最近読んだ2冊の本です。
幻 夢 藤沢周 文藝春秋
表題の幻夢を始めとする8編の短編集である。
ハッキリ言わせてもらうとこの人の本は自分には全く合わない。
作家そのものが妄想にかられているのかと思ったくらいである。
したがって、コメントは省略したいが、藤沢さんの名誉のために付け加えると
「藤沢周」は本名で、この人は大学の先生で芥川賞を受賞した短編の名手と
言われているらしい事と確かに高い評価をしている読者も確実にいる事です。
新島八重と幕末 由良弥生 セブン&アイ出版
第1版発行日が 2012.3.20 と云う事から多分NHKの大河放送が決まって
から出版する事になった大河ドラマの解説本的要素が強い本だと思われます。
そう考えてみれば、小説的な臨場感は少なく、歴史研究としては「…という。」
「…だろう。」と云うような結論を曖昧にした表現が多い事に気がつきます。
しかし、NHKドラマの背景を知る上では、手っ取り早く分かりやすい内容になって
います。 幕末動乱の国内事情から、八重の生い立ち、倒幕の動きと会津戦争、
会津戦後の八重の転生等が 253頁の中にすべて網羅されているのですから
大変要領よく纏められているのは作家が出版社勤務を経て、さまざまな図書の
企画編集を手掛けたことと無縁ではないだろう。目的によっては当に便利な書
と言えるのではないだろうか。 この作家の本はベストセラーも多い。
右端が新島八重