新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより・5(0022)

2013年12月15日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです。(2013.12.15配信)
第36回「がん哲学学校」

懸け橋をつくる:国を超えて、時を超えて!~国際教養の人材資質~

先週、筆者は、御茶の水の高層ビルのソラシティで、「中皮腫」の講演を依頼された。早速、「本日は大変興味あるお話ありがとうございました。一同、大変勉強になったと申しております。悪性中皮腫に対する治療薬を早期に何とかしなければという気持ちがいっそう強くなりました。」とのコメント頂いた。

<がん哲学外来>名古屋メ ディカル・カフェ開設記念式で記念講演を行う機会が与えられた(名古屋市中区栄)。大都市の真ん中で、患者が来訪しやすい場所と雰囲気でのメディカル・カフェの開設は、「医療の隙間を埋める」・「企業の隙間を埋める」活動として、今後、ますます時代の要請となるであろう。

厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等克服研究事業(難治性疾患克服研究事業)「神経皮膚症候群に関する調査研究班」で、筆者は、「結節性硬化症」について、発表する機会が与えられた(学士会館)。アメリカ・癌研時代の研究テーマ「遺伝性がんモデル疾患」から、単離・同定した遺伝子(1994年)が、ヒト結節性硬化症の原因遺伝子(TSC 2)のホモローグであった。中皮腫のマーカー(ERC)も、このモデルの多段階発がんの解析中に単離・同定したものである(1995年)。まさに「小さな源流から拡がる本流」の川の流れの如くである。

第10回お茶の水アカデミアシンポジウム「新渡戸稲造没80周年記念・新島襄生誕170周年記念シンポジウム~今、懸け橋をつくる。国を超えて、時を超えて!~」(主催:21世 紀の知的協力委員会)が開催された。筆者は、「新島襄ー>クラークー>内村鑑三―>新渡戸稲造->の歴史の流れ」で講演する機会が与えられた。パネルデイ スカッション「国を超えて、時を超えて」は、大いなる学びの時であった。ニューモア溢れる司会(島田義也先生)と渡辺その子氏(文科省科学技術・学術政策 研究所 総括上席研究官、元ユネスコ)、斉藤卓也氏(文科省、21世紀の知的協力委員会事務局長)の胆力ある発言には感動した。また、筆者は、「21世紀の知的協力委員会議長」として、総括「温故創新」・閉会の辞を述べた。現代の「日本国の処方箋」の何たるかを再認識する時でもあった。
真の国際教養の「人材資質」の何たるかを静思・実行する時代の到来でもある。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。