さあこれから直線に向かいます。各馬横一杯に広がった、先頭はブラックシャドー、さあここからナリタトップロード。ブラックシャドー先頭、そして2番手にはバランスオブゲーム、さらにはロサード、それからサクラスピードオー、ボールドエンペラーなど。しかし先頭はブラックシャドー・・・
皐月賞を鞍上のデムーロ騎手の見事な逃げもあって、圧倒的な強さで制したブラックシャドー(805)は、皐月賞激走の反動もなく、順調に仕上がっていた。絶好調の一歩手前で皐月賞に完勝してから2~3週は馬体に若干疲れが残っていたようだが、調教では相変わらず良い動きを見せ、馬自身の精神的成長も見受けられた。6月に入ってからは疲労も完全に回復し、6月2週目のダービーは心身ともに絶好調の状態で迎えることになった。新聞紙上では皐月賞での不可解な敗戦の雪辱に燃えるセイウンスカイ、皐月賞を回避しダービー一本に照準を絞ったナリタトップロードの評判が高かったが、本番に向けて思い通りの調整に成功したブラックシャドー陣営は確かな手応えを感じていた。オーナーブリーダーの木林は「好走できるかも、ではなく、勝てるかも、と思ってダービーに臨めるのは初めて」とダービーへの自信を語った。
しかし、ダービー直前、ブラックシャドー陣営にとって、本番の結果を大きく左右しかねない誤算が生じた。皐月賞で同馬の手綱を取り、ダービーでも騎乗を予定していたデムーロ騎手が、京都のレースでの進路妨害のために2日間の騎乗停止となってしまったのだ。すでに有力馬の多くが鞍上を決定しており、主なリーディング上位の騎手はダービーでの騎乗馬を決定してしまっていた。迷った末、陣営は逃げ馬の騎乗に定評のある中舘に同馬の背中を託すことにした。もっとも、皐月賞の鮮かな逃げ切り勝ちはあるにせよ、府中の長い直線を前に、本番で逃げを打つことに若干の躊躇があった陣営にとっては、鞍上が中舘に決まったことは悪い選択ではなかったかもしれない。このとき、調教師の奥平と馬主の木林のハラは、このとき「逃げ切ってダービーを勝つ」ことに決まった。
そんな陣営にとって、2つ目の、そしてあまりにも大きな誤算が、ダービー当日の雨だった。非凡なスピード能力で他を圧倒して皐月賞を逃げ切ったブラックシャドーにとって、その持ち味であるスピードを殺す馬場の悪化はなんとも恨めしいものだった。何しろ、同馬には2歳暮れに一番人気で臨んだ重馬場の朝日杯で12着に惨敗したという過去がある。そして、それは同馬が唯一連対を外したレースでもあった。
ダービーのゲートが開いた瞬間、陣営の不安は的中した。皐月賞でも、その前の毎日杯でも好スタートから楽々先手を取ってきたブラックシャドーは滑る馬場を気にしてか、中々ダッシュがつかない。しかし鞍上の中舘は果敢に手綱をしごき、1コーナーでは鮮かにサクラスピードオーとセイウンスカイのハナを叩いて先頭に立った。なおも手綱を緩めない中舘は向正面に入る頃にはサクラスピードオー以下に6~7馬身の差をつけて皐月賞同様のブラックシャドーのレースの形を作り上げる。3コーナー・4コーナーでも差を詰めさせること無く、ただ一頭だけ泥をかぶらないままレースを進めるブラックシャドーと中舘。
4コーナーを回り、なおもスピードの衰えないまま直線を進み、残り1ハロンの標識を切ったその時、馬群から抜出してブラックシャドーに迫ってきたのは、ハナを切れずに馬群のなかでもがくセイウンスカイでも、直線で存分に振るうハズの脚を馬場に取られ苦しむナリタトップロードでもジャングルポケットでもなく、ハナを切れずに2~3番手を進むセイウンスカイの直後でレースを進めていた10番人気バランスオブゲーム、14番人気のボールドエンペラーの人気薄の2頭だった。死力を尽くして苦手な重馬場でハナを切って走ってきたブラックシャドーにもはや抗う術は残っておらず、2頭に交わされたところがゴールであった。
勝ちタイムはダービーではなく目黒記念のタイムにさえ思える程の、木林が覚えている限り、もっとも遅いダービーの勝ちタイムであった。
皐月賞を鞍上のデムーロ騎手の見事な逃げもあって、圧倒的な強さで制したブラックシャドー(805)は、皐月賞激走の反動もなく、順調に仕上がっていた。絶好調の一歩手前で皐月賞に完勝してから2~3週は馬体に若干疲れが残っていたようだが、調教では相変わらず良い動きを見せ、馬自身の精神的成長も見受けられた。6月に入ってからは疲労も完全に回復し、6月2週目のダービーは心身ともに絶好調の状態で迎えることになった。新聞紙上では皐月賞での不可解な敗戦の雪辱に燃えるセイウンスカイ、皐月賞を回避しダービー一本に照準を絞ったナリタトップロードの評判が高かったが、本番に向けて思い通りの調整に成功したブラックシャドー陣営は確かな手応えを感じていた。オーナーブリーダーの木林は「好走できるかも、ではなく、勝てるかも、と思ってダービーに臨めるのは初めて」とダービーへの自信を語った。
しかし、ダービー直前、ブラックシャドー陣営にとって、本番の結果を大きく左右しかねない誤算が生じた。皐月賞で同馬の手綱を取り、ダービーでも騎乗を予定していたデムーロ騎手が、京都のレースでの進路妨害のために2日間の騎乗停止となってしまったのだ。すでに有力馬の多くが鞍上を決定しており、主なリーディング上位の騎手はダービーでの騎乗馬を決定してしまっていた。迷った末、陣営は逃げ馬の騎乗に定評のある中舘に同馬の背中を託すことにした。もっとも、皐月賞の鮮かな逃げ切り勝ちはあるにせよ、府中の長い直線を前に、本番で逃げを打つことに若干の躊躇があった陣営にとっては、鞍上が中舘に決まったことは悪い選択ではなかったかもしれない。このとき、調教師の奥平と馬主の木林のハラは、このとき「逃げ切ってダービーを勝つ」ことに決まった。
そんな陣営にとって、2つ目の、そしてあまりにも大きな誤算が、ダービー当日の雨だった。非凡なスピード能力で他を圧倒して皐月賞を逃げ切ったブラックシャドーにとって、その持ち味であるスピードを殺す馬場の悪化はなんとも恨めしいものだった。何しろ、同馬には2歳暮れに一番人気で臨んだ重馬場の朝日杯で12着に惨敗したという過去がある。そして、それは同馬が唯一連対を外したレースでもあった。
ダービーのゲートが開いた瞬間、陣営の不安は的中した。皐月賞でも、その前の毎日杯でも好スタートから楽々先手を取ってきたブラックシャドーは滑る馬場を気にしてか、中々ダッシュがつかない。しかし鞍上の中舘は果敢に手綱をしごき、1コーナーでは鮮かにサクラスピードオーとセイウンスカイのハナを叩いて先頭に立った。なおも手綱を緩めない中舘は向正面に入る頃にはサクラスピードオー以下に6~7馬身の差をつけて皐月賞同様のブラックシャドーのレースの形を作り上げる。3コーナー・4コーナーでも差を詰めさせること無く、ただ一頭だけ泥をかぶらないままレースを進めるブラックシャドーと中舘。
4コーナーを回り、なおもスピードの衰えないまま直線を進み、残り1ハロンの標識を切ったその時、馬群から抜出してブラックシャドーに迫ってきたのは、ハナを切れずに馬群のなかでもがくセイウンスカイでも、直線で存分に振るうハズの脚を馬場に取られ苦しむナリタトップロードでもジャングルポケットでもなく、ハナを切れずに2~3番手を進むセイウンスカイの直後でレースを進めていた10番人気バランスオブゲーム、14番人気のボールドエンペラーの人気薄の2頭だった。死力を尽くして苦手な重馬場でハナを切って走ってきたブラックシャドーにもはや抗う術は残っておらず、2頭に交わされたところがゴールであった。
勝ちタイムはダービーではなく目黒記念のタイムにさえ思える程の、木林が覚えている限り、もっとも遅いダービーの勝ちタイムであった。
正直ちょっとだけヒキました。
しかし、現実の競馬でデムーロが騎乗停止になった時、ちょっとだけヤな予感がしたのですが、まさか正夢になろうとは・・・
鞍上の乗り代わりというハンデもものともせず、
皐月賞馬として恥ずかしくない成績だと思います。
武豊はアドマイヤベガの降着により、
エアグルーヴに騎乗できませんでした。
ということは、
来年のダービーをデムーロで迎えると・・・!?
バランスオブゲームは、
きっと菊花賞5着が尾を引いているんだと思います。
とはいえ、スタープログラマーまで
G1を勝ってしまうあたり、
疑ってしまうのは仕方ないですよね。
83年度の年度代表馬(予定)、ブラックシャドーに
今後も期待しております。
本日は、第66回皐月賞でしたね。
(ダビスタとは異なりますが...)
お話がぜんぜん変わってしまいますが、
北海道は桜はまだですよね?
>現実のG1馬7頭が揃う混戦。
>鞍上の乗り代わりというハンデもものともせず、
>皐月賞馬として恥ずかしくない成績だと思います。
お気遣いありがとうございますm(_ _)m
ただ、自分自身は「上手いこと成功してゲーム製作者という特権的な立場に立ったとしたら、たとえばワケあって現実の競馬で成功できなかった馬のパラメータには思い入れたっぷりな希望的数値を設定してしまう」と思うので、薗部さんの持ち馬が少々あからさまな好走を見せるのもアリだとは思います。
でも、自分の馬が被害を受けると話は別(笑)。
>83年度の年度代表馬(予定)、ブラックシャドーに
>今後も期待しております。
皐月賞&菊花賞の二冠馬は名馬である、というのは自分の持論でもあるので↓
http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=163044&log=20021025
そんなミホシンザンやサクラスターオーのような活躍を期待しています。
お久し振りです、CLUBYYさん。
C-I-T-Yのような微妙にマイナーな曲を取り上げていただいて、喜んでおります。
おっしゃる通り、北海道はサクラはまだまだです。
実は東京に転勤になりまして、明日より東京勤務です。
首都圏のサクラが散った後、北海道のサクラが咲く前の転勤ですので、サクラの下での酒盛りは来年までお預けですね。
二冠馬最強論を裏書してください。
>皐月勝ち馬でダービー三着はあのオペラオーのパターンですね。
>古くはハイセイコーとかもそうでした。ひょっとしたら名馬誕生の一つの形かもしれませんね!
>そう思うとこれからの活躍が楽しみです。
というコメントがちょっと気になって調べてみました。
1955年の「ケゴン」という馬はさすがに知りませんでしたが、
ハイセイコー、アズマハンター、あたりは知識として知ってますね。
ただ最強馬を語るには弱いかな。
オペラオーの時期は競馬不毛の地にいたため、リアルタイムに見てなかったですね。残念。
自分が最初に「ダービー3着の皐月賞馬」として浮かんだのは無論ハイセイコーなのですが、
次に浮かんだのはナリタタイシンでした。好きな馬だったけど、最強馬というにはやはり・・・
彼(ブラックシャドー)が菊花賞に勝てば、キタノカチドキっぽいですね。
おつかいさんがコメントしてくれましたけど、二冠馬最強論にも重なるし。
個人的には今回のダービーが重馬場だったので、ミホシンザンが怪我しなかったら
シリウスシンボリが勝った重馬場のダービーで、こんな結果だったんじゃないかなぁ・・・
と思いました。
そろそろダビスタの虫がうずいてしかたないきりんでした。