フィリピンの顔

フィリピンの日常や、旅行記、人、観光地、ビジネス、
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え? 異様な絵? 不思議な絵?

2010年05月26日 | コーヒータイム
[最後の晩餐] ブログ村キーワード

2週間ほど前のことです。

将軍ドミナドー・レソス(Dominador Resos, Jr.)さんから、
「シブヤン海に沈んでいる『戦艦武蔵』を引き上げる会社の登記をするのに準備が出来たから出て来るように。」
と呼び出され、ディノ弁護士(Atty. Ramon S. Dino)の事務所に行きました。

レソス将軍は、戦艦武蔵が1944年10月24日にロンブロン州のシブヤン海域で沈んだ時に、武蔵から逃げ延びて周囲の島々で当時の市長たちの部下から殺された、日本人兵の遺骨を集めたり、慰霊塔を作ったりする『ROCHAI』(ロッチャイ)という財団の代表者です。

私は、日本兵の遺骨を捜すことも奉仕の一つだと思っていますし、当時、殺されずに生き延びた日本兵が洞穴で暮らしながら現地の女性と出来た日系人二世のお手伝いをしていましたから、この『ROCHAI』のメンバーでもあります。

それに、レソス将軍は【コンパレ】でもありますから、『戦艦武蔵』を引き上げる会社の役員になれと言われれば、嫌とは言えません。

嫌々ながらという訳じゃありませんけど、1000メートルも深い海の底に沈んでいる武蔵を引き上げるのに、一体どれくらいの費用が掛かると思いますか?

私は役員になる費用も無く、同じ役員のディノ弁護士が負担するので「良いから、良いから。」で役員になるんですよ。

日本から資金提供があると言ってたけど、私の仕事は殆ど通訳でしょう?

大変な役ですよぉ。

「私は、資金援助の呼びかけはしませんからね!」って念を押しておきました。

でも、なんか話は着々と進んでいるようです。

『戦艦武蔵』の映画を作るようです。

あっ。 そのシナリオの日本語訳を頼まれるんだ?

めんどくさ~~いぃぃ...


言い忘れてましたけど、『戦艦武蔵』から泳いで島に渡った日本兵は千人ほどです。

そして、武蔵を引き上げても、日本には持ち帰れません。
全て「戦利品」として、フィリピンのものです。

ただ、これを引き上げたら、莫大な大金がフィリピンに入ります。

『武蔵』は『戦艦大和』の兄弟戦艦ですが、18機もの砲台を積んでいたのに、殆ど空中の飛行機を相手にしていたような船で、戦艦と呼ばれるような使い方をしていなかったし、ブルネイから何を運んでシブヤン海域を通ろうとしたのか、シブヤン海域を一旦出たのにまた引き返して来て沈められたのか、また、日本には殆ど写真が残っておらず、長崎造船所で造られた時も、その様子はひた隠しに隠された秘密...

後日、ゆっくりとご紹介します。

■ ■ ■ ■ ■ ■




本題に入ります。

ディノ弁護士事務所の会議室に、額に入った大きな絵が飾ってありました。

レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた『最後の晩餐』

違うんですよ。

キリストの周りに居るのは異様な姿をした子供たち。

テーブルの下にも...

左端の男の子は、不釣合いな女性用のハンドバック。

「えっ? いいの? キリストの晩餐の絵を冒瀆してない?」

風刺的に描く漫画ってこういう組み合わせは良いんでしょうけど、これは漫画じゃないですし、桁が違う大きさです。

『ダ・ヴィンチ』という映画が、ここフィリピンでは問題になったのに...

そう思ってじっと見つめていると、ディノ弁護士が、

「その絵はね、ドン・ボスコ教会に居る自分の教え子が描いたんだよ。」




「右端の男の子と3番目は兄弟で、リヤカーを引いて
ゴミを集めてはそれを売って生活をしている。」

「2番目の背の高い子と4番目も兄弟で、スリをやってる。」


「下の男の子と女の子も兄妹。」

「車に近づいて、お金頂戴って。」



「左の女の子は売春をやって稼いでる。」
「子供が一人いるんだよ。」



「この男の子は、引ったくり。」

「テーブルの下の子は乞食をしている。」






教え子がね、どうしても仕事がうまく行かない時に、夢の中にキリストが現れて、
『親の無い貧しい子供たちを集めて、私と一緒に食事をしている絵を描きなさい。』と言われたんだって。

それで子供たちを集めて絵を描いていたら、最初に描いてたキリストを見て子供たちが、

「あれ? このおじさん知ってるよ。」

「二日前の夜、段ボール箱の中で寝ていると、おじさんが箱の隙間から覗き込んでる。

そのおじさんと2時間くらい話してたら、おじさんが、

『お腹がすいた。何か食べる物は無いか?』

って言うから、僕たちが食べ物をあげたんだ。

そしたら、

『誰かがお前達に絵を描かせろと来るから描いてもらえ。』って。

だからここに来たんだよ。」

■ ■ ■ ■ ■ ■




不思議なことがあるもんですね。

それで絵を書き上げると、とんとん拍子に仕事がうまく行き始めたって。

ディノ弁護士さんが、教え子がくれたその絵を飾ると、長年患っていた持病が治ったり、仕事も沢山入って来たそうです。

だから『武蔵』を引き上げたり、遺骨を日本に返す奉仕をするって。

私にも、この絵の複写をくれるんですって。




良いお話でしょう?

不思議な絵ですね。

こんなお話を聞くと、

異様な絵も、いい様な絵に見える。

あはは。 ものは言い様ですね。

......



はい、今日のPinoyの駄洒落でした。



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2 コメント

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Unknown (atomutomu)
2010-06-01 21:47:37
深く重い絵ですね。
異様な絵をもらえば IYOn lang pala, eh! と言って仕事を引き受けるしかないのでしょうか!?
返信する
atomutomuさんへ (atomutomuさんへ)
2010-06-02 06:30:49
凄い!

タガログで、洒落が出るとは。

参りました!

       Pinoy
返信する

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