樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

NHK地球エコ2008

2008-03-20 | 壊れかけてる森林
NHKで環境番組を放送していた。

琵琶湖や 屋久島 そして 蔵王の雪の中の硫黄酸化物の話。

蔵王の山では10年前は、PH5以上あったのが
今は、植物が生きられないPH3.台の強酸性になっていると山形大の先生が話をされていた。

琵琶湖の水源の森にも、たぶんよく似たものが降っている。

同じような酸性度の土壌だった。

中国の石炭と成分が一致していそうだという事だ。

山形だけに、雪が降るわけではない。

また、雪の中だけに酸化物が混ざっている訳でもない。
雨も降る。雲霧がまた始末が悪い。

標高が高く、日本海に近いほどまずい。
雪解け水を濾過した濾紙には、真っ黒な物質がビッシリ残っていた。

つまり、自然界ではその物質が樹や草に降り、あるものは塗り重ねられ濃度を増し
土壌に降ったものは、根っこや根っこと栄養のやりっこをしている植物や微生物・菌に影響を与える。

人間みたいな鈍感な生物でも影響があるのに微生物にはいかばかりだろう。

森林での微生物の役割は大きい。

日本の皆さんが、再び汚染された大気について目を向けてもらえるようになれば
昔の酸性雨の問題に関わらなかった若い科学者や行政の人も動いてくれるかもしれない。

途中で酸性雨と森林の問題は、きな臭い噂と共にほうむりさられた感じがするが、
今回は、日本の誰かがやり玉に上がる事もない。

もはや、化学薬品や石灰をヘリコプターで撒くなんて、おばかな事はしないだろう。

ん?おいしい事がないから動かない?のか?まっいいや…

番組では 農作物の被害が…と言っていたが 樹も植物だ。

目の前の人の食べ物が大丈夫だったら、OKなのかというとそうじゃないだろう。

なにせ木は、育つにも時間がかかるが、臨界点を迎えるのもゆっくりしている。

樹の活性が落ちているように思うと、伝えても先生たちには、色々な理由で否定される。

昔の研究データも大切だけど、今の現状も調べて欲しい。

伐った樹や、土壌の微生物からの声も聞いて欲しい。

他人に頼ってないで自分でやれと思う人もいるだろうけど
広い面積の近江の森をなんとかするには、人手もお金もいる。

一人やボランティアだけでは、限界がある。

産学共同と昨今叫ばれているが、学者の方の研究があってこそ
世間のコンセンサスが得られる。
それがないと、おかしいなと現場で感じていても実際問題、動けない。

影響がないというなら、そんなうれしい事はない。

山の手入れ不足や温暖化のせいなのだろう。

でも、大気の影響もあるならば、手当てを始める為のアクションを起こさなくてはいけない。

アジアからの発生を減らせる為の海外での協力と
日本の森への手当てが同時進行に必要だと思う。

症状が人の目についてからでは遅い。
兆しが感じられる今からとりかからなくては…

研究には時間がかかる。

その間にも、年輪に刻まれる。

年輪が成長しないのはまだしも、免疫力が落ちて病気や虫にやられてしまえば
一斉に枯れてしまい、土砂水害の危険もある。

森林の皆伐、植林なしより始末が悪い。
土砂だけでなく、枯れた樹も流れてくる。

目の前に山がある私にとっては、他人ごとではないけど
目の前にある山は他人の山だ。手がだせない。

行政の取組も必要だろう。

いやしかし、洞爺湖が酸性化した時に有珠山の噴火で降ったアルカリ性の灰が 奇しくも 湖を中性化して綺麗にしたとの事。

ヤッパリ、炭だなぁ~

これからの社会の動きを思えば
中国に工場がある企業や安い中国製を輸入している企業は
海外のカーボンオフセットにお金を使うだけでなく
日本の森林に対しても貢献というきれいな言葉ではなく
責任という立場で接して頂けるとありがたいと思う。

山側も、おねだりするだけでなく
ちゃんと、企業にメリットのあるお返しが出来る体制を作らなくてはとおもう。

ちょっと 動きはじめてはいるのだけど…。

五木寛之が
地球に優しい○○ という言い方は 傲慢の極みだと書いています。

山川草木悉有仏性

みんな 同じ命ですものね。

微生物って、すごい!って最近 微生物に尊敬の念を抱いている私でした。

また いつもと 同じ内容だったかも…

携帯で書いてると なんか むちくちゃだなぁ。

長くなって、ゴメンナサイ。

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