東武伊勢崎(日光・鬼怒川)線は、始点に浅草観音温泉と蛇骨湯、終点には鬼怒川や川治を擁し、もともと温泉と縁のふかい路線だ。加えて近年、沿線での新湯ラッシュには目をみはるものがある。足立保木間のじゃぽん、越谷エリアではゆの華やラポーレ、春日部に湯元と湯楽の里、久喜エリアには森のせせらぎなごみや百観音、羽生に話題の新規2湯(華のゆ、湯ったり苑)、太田エリアも温泉施設続々オープンでヒートアップ気味だ。
そのなかでも老舗といえるのが、春日部湯元とここ越谷ゆの華だろう。
和風スパ銭のフォーマットが定着する以前、平成8年にオープンしたこの日帰り施設は、ベタな健康ランド的イメージを残している。トラック行き交うR4号パイパス沿いに建つその外観と上質の温泉は、素直に結びつかないが、温泉好きのあいだでは東鷲宮百観音とならび、県内有数の良泉として知られている。
エントランス前で無造作に源泉を垂れ流ししているのにまずおどろかされる。この源泉ディスプレイは柏店にもあって、”ゆの華チューン”はほんとうによい源泉に恵まれていると思う。柏店も100湯入りしているし、鹿島店のお湯もなかなかに個性的な食塩泉だ。
浴場は1階「やませの湯」と2階「華街道」にわかれ、男女日替わり交替制。温泉は露天だけだが、洗い場の一部には源泉カランもある。
湯口の湯質自体は、1階、2階で大差ないように思えるが、2階湯口は浴槽中央で注がれたお湯がすぐに撹拌されるのに対し、1階上段浴槽の湯口は端にありピンポイント的に源泉が注がれるので、湯口まわりのお湯は明らかに1階のほうがいい。洋風の2階に対し1階は和風で雰囲気もあるし、温泉浴槽も広いので、温泉ファンには1階をおすすめする。(サウナ好きには3種類のサウナがある2階をおすすめ)
お湯のキャラがきわだっている。
透明度約40cmの黒湯系のにごり湯は、かなりと強烈なヌルツルぬるぬる湯で、そのうなぎ湯的湯ざわりは、正徳寺温泉「初花」に相通じるものがあると思う。
この湯ざわりは重曹系ツルすべとメタけい酸のとろみとアワつきのぬるぬるとアルカリ性の弱ヌルすべが重なりあったものかと思うが、アワつきのほとんどない下段槽でもそうとうなものがあるので、主犯は重曹とメタけい酸(ひょっとすると+有機物)ではないかと思っている。
上段湯口そばでのアワつきは感動的で、つい先日入ったときは、ひょっとするとアワつき湯で有名な山梨の山口や韮崎旭、長岡の寺宝を凌ぐのではないかとさえ思った。
浴後は重曹がきいて肌がつるつるし適度な爽快感がでる。浴中の湯ざわりのよさとあいまって、源泉名”美人の湯”の面目躍如たるものがある。
わりにぬるめのやわらかな浴感なのでついつい長湯してしまうが、浴後いきなり強烈な温もり感と発汗に見舞われる。その浴感は等張泉の成田大和の湯を思わせるものがあったが、その割に塩味が弱いので成分濃度の見当がつかなかった。
最近ようやく温泉分析書が掲出され、濃度2g/kg台にすぎないことがわかったが、となると、この強力な温まり感は鮮度によるものか、はたまた、肌をおおうアワつきによるものか・・・。
湯の香もこのお湯の味わいのひとつだ。湯口そばでは、モール臭と金気臭とアンモニア臭の入り混じった鮮度感ある香りが楽しめる。モール臭にしては甘すぎる芳香なのでひょっとするとイオウ臭?とも思っていたが、水硫イオンを0.7mg/kg含んでいるのでやはりイオウ臭も混じっていると思う。
にごり湯、ツル(ヌル)すべ、イオウ臭、温もり感&浴後の爽快感と、温泉の醍醐味がこんな近くで味わえるとはほんとうに贅沢だ。やはり埼玉を代表する名湯だと思う。
Na-塩化物・炭酸水素塩温泉 39.8℃、pH=8.17、600L/min(1,200m掘削自噴・揚湯)、成分総計=2.199g/kg、Na^+=649.8mg/kg (95.41mval%)、Fe^2+=0.6、Cl^-=553.6 (53.18)、HS^-=0.7、HCO_3^-=823.7 (45.97)、CO_3^2-=4.5、陽イオン計=690.3 (29.62mval)、陰イオン計=1385.4 (29.17mval)、メタけい酸=109.7 <H8.1.16分析>
文・画像 別働隊@うつぼ
※リンク先は、当ブログおよび筆者レポ(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「掲示板過去ログ」)
そのなかでも老舗といえるのが、春日部湯元とここ越谷ゆの華だろう。
和風スパ銭のフォーマットが定着する以前、平成8年にオープンしたこの日帰り施設は、ベタな健康ランド的イメージを残している。トラック行き交うR4号パイパス沿いに建つその外観と上質の温泉は、素直に結びつかないが、温泉好きのあいだでは東鷲宮百観音とならび、県内有数の良泉として知られている。
エントランス前で無造作に源泉を垂れ流ししているのにまずおどろかされる。この源泉ディスプレイは柏店にもあって、”ゆの華チューン”はほんとうによい源泉に恵まれていると思う。柏店も100湯入りしているし、鹿島店のお湯もなかなかに個性的な食塩泉だ。
浴場は1階「やませの湯」と2階「華街道」にわかれ、男女日替わり交替制。温泉は露天だけだが、洗い場の一部には源泉カランもある。
湯口の湯質自体は、1階、2階で大差ないように思えるが、2階湯口は浴槽中央で注がれたお湯がすぐに撹拌されるのに対し、1階上段浴槽の湯口は端にありピンポイント的に源泉が注がれるので、湯口まわりのお湯は明らかに1階のほうがいい。洋風の2階に対し1階は和風で雰囲気もあるし、温泉浴槽も広いので、温泉ファンには1階をおすすめする。(サウナ好きには3種類のサウナがある2階をおすすめ)
お湯のキャラがきわだっている。
透明度約40cmの黒湯系のにごり湯は、かなりと強烈なヌルツルぬるぬる湯で、そのうなぎ湯的湯ざわりは、正徳寺温泉「初花」に相通じるものがあると思う。
この湯ざわりは重曹系ツルすべとメタけい酸のとろみとアワつきのぬるぬるとアルカリ性の弱ヌルすべが重なりあったものかと思うが、アワつきのほとんどない下段槽でもそうとうなものがあるので、主犯は重曹とメタけい酸(ひょっとすると+有機物)ではないかと思っている。
上段湯口そばでのアワつきは感動的で、つい先日入ったときは、ひょっとするとアワつき湯で有名な山梨の山口や韮崎旭、長岡の寺宝を凌ぐのではないかとさえ思った。
浴後は重曹がきいて肌がつるつるし適度な爽快感がでる。浴中の湯ざわりのよさとあいまって、源泉名”美人の湯”の面目躍如たるものがある。
わりにぬるめのやわらかな浴感なのでついつい長湯してしまうが、浴後いきなり強烈な温もり感と発汗に見舞われる。その浴感は等張泉の成田大和の湯を思わせるものがあったが、その割に塩味が弱いので成分濃度の見当がつかなかった。
最近ようやく温泉分析書が掲出され、濃度2g/kg台にすぎないことがわかったが、となると、この強力な温まり感は鮮度によるものか、はたまた、肌をおおうアワつきによるものか・・・。
湯の香もこのお湯の味わいのひとつだ。湯口そばでは、モール臭と金気臭とアンモニア臭の入り混じった鮮度感ある香りが楽しめる。モール臭にしては甘すぎる芳香なのでひょっとするとイオウ臭?とも思っていたが、水硫イオンを0.7mg/kg含んでいるのでやはりイオウ臭も混じっていると思う。
にごり湯、ツル(ヌル)すべ、イオウ臭、温もり感&浴後の爽快感と、温泉の醍醐味がこんな近くで味わえるとはほんとうに贅沢だ。やはり埼玉を代表する名湯だと思う。
Na-塩化物・炭酸水素塩温泉 39.8℃、pH=8.17、600L/min(1,200m掘削自噴・揚湯)、成分総計=2.199g/kg、Na^+=649.8mg/kg (95.41mval%)、Fe^2+=0.6、Cl^-=553.6 (53.18)、HS^-=0.7、HCO_3^-=823.7 (45.97)、CO_3^2-=4.5、陽イオン計=690.3 (29.62mval)、陰イオン計=1385.4 (29.17mval)、メタけい酸=109.7 <H8.1.16分析>
文・画像 別働隊@うつぼ
※リンク先は、当ブログおよび筆者レポ(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「掲示板過去ログ」)