熱海、鬼怒川、水上など、かつて歓楽温泉として栄華を極めた温泉地が軒並み苦境に陥っている。バブル期までの過剰な設備投資のツケと、近年の行楽客の歓楽大型施設離れがその大きな要因であろう。チラシや新聞広告に載っている激安ツアー(例の”ズワイ蟹食べ放題”とかいうやつ・・ ^^;; )は、このような温泉地がとくに目立つ。客室や従業員を遊ばせておくよりは、ディスカウントしてでも稼働率を上げたいということだろう。
マスコミでも、”秘湯の宿”や”かくれ家宿”がもてはやされる一方で、これらの温泉が好意的にとりあげられる機会は激減している。
だが、このような温泉地にも上質なお湯を味わえる宿がある。その多くはあまり設備投資をかけていない家族経営的な小規模な宿だ。歓楽温泉地は、もともと温泉自体の素性のよさをベースとして発展してきたのだから、いい湯づかいがされていれば質の高いお湯が楽しめるのは至極当然のことである。(枯渇の場合はハナシは別)
熱海の福島屋、鬼怒川の星のや、そしてこの天野屋など、施設的には新しくもないし、充実しているともいえないが、すばらしいお湯が味わえる。週末でも日中ならば空いているのがなによりである。
群馬のお湯の奥ぶかいところは、草津や万座などの硫黄-酸性系のお湯のほかに、湯檜曽、上牧、四万、湯宿、猿ヶ京、法師、花敷、霧積、そして水上など、硫酸塩泉系の名湯を擁することだと思う。
硫酸塩泉系(石膏泉、芒硝泉など)のお湯は、派手なにごり湯ではないし、わかりやすいイオウ臭があるわけでもない。みためはむしろ、”これって温泉?”的なお湯である。
しかし、適度なとろみや肌に染み入るような奥のふかい湯ざわりと、ほのかに香るやさしい湯の香、それに身体の芯から温まるような独特の浴感がある。
身体の表面から煽り立てられるような強食塩泉とは異質の温まり感で、”北斗の拳”風にいうと、さしずめ強食塩泉が南斗聖拳で、硫酸塩泉が北斗神拳といったところか・・・(笑)
浴後はほこほことした温まりとともに適度な湯づかれ感が出て、肌に弾性がついてしっとりと落ちつく。
あらゆるお湯を入り倒した温泉マニアが、最後に戻るのが硫酸塩泉、といわれるほどの通好みの泉質である。
温泉地の中心である”湯原地区”には、他にも良心的な湯づかいをしている宿がいくつかあるようなので、有名な「やぶそば」で腹ごしらえをしながら、いちどじっくりと廻ってみたい。
「旅館天野屋」のレポは、こちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)
含食塩石膏泉 46.5℃、pH・湧出量不明、総計=2107.00g/kg、Na^+=127.540mg/kg (17.50mval%)、Ca^2+=516.640 (81.50)、Fe^2+=2.120、Cl^-=194.53 (17.30)、SO_4^2-*=806.07 (53.10)、陽イオン計=649.310 (31.625mval)、陰イオン計=1057.69 (31.625mval)、メタケイ酸=397.80
<S34.3.24分析>
*)SO_4^2-:分析書破損で読みとれず、合計値からの逆算値。
文・画像 別働隊@うつぼ
マスコミでも、”秘湯の宿”や”かくれ家宿”がもてはやされる一方で、これらの温泉が好意的にとりあげられる機会は激減している。
だが、このような温泉地にも上質なお湯を味わえる宿がある。その多くはあまり設備投資をかけていない家族経営的な小規模な宿だ。歓楽温泉地は、もともと温泉自体の素性のよさをベースとして発展してきたのだから、いい湯づかいがされていれば質の高いお湯が楽しめるのは至極当然のことである。(枯渇の場合はハナシは別)
熱海の福島屋、鬼怒川の星のや、そしてこの天野屋など、施設的には新しくもないし、充実しているともいえないが、すばらしいお湯が味わえる。週末でも日中ならば空いているのがなによりである。
群馬のお湯の奥ぶかいところは、草津や万座などの硫黄-酸性系のお湯のほかに、湯檜曽、上牧、四万、湯宿、猿ヶ京、法師、花敷、霧積、そして水上など、硫酸塩泉系の名湯を擁することだと思う。
硫酸塩泉系(石膏泉、芒硝泉など)のお湯は、派手なにごり湯ではないし、わかりやすいイオウ臭があるわけでもない。みためはむしろ、”これって温泉?”的なお湯である。
しかし、適度なとろみや肌に染み入るような奥のふかい湯ざわりと、ほのかに香るやさしい湯の香、それに身体の芯から温まるような独特の浴感がある。
身体の表面から煽り立てられるような強食塩泉とは異質の温まり感で、”北斗の拳”風にいうと、さしずめ強食塩泉が南斗聖拳で、硫酸塩泉が北斗神拳といったところか・・・(笑)
浴後はほこほことした温まりとともに適度な湯づかれ感が出て、肌に弾性がついてしっとりと落ちつく。
あらゆるお湯を入り倒した温泉マニアが、最後に戻るのが硫酸塩泉、といわれるほどの通好みの泉質である。
温泉地の中心である”湯原地区”には、他にも良心的な湯づかいをしている宿がいくつかあるようなので、有名な「やぶそば」で腹ごしらえをしながら、いちどじっくりと廻ってみたい。
「旅館天野屋」のレポは、こちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)
含食塩石膏泉 46.5℃、pH・湧出量不明、総計=2107.00g/kg、Na^+=127.540mg/kg (17.50mval%)、Ca^2+=516.640 (81.50)、Fe^2+=2.120、Cl^-=194.53 (17.30)、SO_4^2-*=806.07 (53.10)、陽イオン計=649.310 (31.625mval)、陰イオン計=1057.69 (31.625mval)、メタケイ酸=397.80
<S34.3.24分析>
*)SO_4^2-:分析書破損で読みとれず、合計値からの逆算値。
文・画像 別働隊@うつぼ