いなば路快速の日記帳

鉄道ファンの管理人が日々の出来事・雑感などを綴っていきます。

1/29 北関東に50系客車を訪ねて(その7)

2011年02月26日 | ぐだぐだ旅行記

北関東に50系客車を訪ねて(その6)からの続きです。

茂木駅をまっすぐ突き抜けてきた真岡線の線路は構内の北のはずれで道路にぶつかり、そこでぷつりと途切れるように車止めが設置されています。

なんだかこの先にも線路が伸びていたかのような思わせぶりな感じですが、実際のところ真岡線は茂木よりさらに先に線路を延伸する計画があったそうです。
この計画路線は長倉線と呼ばれ、最終的には水郡線と接続することを目指して建設していたところ、戦争により工事が中断しそのまま未成線となってしまったのだそうです。


帰りの列車までの暇つぶしに途中まで
未成線のルートにそってしばらく歩いてみましたが、確かにいかにも鉄道線路らしい細長い空き地や築堤などが観察できます。もしここに線路があったら、上り勾配に思い切りエンジンをふかしてキハ58やキハ40といった気動車が走ってきそうな雰囲気でした。

長倉線は線路の敷設もなされほぼ完成状態で工事が中止されたらしく、用水路をまたぐ暗渠や工マークの入った用地の境界を示す標柱もそのまま残っていました。



上の写真の場所よりももう少し先には橋梁跡やトンネルも残っているもあるそうですが、さすがにそこまで徒歩で移動していると帰りの列車に間に合わなさそうなので、適当なところで折り返して茂木駅に戻りました。


茂木駅は有人駅で、比較的新しめの駅舎には食堂や公民館のような施設も併設されていましたが、列車がいないときは人影はなくひっそりとしていました。まあ基本的に地方の駅は大体こんな感じなのかもしれませんが。
ここの窓口では「SL特別入場券」という硬券きっぷ(100円)が発売されていたので記念に購入。

さて、駅に着いてからしばらくすると上りのSL列車を仕立てるために機関車の入換が始まりました。

転車台で下館向きに方向転換されていた機関車はいったん北側の行き止まりまでバックし、ポイントを越えたところで手旗の誘導により前進します。
ホームでカメラを構えて見物している人が見えますね。


駅のホームを通過して南側のポイントを越えたら、再びバックで側線に入り50系客車と連結します。ちなみにポイントは電動ではありますが、遠隔操作ではなくポイントマシン脇にあるスイッチを操作して切り替えていました。


連結が済んだら汽笛一声ののち再び前進。今度は空車とはいえ客車をつないでいるので間近で見る走る姿は単機よりも迫力があります。

シリンダ部分からドレン排出を兼ねて勢いよく蒸気が噴き出していて、目の前を機関車が通過するときにそれをまともに食らってしまいました(笑)
石炭の燃えた独特の香りがけっこう強かったです。


そうして編成がホームに据え付けられ、「SLもおか」上り下館行の客扱いが始まりました。心なしか下り列車で到着した時よりも乗車客が少なかったような…。
演出のためなのか、C12の煙突からは黒い煙が噴き上げられています。
列車は例によって機関車に一番近い3号車に乗客が集中し、他はガラガラという状況で発車。自分は行きと同じく誰もいない2号車に乗りました。
益子辺りから少しずつ乗客が増えてきたようでしたが、蒸気暖房の暖かさについうとうとしていたので車内に人が増えたことにはあまり気付きませんでした。

茂木→下館 6002 オハ50 22



ところで上りのSL列車はオハ50 11が最後尾となるので、なんとなく編成端としては落ち着かない感じがしますが、スハフ42形やオハフ45形も車掌室側妻面はこんな感じの見た目だったのでこれはこれでありかも?
反射板付きの後部標識は向かって左側のみに取り付け。ただしライトは点いていませんでした。
最後尾のデッキ部分は貫通路や妻面の窓から外が見えるので簡易展望車といった感じですね。ただしこの1号車は機関車から一番離れている車両なので暖房用の蒸気の届きが弱く、他の車両より若干冷えていましたが…。

そうこうしているうちに列車は終点下館に到着。下館到着前の放送もやはり丁寧な内容のもので、もちろんハイケンスも流れました。観光列車だからということもあるのでしょうが、なかなか味わい深い車内放送を聞けてよかったです。

昼間側線で留守番していたDE10 1535がお出迎え。回送列車の牽引に備えてスタンバイしていました。

なお下館でSLもおかからの水戸線水戸方面の接続列車はすぐの発車ですが、その列車はE501系で運転されていました。

常磐線上野口で15連で走っていた頃が懐かしいです。京浜急行2100形とともに「歌う電車」として知られていますが、今ではどちらも制御装置の交換が進み普通のIGBT音になっている車両が増えていますね。

さて、下館駅に到着したSL列車は車両基地のある真岡駅まで回送されることになるのですが、下館行きの回送と違ってこちらの列車は客扱い列車として運転されます。
したがって下館→真岡間はDL牽引の50系客車列車に乗ることができます!

そのDLも最初のSL列車の入換と同じくいったん本線の茂木方に引き上げ、その後手旗の誘導で客車に連結。
やはりDLと50系客車の組み合わせのほうがしっくりくるような気がしますね。うーん、やはり客車の色が赤ければ(以下略

なおこの回送列車には乗車券のみで乗車することができますが、最後尾にはそのまま蒸機がぶら下がっているので、
乗務員がたまたま乗ろうとした一般のお客さんから「整理券いるんですか?」と問いかけられる光景が見られました。
本来このスジは普段は茂木行きの気動車列車が運転されるのですが、SL列車運転の日に限り
下館→真岡間は運休、代わりに真岡までは50系客車快速が代走として運転されています。

ちなみに客扱いは3号車のオハフ50 33のみで、1・2号車は締め切り扱いでした。さすがにこの列車を狙って乗るような物好きはこの時は自分くらいしかおらず(笑)、ほかの乗客はほぼ地元の人や学校帰りの学生です。


こうしてDE10牽引の50系客車列車で真岡まで乗車、SLもおかの裏メニュー(?)的な部分もしっかり楽しみました。さすがDL牽引なのでスピードの乗りが違いますが、蒸機は後ろにそのまま連結されているのでドシン、ドシンとくる前後の揺れは相変わらずでした。
下館→真岡 6101 オハフ50 33

もしも全区間DL牽引の「DLもおか」みたいな列車があったら喜んで乗りに行きたいところですが、マニア受けしかしなさそうだし、観光資源としての価値はあまり見込めなさそうかもしれません(笑)
かつて実際に「DLあそBOY」という例はありましたが…。

真岡駅に列車が着いたらすぐに跨線橋をダッシュ、行き違いの下館行き気動車に乗り込みました。当然余裕時分はほとんどなくあまり褒められたものではありませんが、このような折り返し乗車ができるのもフリー切符ならではと言えそうです。

ずっと客車列車に乗ってきた後だと軽快気動車の加速・スピードとも走りがとんでもなく凄まじいものに感じられました(笑)
真岡→下館 134 モオカ14-5


下館駅に着いたらあとはひたすら帰るのみ。共通フリー切符があるので下館からは関東鉄道常総線に乗車、途中の守谷で乗り換えを挟みJR常磐線接続の取手へ向かいます。

関東鉄道の気動車は新潟トランシス製のNDCですが、都市近郊輸送を担っている線区だけあって21m級片側3ドアの結構立派な仕様となっています。
乗った列車が快速だったので結構かっ飛ばして走っていましたが、もう外は暗くなっていて車窓は見えなかったので、いい感じに響くエンジン音を聞きながら取手まで終始うたた寝していました。
下館→守谷 134 キハ2403
守谷→取手 136 キハ2105

その後は取手からはJR常磐線に乗り換え。

我孫子まであえてこれに乗車(笑)
新形の16000系がデビューしたとはいえ、6000系天下の状態はまだしばらく続きそうな気がします…。
我孫子駅の弥生軒でから揚げそばを食べた後は快速電車で上野へ。上野からは京浜東北線、川崎で南武線に乗り換えて始発でスタートした鹿島田で下車しました。この辺りまで来るとはもう消化試合的な感じで、車内ではほとんど寝ていました。


こうして長い1日の小旅行が終了。駅からは徒歩で帰宅しました。
今回のSL列車の50系客車の旅は思ったよりなかなか楽しめました。今度は敢えて真夏の非冷房状態を体験しに行ったり、あるいは秩父鉄道やSLみなかみの12系客車に乗りに行ったりするのもいいかもしれません。
いつか動態保存の旧形客車の列車にも乗りたいなぁと思うところではありますが、これについてはいつになるやら…。

取手→我孫子 1841S 6032
我孫子→上野 1985H モハE231-104
上野→川崎 1943B モハE233-1266
川崎→鹿島田 2001F クハ205-130 

北関東に50系客車を訪ねて(終)



2 コメント

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Unknown (Pinecone)
2011-02-27 13:13:11
こんにちは。

C12+50系からE233系1000番台などに乗り継ぐって、タイムマシーンのようでもあり、楽しそうですね(笑)
行程的には大変そうな気もしますが・・・
(湘南新宿ラインで一気に新川崎へのルートを模索してしまいそうな感じですね。とは言え、個人的には各駅の発車メロディーの違いが好きで、同じように京浜東北線に乗ったでしょうね。)
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Unknown (いなば路快速)
2011-03-01 00:15:48
>Pineconeさん

コメントありがとうございます。
確かに今回はいろいろと新旧車両を織り交ぜての行程となったので、ちょっとしたタイムトラベルみたいな感がありますね。C12だけでなく営団6000系もある意味なかなかのレトロ車ではありますが(笑)

帰りの行程は小山から横須賀線直通の湘南新宿ラインに乗ってもよかったのですが、関東鉄道常総線も全線がフリー切符の区間内だったので初乗りも兼ねてそちらに乗車しました。
あとは気動車の走りをもう少し楽しみたかったのと、我孫子駅の弥生軒という駅そば屋の「から揚げそば」を食べに行くためというのも取手経由の理由です(笑)
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