新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより・16(0039)

2014年03月03日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです。(2014.3.1配信)
第48回「がん哲学学校」
「時代を動かすリーダーの清々しい胆力」~「一点突破、全面展開」~

筆者の母校の鵜鷺中学校(島根県出雲市出雲大社町)が、廃校になって久しい。現在は、「鵜鷺コミセン」として、地域の交流の場として使用されている。この度、鵜鷺小学校(全校生徒5名)が平成27年4月をもって廃校されることが決定された。大変さびしく、涙なくして語れない。これも、生徒数の減少による時代の摂理であろう。最近、筆者は、何故に「小さな村:鵜鷺」で生まれ、育ったのか? 筆者に与えられた「人生の役割・使命」を深く静思する日々である。

今 後、鵜鷺小学校の跡地の有効利用が、盛んに討議されることであろう。介護関連の施設、終末医療を行う建物としての可能性もあろう。「メディカルビレッジ」 の拠点としての活用も考えられよう。空気と水がきれいな、「メディカルビレッジ」としてふさわしい環境が鵜鷺地区にはあると考えられるからである。「鵜鷺メディカルビレッジ=1人の人間を癒す為には1つの村が必要である」の時代の流れとも言えよう! 年内に記念シンポ『鵜鷺小学校の終焉を迎えて~「鵜鷺メディカルビレッジ」の時代到来~』が企画される予感がする。

先日、「”われ、太平洋の懸け橋とならん”~新渡戸稲造が語りかけるグローバリズムの本質~」のタイトルで講演を依頼された。驚きである! 思えば、筆者が、本業の「がん病理学者」から「陣営の外」に出たのは、2000年の国連大学での、新渡戸稲造『武士道』出版100周年記念シンポからである。この「一点突破」が、ここまで展開するとは、本当に不思議である。早速、『先生の御専門の分野での長年にわたる努力が、広範囲の総合的な知見の必要性の観点から、まさに「一点突破、全面展開」という感じで、御専門の範囲を超えて受容されつつあることを思い、ご同慶に堪えません。』との、感慨深い、温かいお言葉を頂いた。

「時代を動かすリーダーの清々しい胆力」としての「人間の知恵と洞察とともに、自由にして勇気ある行動」(南原繁著 の「新渡戸稲造先生」より)の文章が思い出される今日この頃である。「国民の理想とビジョンをつくり出すのは、根本において教育と学問のほかにはない」(南原繁)。「がん哲学=がん細胞から人間社会の病理を見る」の「全面展開」の時代的背景の到来のようである。

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ラジオでのがん哲学学校のご紹介です。
ラジオ日経・日曜患者学校
患者、及び、その家族、支援者、医療従事者に向けておくる番組。
毎月第1週目のこの時間は、順天堂大学医学部教授の樋野興夫さんにご出演いただき、"がん哲学学校"と題してお送りします。
進行・聞き手は、アナンサーの大橋都希子さんです。テキストは樋野先生の著書「がん哲学」EDITEX社発行です。
下のURLを開くと案内に従って過去の放送を聞くことが出来ます。
(URLの開き方:①全体を範囲指定(ドラッグ)してそのままで右クリックし、開いた小窓の中の「選択したURLを開く」を左クリックする ②グーグルなどの検索エンジンで ラジオ日経 で検索し、「番組一覧」から「日曜患者学校」を開く)


http://www.radionikkei.jp/inochi/post_19.html

ラジオ日経はラジオ(短波)、スマートフォン、パソコンなどで聞けます。
詳しくは下のURLを開いてください。

http://www.radionikkei.jp/style/

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。