから、これも近未来のイギリス映画「わたしを離さないで」を思い出しました。
この監督の「ほとりの朔子」という映画を以前に見たことがありました。この映画も良い映画でした。
一緒に「さようなら」を見た夫の感想はいまひとつで、眠かったとのこと。
見る人によって印象が違う映画かもしれません。
体調は良好です。

映画「ハッピーアワー」@ロッテルダム国際映画祭2016

2016-01-31 10:56:59 | Movie
ロッテルダム国際映画祭(IFFR)の時期がまたやってきました。
だいたい毎年行っていて、日本映画を中心に見ます。今回は、日曜と月曜に行き、計5本見ました。
まず最初に見たのが、濱口竜介監督の「ハッピーアワー」でした。朝の9時15分上映開始で、終わるのが午後の3時27分という長い映画(317分)です。
30代後半の4人の女性が主人公です。この作品はロカルノ映画祭で女優賞を受賞したそうですが、登場人物を演じたのはみなアマチュアの人なのだそうです。
しかし、本職の女優さんでなにので、それぞれの顔にそれぞれの人生が表れていて、リアリティが半端なく出たのではと思います。
看護師でバツイチのAkari。
結婚していて十代の子どもがいる大人しそうなSakurako。
キュレーターをやっていて、編集者の夫と二人暮らしのFumi。
研究者の夫がいて、芯が強そうな感じのJun。
最初は、この仲の良い友達同士の4人が神戸の街並みが見える山の上へピクニックに行くシーンから始まります。みんな元気そうで幸せそうなんですが、個々の生活にカメラが向かうと、だんだんとそれぞれがそれぞれなりに悩みを抱えていることがわかります。
途中で有馬温泉へ行くシーンなどもあり、会話も方言で話すので、すごくご当地感がありました。
有馬温泉からJunが一人でバスで帰ってくるシーンでは、バスのスプリングがきしむ音やいろんな雑音が全部大きく入っていて、揺れる映像とともに、懐かしい日本のバスの感覚が自分のリアルに浮かび上がって来て、バス特有の少し嫌な臭いも実際にはするはずないのに、はっきりと嗅いだ気がしました。
とても長いワークショップのシーンがあるのですが、そのワークショップをまるまる見ているようでした。このワークショップの講師のUkaiという男性が、また話に絡んでくるのですが、とてもうさんくさい感じで、役にぴったりだと思いました。
徹底的な悪者はいなくて、みなそれぞれがそれぞれに一生懸命生きているのだと思うのですが、やはり相手の心のうちはわからないもので、取り返しのつかないような溝ができてしまっています。
中年の人が見ると、人間関係のこととか、いろいろ考えさせられることがある内容でした。
5時間以上の映画ですが、それほど長くは感じられず、とても面白かったです。
自分はこの四人の中で特に共感できる人はいなかったけれども、幸せについて改めて少し考えたりしました。
時間があるときに、一気に見ることをおすすめする映画です。よかったです。
体調は良好です。




映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」

2016-01-17 08:10:31 | Movie
「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を見に行ってきました。特にスターウォーズのファンという訳ではなく、でも一応これまでのものは見ているという程度なんですが、たまたまこの日曜日は寒い日で、映画館にでも行こうかということになったので、じゃあ話題になっているしスターウォーズでも見ようかという流れでした。
なので、内容はまったく知らずに見ました。結果、とてもおもしろかったです。
ハン・ソロが登場することは知っていましたが、これほど中心人物的役割で出ているとは知らず、ハリソン・フォードはコミカルで演技もうまく、この映画で重要ないい味を出していました。
主人公のレイ役の女優もきりりとしていて、よかったです。
やはり好きなのはロボット系、ドロイドの「BB-8」がかわいかったです。
監督はJ・J・エイブラムス。この監督の監督作品は何故か全部見ています。このスターウォーズ、来年には次作が公開されるとのこと。また三部作になるそうですね。
ずるずると次も見てしまいそう。
やはり、バトルの場面などのスリル感がすごいし、風景なども圧巻です。
それにしても、緑が多い風景を見ると、懐かしいような心が穏やかになるような気持ちになるのはどうしてなんでしょう。やはり地球だと思うからでしょうか。
スターウォーズは、色んな種類の生物が登場し、みんなでわいわい住んでいる町が出てきて、それに好感が持てます。
体調は良好です。




映画「龍三と七人の子分たち」@CameraJapan(ロッテルダム)

2015-12-23 13:05:20 | Movie
随分前ですが今年のことは今年中にと思い、古い記事です。
ロッテルダムのCameraJapanで「龍三と七人の子分たち」を見ました。
北野武監督の作品で、昔やくざだっだ老人たちが再会し、組を立ち上げ、若いインテリやくざたちに対抗するコメディーです。
藤竜也、近藤正臣、中尾彬、小野寺昭など、私が子どもの頃に二枚目で活躍していた人たちがすっかり老人になっており、少しびっくりしながらも、なかなか面白く見ました。
テンポもよく楽しく私は良い映画だと思いましたが、夫は笑いがベタなものが多くていまひとつだったそうです。
音楽は鈴木慶一、軽快なコミカルさは感じましたが、今回は特に頭に残るようなフレーズはなかったです。
体調は良好です。



映画「007 スペクター(Spectre)」

2015-11-15 19:16:30 | Movie
日曜日、強い風が吹き荒れて、あまり外出したくない天気。
いろいろ迷った末、映画「007 スペクター(Spectre)」を観に行くことにしました。
前作の「007 スカイフォール」が良かったので、見てみようかと思いました。
「スカイフォール」ほどではないけど、楽しめました。「1分」と言っているのに1分もかからないうちに爆発したり、大爆発なのに生きのびていたりと、ところどころ突っ込みどころはありましたが、最初のメキシコシティでの大アクションはすごくて、それで一気にストーリーに飲みこまれました。
音楽は何となく今一つ。でも、このちょっとノスタルジックな音楽も含め、きっと007シリーズを良く見ている人にとっては心揺さぶられるような、小物やエピソードが入っているのでしょう。
ボンドの過去にも絡む話で、ダニエル・クレイグがボンドを演じたこの4作は、一つの括りとして観るといいのだと思います。007の終末期的色合いもあるし。
今回の舞台は、メキシコシティ、ロンドン、タンジェ(モロッコ)でした。
映画館はほぼ満員、日曜日の良い時間帯だったこともあると思います。年齢層は、子どもから老人まで、かなり幅広かったです。
体調は良好です。






映画「ぼくたちの家族」@CameraJapan(ロッテルダム)

2015-10-30 16:49:30 | Movie
随分前ですが、ロッテルダムのCameraJapanで映画「ぼくたちの家族」(Our Family)を見ました。
もの忘れがひどくなった母親、病院に行くと脳腫瘍と診断され、「あと2週間」と言われます。
頼りない父、サラリーマンの長男、大学生の次男が、あたふたとしながらも、母親の入院生活を支えて奮闘する物語です。
最後がいい感じでよかったです。
責任感が強い長男、要領がよい次男というキャラクターがうまくでていて、リアリティがありました。
監督は石井裕也。長男役の妻夫木聡が特にいいなと思いました。
体調は良好です。

映画「The Martian 3D(オデッセイ)」@Cinemec(ユトレヒト)

2015-10-09 13:47:27 | Movie
リドリー・スコット監督のSFもので、レビューがかなり良かったので、映画「The Martian 3D(邦題:オデッセイ)」を見に行ってきました。
SFものなので3Dで見なきゃねと思い、映画館を探したのですが、高速沿いにある最近できたシネコンへ行きました。
いくつかホールがあるのですが、いちばん大きなホールでした。20:45の遅い回ですが、観客はかなり多かったです。
主演はマット・デイモン。火星探査をしていた宇宙飛行士たちが、突然の嵐に襲われます。大きなアンテナらしきものが主人公のマークを突撃し、遠くへ飛ばされ、状況から見て死んだものと思い、彼を残して他の宇宙飛行士たちは緊急離陸し、帰途につきます。
しかし、マークはケガをしながらも生きていて、次の火星探査が来るまでの日数を計算しますが、食料が足りません。
地球のNASAでは数日して、マークが生存していることをつかみ、連絡を取ろうとします。
マークは懸命に生きのびるためにするべきことを考え、実行に移し、地球側は彼を火星から生還させるために方策を考えます。
うまくいかないことも多く、緊迫した話のなか、時折音楽がコミカルに響き、とてもよいエンターテイメント映画となっています。
体調は良好です。

映画「エベレスト 3D」@Pathe(アムステルダム)

2015-09-30 11:52:56 | Movie
映画「エベレスト 3D」をIMAXで見たくて、アムステルダムのPathe Arenaに行ってきました。
エベレストなんて絶対に自分では行けないところなので、臨場感を味わいたくて、IMAXの3Dでぜひ体験したいと思いました。
実際に1996年に起きたエベレストでの遭難事故の話です。難波康子さんという日本人女性も遭難者の一人で、当時は大ニュースになったようですが、私はまったく記憶していません。
ロブという経験豊富な登山家がエベレスト登頂のツアーを行なっており、過去二回はアマチュア登山家などをつれて登頂に成功しています。今回が3回目。
ツアー費用は約700万円という高額ですが、エベレスト登頂を夢見る人々がこのツアーに参加してきます。
難波さんは七大陸最高峰の6つにすでに登頂しており経験豊富ですが、残りのエベレストをぜひ登頂したいということでこのツアーに参加しています。
他には、アメリカで郵便配達などをしてこつこつお金を貯めて参加しダグ、医師のベッグ、アウトドア雑誌の編集者ジョンなど、ガイドも含め10数名。
エベレストのベースキャンプを一つ、一つの上っていき、薄い酸素に慣れるために1か月以上の時間をかけます。
エベレストの場所によって姿が違う風景が眼前に映し出され、細い梯子の橋を渡るシーンなど、3Dなので、息をのむ感じでした。
まあところどころ、これってロケじゃないなあと思うシーンもありましたが、それでも広大なエベレストの雰囲気と、とても危険な登頂であることはよくわかりました。
そして、嵐におそわれて、究極の事態になってしまうのですが…。
ヘレン役のエミリー・ワトソンがとてもうまいなあと思いました。
つい最近、ネパール政府はアマチュアのエベレスト登頂を制限するというニュースを聞きました。
過酷な山なので、やはり安全のためにはこうした対策は必要でしょう。
体調は良好です。



映画「0.5mm」@CameraJapan(ロッテルダム)

2015-09-27 15:29:48 | Movie
日曜日、ロッテルダムのLantarenVensterへ。CameraJapanというイベントが開催されていて、日本映画がたくさん上映されています。
まずは、「0.5mm」を見ました。
訪問介護の仕事をしている若い女性サワ。郷里を離れ遠く高知で働いています。しかし、訪問先が火事になり、仕事も解雇され、身寄りがなく困ったサワは、孤独な老人に目を付けては脅し半分にその家に居ついて、老人の世話や家事などをして暮らします。
変な話ですが、お金はあるけれど家が遺産目当てのけんかでごたごたしている老人、一人っきりでこつこつ貯めたお金を詐欺まがいの融資で盗られてしまいそうになる老人、大学教授をしていたのでプライドだけは高く、妻が介護が必要な寝たきりになったことを受け入れられずにいる老人といったそれぞれの老人の話がサワを軸にしてオムニバス的につながっています。
老人社会になっている日本で、ほんとうにあちらこちらにあるような問題に目を向けるように作られて良い映画で、コメディ要素も強いので、198分という長い映画ですが、面白く見ることができました。
孤独老人の役の坂田利夫がとても良い味を出していました。
監督、原作、脚本は安藤桃子。実の妹の安藤サクラがサワ役を演じています。エグゼクティブプロデューサーは実父の奥田瑛二、フードスタイリストが実母の安藤和津という家族が協力しての映画です。
0.5mmという題が映画の中で意味が説明されているけれど、いまひとつピンときませんでした。
また津川雅彦が演じる元教授の老人が、「戦争に死ぬつもりで行ったけれど帰ってきてしまいました。戦争はだめです。」と延々と語るところだけはちょっと映画の中で異質な感じがしました。
ちょっと詰め込みすぎなのか、もっとすっきりとした2時間強くらいの映画だったらもっと良かったかもと思います。
この日はあと2本映画を見ました。感想はまた別の日に!
体調は良好です。

映画「海街diary」@CameraJapan(ロッテルダム)

2015-09-25 13:14:23 | Movie
毎年この時期にロッテルダムで開催されている「CameraJapan」というイベント、日本の映画がたくさん上映されます。
金曜日の夜、このイベントで上映された「海街diary」(英題:Our Little Sister)を見てきました。
鎌倉に住む三姉妹の家に、中学生の異母妹がやってきます。父親が不倫で家をでて、母親もその後北海道へと出てしまって、家を切り盛りしてきたしっかりものの長女を、綾瀬はるかが演じています。
鎌倉の町の雰囲気がよくでていて、4姉妹のキャラクターも良く描かれていて、とてもよかったです。
4女役の広瀬すずの素直でかわいい感じがよくでていました。
この映画、原作は吉田秋生のマンガだそうで、ちょっと最初のところだけネットの立ち読みで読んだんですが、かなりマンガに忠実そうです。
監督、脚本は、是枝裕和。オランダでは「誰も知らない」の印象が強い監督です。「誰の知らない」は親に捨てられたきょうだいが力を合わせて行きようとする映画でしたが、この「海街diary」も親がいないことでは似たテーマですね。
カフェのマスター役のリリー・フランキーがいい感じでした。
字幕は珍しくオランダ語でした(ふつう、このイベントでは英語)。
体調は良好です。