新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

樋野先生からのおたよりです・75

2015年11月22日 | 樋野先生からのメッセージ
第138回「がん哲学学校」
「病床にも知恵あり」~態度に示そうよ!~

『「to be café」開設 1周年記念』講演会(霞ヶ関教会キリスト教会に於いて)で、「がん哲学外来~言葉の処方箋~」、また、「新渡戸稲造記念 がん哲学外来 メディカルカフェ in 盛岡 1周年記念」講演会(スヴェンソン盛岡スタジオに於いて)で、「新渡戸稲造 と がん哲学外来~病床にも知恵あり~」で話す機会が与えられた。多数の参加者があり、個人面談もあり、充実した時であった。「継続」は賜物であり、スタッフも整えられ、今後も積極的に展開されることであろう。

高松宮妃癌研究基金 国際シンポジウム「がんのメタボボロミクス~発がん、がん生物のよりよき理解と斬新な診断、治療法開発への新しい糸口~」(パレスホテル東京に於いて)に出席した。また、「国際環境発がん制御研究 シンポジウム」(順天堂大学に於いて)では、筆者は、「山極勝三郎 人工がん創生100周年、中皮腫マーカー発見20周年、クボタ・ショック10周年」で講演する機会が与えられた。会場には、坂本九も歌った「幸せなら手をたたこう、しあわせなら態度に示そうよ!」の作詞者でもあり、「生命倫理」で著名な 前 恵泉女学園大学の学長でもあった、木村利人先生が、聴講に来て下さった。大変、嬉しかった。

『がんサポート』(2015年12月号)に、「がん哲学外来~些細な出来事が宝石のように美しく感じられる」の記事が連載されていた。また、『日経マネー』(2016年1月号)には、リーダーからの金言「自分の命より大切なものがある」の記事が、掲載されていた。「樋野興夫さんが影響を受けた人物」が図に紹介されていた。地道な「がん哲学外来」の拡がりを、肌で感ずる、今日、この頃である。

病理学の長年の親友であった、名古屋市総合リハビリセンター長 白井智之先生が、11月19日に、急逝されたとの悲報が届いた。前日は、高松宮妃癌研究基金 国際シンポジウムの会場で、ニューモアに溢れ、笑顔で、語らったばかりなのにーー。深い、ショックである。白井智之先生が、名古屋市立大学医学部 病理学の教授をされていた頃には、病理学の学生講義に赴いていた。「発癌病理研究会」では、毎年、一緒であり、来夏は、筆者が、世話人をすることになっており、特別企画のテーマ・内容を、相談していた矢先であった。 本当に、悲しい。


がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。