試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クハ101-75[ツヌ104F] 車体改修 (1エンド側導電板角度修正,LP411前照灯用ライトレンズ交換,行先表示変更施工) ※'旧製品

2020-02-13 23:58:29 | 国鉄/JR101系
強化。

予備品不足が続くKATO製黄色5号LP411前照灯は国鉄101系ツヌ104F(Mc159:旧製品+弁天橋区仕様)でも調達に悩まされた。
半ば窮余の策でクモハ101-165(ツヌ104F)用種車にはクモハ101-170Assy車体組立車(Mc170:弁天橋区仕様)を充当した。
更にクハ101-75,クハ100-35(ツヌ104F:旧製品)では黄色5号へ塗り替えた朱色1号LP411前照灯を起用している。


国鉄101系クハ101-75(ツヌ104F)。
※旧製品。

当然ながら塗装変更済LP411前照灯は全て101系メイクアップパーツ3(11-516)が原形である。
本格採用に踏み切った時期はツヌ106F(Mc160:再生産品+旧製品)の組成準備へと着手した2016年7月だった。
確保が難しくなった黄色5号LP411前照灯を捻出すべく旧ツヌ101F(Mc148→ツヌ101F-2:T'c30)が入場となった。
交換対象車にはクモハ101-109,クモハ101-131,クハ100-30,クハ100-35(ツヌ101F-2:旧製品)を割り当てている。
全車運転台付中間組込車であり黄色5号LP411前照灯を補完する切り札になると思われた。
だがその後もLP411前照灯先頭車両の増強は続き遂にクハ101-75,クハ100-35(ツヌ104F)では瑕疵品が出番を迎えた。


入工中のクハ101-75。

クハ101-75(ツヌ104F)に続いて竣工したクハ100-35(ツヌ104F)には嵌合爪が削り取られた塗装変更済LP411前照灯を用いた。
改修入場に併せ現状を確認したところ木工用ボンド併用固定が奏功しまだ使用可能な状態と判断された。
一方クハ101-75用塗装変更済LP411前照灯は嵌合爪が失われた破損品であった。
長らく緊急予備品として眠っていたが慢性的な黄色5号LP411前照灯不足には敵わず起用へと至っている。
ライトレンズも導光部が約半分程度切り落とされており裏面全体を木工用ボンドで覆う方式で固定した。
しかしクハ100-35用LP411前照灯よりも剛性が大幅に劣るため今入場にて強度向上を図る。


未固定だったウエイト。

従来通り床板改修より作業に入り塗装変更済LP411前照灯の補修は最終工程に廻した。
竣工時期からクハ101-75(ツヌ104F)用床板でもウエイト固定化が施工されていると考えていた。
ところがクハ100-35(ツヌ104F)用とは異なり製品原形のままで何の抵抗も無く脱落している。
心配されたウエイト断面だが腐食は一切見られずマッキーでの事前防錆対策を施すのみに留まった。
クハ101-75,クハ100-35(ツヌ104F)では床板更新を見送ったため引き続き旧製品LOT床板が使用される。
その代わり予備品数が心許ない旧製品LOT運転台付車用導電板の整形を工程に含めた。




跳ね上げ角度を拡大した1エンド側導電板。

クハ101-75(ツヌ104F)用導電板もクハ100-35(ツヌ104F)用と同じく運転台側の跳ね上がり角度が低かった。
導電板にはスプリング機構が働く構造上ある程度の反力が求められるはずである。
予め製品原形に近いクモハ101-155,クモハ100-108(ツヌ118F:Mc155)と照らし合わせた上で導電板整形へ取り掛かった。
角度変更の鍵を握るM字形成形部のうちライト基板と接触する車体中央寄は整形対象から外した。
運転台側端部だけを垂直方向に持ち上げM字形成形部そのものの変形を防いでいる。
整形により反力が蘇った導電板はしっかりと台枠スリット部に収まるよう改められた。


薄型化したライト基板裏面後端部。

一度クハ101-75(ツヌ104F)用床板を組み立てたが今度はライトスイッチ部品が[OFF]位置に入り難くなってしまった。
回着当時の記録によるとライトスイッチ動作には異常が伺えず製品原形のまま竣工させていた。
今回導電板を整形した事でライトスイッチ部品に掛かる入力が増し不具合発生に至ったと思われる。
旧製品LOT床板装着車ではクハ100-76(カノ1F:Mc178)にてライトスイッチ部品移動防止対策が試行された。
ライト基板裏面前照灯用端子部を平滑化する方式は一時正式採用となったがその後上手く機能しない車両が現れる。
既に再生産品LOTクハ101形用床板を回転させられる状況ではなく新たなライトスイッチ部品移動対策の検討に入った。


問題無く動作するライトスイッチ部品。

従来方式での基本的な考え方は間違っていないと思われライト基板端子部平滑化を薄型化へと深化させる。
クハ101-75(ツヌ104F)に取り付けられている1stLOTライト基板は照度低下が著しく予備品には値しなかった。
実質スペーサーの役割しか担っておらず点灯不能に陥っても何ら支障ない。
そこで金工用鑢にてライト基板裏面前照灯用端子後端部を削り台枠表面との間隔確保に努めた。
試行前よりもライト基板後端部の撓み代が確保されたためかライトスイッチ部品の動作は軽くなった。
操作感は再生産品LOT床板と同格に達し[OFF]位置への移動,停止も安定化が実現している。




単独保管品に入れ替えられたLP411前照灯用ライトレンズ。

塗装変更済LP411前照灯は折損させた嵌合爪とライトレンズを瞬間接着剤で一体化し車体に取り付けた。
前途の通り裏面全体が隙間無く木工用ボンドで覆われているため取り外しは困難な状態にある。
先ずLP411前照灯用ライトレンズと嵌合爪の間へクラフトナイフを差し込み双方を分離した。
次に嵌合爪を車体から剥離させないよう注意しながらLP411前照灯用ライトレンズの撤去へと移る。
強引な作業は朱色1号地を露出させる危険性が高く車体内側より破砕する方式に限った。
どうにかライトレンズの撤去まで漕ぎ着け製品原形に近いLP411前照灯本体形状を守り切った。




クハ101-75 [03C 東京]:LP411前照灯用ライトレンズ交換,行先表示変更施工。
※旧製品。


クハ101-64 [13C 御嶽]:ツヌ108F(LP411前照灯(101系メイクアップパーツ1:破損品)交換施工車)。
※再生産品。

但し嵌合爪はLP411前照灯本体との溶着が不可能だったため辛うじて車体断面に固定されているだけである。
LP411前照灯本体も木工用ボンド固定に留まっており代替用ライトレンズを介した補強策へと踏み出した。
ライトレンズは嵌合爪付近の他凹形成形部もゴム系接着剤塗布箇所に加え三者を同時固定している。
今回クハ101-75(ツヌ104F)へ取り付けたLP411前照灯用ライトレンズは無瑕疵の保管品である。
このライトレンズは肝心な朱色1号LP411前照灯本体を破壊してしまい使用される事無く単独保管品に廻っていた。
緊急事態に備え長期間眠らせていたがここまでの経過から今後も登板機会は巡って来ないと判断した。




クハ101-75 点灯試験[03C 東京]:導電板・ライト基板端子部整形,LP411前照灯用ライトレンズ交換施工。
※旧製品:1stLOTライト基板装着車。


クハ101-75 点灯比較[11C 西船橋]:ツヌ102F(現行LOTライト基板更新車)。
※旧製品。

補修前のLP411前照灯用ライトレンズは全長が短く上下とも嵌合爪後端部が浮いていた。
製品原形品への交換により全区間がライトレンズと接する状態に改められたため以後剥離には至らないと思われる。
また前面側ライトレンズからはみ出したゴム系接着剤接着剤の除去も行っており確実に強度が上がった手応えを得られた。
初竣工時の点灯試験ではライトレンズ導光部が無く[武蔵小金井]表示を照度低下基準にしていた。
クハ101-75(ツヌ104F)に取り付けていた[武蔵小金井]幕は全体が曇っており[東京]幕へ交換し再度点灯試験を行った。
妙な前照灯点灯具合からは脱出したもののやはり1stLOTライト基板予備車には指定されずに終わっている。




クハ101-75(1エンド側導電板整形施工)。
※旧製品:車体改修。

なお前照灯用端子部が削られた1stLOTライト基板だが前尾灯点灯には全く影響しなかった。
まだ中間に組み込まれるクハ101形,クハ100形旧製品LOT床板装着車が多数残っており今後の展開を明るくさせている。
前照灯用端子部表面には一切手を着けておらず1stLOTライト基板予備車にも採用出来るかもしれない。
ちなみに[武蔵小金井]幕の廃止は先にクハ100-35(ツヌ104F)へ[武蔵五日市]幕を採用した都合もあった。
ツヌ104Fには運転台付中間組込車が3両存在するため[武蔵小金井]幕と[武蔵五日市]幕の重複が気になった。
一応クモハ101-165:[]幕,クハ101-75:[東京]幕,クハ100-35:[武蔵五日市]幕と分散を図ったつもりである。


サハ101-263+クハ101-75 (ツヌ104F:床板改修施工車+床板改修施工車)。
※旧製品。

運転台付車用導電板の整形は思わぬ車体不等沈下を招く場合がある。
そのためサハ101-263(ツヌ104F:旧製品)との連結試験まで気の抜けない状況が続いた。
結果は上々で両車の雨樋位置には段差が見られずこのままクハ101-75(ツヌ104F:旧製品)を竣工させた。
今入場では運転台付車用導電板整形,ライトスイッチ部品移動対策,塗装変更済LP411前照灯補強が実施された。
このうちLP411前照灯以外の2工程は在籍車へ波及する可能性を秘めた施工となった。
中でもライトスイッチ部品移動対策は旧製品LOT床板装着車に於ける課題と言えクハ101-75(ツヌ104F)で経過観察を続ける。
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