樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

オブザーバーとプレイヤー

2007-12-04 | 森林と樹と人
奥矢作森林フェスティバルのご報告 N0.2 です。

最初に 元林野庁長官で 森林塾代表の小沢普照氏の講演がありました。
HPは こちらです。

そこで 最近はオブザーバーは多くなったが これからはプレーヤーが必要だという話をされた。

いや ほんとにそうだ。
プレーヤーとは 誰か。

私は、レギュラーは 個人の小さな面積の山持さんの後継者だと思っている。
今、ボランティアで森林活動をして頂ける人は多い。
企業も 森林貢献という事で参加をして頂いている。

しかし、森林を守り育て 次世代につなげていくというのは簡単な事ではない。
人間の時間と山の時間、人の寿命と樹の寿命はずいぶんと違う。
山の歴史を思えば、第二次世界大戦後の浮き沈みなど 微々たる時間だ。

しかし 国の対策や木材価格 その時代の人の生活のありようで 世話の仕方がずいぶんと変わってしまう。

樹齢が何年 何十年 何百年となろうが 微々たるその数年間の記録は年輪に刻まれる。葉や樹皮や大きさが、健康になったように見かけは見えたとしても 樹の中は元にはもどらない。

金銭には換えられない「伝わり伝える事への思い」と、ある種の「シガラミ」がないと 守り続けることは出来ないと思っている。

今は 余裕があるからボランティアの方や企業のサポートは得られるが この先 世の中がそれどころではなくなっても 人間がこの地球で生きて行くには森林をなくす訳にはいかない。

忘れられてしまった 地域や血縁といった濃い部分で粛々と続けていく事の大切さを思い出し、又は教え その地域の森林に最良の方法を伝え続けるには どうすればよいのかに 知恵や資金や労力を注がなくてはいけないのではないかと思う。

そんな事を思っていたら 今日 東京大学愛知演習林の蔵治先生からのメールが届いた。

■ テーマ ■
人工林、里山林、都市の緑
 ―森と緑づくりのための行政、市民、研究者の協働―
■ 開催趣旨 ■
http://forester.uf.a.u-tokyo.ac.jp/~kuraji/mori/に示しています。

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■ 開催概要 ■
[日程]
平成19(2007)年
 12月8日 (土) 基調講演・愛知県の取り組み報告・パネルディスカッション・
交流会
 12月9日 (日) 分科会・総括集会
 12月10日(月) 現地見学会

断りもなく転写してしまいますが この分科会の説明が心に染みます。

12月9日(日) 9:00~15:00
◆ 分科会  9:00 -12:00
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第1分科会 「人工林問題の核心」
 コーディネータ:丹羽健司
 発表者:原田裕保 (豊田市産業部森林課長)・浜田久美子(作家)
  ・水野雅夫 (ウッズマンワークショップ代表)
  ・岡崎英博(日本の森と自然を守る全国連絡会常任世話人)
人工林問題のキーワードは、「プロ」と「素人」。1000万ヘクタールの
日本の人工林の過半が緊急間伐林とされている。一方、日本の林業
労働者は約6万人、その半数は60歳以上と超高齢化が進んでいる。
また60歳未満の半数以上がI ターン就業者。労災の掛け金率が最も
高く危険な仕事であるにも関わらず平均年収は約250万円という劣悪な
処遇。
プロの絶対数が不足する中、プロを志した素人がプロになるために必要な
ことは何か、欠けていることは何か?そして誰が、どこがプロを育てるのか?
林業プロの現状と本懐を、「林業 I ターン・ミーティング」などで日本の林業
プロ育成に心血を注ぐ水野雅夫が吠える。
次に、日本の山主のほとんどは「素人山主」という現実。間伐の技術は
おろか境界さえ継承できていない素人山主達。彼らを「その気」にさせない
限り、間伐も何も進まない。同時に数は増えるが内容が?の森林ボランティア
運動。素人の山仕事、家事の山仕事を提案実践して日本各地の森林
ボランティアや森林行政をつぶさに取材してきた浜田久美子が「だからこそ
プロ育成を」と訴える。
94年全国初の1トン1円の豊田市水道水源保全基金創設を皮切りに、
05年全国初の「森の健康診断」、06年とよた森林学校の開校、07年
森づくり条例の策定、と全国の市町村の先鞭を切って次々と新たな取り
組み進める愛知県豊田市。それらを終始牽引してきた森林課長原田裕保
がその思いを吐露する。フロアー発言も交えて活発な論議は必至。
乞うご期待
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いかがですか?
残念ながら 滋賀で近江の森健康診断 キキダス のキックオフという記念すべき日なので私は行けません( 行きません )が、ぜひ お時間のある方は当日参加もOKなので聞きに行って下さい。

あーそして できれば どんな内容だったのか 教えて欲しい…

長くなったので 明日以降に続きは書きます。
企業のCSRと 近江商人の三方よしは 微妙に違う。
今 森林に求められているのは「三方よし」だと思うという話です。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うひひひひ (炭作)
2007-12-04 22:32:01
行ってきまーす。
内容は教えないよう
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行ってきました (炭作)
2007-12-09 22:23:34
「人工林問題の核心」という分会に行ってきました。リアルで生々しい話がほとんどでした。僕にとっては、まさしく直面している問題でしたので、真剣に聞いてきました。(奥矢作森林フェスティバルのときの樹子さんのように)僕がフロア発言で言わせてもらったのは、「まだ間に合う」という事。現場で働く人たちが、誇りと夢を持って作業できるような環境を自分たちで作ろうと提案してきました。人工林問題は、間伐が進めば解決は無理でも、改善はされる。改善の中には、山にお金が還るという事項は当然含まれるという事です。
返信する
返事 遅くなりすみません (樹子)
2007-12-13 18:51:22
私自身、オブザーバーやサポーターのような事を言っていますが、プレーヤーでもあります。

まだ 草野球の補欠みたいな状態ですが…。

このブログでは、脅しのような事を書いていますが
「まだ 間に合うから 一緒にやりましょう。」というスタンスは 大切にしたいと思っています。

今まで山を守ってきて頂いた方の話を聞くと
つい ヒートアップしてしまうのですよねぇ。
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