試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クハ100-91[ツヌ116F-1] 第二次冷房改造車 1-3位側用折損導電板修復,ライトスイッチ動作改善,印刷消去済[■]幕変更施工 ※'旧製品

2018-11-24 21:41:55 | 国鉄/JR101系
後始末。

KATO製国鉄101系クハ100-91(ツヌ116F-1:T'c91)はクモハ100-162(ツヌ116F:Mc154)へ現行LOTライト基板を供出した。
ところがクモハ100-162(旧製品)での作業失敗により1-3位側用導電板も譲り渡している。
クハ100-91(旧製品:第二次冷房改造車)はツヌ116F-1の目玉と言える車両で長期離脱は防ぎたかった。


国鉄101系クハ100-91 第二次冷房改造車(ツヌ116F-1)。
※旧製品。

クハ100-91は2015年10月に第二次冷房改造車用屋根板への交換を行い初竣工当時の仕様へ復帰させた。
その後クモハ101-70(ツヌ131F:Mc70)とライト基板が振り替えられ現行LOTライト基板更新試作車となった。
また現在に至るまで採用されている表示器用プリズム前端を水性マッキーで塗り潰す表示器点灯色変更試作車でもあった。
入出場を繰り返した旧製品車両にしては良好な車体状態を保っており復旧項目は折損した1-3位側導電板の修繕が主となる。
振り替えられた元クモハ100-162用導電板運転台側は折損に加え波打ちが激しい。
導電板は比較的剛性が低く整形は困難が予想された。


入工中のクハ100-91。

研磨中に変形させた元クモハ100-162用導電板は折損と屈曲が重なる最悪の状態だった。
取り敢えず巻き上げられた箇所だけ直線状に戻した時点で継続使用が放棄される。
導電板のM字形成形角度保全を考慮しクハ100-91から1-3位側導電板が引き抜かれた。
だがクハ100-91は2-4位側導電板の跳ね上がり角度が小さかったと後になって気付く。
結果的に両側の導電板が修正対象となってしまい途方に暮れた。
主工程は床板関連項目の最終工程へと先送りが決定した。
部品供出が相次いだクハ100-91だが床板は種車以来の旧製品LOT品を履き続けている。
御多分に漏れず軽い衝撃でライトスイッチ部品が[ON]位置に入る弱点を抱えていた。
1-3位側用導電板復旧に併せこれの解消を図る。


前照灯用端子部裏表面を平滑化した1stLOTライト基板。

旧製品LOT床板装着車でのライトスイッチ機構動作不良は在籍車で多々生じている厄介な課題である。
長らくライトスイッチ部品を[OFF]位置に押し込みカバーを取り付ける対処療法が採られていた。
本格的な対策試行はクハ100-76(カノ1F:Mc178)に於ける前照灯用端子の平滑化を嚆矢とする。
クハ100-76(旧製品)に取り付けられていた1stLOTライト基板は照度低下が発生しておらず今後の転用が有り得た。
接触不良を招かないよう捲れた前照灯用端子端部を押し戻す最小限の措置で留めている。
クモハ100-162との同時入場だったクハ100-91は1-3位側導電板が撤去された状態で作業が中断されていた。
まだ台枠へライト基板を装着する前でありライトスイッチ部品動作改善策施工には都合が良かった。
クハ100-91に廻ってきた1stLOTライト基板は照度低下が著しく半ばスペーサー同然であった。
従って遠慮無く前照灯用端子部の加工が行える。
依れが生じていた端子をラプロス#4000で均す方式に切り替えた。


修正を済ませた1-3位側用導電板。

前照灯用端子端部への研磨は表裏とも施している。
端子の捲れはライトスイッチ部品が引っ掛かる要因の1つに違いないと思われる。
1stLOTライト基板は経年劣化により半永久的なクハ100-91への組み込みが確実視された。
更なるライトスイッチ部品の動作向上を狙い平滑化面積を稼ぐ施工内容へと変わった。
そのため前照灯用端子にはラプロス#4000を当てた痕跡が強く残る。
逆に擦過痕が目安となり再用予定基板との識別が可能になってくれた。
そして課題の元クモハ100-162用導電板修正に取り掛かる。
1-3位側用導電板折損箇所整形前に跳ね上がりが低い2-4位側導電板を原形へと近付ける。
運転台側前端が変形した1-3位側用導電板はM字形成形部の角度が守られていた。
各々が描く形状に2-4位側用導電板を合わせたが運転台側先端が基準位置に達せず思いの外時間を要している。


運転台側に寄せた導電板。

1-3位側用導電板は先ず折損部を逆方向へ折り返しクランパーにて押し潰した。
残念ながらこの方法では当該箇所を完全な平面まで戻せず筋が残ったままとなった。
屈曲部もクランパーで強引に直線状へ整形した。
捻れの解消が難しく途中から片側毎に作業を進めている。
試行錯誤の結果どうにかスプリング機構を保てる形状へ達したと思えた。
旧製品LOT台枠への導電板組込は車体不等沈下防止対策として連結面側に寄せている。
しかし1-3位側の導電板折損部修正個所は台車集電板との接触部に近接していた。
このままでは枕木方向の車体傾斜に至る可能性が高い。
止むを得ず運転台側に寄せ台車集電板への荷重負荷軽減を図った。


改善されたライトスイッチ部品動作。

半ば見切り発車同然の状況でクハ100-91用床板を組み立てる。
ひとまず運転台側用DT21非動力台車はスプリング機構による反力が感じられた。
台車集電板が上手く導電板折損補修個所を避けてくれたらしい。
そしてライトスイッチ部品の動作確認を行った。
入場前は[OFF]位置への押し込み時に異様な抵抗があった。
まだ施工例が少ないライト基板前照灯用端子部への小細工であるがクハ100-91でも良好な結果を見せた。
ライトスイッチ部品は[OFF]位置へ届く直前に一旦停止する。
ここで更に力を与えるとクリック感を伴いながら[OFF]位置で止まるよう改善された。
クリック感は薄型化した前照灯用端子部を乗り越える際に生じると考えられる。
何度も動作試験を繰り返したが最後までこの感触は変わらなかった。


色地[鶴見⇔扇町]印刷消去済[]幕を取り付けたクハ100-91。

ようやく床板関連の整備に目途が立った。
車体関連項目は行先方向幕部品の取り付けだけだと考えていた。
だが前面窓セルにクハ101-74,クハ100-85(ツヌ113F:Tc74)と同様のエラーを発見した。
前面窓縦桟の銀色塗料がHゴム支持モールドまで進出しており修正に着手する。
クハ100-91は中間組込車のためツヌ113F(再生産品)ほど気を使う必要性が無かった。
爪楊枝で銀色塗料を削ぎ落とす方式はクハ101-74,クハ100-85に倣ったがHゴム支持再現の一部までも剥がしてしまった。
補修は裏目に出たが旧製品先頭車両での前面窓支持色変更用には向いていると思う。




クハ100-91 [ 4 ]:前面窓セルHゴム支持再現修正,導電板整形,行先方向幕交換施工。
※旧製品。

行先方向幕部品は一気に[]幕化した色地[鶴見⇔扇町]幕印刷消去品を再用した。
旧製品車体への取り付けだったが嵌合具合は今ひとつで右下に捲れが生じている。
これは弁天橋区仕様部品と旧製品LOT品に於ける微妙な違いだろう。
製品標準で嵌め込まれた行先方向幕部品は整形の甘い個体が多く見られる。
この傾向は弁天橋区仕様(Mc170)以降から続いており再生産品まで続く弱点だと考えている。
ただ今後先頭車両に[]幕を用いる機会は殆ど無いと予想しており大きな問題にならないと思う。
不暗視された枕木方向の車体傾斜は発症しなかった。
導電板はライトスイッチ部品で半固定されている状態であり移動の恐れは限り無く低いと思われる。




クハ100-91(1-3位側用導電板整形施工)。
※旧製品。

車体不等沈下も見られずクハ100-91(ツヌ116F-1)は無事竣工に至った。
クハ100形用床板は保管品が限られており導電板折損という些細な事情で起用したくなかった。
小手先での誤魔化しに過ぎないが再生産品LOT床板への更新は回避されている。
今考えると元クモハ100-39(廃車:トタ5F)に取り付けられている導電板を転用する手段が残っていた。
クハ100形用床板ばかりに目が行き元クモハ100-39の存在を失念してしまった。
ただ導電板の修正を行えた事実は収穫と言える。
先ずはクランパー式で補修へ挑み上手く行かなかった場合に廃車発生品を活用する。
この記事についてブログを書く
« クモハ100-162[ツヌ116F] 現... | TOP | クモハ101-154[ツヌ116F] 現... »