新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより (0124)

2016年08月01日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2016.7.23配信)
第173回「がん哲学学校」

健全な教育の器 〜心優しく、俯瞰的な大局観のある人物 の育成訓練の場〜

『病気であっても、病人ではない 〜人生から期待されている存在〜
』(目白町教会に於いて)で、講演する機会が与えられた。多数の参加があり、大変有意義な時であった。聴講されていた医師夫妻の真摯な眼差しに触れ、今後、『目白町
がん哲学外来カフェ』が、奧様を中心に、定期的に開催される予感がした。

『ゆい訪問看護ステーション』開設記念懇親会(東京ドームに於いて)に招待された。所長の情熱によって、今年、『日本地域医療連携システム学会』(11月5日 第
1回シンポジウム)が設立された。また、『日本Medical Village 学会』(9月12日 第1
回公開シンポジウム)の設立の後押しも頂いた。これらは、『医療維新の事前の舵取り』となろう。『一人の人間を癒すには、一つの街・村が必要である=医療の協働体』の実践の歴史的な一歩でもある。まさに「ユーモアに溢れ、心優しく、俯瞰的な大局観のある人物の
育成訓練の場」でもあろう。

まさに、筆者にとっては、帰宅中の夜に、定例の『池袋がん哲学外来・帰宅中カフェ』(Svenson
に於いて)に立ち寄った。会場のカフェ・個人面談とも、満席であった。カフェの認知が浸透して来たと思えた。継続は、大切な、人間の行為であることを、痛感する日々である。次回は、第
10回記念である。記念講演「がん哲学外来の役割〜チャウチャウ犬の風貌と対話力〜」とのことである。

『企業における、がん哲学の役割〜暇げな風貌と対話力〜』(東邦ホールディングスに於いて)の特別講演会に招待された。会場は、満員であり、有意義な質問もあり、充実した時であった。日本の大企業の中で、『がん哲学外来カフェ』が常設されたら、社員にとっての、『対話力』の「健全な教育の器」にも活用され、「日本肝臓論の実践の場」、「
21世紀の日本国の事前の舵取り」ともなろう。『21世紀の新渡戸とならん』(2003年 発行)が、今、具象的に甦る。

土曜日午後は、『病床にも知恵有り〜人生が拓ける〜』(四国がんセンターに於いて)の講演である。「練られた品性と綽々たる余裕」・「愛の生みたる不屈の気性」
は、「人知・思いを超えて進展する」ものであるとの修錬でもある。

6月例会の様子です(0123)

2016年08月01日 | 集まりの様子
かなり古新聞になってしまいましたが、6月例会の様子をお伝えします。6月例会の講演はメンタルヘルスの講師などで幅広くご活躍のOfficeアイカレッジ北海道代表の高橋慶子さんにお願いしました。

高橋さんはさっぽろがん哲学外来の会合にも時々出席していただいております。この日は残念ながら出席者が少なくて残念でしたが、ご講演は素晴らしいもので、もう一度ご講演をお願いしようと思っています。高橋さんは婦人科がんで治療をされ、その後今年で9年目になるということです。高橋さんのご講演の目立った特徴は納得のいく人生のためには自立と積極性いうキーワードで言い表せるでしょうか。がんの告知を受けた時に思ったことは①なんとしても回復する、②今までの自分の知っているやり方では通用しない、③どうしたら回復するかという3つの覚悟でした。そしてこの覚悟をご自分が積極的に動くことにより見事に具現化しました。

高橋さんは小さな方ですが、この小さな体のどこにがんを突破したパワーが秘められているのか。講演後に感じたことは、高橋さんに突破力について指導して欲しいという思いでした。

6月例会のお知らせです

2016年06月13日 | 開催予定

6月例会

日時:6月18日(土)
13時半受付開始 14時スタート

場所・会費
札幌駅前ビジネススペース2階2E
1200円(コーヒー付き)

内容
1.講演
『支援者と当事者2つの立場から考える患者の主体性」』
2.講師
Office アイカレッジ北海道代表 メンタルヘルスコーチ 高橋 慶子さん

2. 懇談・相談
今日のテーマをみんなで考えましょう
講演終了後~16時頃

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連絡先
中里
090-3468-7974
0164-58-8800(tell&fax)
jnakaz@agate.plala.or.jp
または佐藤・大沼まで
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今年の例会予定
6/18(今回)、8/20、10/15、12/17
なお、8/20はがん哲3周年記念講演で、初回にユーモアたっぷりにがん哲に
エールを送って下さった五輪橋病院の丸山淳士先生にお願いしてあります。

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新会場の案内
札幌駅前ビジネススペース
〒060-0005
北海道札幌市中央区北5条西6丁目1‐23 第二北海道通信ビル2F
紀伊國屋の一つ西側の道路にあります。北5条通りからは駅を背にして
三井ガーデンホテルの手前角の交差点を右へ行き道路の左側です。1階に
郵便局があります。
2階にエレベーターで上がって右に進みます。いつもの案内カードを廊下
の壁などに貼ってあります。

会場の感じは
http://sebs.pw/
地図は
http://sebs.pw/access.html

4月例会の様子です(0122)

2016年04月30日 | 集まりの様子

(写真の中でクリックすると大きくなります)

去る4/16(土)に今年2回目の例会を開きました。今回からは新しい会場になりまして、場所は札幌駅近くにある札幌ビジネススペースというビルの1フロアが数種類の大きさの貸し会議室の一つです。で、今回のテーマは「かかりつけ薬局」ということで、西区二十四軒にある二十四軒薬局の高市さんにお願いしました。

かかりつけの医者というのは昔からありますが、要はホームドクターというのでしょうか、ちょっと風邪を引いたとかお腹が痛いとか言う時に気軽に行けるクリニックという感じで、とても心強い、頼りになる存在ですが、薬の専門家である薬剤師も気楽に薬について相談できるように制度として成立したのがかかりつけ薬局ということだそうです。

大雑把に言って薬には、市販薬と医者が処方した処方薬の2つがあると思います。で、気楽に相談というと市販薬の相談ということでしょうが、処方薬についても、成分とか効果とか副作用とか、あるいは処方の意図(医者の見立て)とかを薬剤師から聞けるということは一種のセカンドオピニオンだと言えるので患者さんにとっては良いことだと思います。次回の診察の時かなんかに医者と見立てについての話し合いが出来るきっかけにもなるわけですし。

さて、高市さんのお話しは今回で2回目ですが、会の密かな楽しみに色々な試供品の説明と試飲などがあることです。今回も数種類の試供品の品評会?を行いまして、けっこう楽しかったです。もちろんコマーシャルでない本音の説明なので大いに役に立ちました。

がん哲学校たより (0121)

2016年04月30日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2016.4.18配信)
第159回「がん哲学学校」

『がん哲学外来の 心の持ち方 10ヶ条』
週末の午後、市民公開シンポジウム『がん哲学外来~純度の高い専門性と丁寧な大局観~』(品川プリンスホテルにおいて)が開催された(主催 スヴェンソン、共催:資生堂)。菊池峰子 アナウンサーの総合司会の下、兒玉義則(スヴェンソン社長)の開会挨拶で始まり、大西秀樹先生(埼玉医科大学国際医療センター精神科教授)の基調講演『がん患者さんと関わるために~私たちができること~』は、『心の診察』を行う精神腫瘍医の丁寧な実践であり、大変勉強になった。座長の安藤潔先生(東海大学医学部血液・腫瘍内科教授)の総括も、格調高いものであった。まさに、『純度の高い専門性と丁寧な大局観』であった。

第2部 パネルデイスカッション『純度の高い専門性~美容哲学~』は、パネリスト:コシノジュンコ氏、桐島洋子氏、里岡美津奈氏、澤田保子氏、コーデイネーター:秀村晃生先生(関東労災病院外科部長)、根岸ゆきえ氏と、豪華な顔ぶれで、大変充実した一時であった。筆者は、総括の機会が与えられた。『がん哲学外来へ ようこそ』(新潮新書発行)から抜粋された『がん哲学外来の 心の持ち方 10ヶ条』が、プログラムと一緒に配付されており、大いに感激した。

第1条:自分を心配するのは一日一時間でいい
第2条:「病気」であっても「病人」ではない
第3条:患者に必要なのは覚悟
第4条:夫は「心の冷たさ」に注意、妻は「余計なおせっかい」に用心
第5条:困難にある人の笑顔は、周囲を慰める
第6条:人生の目的は、品性を完成すること
第7条:がんは治療でしか「消え」ない
第8条:抗がん剤は、苦しかったらやめてもいい
第9条:冷たい医師にもいい医師がいる
第10条:人間は、最後の5年間が勝負

まさに、『あなたは そこにいるだけで 価値ある存在』(KADOKAWA発行)のシンポであった。会場は多数の参加者で埋まり、来年も継続されるであろう。


がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。