goo何気無い日々が心地よい安寧

何気無い日々が続く様に。生きていく事の大変さがカナン。ある種空気の様な存在になりたいもの。

🚶‍♀️…隠元橋…向島農道↩️ 💈 210221

2021-02-21 17:01:00 | 🚶 歩く
🚶‍♀️…💈x…右岸堤防道…隠元橋…左岸堤防道…左岸47km碑…向島農道(清水町⇆渡シ場町⇆)…左岸47.4km碑…隠元橋…右岸堤防道…💈…>
🚶‍♀️11874歩
 
☀️:隠元橋19~20℃:今日も強風で時折歩行に影響。くすんだ空に半月🌓
放流量207m3/s
農道歩きで歩数確保!

💈今年初スッキリ。昨年8月以来。夏の暑さと冬の寒さで…定着の年3回。










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📺🎥 ゴジラ と ガメラ 2021/03 スカパー放送 

2021-02-21 00:21:00 | スカパー 放送予定控 & 映画 予定 &TV 予定

 🎥 ゴジラ (1954) 4kデジタルリマスター版
 3月6日 20時〜21時45分 ほか 
  13日10時〜,18日21時〜,30日19:50〜

 🎥 「『ゴジラ』シリーズ 4Kデジタルリマスター 最恐画質 8ヶ月連続放送」が3月6日(土)の『ゴジラ(1954年)』<4Kデジタルリマスター版>を皮切りに開始。
 今回ラインナップする8作品の当時のオリジナル予告編を東現が4K化。
 現状は放送作品、3月であれば初代ゴジラの予告を放送枠と放送枠の間のインターバルの時間にプロモ扱いで流し、併せて、本編放送後に翌月放送作品の予告を流すように編成。

 🎥 ガメラ 大怪獣空中決戦 4kデジタル復元版
 3月6日 15時〜16時55分 ほか
  9日11時半~,21日8時~,26日21時~
 🎥 ガメラ2 レギオン襲来  “
    6日 16時55分〜  ほか
  10日11時半~,21日10時~,26日23時~
 🎥 ガメラ3 邪神覚醒   ”
     6日 18:55〜 ほか
  11日11:30~,21日12時~,27日1時~

📺日本映画専門CHにて
 🎥 用心棒 (黒澤明監督)
   13日 22:00〜 、24日 23時〜
  
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⚗️ 老化細胞 除去薬 の衝撃  2021/02 追補

2021-02-21 00:09:00 | 気になる モノ・コト

東大研究者が発見した「老化細胞」除去薬の衝撃
  東洋経済online より 210219
   中西 真:東京大学医科学研究所癌防御シグナル分野教授

「老いなき世界」を社会はどう迎え、ビジネスはどうシフトし、私たちはどう生きるべきか。
 薬剤によって老化細胞を死滅させることで老化現象が改善することを発表した、中西真(東京大学医科学研究所)教授に語ってもらった

 もしいくつになっても若い体や心のままで生きることが可能となったら、社会、ビジネス、あなたの人生はどう変わるのだろうか?

 ハーバード大学医学大学院の教授で、老化研究の第一人者であるデビッド・A・シンクレア氏の全米ベストセラー『LIFESPAN(ライフスパン):老いなき世界』では、人類が「老いない身体」を手に入れる未来がすぐそこに迫っていることが示され話題となっているが、日本でも、老化研究に関する大きなニュースが飛び込んできた。

 2021年1月15日、東京大学医科学研究所の中西真教授らのグループが、老齢のマウスに「老化細胞」だけを死滅させる薬剤を投与し、加齢に伴う体の衰えや生活習慣病などを改善することに成功したと米科学誌『サイエンス』に発表したのだ。老化研究はどこまで進化しているのか。中西氏に話を聞いた。

◉老化の原因「老化細胞」除去とは

 ――老齢のマウスの「老化細胞」を特異的に死滅させる薬剤を発見されましたが、この「老化細胞」の除去とはどういったことでしょうか。

「老化細胞」とは、ストレスによってダメージを受けるなどして、増殖できなくなってしまった細胞のことです。

 60年ほど前、アメリカのヘイフリック博士が、正常なヒトの細胞を試験管の中で培養していくと、一定の分裂回数のうちに増殖を停止して、二度と増殖できなくなるステージに入ることを発見しました。この状態になってしまった細胞を「老化細胞」といいます。

 細胞は、つねにさまざまなストレスにさらされており、ストレス過多になった場合、遺伝子に傷が入ったり、タンパク質がダメージを受けるなどします。軽微なダメージなら、細胞は修復して生き続けることができますが、修復不可能な損傷の場合、細胞そのものを殺すか、細胞の老化を誘導し、異常な細胞を蓄積させない仕組みが働きます。その結果、細胞は増殖することができない老化細胞となってしまいます。

 そして、この老化細胞が、臓器組織の機能低下や老年病などの発症を誘発するというのが最も基本的な「老化のメカニズム」の1つです。

 これまでの研究では、老化細胞を除去することでさまざまな老化現象が改善することはわかっていました。しかし、組織や臓器により老化細胞は性質が異なるため、それらどんなタイプの老化細胞にも効く薬剤の開発には至っていませんでした。

 われわれ研究チームは、老化細胞の生存に必須な遺伝子を探し、それが「GLS1」という遺伝子であることを突き止めました。さらに、老化細胞は、リソソームと呼ばれる細胞内小器官の膜に傷ができ、細胞全体が酸性に傾くが、「GLS1」が過剰に働くことで中和され、死滅しないまま細胞を維持することも明らかにしました。
 そこで、この遺伝子「GLS1」の働きを止める薬剤を投与したところ、老化細胞が除去され、老化に伴う体力の衰えや生活習慣病が改善することを証明しました。

◉老化は「常識」から「サイエンス」になった
 老化研究が注目されるようになったのは、ごく最近のことです。僕は、いまから30年前、アメリカに留学していた頃に細胞老化という現象に興味を持ち、それ以来ずっと研究を続けていますが、当初はほとんど注目されておらず、現象論ばかりで分子機構も明らかにされていない時代でした。


 [中西 真/東京大学医科学研究所がん防御シグナル分野教授。名古屋市立大学医学部医学科卒業、名古屋市立大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)。自治医科大学医学部助手、米国ベイラー医科大学留学、名古屋市立大学大学院医学研究科基礎医科学講座細胞生物学分野教授を経て、2016年4月より現職]

 当時盛んだったのは、細胞周期に関する研究です。2001年には細胞周期の制御因子を発見した研究者がノーベル賞をとり、僕もその波に乗って細胞周期の研究に取り組みつつ、ほそぼそと細胞老化の研究も並行してきました。

 老化研究のいちばん難しいところは、とにかく時間がかかるということです。例えば、一口に「カメの寿命にともなう死亡率の研究」と言っても、カメは100年以上生きますからね。高齢マウスの研究でも、2~3年はかかります。たかだか20~30年の研究者人生の中でできることには限りがあるのです。

 社会にとっては非常に必要な研究だけれど、何十年もなんの結果も出さずにいることは、許してもらえませんからね。

 そんな老化研究全体の空気が変わったのは、この数年です。まず、2014年に科学誌『ネイチャー』で、老化の過程は生物種によってかなり異なるということが報告されました。
 ヒトは、老化による機能低下などで寿命を迎えますが、生物種のなかには、老化そのものが寿命を規定していないものがたくさんいるというのです。
 また、2016年には、同誌に、ヒトの最大寿命は120歳であるという報告も掲載されました。それまでなんとなく「年とともに老いて、長くても120歳ぐらいで死ぬものなんだろう」と思われていたことが、サイエンスとして一流の科学誌に取り上げられたわけです。

 老化現象というものが、一般常識の範疇から、サイエンティフィックに非常に面白い対象なのだと認識されることになり、多くの研究者が参入するきっかけになりました。

 とくに、生物種によって老化の過程が異なるというのは、非常に面白い話です。
 ヒトは、加齢に伴って死亡率が急激に増加する典型的な生物ですが、ある種のカメやワニなどには、そのような現象が起きません。もちろん、ある決まった寿命で死ぬのですが、年をとっても、人間でいう白髪が出たり老けたりという、老化の表現型が出ないのです。 
 つまり、20歳の死亡率と70歳の死亡率が変わらない。「ピンピンコロリ」の一生を送るすごい生物がたくさんいるということです。

 興味深いのは、ゾウです。ゾウは、ストレスが加わったときに、自らの体内で老化細胞になる前に傷ついた細胞を死滅させてしまうと言われています。われわれが開発したような薬を飲まなくとも、もともとそういうシステムを体内に持っているわけですね。

 ゾウにはがんがないというのも有名な話です。がん細胞のような悪い細胞をすぐに死滅させてしまうからです。がんのあるゾウを探すのは、非常に難しいと言われるほどです。

 悪い細胞を体内に残しておくから病気になるわけですが、ただ、生態系全体として見ると、ヒトは、老化細胞を残しておくことに、個体としてなんらかのメリットがあり、それが進化の過程で有利に働いているという部分もあるのかもしれません。

 老化によって臓器組織の機能が低下し、老年病を引き起こすなどして健康寿命を決めているメカニズムと、生物種の最大寿命そのものを決めているメカニズムはまったく次元が違うはずです。

 老化研究は、まだまだわからないことが多く、あくまでもわれわれ自身である「ヒトの老化」という範疇から出ていません。今後ますます俯瞰的に理解していくことで、より研究が深まっていくでしょう。

◉ヒトへの実用化までのハードル

 老化改善の薬は、これからヒトへの実用化に向かっていきますが、まだまだハードルがあります。
 ひとつは、本当にその薬に副作用がないか、もっと効果的な薬はないかという短期的なハードル。そしてもうひとつは、まだ個体の老化はすべてが解明されていないという長期的なハードルです。

 われわれの研究もそうですが、これまでは、培養された細胞を使った研究ばかりで、個体の中での研究はほとんど行われていません。老化細胞が、個体の中で加齢や老年病の発症に関わっているのは確かですが、現実には、個体の中はまだブラックボックスなのです。個体のいったいどこに老化細胞が蓄積しているのか。それがどのような機能や性質を持ち、どう作用しているのかはわかっていません。
 これからは個体の中での老化細胞の働きを解明する必要がありますし、そのような研究が進めば、もっと優れた標的や、もっと優れた治療法が見つかるだろうと僕は信じています。

――日本人は世界的にも長寿ですが、ほかの国の人々に比べてどのような要因が考えられるのですか。

 ひとつは、日本人の食生活が大きく影響していると考えられます。日本人は、アルコールの摂取量も世界的に見れば少ない人種です。
 もうひとつは、日本人には、肥満など特殊な体質が非常に少ないことです。もちろん日本人にも肥満体質の方はいらっしゃいますが、欧米人に比べるとかなりその程度は軽いと思います。

 アルコール摂取量が多かったり、生活習慣が原因で肥満が起きたりする環境では、それが細胞に対するストレスになり、老化細胞が増えやすいということは十分に予測できます。日本人の普通の食生活や生活習慣が、欧米人に比べればストレスを受けにくいということですね。

 人種にかかわらずヒトの最大寿命は決まっています。世界一の長寿とされたジャンヌ・カルマンさんはフランス人女性ですから、日本人が最長というわけではありません。ですから、少なくとも欧米人が日本人のような生活習慣になれば、長寿に近づいていくと言えるでしょう。

◉老化は「病気」として治療できる

――シンクレア氏の『ライフスパン』では、「老化は病気である」と定義されていますが、先生のお考えをお聞かせください。

 僕も、少なくとも、加齢に伴って起きるような臓器組織の機能低下や老年病などは治せるものだと考えています。
 ただ、最大寿命を延ばすのは非常に難しいことですし、倫理的にも問題があると思いますので、そこはもう少しよく考えなければなりません。まずは、健康に生きる時間を長くするということだと思います。

 昨年12月、シンクレア先生が山中因子(iPS細胞)を使って、高齢マウスの視力を回復させたという論文を『ネイチャー』に発表されました。非常にインパクトがあり、本当に老化細胞が若い細胞に戻っているのなら、これはすごいことだと僕は思います。

 ただ、山中因子によって実際にどんな細胞が生まれて、それがどういう形で老化した細胞を再生させているのかということについては、まだ証明されていません。まだまだこれからということになるでしょう。 

――アメリカでは、グーグルなどが老化研究のベンチャーに投資していますが、日本ではそのような動きはありますか?

 日本では、残念ながらまだほとんどありません。そのようなベンチャーもありませんし、カルチャーもありません。

 アメリカには、「失敗してもいいじゃないか、作ってダメならまたやり直せばいい」というカルチャーがありますが、日本は違います。「失敗したくない」「失敗するとダメージにつながる」という発想にとらわれていて、なかなかそのような会社はできないんですね。

 ただ、20~30代の世代では、ベンチャーをやってみようというハードルが低く、そのような芽ははっきりとあります。今後、老化研究の分野に投資したいという動きは大きくなるかもしれませんね。

 いま、がん研究については、かなり煮詰まったところまで来ています。もちろん、本庶佑先生のようなすごい発見も今後生まれると思いますし、すい臓がんなど治療困難なものもありますが、基本的に、がんは治る病気になりつつあるんですね。そうなると、人類の最後の未知なる領域は「老化」ということになり、そこへシフトしていく流れがはじまったのだろうと思います。

◉100歳まで健康に生きることが「自然」

「老化も死も自然のままがいい」という感覚の方も多いようですが、僕は、なにをもって「自然」と言うかは難しいと考えます。老化は、人によって程度がまったく違うもので、90歳でも100歳でも元気な人もいれば、50歳でもいろんな病気にかかってしまう人もいます。

 病気にかかることが自然なのかというと、僕は、やはりそうではない、100歳まで健康に生きることが自然だと思うのです。僕の両親もそうですが、年老いた人は不自由を感じていますし、それを改善できるということは、すごく大きなことだと思います。

 自然に生きることを助け、サポートしていくことが、老化研究です。実現すれば、短期的には医療費の問題が解決し、もっと別のことにお金が使えるようになりますし、個々の方の人生そのものも幸せになりますよね。やはり健康は、最もお金で買えない幸せだと僕は思っています。

[構成/泉美木蘭]



※※※※※※※※※※※21/03/31  週刊プレイボーイ
老化細胞を除去する薬で「健康寿命120年時代」がやって来る!
取材・文/村上隆保 

「老化するのは仕方がない」と誰もが思っているはず。しかし、東大の中西真教授が老化細胞を除去する薬を発見した! これで人間は近いうちに老化しなくなるかもしれない。つまり健康な体で生きられる期間が長くなるのだ。その薬のメカニズムと老化の仕組みなどを解説してもらった。

■カメやワニは老化しない!?
 鏡を見て白髪が増えたなと思ったり、階段を上るのがつらくなったり、「俺も年を取ったな」と感じることはあるだろう。
 20~50代の男性400人にアンケート調査をしたところ「老化は仕方がないと思う」人が86%だった。そりゃそうだろう。人間、誰もが年を取る。でも、年を重ねてもいつまでも健康で若々しくいたいと思うのは人の性(さが)ではないだろうか。
 それを裏づけるように「健康であれば100歳まで生きたいと思いますか?」という質問には半数以上(52%)が「思う」と答えている。

そんなときに驚くべきニュースが飛び込んできた。

 東京大学などの研究チームが、今年1月15日に「老化細胞を除去する薬を発見した」と発表したのだ。そして、マウスを使った実験では「動脈硬化や糖尿病などが改善し、健康寿命を延ばすことがわかった」という。

 老化細胞を除去する薬とはどんなものか? 老化しなくなるということは不老不死になるのか? 研究チームのひとりで、東京大学医科学研究所の中西真(まこと)教授に聞いた。

――まず、老化の仕組みを簡単に教えてください。
中西 なぜ老化するのか? その明確な答えはありません。世界中の研究者が必死になって研究してもよくわからないのです。

――えっ!?
中西 ところが最近になって、組織や臓器に起きる小さな慢性の炎症が老化の原因につながっていることがわかりました。ただ、それは私たちの"健康寿命(介護などの必要がなく自立した生活ができる期間)"を決めている老化であって、約120年という"最大寿命"を決めている生物学的老化のメカニズムではないんです。

――人の最大寿命は120年なんですか?
中西 はい。私たちは120年までしか生きられません。

――なんで120年と決まっているんですか?
中西 わかりません。手がかりすらありません。「なぜ人は120年までしか生きられないのか?」に対する回答は一行も書けません。

――120年以上生きている人はいないんですか?
中西 いません。人類で最も長く生きた人は122年と約6ヵ月です。

――へー。
中西 ですから、「健康寿命を決めている老化」と、「最大寿命を決めている老化」は違うということを知っておいてください。そして、その両方があるので、加齢とともに死亡率が上がっていきます。20歳の人と80歳の人を比べると、死亡率は80歳の人のほうが高いですよね。

――そうですね。
中西 ただし、すべての生物が同じわけではなく、例えばカメとかワニは年を取っても死亡率が変わらないのですよ。

――それはなぜですか?
中西 考えられることは、人間の健康寿命を決めている炎症細胞の蓄積がカメやワニにはあまりなく、一方で最大寿命を決めるメカニズムはある。だから、ほぼ死亡率が変わらずに生き続けることができると考えられています。

――健康寿命があるのは、人間だけなんですか?
中西 加齢に伴って死亡率が上がる典型的な生き物は人、馬、マウスなどですね。ただ、生物の老化は非常に多様です。マウスの最大寿命は3年で加齢によって急激に死亡率が上がりますが、アフリカの地中にいるハダカデバネズミは最大寿命が30年で加齢に伴って死亡率が上がることはありません。

――不思議ですね。進化の過程で、年を取ると死亡率が上がるようになったんですかね?
中西 それはまだ謎です。ただ、サケやマスは産卵するとすぐに死んでしまいますよね。これは典型的な例ですが、サケが川を上ってくるときは健康体です。それが産卵すると一気に死んでしまいます。

――あれは老化して死んでいるんですか?
中西 老化の一種と考えられます。ですから、産卵した後の個体を残さないというシステムが、ある種の生物には必要なのかもしれません。
 ひとつの考え方として、長く生きれば生きるほど遺伝子は傷つきます。しかし、種が生存するためには傷のない遺伝子を維持することが大事です。そこで傷のある遺伝子が少ない若いときに生殖を行なう。
 長く生きて傷ついた遺伝子を多く持った個体が生殖するとおかしな遺伝子を持った個体が生まれてくる可能性があるので、傷ついた遺伝子が多い年を取った個体は早く死亡させてしまおうという仕組みが、老化だという説もあります。

――生殖がポイントだということですね。
中西 日本でも、今から70年くらい前は男性も女性も平均寿命が50歳くらいでした。50歳というとちょうど生殖年齢が終わる頃です。

――サケと一緒ですね(笑)。
中西 ただ、私たちは「最大寿命まで、できるだけ健康で生きたい」という希望を多くの人が持っているはずです。そうすると老化細胞を除去する薬が、その希望を叶かなえられる可能性があると私たちは考えています。

■ゾウは、がんにならない
――では、その老化細胞を除去する薬について、詳しく教えてください。
中西 人間には約200種類、60兆個の細胞がありますが、そのどれもが老化細胞になりえます。例えば、紫外線や放射線によってDNAが傷ついたり、酸化的なストレスがあったり、細胞の中のがんを誘発する遺伝子が活性化したりすると、老化細胞になります。
 そして、老化細胞の生存には「GLS1」という遺伝子が必要だということがわかりました。老化細胞はさまざまな刺激によって、タンパク質がうまく作れなくなった細胞です。

 細胞の中にはうまく作れなくなったタンパク質を分解する工場(リソソーム)があるのですが、たくさんたまると工場に穴が開いて強い酸性の物質が細胞の中に漏れていく。細胞全体が酸性になると細胞は死んでしまうので、老化細胞はアルカリ性の物質を作ってなんとか中和したい。
 そこでGLS1という酵素を活性化して、アルカリ性のアンモニアを作る。すると、老化細胞は生き延びられるわけです。そして、その老化細胞が体の中にたくさん残っている状態が老化です。

――じゃあ、そのGLS1を薬で阻害して老化細胞を殺してしまえば、新しく細胞が作られて老化が起こらないと?
中西 そうです。酸性のままにしておけば、老化細胞は自然に死んでいきます。そして、若い細胞が増えていけば、組織や臓器の機能が保たれる、あるいは改善する。

――若返るということですね。
中西 老化を改善するということです。例えば動脈硬化や加齢に伴う糖尿病、加齢に伴う腎機能、肝機能、肺機能の低下がマウスの実験では、どれも良くなっています。
 わかりやすい例を挙げると、マウスも年を取ると筋力が弱くなります。高い鉄棒につかまっているとだんだん疲れて落ちてしまいますよね。マウスも棒につかまるんですが、若いマウスだとだいたい200秒くらいはつかまっています。一方で年を取ったマウスだと30秒くらいしかつかまれません。
 しかし、老化細胞を除去すると100秒くらいまでつかまれるようになるんです。人間で換算すると60歳くらいの人が30歳くらいの筋力になったという感じです。

――すごいですね。
中西 少なくともマウスレベルでは、そういうことができるようになっています。

――老化といえば、がんのイメージがあるんですけど、がんにも効くんですか?
中西 がんも典型的な加齢性疾患ですね。
 私たちのDNAの中には細胞を作る設計図が入っていますが、その設計図が壊れて細胞の増殖が暴走してしまった状態ががんです。
 老化物質が蓄積すると、炎症性物質をたくさん出します。すると、その炎症性物質が周りの細胞の遺伝子を傷つきやすくなる。遺伝子が傷つくとがん化しやすくなる。

――じゃあ、老化細胞がなくなると?
中西 がん化しにくくなるので、がんの発症を抑えることができます。

――すでにがんになっている人にも効く?
中西 たぶん効かないと思います。がんになるのを防ぐことはできるけれども、がんになった人を治すことはできないでしょう。がんは細胞がどんどん増殖するので、老化細胞を除去しても、がん細胞の増加のほうが速い。治療が追いつかないと思います。

――予防ということですね。
中西 そうです。ゾウはがんにほとんどならないって知っていますか?

――え!? そうなんですか?
中西 なぜかというと、傷ついて老化してしまった細胞を細胞死に誘導するからです。私たちは傷ついた細胞が老化細胞として残ってしまうんですが、ゾウは残らない。だからがんにならない。
 野生のゾウは天敵などがいますが、動物園のゾウは感染症などにかからなければ、最大寿命近くまで老化に伴う病気にかかりにくいと思います。

――「感染症にかからなければ」ということは、新型コロナは?
中西 新型コロナにかかっている人が治ることはないと思います。ただ、年を取っていると死亡のリスクが高いといわれているので、そこは改善する可能性があります。
 基本的に感染症以外は、ほとんどが老年病といわれています。動脈硬化、高血圧、高脂血症、白内障、痴呆症......こうした病気は、老化細胞治療でよくなる可能性があります。

――なんかすごい薬ですね。いつ頃、実用化できそうなんですか?
中西 先ほどがんに効かないと思うと言いましたが、実はGLS1を阻害する薬は、特殊ながん細胞や末期がんの患者さんに対して効果があるのではないかということで、アメリカでは「フェーズワントライアル」という人に応用できる薬として開発が進んでいるんです。
 これは、老化予防のためではないのですが、実際に人に使って副作用がなければ、老化予防の薬として使うことも可能だと思います。

 最速であれば、5年後くらいには実用化できるんじゃないでしょうか。その場合、早老症とも呼ばれる20代くらいで老化してしまう難病の方から臨床を始めて、その後に腎不全になって透析をしている人、筋力が低下して立てない人などに投与することになると思います。健康体の人が予防的に使うのは最後ですね。

――それでも、その薬を使っていれば、120歳まで健康でいられるわけですよね。
中西 可能性はあります。100歳くらいまでは病気になりにくい状態になると思います。



――じゃあ、人生100年時代は本当に来る?
中西 かもしれないです。今は健康寿命(日本人男性約70歳)と平均寿命(日本人男性約79歳)の間が約10年くらいあります。この10年は寝たきりで介護が必要だったり、病院で治療を受けていたりする期間です。少なくともこの期間を限りなくゼロに近づけることはできるかもしれません。

 老年病が減れば医療費も含めて社会の構造が変わってくるでしょうし、70代、80代の人も働いている社会になると思います。

――なんか早く飲みたくなってきました。
中西 私も早く飲みたいですよ(笑)。今後10年の間に老化研究はすごく進むと思いますので、ぜひ、注目していただきたい分野だと思います。

――ありがとうございました。

* * *
120歳まで健康で生きられる時代は、すぐそこまで来ているようだ。
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