新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより 77(0116)

2016年01月07日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2016.1.3配信)
第144回「がん哲学学校」

2016年のスタート~「クラーク来日・札幌農学校開校140周年」~

2016年のスタートである。2009年1月順天堂大学で、世界初の『がん哲学外来』を最初に開始して7年が過ぎた。ここまで全国展開するとは、人知を超えている。思えば、今年は、” Boys, be ambitious ” の「クラーク来日・札幌農学校開校140周年」である。筆者は、2月札幌での講演会に参上する予定である。
筆者は、年末は、wifeと新作『Star Wars ~ The Force Awakens~』を鑑賞し、新年は、横浜に在住の親戚の家での恒例の『新年会』に赴いた。Wifeと一緒に、美味しい『おせち料理』を戴いた。本当に、「心温まるおもてなし」であった。

今年の正月休みの読書は、『運命を拓きゆく者へ~理想を携え、道は一歩ずつ~』(新渡戸稲造 著 実業之日本社 編)の再読であった。文庫化の企画があり、筆者は、『発刊に寄せて』の寄稿を、打診された為でもある。本書に、記述されている、以下の『よく聞き、よく話すための七要件』(新渡戸稲造)は、
1)気取りを捨てる
2)壁をつくらない
3)よく思われようとしない
4)追従を慎む
5)謙遜のしすぎは無礼
6)立場に応じて言葉遣いを変える
7)相手から何かを得るよう心がける

『成功者になろうとするよりは、むしろその人がいないと困るような貴重な存在でありなさい』(アインシュタイン)の言葉と共に、筆者にとって『がん哲学外来』の基本姿勢でもある。先人からの学びは、『ぶれぬ大局観』を育てる。

『あなたがたの愛が真の知識とあらゆる識別力によって、いよいよ豊かになり、あなたがたが、真にすぐれたものを見分けることができるようになりますように。』(ピリピ人への手紙1章9~10節)が、「知恵」であり新年の初夢である。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。