試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

交通営団5000系深川検車区86F [5836] 非冷房車 後期仕様 (5836,5036 運行番号,行先表示類変更) ※TOMYTEC製

2020-01-15 23:58:36 | 5号東西線,営団線
対比。

TOMYTEC製交通営団5000系86F非冷房車後期仕様(5836)が出場した。
86F非冷房車(5836)は腰板青帯の彩度が高く屋根板も濃灰色とされたため当初から後期仕様に仕立てる予定だった。
プロトタイプは実車の晩年に該当する快速表示器未撤去,B形防護無線アンテナ追設編成を選択している。




交通営団5000系86F 非冷房車 後期仕様。
[86F]:5836-5306-5671-5357-5125-5925-5307-5672-5308-5036
※TOMYTEC製。
◆快速表示器未撤去,B形防護無線アンテナ追設編成。

交通営団5000系4次車は西船橋延伸開業を前に増備された7両編成13本(5826~5838)が該当する。
86F(5836)は1969年4月に登場したが暫定8両,9両編成運転が開始される1969年8月には編成が解かれた。
そのため落成当初の7両編成で運用に就いた期間は半年にも満たなかった。
◆86F:5836-5306-5671-5307-5672-5308-5036(1969/4)。
◆71F:5821-5261-5641-5263-5021+5836-5308-5036(1969/8)。
◆77F:5827-5279-5653+5306-5671+5280-5654-5281-5027(1969/8)。
◆79F:5829-5285-5657+5307-5672+5286-5658-5287-5029(1969/8)。
後に暫定8両,9両編成運転は1977年8月以降の一部10両編成化へと発展解消し5次車,6次車が増備される。
ところが5100形(5次車)は5900形よりも6両少なく代わりに5600形簡易運転台追設改造車が充てられた。
このうち77F(5827),78F(5828),79F(5829),85F(5835)は旧暫定9両編成時代のまま5900形が組み込まれる。
当然5306+5671,5307+5672は旧86Fに戻らず5836以下3両も83F(5833)の中間へ封じ込めとなった。
6次車の登場で5100形,5900形は同数に至りその捻出車両にて新たな10両編成2本が仕立てられる。
ここで運転台機能が戻された5836,5036が先頭車両へ復帰し約9年8箇月振りに旧86F全車の集結を迎えた。
◆83F:5833-5297-5665-5308-5036+5836-5928-5666-5299-5033(1977/10)
◆77F:5827-5279-5653+5306-5671+5916-5280-5654-5281-5027(1977/10)。
◆79F:5829-5285-5657+5307-5672+5917-5286-5658-5287-5029(1977/10)。
◆86F:5836-5306-5671-5357-5125-5925-5307-5672-5308-5036(1979/4)。
1981年12月から亀裂対策を名目とする台車枠交換が行われFS-358台車は順次FS-502台車へと更新された。
なおB形防護無線アンテナ搭載と5000形のパンタグラフ撤去は1986年度以降の施工であるが時期は特定出来なかった。
恐らく運転台側電気連結器の廃止も同時期に実施されたと思われる。
その後1990年6月に5000系は念願の完全10両編成化を達成したが早くも1991年3月から廃車が本格化する。
05系の増備により1994年7月までに1次車や車両故障発生車両を含む7編成が引退を迎えた。
これとは別に東葉高速鉄道譲渡用の12編成も1991年11月から1994年7月に掛けて除籍された。
86Fは1991年11月付で東葉高速へ転籍となったが二度の車両異動を経て改装に備えた。
◆86F:5836-5306-5671-5357-5125-5919-5307-5672-5308-5036(1990/6)。
86F:5836-5306-5671+5283-5656-5903+5307-5672-5308-5036(1991/11)。
しかし東葉高速鉄道の開業が大幅にずれ込み1995年3月まで元86Fは手付かずの状態が続く。
結局東葉高速1000形06F(1061)に改められての再登場は除籍から約4年4箇月が経過した1996年3月であった。


78F,86F (マイクロエース製,TOMYTEC製)。

在籍する交通営団5000系ではマイクロエース製78F非冷房車後期仕様(5828)が86Fに近い存在である。
78Fは61F非冷房車(5811)を種車とするが61F(二代目),61F(三代目)を組み換え10両編成化しており戸袋窓閉塞車が5両含まれる。
またATS-P形取付に伴う快速表示器撤去と行先方向幕交換が行われた冷房改造直前をプロトタイプとした。
そのため86Fと78Fは同じ非冷房車編成ながら仕様重複が回避されている。
両編成では車体の縦横比やベンチレーター寸法に差異があるが形態把握は86Fが上回っていると思う。
78Fより高い雨樋位置が効果的で窓廻りには余裕があり窮屈さを感じさせない側面見附となった。


5671+5357 (3号車+4号車)。
※TOMYTEC製。


5655+5353 (78F:3号車+4号車)。
※マイクロエース製。

だが塗料繊維片除去に手を焼かされる等86Fの第二次整備は順風満帆とは行かなかった。
初入場車となった5306(2号車)からTOMIX製PG16形パンタグラフ(0238)とベンチレーターの干渉に見舞われている。
加えて上昇時に引き抜けてしまうほど嵌合が緩くパンタグラフ取付脚の固定化が必須となった。
物理的にパンタグラフ下枠がベンチレーターと触れてしまうため屋根板への固定方法は二転三転する。
5357(4号車)ではベンチレーター固定化と順番を前後させたが今度はベンチレーターが挿入出来なくなった。
そのため5307(7号車),5308(9号車)は当初から5306と同一方式に戻して対処している。


避雷器と競合するTOMIX製PG16形パンタグラフ(5307:山側)。

奇遇にもマイクロエース製5000系列はTOMIX製PG16形パンタグラフへの換装を終えていた。
従って仕様共通化が実現したがパンタグラフ周りに関してはマイクロエース製に軍配が挙がる。
どうしてもベンチレーターとの競合を防げない86Fは折畳姿勢が不自然になってしまう。
避雷器とホーンが当たる弱点も解消策を見い出せず中野寄から下降させる制限が付いた。
パンタグラフ踏板は屋根板との一体成形が採用されておりマイクロエース製の立体感には敵わない。
TOMYTEC製品では別部品化された形式も存在しているためやや残念に感じられた箇所となった。


5308+5038 (9号車+10号車)。
※TOMYTEC製。


5284+5028 (78F:9号車+10号車)。
※マイクロエース製。

車両毎に差異があった5000形のパンタグラフ撤去跡だが5036(10号車)はヒューズボックスと避雷器が撤去された形態を持つ。
屋根板はパンタグラフ撤去車専用設計でパンタグラフ台座用碍子部品取付脚を別途開孔する必要があった。
そのパンタグラフ台座用碍子部品は白色成形品が採用され濃灰色屋根板に良く映える見附となっている。
5028(78F←5011:61F)もパンタグラフ撤去車へ改装したがヒューズボックス,避雷器は双方とも存置された。
碍子部品はマイクロエース製交通営団8000系12F冷房改造車(8112)の発生品を起用した関係で灰色成形から変更していない。
共に技量都合が絡んだ結果であるが86Fとの差別化に一役買っていると思う。


5836(床下機器配置変更試作車)。
※TOMYTEC製。


5925(床下機器配置変更試作車)。
※TOMYTEC製。

戸袋窓付車と戸袋窓閉塞車で形状が異なるコルゲート板が再現された車体は好ましく映る。
その一方床下機器部品は全形式とも流用品で賄われており広幅箱形機器が多用されていた。
5308までは製品仕様のまま竣工させてきたがさすがに5836(1号車)で違和感を覚え床下機器配置変更に取り掛かった。
しかし非冷房車時代の資料が限られため特定まで辿り着けず床下機器削減と同義の再現に留まっている。
この間に5036の床下機器配置変更試行が確定したものの元5836用床下機器部品だけでは所要数を賄えなかった。
そのため床下機器配置変更準備施工車だった5925(6号車)を再入場させ5036用床下機器部品を捻出した。


5036(床下機器配置変更試作車)。
※TOMYTEC製。


5672(床下機器配置変更未施工車)。
※TOMYTEC製。

この時点で5000形非冷房車の床下機器配置はある程度把握できており予め転用可能な部品を選定している。
改装予定が前倒しされた5925は部品捻出を前提としたが5836とほぼ同様の床下見附に仕上げられた。
全部品とも台枠嵌合爪受を活用したがFS-502非動力台車との釣り合い都合から一部機器は取付位置が変更されている。
元5836用,元5925用床下機器部品を再用した5036は全面的に機器配置が見直され他M2車とは様相が異なる見附へと改められた。
但し配置都合により台枠嵌合爪受と合致しない箇所が増えていまい台枠裏面への直接固定にて対応した。
残念ながらC-2000形空気圧縮機の追設は果たせずに終わりやや惜しまれる結果となった。


5036 [83S [地下鉄 快速] 西船橋 地下鉄経由]:運行番号,行先表示変更施工車。
※TOMYTEC製。


5028 [96S 快速 中野 地下鉄経由 NAKANO]:78F(自作行先方向幕ステッカー貼付車)。
※マイクロエース製。

行先表示類は車体に印刷済の[65S [地下鉄 快速] 西船橋 地下鉄経由]を継続採用する予定だった。
ところが5836の黒Hゴム支持印刷補修で失敗し[83S [地下鉄 快速] 西船橋 地下鉄経由]表示へ変更となった。
運行番号表示幕には[83S]表示を[83S]表示へと改めたマイクロエース製61F付属ステッカーが代用出来た。
一方[西船橋 地下鉄経由]幕は61F非冷房車中期仕様(5811)用だった自作ステッカーを約4.5mm幅に切り詰めて貼付している。
予想よりもHゴム支持モールドが高くステッカー再現による弊害は感じられないと思う。
なお在籍編成では極力前面窓セル表面印刷を廃止しているが快速表示器の内側掲示変更は見送られ製品印刷が生き残った。


86Fサイドビュー(5836:FS-358非動力台車装着車)。
※TOMYTEC製。


78Fサイドビュー(5828:FS-502非動力台車換装施工車)。
※マイクロエース製。

作業簡略化と仕様共通化を考慮し信号炎管,B形防護無線アンテナはKATO製に変更した。
なお5836は5307(動力ユニット搭載車)の発生品転用にてFS-502非動力台車への換装が行える環境にあった。
しかし5828(78F←61F:5811)との差別化が優先され敢えて振替えには進まずFS-358非動力台車のまま竣工させている。
不安視されたFS-358非動力台車とTNカプラーSPの干渉だがC280曲線では不都合は生じないと確認された。
ちなみに86Fの仕様であれば電気連結器付TNカプラーSP(JC6324)でも齟齬が生じないため選択肢は広がると思う。
86Fには続編を期待させる[A]表記が成されており製品化次第ではマイクロエース製を凌ぐ規模に拡大するかもしれない。
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