試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クハ100-76[カノ1F] 第二次冷房改造車 車体不等沈下修正,2-4位側車両番号再転写施工,ライトスイッチ部品動作改善試行 ※'旧製品

2018-10-03 21:52:45 | 国鉄/JR101系
特発。

入場中のKATO製国鉄101系カノ1F(Mc178:旧製品)はクモハ100-124(カノ1F:旧製品)が竣工次第再出場させる予定だった。
しかし以前から生じていたクハ100-76(カノ1F:旧製品)の車体不等沈下が引っ掛かり急遽入場へと変更している。
入場前は導電板位置修正だけで終えられると思っていたが各種不具合が判明したため比較的手の込んだ工程となった。


国鉄101系クハ100-76 第二次冷房改造車(カノ1F)。
※旧製品。

3+7編成の付属3両編成に配されるクハ100-76(第二次冷房改造車)は運転台側がクハ101-41(ツヌ1F:旧製品)と向き合う。
種車はクハ100-78(ツヌ118F:Tc75)でクハ100-90(元ツヌ113F:Mc185)へ改番した際に第二次冷房改造車となった。
増備計画の狂いにより元ツヌ113F(旧製品)はツヌ118F(Mc155:6両口)とツヌ118F(Tc75:4両口)を組み合せ出場させた。
ところが回着当時からクハ101-75,クハ100-78(ツヌ118F:Tc75)には著しい車体高差が見受けられた。
多少の瑕疵は見切らざるを得ない中古製品だがこの様な状況に至るとは予想しておらず虚を突かれている。
クハ100-78は運転台側が競り上がる車体不等沈下を抱えておりクハ100-90への改番後も度々改善に努めてきた。
それでも解消には及ばずクハ100-76+クハ101-41で生じる全高差異は現在まで引き継がれる弱点となっていた。


入工中のクハ100-76。

2016年8月にクハ100-76へ再改番した後も症状改善は実らずクハ101-41の信号炎管付近まで全高が達する有り様だった。
これまで床板分解は避けてきたが完全解消と再発防止を狙い導電板まで撤去する本格改修が決定した。
原因にはスプリング機構が絡んでいると考え作業へ取り掛かったものの本題前に余計な作業を生み出している。
先ずライトスイッチ部品の動作状況を確認したところ[OFF]位置に入らなくなってしまった。
停止位置から進む気配が全く感じ取れず復旧にはライトスイッチカバーを取り外して対処するしかない。
他旧製品LOT床板装着車でも多発している症状を自らの手で招く結果となり工程は見直しが避けられなくなった。


途中で止まったライトスイッチ部品。

中途半端な箇所で止まるライトスイッチ部品は軽い衝撃を与えただけで[ON]位置へと移動してしまう状態だった。
ただ[OFF]位置手前では前照灯のみが非点灯となるためライト基板端子は運転台側:尾灯用,連結面側:前照灯用だとも判明した。
つまり完全に[OFF]位置で固定されない限り尾灯は点灯し続ける構造であり原因解明とその対策に移っている。
さっそく座席部品と台枠を分離してみたものの異常は見受けれず1stLOTライト基板そのものが怪しく思えた。
絶縁方式はライトスイッチ部品がライト基板端子と導電板の間に滑り込む比較的簡便な構造である。


不都合無く見えたクハ100-76用床板。

先ずライト基板を撤去したところ1-3位側端子にはライトスイッチ部品の欠片と思われるプラスチック屑が散らばっていた。
疑惑は正しかった模様でフィルムを介して触れた前照灯用端子端部には捲れたような感触が残った。
但し1stLOTライト基板はトタ5F(Tc14←トタ5F-1:T'38,トタ5F-2:T'36)用予備品を確保しておく必要がある。
今まで殆ど点灯機会に恵まれて来なかったせいかクハ100-76用1stLOTライト基板は照度低下が発生していなかった。
1stLOTライト基板は補充が難しく貴重な予備品となる可能性があり爪先で丁寧に端部の捲れを押し戻している。


前照灯用端子端部を平滑化した1stLOTライト基板。

修正後のライト基板端子端部はフィルムを挟んでも引っ掛かりが感じ取れなくなる状態へと持ち込めた。
この程度まで達すればライトスイッチ部品とライト基板端子部の噛み合わせが悪くなる確率は下がると思われた。
まだ作業が残っており動作確認は持ち越しとしたが何となく解消の糸口を掴めたような気がした。
取り敢えずここでライトスイッチ部品の動作不具合対策は一区切りとし次なる車体不等沈下解消に取り掛かっている。
気になった箇所は1-3位側用と2-4位側用で跳ね上がり角度が極端に異なる導電板運転台側のM字形成形部だった。


跳ね上がらない1-3位側用運転台側導電板。

旧製品LOT台枠でのライト基板交換時に厄介となる導電板M字形成形部だが1-3位側用は殆ど寝た状態だった。
当初は1エンド側台枠の導電板スリット部が原因だと考え位置を揃えたが状況は改善されなかった。
他旧製品LOT床板装着車では2-4位側用の導電板角度が標準的で1-3位側用導電板に問題があると断定した。
1-3位側用,2-4位側用導電板を比較したところ1-3位側用はM字形成形部の運転台側頂点が変形していた。
台車集電板接触部とも近く車体不等沈下解消策の一番手として1-3位側用導電板を2-4位側用と同一角度へ修正する。


角度を揃えた導電板 (1-3位側用,2-4位側用)。

運転台側のみに限られた修正箇所だが決して剛性が高いとは言えない導電板の取り扱いに苦戦した。
強引に矯正すると他箇所の角度にも影響が及ぶため運転台側頂点と下端を交互に伸ばし2-4位側用と合致させている。
床板分解後に判明した疑われる箇所は何れも対策が行き渡りひとまず床板を組み上げ確認へと移った。
1stLOTライト基板への細工は前照灯用端子端部のみであり現行LOTライト基板更新車と変わらない取り付け具合を保てた。
台枠への導電板挿入も2エンド側を撓ませながら導電板スリット部へ滑り込ませる方式に変更した。
単に導電板運転台側の負荷軽減が名目だったが作業効率は1エンド側を湾曲させるよりも高くなった。
個体差があるため統一はしないものの旧製品LOT床板装着車ではクハ100-76の導電板挿入方式を基準にする方向である。


切り替えが可能になったライトスイッチ。

クハ100-76用床板の組み立てはライトスイッチ部品を[OFF]位置へ達する箇所まで挿入し動作試験に備えた。
不具合発症後[OFF]刻印までしか動かなかったライトスイッチ部品は何処にも引き掛からず切り替え出来るようになった。
恐らくライト基板端子端部を押し戻した効果だと思われるがこの状態ならばライトスイッチ部品が削られる心配も無い。
これでライトスイッチ機構に不安定さを抱える他旧製品LOT床板装着車も再生産品LOT相当床板更新以外の対処方法が浮上した。
取り敢えず初動としては有効な対策だと感じられ全く手を出せない状態からの脱出は確実になった。




クハ100-76 [13C 千葉]:1-3位側用導電板整形,行先表示変更施工。
※旧製品。


クモハ100-183 [13C 千葉]:ツヌ103F(再生産品LOT床板更新車)。
※旧製品。

ライトスイッチ部品の動作が改善された序でに全高確認を行ったところ車体不等沈下も収まったと判明した。
車体裾位置が高くDT21非動力台車側梁天面まで見えていた入場前と比べ明らかに運転台側は低くなった。
なお前面車体裾と連結器部品の位置関係は変わっておらず変形した1-3位側用導電板が原因だったらしい。
その割にクハ100-76の車体不等沈下は線路方向のみで発症し枕木方向では見られない不可解な面を有していた。
もしかするとスプリング機構には枕木方向の車体を平行に保つ仕組みが隠されているのかもしれない。
何れにせよクハ100-90時代から幾度も失敗し続けた車体不等沈下対策だがようやく成功に漕ぎ付けられた。
また[三鷹]幕が嵌め込まれていたクハ100-76は保管品削減を図るため再生産品LOT[千葉]幕へ変更となった。
一方クハ101-41用行先方向幕には[東京]幕が採用されており手に余る状況ではなく現状維持とした。


[クハ100-76]:2-4位側。

どうにか予定していた工程を捌き終えたが車体清掃中に車両番号標記インレタの劣化が進んでいると気付いた。
クハ100-76への再改番では節約式を採用したためクハ100-90時代からの[クハ100-76]標記が継続使用されている。
その[クハ100-76]も限界が近付いたらしく2-4位側は[クハ100-76]が崩壊しかけており修正転写へ進むしかなくなった。
車両番号標記剥離を[クハ100-76]だけとする方策も採れたが経年の高さと古インレタ消費が絡み全桁転写とした。
ペイントリムーバー式印刷消去車であり追加転写した[クハ100-76]を含め瞬く間に[クハ100-76]標記跡へと達している。


[クハ100-76]:2-4位側。

だが[クハ100-76]標記インレタを除去したと同時に種車の[クハ100-78]標記印刷跡が出現した。
車両番号標記消去そのものも上手く行っておらず溶解した黒色塗料が膜状に塗り広げられた状態だった。
ペイントリムーバー式印刷消去車の再改番は車両番号標記印刷跡をラプロス#8000で均すよう工程変更した。
クハ100-76では[クハ100-78]標記跡に加え黒色塗料も除去対象となったため修正面積は拡大している。
それでも車両番号標記周囲と上手く馴染み2-4位側からペイントリムーバー式印刷消去の痕跡は消え去った。


[[クハ][1][0][0-][7][6]]:2-4位側。

全桁転写へと進んだ2-4位側の[クハ100-76]標記は古インレタを最大限に活用して復活させている。
先ず[クハ100-76]には余り使用機会が巡って来ない[クハ]標記インレタを単独で転写した。
幸いカノ1F構成車の車両番号標記は1-3位側及び2-4位側の何れかに乱れを抱える車両が多く含まれていた。
クハ100-76は2-4位側だけの再転写となるがバラ標記による組み合わせでも十分誤魔化しが効くと考えた。
そのため[クハ100-76]標記以降も高経年台紙から抽出し[クハ]+[100-]+[7]+[6]にて纏める作戦とした。
しかし1組しか残っていなかった[クハ100-76]が台紙に再融着してしまい細分化を招いている。
もうクモハ100形用,モハ100形用,クハ100形用組標記には頼れず[クハ]+[1]+[0]+[0-]+[7]+[6]の並びで決着させた。




クハ100-76(車体不等沈下修正,2-4位側車両番号標記再転写施工)。
※旧製品。

なお[クハ100-76]の転写崩壊,剥離が相次いだため最終的に[クハ100-76]は差し込み転写を選択した。
転写済の[クハ100-76]を保持する必要があり苦しい配置となったが今ひとつ冴えないカノ1F構成車に救われている。
旧ツヌ113Fをカノ1Fへ改装した際にクモハ101-186185(旧ツヌ113F:旧製品→クモハ101-178:カノ1F)の誤転写が発覚した。
原因は各方面から情報を寄せ集め作り上げた1979年3月現在の津田沼区編成表に誤りがあったためである。
車歴表でクハ100-76の第二次冷房改造入場時期こそ確認できたものの中野区編成表も確度が下がってしまった。
展開次第では再改番も視野に入れなければならず正確な車両番号を把握するまでカノ1Fの修正転写は見送りが決定した。
そのため形状が保たれていた1-3位側の[クハ100-76]標記は転写糊除去だけ実施し作業を打ち切っている。


クハ100-76+クハ101-41 (カノ1F:導電板整形施工車+導電板整形未施工車)。
※旧製品。

想定外の回り道に迫られながらも車体不等沈下解消へと漕ぎ着けたクハ100-76(カノ1F:旧製品)が竣工した。
クハ100-76+クハ101-41で生じていた全高差が廃されたためカノ1Fの編成見附は飛躍的に向上している。
だがカノ1Fはペイントリムーバー式印刷消去と初期節約式改番が重なり転写糊除去の甘い車両を多く抱えていた。
今では単なる汚れと化してしまいモハ100-227以下7両(カノ1F:旧製品)も追加入場が決定した。
幸いにして側面窓セル窓サッシ印刷再現は劣化が殆ど見られず改修入場程の規模には至らないと思う。
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