今回の記事はTOMIXのDD51の前面手すりをKATOのassyパーツに交換し、
製品そのままの状態とはちょっと雰囲気を変えてみよう、というはなしです。
(手すりの根元が直線タイプ・開放てこ内側通しの例、DD51 1040号機)
(手すりの根元が曲がったタイプ・開放てこ外側通しの例、DD51 1187号機)
実物のDD51では前面手すりの中央寄り2本の柱の形態が大まかに2種類に分類され、
重連形のうちDD51 501~799、1001~1051、801~885では根元が直線のタイプ、
1052~1193、886~899、1801~1805では根元が曲がったタイプとなっているようです。
この差異は自動連結器の開放てこが通る位置を変更したことによるもので、
根元が直線のタイプは開放てこが手すりの内側を、根元が曲がったタイプは手すりの外側を通るようになっています。
(模型では開放てこが省略されているのでいまいち見た目の説得力が薄いのですが・・・)
(左:手すり交換済み車両、右:手すり未交換の車両、下:KATOの手すりパーツ2種)
(左:手すり交換済み車両、右:手すり未交換の車両、根元付近の形状違いに注目)
さて、Nゲージ鉄道模型のラインナップでは、TOMIXはDD51の重連形中期タイプ(500番台)、後期タイプ(1000番台)、800番台後期タイプなど各種形態を製品化していますが、前面手すりはどのタイプも柱の根元が曲がった後期タイプのものになっています。
一方、KATO製のDD51ではおおよそ製品別にそれぞれのプロトタイプの年式に応じた前面手すり形状が作り分けられているようです。(もしかしたら例外があるかも)
そこで、KATO製品の根元が直線タイプの前面手すりをTOMIX製品に移植すれば、
TOMIXのDD51も番号別により実物に近い雰囲気になるのではないか、と思い今回の加工を行った次第です。
(欲を言えば後藤工場タイプの増設つかみ棒が再現された手すりパーツがあれば、なんて思いますが・・・)
素材として用意するものは、
TOMIXのDD51-500(800)形
KATOassyパーツのDD51前面手すり(800番台用もしくは1043号機用)
の2種類です。
まずは車体をバラします。
先にキャブを上に引き抜き、その後ボンネットを車端部へスライドさせるように取り外します。
次にMカプラーとカプラー押さえを兼ねているスノープロウを取り外します。
スノープロウはボンネット先端部内側にある2つのツメをつまようじなどで内側に押して外すことができます。
手すりやステップなどが一体の白い前面周りパーツは、車体裏の固定用のツメ(ウォームギアの上の、白い梁の中央に見える小さな突起)から白い梁を浮かせて逃がすように車端部へスライドさせれば取り外すことができます。
力加減の調整が難しく、外した勢いで吹っ飛ばしたり壊したりしないように注意です。
前面周りパーツが取り外せたら、グレー成形の端梁(写真中央の部品)を分離します。
端梁は手すりパーツ下部の2つの穴にピンでもって固定されているので、
それをつまようじなどで内側から押し出せば外すことができます。
次に、前面周りパーツから手すり部分を切り離します。写真右上が切り離した後のパーツです。
デザインナイフで根元の部分を切り出していき、
ステップ横の左右に下がった部分の切り口は跡をきれいにしておきます。
なお写真左は今回用意したKATO製の根元が直線タイプの前面手すりassyパーツです。
これは2020年に発売された下関総合車両所のDD51 1043号機用で、
重連用ジャンパ線納めやSGホース掛けも含めて全体が白くなっているタイプです。
つづいて、各パーツを一体化させるためにそれぞれの形状を整えていきます。
写真左が加工前、右が加工後です。
ニッパーやデザインナイフを駆使して余分を切り離していきますが、
繊細なパーツなので壊さないように注意が必要です。
特にKATO製の手すりパーツは折れやすく、不注意ですぐポキッとやってしまいます・・・(汗)
現物合わせで仮組みしつつ各パーツの形が整え終わったら、順次接着していきます。
少量のゴム系接着剤を用いて前面周りパーツと端梁、手すりを組み上げれば・・・、
出来上がりとなります。分解とは逆の手順で車体に組み戻していきます。
ちなみに写真左のものは、重連用ジャンパ線納めやSGホース掛けが朱色の800番台用assyパーツを使ったものです。
(左:800番台用手すりに交換、中央:1043号機用手すりに交換、右:製品そのまま状態の手すり)
手すり交換の加工を施した車両と未実施の車両を並べてみました(ただし、未実施車は1121号機なので本来は交換不要)。
正直、いざやってみると手間の割には地味な違いです(笑)。
前面手すりの形状違いなどは、走らせれば分からないレベルの自己満足の世界でしょうかね。
むしろ、800番台用手すりパーツを使って重連用ジャンパ線納めやSGホース掛けが朱色になっているのが模型的に目立っているように思えます。
(左:800番台用手すりに交換、中央:1043号機用手すりに交換、右:製品そのまま状態の手すり)
斜め方向の角度から。前面手すりの根元付近の形状に注目です。
なお実車では、重連用ジャンパ線納めやSGホース掛け部分の色は配置区所によってまちまちで、
例えば国鉄末期の山陰線筋では米子機関区配置車が白で、吹田第一、福知山、岡山、厚狭機関区配置車が朱色となっていたようです(転属直後の時期など例外はあり)。
交換したKATO製の前面手すりですが、TOMIX製品付属のヘッドマークも通常通り取り付け可能です。
そもそもTOMIX製品、KATO製品ともにマーク自体の取り付け方法は同じようなものですが・・・。
ただし取り付けはかなりゆるく、ちょっとした拍子にすぐマークがどこかへポロッと落ちてしまうので、紛失には注意が必要です(いっそヘッドマークもKATO製を使う手もありますね)。
ちなみに余談ながら、この加工ネタはずいぶん前にTOMIX製品でDD51 844号機タイプを仕立てた際にも行っていて、
当時は加工の手順が掲載されたwebサイトを参考に見よう見まねで作業したのですが、
気がついたらそのwebサイトが消えてしまっていたので、今回自分の備忘録も兼ねて記事にした次第です。
したがって自分オリジナルの加工アイデアではないことをおことわりしておきます(汗)