試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

交通営団5000系5306[86F] 非冷房車 後期仕様 車体清掃,屋根上機器部品固定,床板一体化施工 (戸袋窓付車) ※TOMYTEC製

2020-01-04 23:43:10 | 5号東西線,営団線
1453。

回着したTOMYTEC製交通営団5000系86F非冷房車(5836)の第二次整備を開始する。
86Fは予想よりも品質が思わしくなく第一次整備項目を大幅に簡略化した。
そのため如何に効率良く第二次整備を進めるかが早期出場への鍵を握ると言えた。


交通営団5000系5306 非冷房車(86F)。
※TOMYTEC製。

第一次整備では車体にこびり付く夥しい塗料繊維片の除去が取り止めとなった。
先発入場させた5836(86F)で状態改善に挑んだものの道半ばで断念に追い込まれている。
繊維片は塗装被膜の仕上げ不足が原因であり車体各所に散在していた。
しかも光り輝く車体に埋没してしまい非常に判別し難かった。
また車体断面の清掃が行えず後から他箇所の繊維片を発見する場面も度重なった。
堂々巡りが続き第二次整備にて煩わしい繊維片を完全に取り除く方向へと転換した。


入工中の5306

その結果5836,5036(86F)の前面見附は埃塗れ状態で第一次整備が打ち切られる。
繊維片の大元は銀色塗装だと思われるが無闇に除去すると腰板青帯を犠牲にする可能性が考えられた。
よって第二次整備は5306以下8両(86F)から順次開始し完全なる繊維片の除去を目指す。
清掃に当たり窓セルは全て撤去するが側面窓セルと妻面窓セルの支持関係を抑える必要がある。
TOMYTEC製別形式では窓セルの取り外しに難儀した事例が数多く見受けられた。
交通営団5000系は初導入であり構造解析を主に5306の第二次整備へと取り掛かっている。


戸袋窓側を車体外側から押し込み撤去した妻面窓セル。

床板は嵌合精度が高く第一次整備時に引き続き爪楊枝を介して車体と分離させた。
TOMYTEC製品の窓セル撤去は車体内側偶柱部へ爪楊枝若しくはニードルを差し込む方式を採ってきた。
これは妻面窓セルが側面窓セルを支持する構造が採用されていたためである。
ところが側面窓セルには偶柱部の隙間が殆ど無くこの手法は通用しないと判明する。
改めて両窓セルの支持関係を確認したところ嵌合爪は側面窓セル端部に設けられていた。
この噛み合わせであれば側面窓セルではなく妻面窓セルが先に取り外せると考えた。


各部の措置を終えた車体。

妻面窓セルの撤去は窓サッシモールドが無い戸袋窓側を車体外側より押し込む方式とした。
嵌合爪位置は腰板付近にあるため戸袋窓側板寄下部に狙いを定めた。
戸袋窓下部が車体から離れた事を確認しそのまま上方に向かい全ての嵌合を解く。
その後妻面窓セル全体を斜めにずらしながら二段窓側の引き抜きへと持ち込んでいる。
山側,海側とも外側へ車体を撓ませる必要があるが一応の基準にはなると思う。
但し妻面窓セルに強い負荷が掛かる関係から貫通扉非設置車では再考を要するかもしれない。


走行部品を組み付けた床板一式。

厄介な繊維片は綿棒と磨きクロスを併用して除去を行っている。
心配された腰板青帯への侵食は発生せず銀色塗装にも何ら影響を及ぼさなかった。
ただ繊維片はその存在が分かり難く清掃の都度濃灰色ウレタンと対比させ進捗状況を確認した。
嵌合の甘いベンチレーターは着脱を行った後に流し込み接着剤で溶着させた。
続けてTOMIX製PG16形パンタグラフ(0238)も固定したがベンチレーターと干渉するため上昇姿勢を保つ必要があった。
同様の施工が伴う5357,5307,5308(86F)では工程順を入れ替えベンチレーター固定化を後に廻し対処する。


車体側が露出している床下機器部品取付脚。

TOMYTEC製品での床下機器部品固定化は定番工程であるが台枠との溶着面を車体中央寄に変更した。
台枠車体中央の床下機器部品取付口は嵌合爪受を兼ねる構造から掻き取りが設けられている。
そのため当該部は片側支持しか採用できず床下機器部品全体を台枠側面寄に偏位させて対応した。
座席部品両端部裏面と台枠ダミーカプラー用取付孔成形部天面を溶着する方式は従来と変わっていない。
床板一体化は剛性確保が施工名目であるが5306では整備時の着脱性向上にも期待を寄せていた。
しかし床板の嵌め難さは引き継がれてしまい目的を果たせないまま終わっている。




5306非冷房車後期仕様(86F:TOMIX製PG16形パンタグラフ・ベンチレーター固定化,走行部品組込施工)。
※TOMYTEC製。


5282非冷房車後期仕様(78F:戸袋窓・側扉窓黒Hゴム支持化施工車)。
※マイクロエース製:2号車。

5306の側面窓セル嵌合爪を一見した限りでは従来製品に比べその嵩が増したように映る。
全車共通で感じ取れた車体と床板の嵌合精度向上は嵌合爪が関係していると思われる。
現時点では抜本的な解決策が見当たらないため5306(86F)は措置を採らずに竣工させた。
乱れていたベンチレーター角度は修正され側面見附を崩す要因が取り払われた。
TOMIX製PG16形パンタグラフも屋根板との平行が保たれ悪くない滑り出しになったと思う。
ただ繊維片の除去だけで約25分を費やされており5671(86F)以降は単独入場に切り替える予定である。
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