試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クモハ101-195[ツヌ110F] 現行LOTライト基板・101系800番代LOT床板更新施工 (クモハ101-152[ツヌ103F] 床板相互交換)

2018-08-01 22:10:05 | 国鉄/JR101系
点灯安定性。

KATO製国鉄101系はLOTにより運転台付車用導電板形状が大幅に異なっている。
前面窓天地が狭い旧金型車両はM字形に成形された導電板とライト基板端子部が直に接する構造である。
事実上の改良品と言えるトタムコ3F(Mc78)からはパンタグラフ形の補助導電板が追加される仕様変更があった。


国鉄101系ツヌ110F 朱色1号編成(1984/10)。
[ツヌ110F]:Mc195-M'810-T'c71+Mc194-M'809-T'68-T'227-T'94-M57-M'c805

この構造変更は前尾灯点灯の安定化をもたらした。
在籍車両では表示器点灯色変更を1stLOTライト基板への振替えに頼った時期がある。
だが一部車両は思うような点灯色温度へ達しなかった上に前尾灯のちらつきが生じてしまった。
新金型車体への切替と並行した導電板の構造変更には大きな理由があったらしい。
そこで運転台付先頭車両は極力トタムコ3F以降から採用された再生産品LOT相当床板への更新を進める。
交換第1編成にはツヌ110F(Mc195)を抜擢した。
ツヌ110Fはクモハ101-193,クモハ100-805とも旧製品LOT床板振替により1stLOTライト基板振替を実施した。
床板振替対象車が容易に辿れたため製品原形に戻す作業となる。


入工中のクモハ101-152,クモハ101-195 (ツヌ103F,ツヌ110F)。

1stLOTライト基板装着車で最も表示器点灯色変更効果が低かったのは朱色1号車両だった。
これが契機となりクハ100-91(ツヌ116F:現行LOTライト基板更新試作車)にて表示器用プリズム色挿式を試行した。
点灯試験結果は良好で現在まで続く表示器点灯色変更の標準方式になっている。
そのため朱色1号編成での1stLOTライト基板振替施工車はツヌ110Fのみに留まっていた。
ツヌ110Fはムコ10F(Mc194:101系800番代)構成車を中心に癖を持つ車両が集まる。
JR101系ラシ104F(Mc136)と同等の取扱いに近い編成でもあった。
だが武蔵小金井区,豊田区仕様を含めた朱色1号編成では異端になってしまい早期改善へと繋がっている。


所要部品を撤去したクモハ101-152用床板とクモハ101-195用床板。

作業は千葉方のクモハ101-195から開始した。
床板相互交換対象車はクモハ101-152(ツヌ103F:Tc48)との記録が残る。
両車とも当初の床板及びライト基板へ復旧される。
よって2015年10月の施工を全否定する入場になった。
カプラー,プリズムケース,DT21非動力台車は流用するため各々の台枠から取り外した。
プリズムケースはクイックヘッドマーク用マグネットの有無で区別が出来る。
台枠はライト基板とライトスイッチ部品の色が異なっており取り違える心配は無い。
床板の交換を終えたクモハ101-152(ツヌ103F)は組み立てられ一足先に竣工となった。


外観は変わらない竣工後のクモハ101-152。

現行LOTライト基板に戻るクモハ101-195は新たに表示器点灯色変更対策を施す。
クモハ100-191(ツヌ109F:Mc202←クハ100-22:元ムコ10F-2)から水性マッキーの色斑が激しくなった。
水性マッキーは濃すぎても薄すぎても違和感の基になる。
塗布の都度点灯試験を行い納得出来るまで塗り直しを行った。
ティッシュペーパーでインクを全て拭える点は水性マッキーの強味である。
油性マッキーでは修正に難航したと思われ安直な方式が奏功した。


修正を繰り返した表示器点灯色変更施工。

ツヌ110Fは入出場を繰り返した車両が多い。
特にペイントリムーバー式で消去した車両番号標記周囲は汚れが目立ち始めていた。
この症状は全車で見られたため車体清掃を工程に加えた。
更に武蔵小金井区,豊田区仕様で悩まされた側面窓セル窓サッシ印刷を失った車両も存在する。
初出場から時間が経過しておりクモハ101-195,クモハ100-805以外も入場対象へと格上げした。


超極細マッキーで補修したジャンパホース。

クモハ101-195ではジャンパホースの色剥げが目に留まった。
まだジャンパカプラー付近だけ朱色1号が顔を出す状態で交換は見送っている。
補修は0.3mmの超極細字マッキーを起用した。
念のため細字側マッキーでジャンパホース全体を塗り潰した。
追加施工により補修痕は全く伺えない仕上がりになったと思う。
また前面用,側面用とも[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーに浮きがあった。
何れも押さえつけるだけで車体に密着する粘着力が残っており継続使用とした。


補修された窓サッシ印刷(1-3位側)。

1-3位側用側面窓セル窓サッシ印刷は微妙な印刷乱れがあった。
至急修繕を要する惨状ではなかったが今後の入場車に備え修正に取り掛かった。
ツヌ110Fは101系800番代LOT側面窓セル装着車が大半を占める。
従って廃車発生品の転用も可能だったが更に状態の悪い車両が控えており補修を選択した。
比較的小規模の剥離で踏み留まっており油性ペイントマーカーを原液のまま塗布している。
補修に当たっては油断せずマスキングテープで養生を行った。
後始末が必要だったが幸い破綻箇所は生じていない。


乳白色成形品に戻ったライトスイッチ部品。

油性ペイントマーカーの乾燥を待ち車体を組み立てる。
これでクモハ101-195は初竣工当時の部品構成に戻った。
ライトスイッチ部品も黒色成形品から乳白色成形品に改められている。
ただ使用機会は皆無であり今後の車両操配次第では撤去される可能性がある。
KATO製101系では慢性的な保守部品不足に頭を抱えている。
果たしてクモハ101-195が原形を守れるかどうかは微妙な状況と言えるだろう。




クモハ101-195 点灯試験[03C 中野]:再生産品LOT相当床板・現行LOTライト基板更新,表示器点灯色変更施工。

点灯試験は点灯色変更の現物合わせを行った事もあり理想的な色温度に達した。
その代わりクモハ100-805(ツヌ110F)はクモハ101-195と点灯色を揃える作業が加わる。
水性マッキーの状態から微調整の繰り返しは避けられないと思う。
少なくとも違和感の無い点灯状態には近付けたい。
ひとまずクモハ101-195の改修は無事終了した。
導電板の構造が異なる再生産品LOT相当LOT床板への復帰で前尾灯がちらつく症状は解消している。
ツヌ110Fの再出場後も現行LOTライト基板更新を含む現行LOT相当床板化を推進する方向で捻出車両の抽出を進める。
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