試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

交通営団5000系5357[86F] 非冷房車 後期仕様 TOMIX製PG16形パンタグラフ固定,床板一体化施工 (戸袋窓閉塞車) ※TOMYTEC製

2020-01-06 23:58:03 | 5号東西線,営団線
1457。

TOMYTEC製交通営団5000系86F非冷房車(5836)には3両の戸袋窓閉塞車が組み込まれている。
戸袋窓閉塞車は5357,5125,5925(86F)が該当するが何れも車体成形が異なる。
86Fの第二次整備は5306(2号車)から中野寄に向けて開始したため5357(4号車)が入場となった。


交通営団5000系5357 非冷房車(86F)。
※TOMYTEC製。

これまで戸袋窓付車の5306,5671(86F)を竣工させたが基本的な車体構造は同一であった。
戸袋窓閉塞車では初入場となる5357は独自の特徴を持つ貫通扉非設置車である。
妻面窓セルは一枚成形から∩字形成形に変わり貫通扉設置車よりも剛性が下がると予想された。
多少強引な撤去が行えた5306,5671とは異なり5357は折損の不安が付き纏う。
但し側面窓セルが妻面窓セルを支持する構造に変更は無く撤去方式は変更しない。
その代わり妻面窓セルへの負荷を如何に軽減させるかが課題となった。


入工中の5357

5357はベンチレーターの嵌め込みが非常に甘く西船橋寄2器を除いて屋根板と接していなかった。
当然折畳時にベンチレーターと接触するTOMIX製PG16形パンタグラフ(0238)も健在である。
またヒューズボックスまで山側用,海側用の嵩が揃っておらず状態は思わしくなかった。
屋根上機器部品で問題無かったのは避雷器だけであり個体差が露骨に現れている。
車体も塗料繊維片に加え雨樋成形の乱れ等各所で引っ掛かる箇所が見受けられた。
戸袋窓閉塞車で整備の流れが変わると期待していたがむしろ逆方向に進んでしまった。


山側,海側双方の二段窓下部を押し込んだ妻面窓セル(中野寄)。

貫通扉設置車の妻面窓セルは戸袋窓側の嵌合を完全に解いてから斜め方向へずらして撤去した。
しかし貫通路部の掻き取りを有する5357用妻面窓セルでは引き抜きに耐えられない恐れがある。
極力変形に至らせない方法が安全と言え山側,海側とも二段窓下部の押し込みを先行させる。
予定では一旦車体内側から双方の妻面窓セル腰板寄を浮かせた状態で幕板寄に向かうつもりだった。
ところが残る片側の押し込みを終えると同時に先発させた二段窓が側面窓セルと離れてくれた。
支持を失った妻面窓セルは両側面窓セルで挟まれるだけとなり無事車体裾側に引き出せている。


失敗だったTOMIX製PG16形パンタグラフの先行固定。

嵩が異なっていたヒューズボックスは5306を基準に持ち出し位置調整を行った。
また屋根板との相性が悪く安定感に欠けたため直ちに流し込み接着剤で溶着させている。
5306での施工結果を受けベンチレーターに先じてTOMIX製PG16形パンタグラフを固定した。
やはり上昇姿勢よりもパンタグラフ台枠の平行が出し易く狙いは的中したように思えた。
だが西船橋寄ベンチレーターがパンタグラフ下枠と被る位置へ配される落とし穴に嵌まった。
どうにか屋根板まで押し込もうとしたが直上から圧が加えられず傾斜を解消できなかった。


溶着方式を改めた床下機器部品(山側)。

パンタグラフ前後に設置される全高が抑えられたベンチレーターは5200形の特徴である。
この箇所はどうしても見附に拘りたくベンチレーターの完全嵌合を優先させた。
TOMIX製PG16形パンタグラフへの流し込み接着剤投入量は破損交換を考慮して最低限に絞っていた。
いきなりの撤去機会を迎えたが意図した通り軽い抵抗だけで簡単に取り外せている。
結果的に5306と同一の手順で屋根上機器部品を固定する方式へ舞い戻った。
二度の流し込み接着剤投入を被ったパンタグラフ取付脚だが変質は殆ど無く再用となった。


5357:貫通扉非設置車。
※TOMYTEC製:中野寄。


5671:86F(貫通扉設置車)。
※TOMYTEC製:中野寄。

時間を要する車体塗料繊維片の除去は最終工程へ廻し床板整備に取り掛かった。
基本工程は5306,5671と同様であり直ぐに作業を終えられると考えていた。
しかし5357に装着されていた床下機器部品は枕木方向のぐらつきが激しく心許ない嵌合具合だった。
折しも台枠車体中央嵌合爪受の成形都合により溶着位置を車体中央寄へ変更したばかりである。
事実上嵌合爪は片側支持になっており座席部品天面への流し込み接着剤投入を復活させた。
更に台枠掻き取り部と重なる嵌合爪は側面からの溶着に変更し嵌合精度不足を補っている。




5357非冷房車後期仕様(86F:TOMIX製PG16形パンタグラフ・ベンチレーター固定化,走行部品組込施工)。
※TOMYTEC製。


5353非冷房車後期仕様(78F:明灰色Hゴム支持車)。
※マイクロエース製:4号車。

戸袋窓閉塞車である5357の繊維片除去は戸袋窓付車より捗るものと決め付けて作業に入った。
側板は5671に倣った清掃方式とし生まれるはずの余裕時分を雨樋補修へ充てる算段とした。
だが5306,5671とは本数が異なるコルゲート板から湧き出てくる繊維片に手を焼かされる。
間隔が広いコルゲート板は繊維片発生を防ぐ要素になり得ると考えていたが真逆の答が返ってきた。
また把手が再現された貫通路も行く手を阻む原因と化してしまい予想とは違う方向に進んでいる。
雨樋は波打ちの軽減を狙ったが殆ど改善が伺えず程なく打ち切りとなった。




5671+5357 (86F:戸袋窓付車+戸袋窓閉塞車)。
※TOMYTEC製:輪心黒色化済金属車輪交換施工。

もう少し状態を上げられると思えた5357(86F)だがベンチレーターと塗装被膜の改善に留まる竣工となった。
なお車体への組み付け時も妻面窓セルの∩字形成形部が撓まないよう配慮している。
車体偶柱部を側面窓セルごと外側に押し広げ山側,海側の嵌合爪を同時に通過させた。
妻面窓セルの取り扱い方法に関しては5125以下7両(86F)でも5357を踏襲する予定である。
一方床板の組み込みは依然として苦戦を強いられており明るい兆しが見えてこない。
運転台側台枠が浮き上がる5836,5036(86F)では着脱試験を繰り返すはずで今のうちに各種試行を重ねる。
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