試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

交通営団5000系5836[86F] 非冷房車 後期仕様 運転台側床板嵌合修正,床下機器配置・行先表示類変更試行 ※TOMYTEC製

2020-01-12 23:37:54 | 5号東西線,営団線
1452。

第二次整備に苦戦しながらもTOMYTEC製交通営団5000系86F非冷房車(5836)は5306以下8両(86F)が竣工した。
いよいよ出場が視界に入ったが5836,5036(86F)の整備は中間車両と一線を隠す。
運転台側車体が浮き上がる悪癖は傾斜や不等沈下に繋がるため出来る限りの措置を施す。


交通営団5000系5836 非冷房車(86F)。
※TOMYTEC製。

運転台側床板の嵌合不良は5836,5036双方で発生しており構造解析に時間を割きたい。
5036はパンタグラフ撤去跡に別部品が採用されているため屋根板の開孔箇所が増える。
一方5836もTNカプラーSPとFS-358非動力台車の干渉が引っ掛かるものの工程数は少なくなる。
各方面から車体の浮き上がり防止策を試行するには5836が先発入場に適すると思えた。
基本構造は運転台付車両も中間車両と共通であり前面窓セル嵩と乗務員室仕切部品が怪しく感じられる。
先ずはどの部品が競合するか切り分けを行うべく着脱試験から取り掛かる工程とした。


入工中の5836

早速5836を分解したところ運転台付車両は傾斜したまま座席部品が嵌まる構造だったと判明した。
座席部品は運転台側を頂点に連結面側へ向けて少しずつ嵌合が深くなって行く。
連結面側の嵌合位置は中間車両と同じであり運転台側に問題があるのは確実だった。
原因は運転台側座席部品が乗務員室仕切部品を覆っていたためである。
取り敢えず座席部品の運転台側を短縮し車体と平行に収められるか試行する。
ただ現物限りの一発勝負は危険と考え5308(86F)に誤装着されていた運転台付車用座席部品を手元に置いた。




傾斜が解消された座席部品。

台枠一体化を施す関係から運転台側の切断箇所は西船橋寄台枠支持部に定めた。
初めは運転台側を短縮するのみとしたがこれだけでは傾斜は解消されなかった。
そのため西船橋寄台枠支持部を逆L字形からl字形へ整形し全高も約2mm程度に切り詰めている。
台枠支持部の細工を終え車体へ組み込むと大凡水平に達し傾斜は殆ど伺えなくなった。
万が一に備え用意した元5308用座席部品の出番は無く5036用に温存された。
ここで運転台側車体の浮き上がり抑制に期待して一旦5836を組み立てている。




下部を切り詰めた乗務員室仕切部品。

ところが症状は全く改善されておらず乗務員室仕切部品,座席部品双方を撤去して組み直した。
台枠単体では運転台側,連結面側とも同一の嵌合具合を示し乗務員室仕切部品が整形対象となった。
乗務員室仕切部品は車体天井部との3点嵌合式であり容易に取り外せている。
だが構造上乗務員室仕切部品の何処が台枠と接触しているか視認できない。
天井側は嵌合爪を整形しなければならず運転士用座席成形下部の張り出しを切除した。
そして再度の床板装着試験にて症状解消が見込める手応えを得られた。


KATO製を採用した信号炎管とB形防護無線アンテナ。

第二工程は屋根板整備としベンチレーター角度修正,信号炎管・B形防護無線アンテナ取付を行う。
先にマイクロエース製78F非冷房車後期仕様(5828)へKATO製B形防護無線アンテナを搭載させていた。
共通化を図るべく86FにもKATO製B形防護無線アンテナの充当が決定した。
KATO製B形防護無線アンテナは取付脚が切除された保管品を引き当て屋根板に直接固定している。
また湯口跡が苦手な箇所に来るTOMYTEC製信号炎管も使用を見合わせた。
これに伴い信号炎管取付孔は僅かながら拡大を要しΦ0.8mmへ変更となった。


成形部品だった前面腰板青帯。

塗料繊維片除去を第二次整備の締め括りとする予定だったが諸事情により第三工程へ前倒しされた。
前面窓セルと側面窓セルの嵌合は従来製品に近く車体偶柱部へニードルを差し込む手法が通用した。
天地の広い前面窓セルには繊細な前尾灯レンズが成形されているため慎重な引き抜きを心掛けた。
ところが予想していた形状とは異なり運行番号幕,行先方向幕は車体印刷であった。
また前面車体内側に見られた不自然な青色塗料は腰板青帯の取付脚だと判り押し出して撤去している。
夥しい塗料繊維片の発生源は腰板青帯成形部が大半を占めており重点的に清掃を行った。


マッキーで塗り潰した貫通扉窓,前面窓Hゴム支持モールド。

5836は第一次整備時に黒色塗料が廻り切っていない貫通扉窓,前面窓黒Hゴム支持印刷の補修が確定した。
補修は別形式でも多用しているマッキーの上塗りであり容易く修正出来ると考えていた。
しかし車体再現とHゴム支持モールド幅の狭さが重なり予想以上に苦戦している。
度々ペン先が幕板に触れてしまいその都度慌てて製図用消しゴムへ持ち替えインクを除去した。
銀色塗料とマッキーは相性が宜しくない模様で塗布失敗箇所は全く判らなくなった。
その代わり黒Hゴム支持印刷補修も今ひとつ冴えない結果に終わっている。


適当に削減した床下機器数。

床下機器配置変更試行が急浮上したため5836の最終工程は床板整備となった。
検討段階まで進んだ5925(86F)は資料不足により床下機器配置変更準備対策を施して竣工させた。
その後各資料を当たったものの5900形非冷房車の鮮明な記録には巡り会えなかった。
同時に5800形の確認も並行したが決定打を欠いた上に流用での床下機器配置再現は難しく思われた。
しかし製品仕様のままでは床下見附が込み合い過ぎるように映り床下機器配置変更へと踏み込んでいる。
何となく様子が伺えた山側は機器数の削減と取付位置をずらして対処した。




5836 [83S [地下鉄 快速] 西船橋 地下鉄経由]:床板嵌合修正・行先表示類変更試行,信号炎管・B形防護無線アンテナ取付,黒Hゴム支持印刷補修施工。
※TOMYTEC製。


5828 [96S 快速 中野 地下鉄経由 NAKANO]:78F(KATO製B形防護無線アンテナ搭載施工車)。
※マイクロエース製。

床板一体化は座席部品が短縮されたため運転台側のみ台枠支持部への流し込み接着剤投入に変更している。
一応剛性不足は感じられず多少不安があった車体の浮き上がり再発も生じなかった。
なお運行番号,行先表示器にも黒Hゴム支持印刷補修を施したがこれが大失策を招いた。
マッキーのペン先が当たり[65S 三鷹 地下鉄経由]表示は[65S 地下鉄経由]表示へと変わってしまった。
修復は不可能で急遽運行番号幕:マイクロエース製ステッカー,行先方向幕:自作ステッカーを代打に起用した。
何れもぎりぎりでHゴム支持モールド内に収まり難を逃れている。




5836非冷房車後期仕様(86F:運転台側床板嵌合修正,床下機器配置変更試行)。
※TOMYTEC製。


5828非冷房車後期仕様(78F:FS-502非動力台車換装施工車)。
※マイクロエース製:1号車。

各種試行が積み重なった結果5836(86F)は約120分の作業を経て竣工となった。
入場前に比べ床下機器が削減されFS-358非動力台車の存在感が増したように映る。
あくまで雰囲気を重視しただけで実車に即している訳ではなく海側は殆ど推測に頼っている。
それでも全てを流用で賄った割にはそれなりの側面見附に纏められたと思う。
課題だった床板嵌合修正は部品毎の段階を踏んでおり5036に反映出来ると思われる。
但し一気に作業は進めず5036の個体差に合わせた柔軟な対応を取る方向である。
この記事についてブログを書く
« 交通営団5000系5308[86F] 非... | TOP | 交通営団5000系5925[86F] 非... »