醉蝗茶房

80's&水滸&異常な日常

PMの適性

2007年05月02日 08時59分44秒 | まねじめんと
昨日PMってのはヒューマンスキルの善し悪しで決まるなんてー話を書きましたが、ちょいとした続編を。
PMのヒューマンスキルのいくつかを昨日挙げてみましたけど、この中で別して重要なのは「リアリストである」ことっす。

概ね、とゆーか、ほとんど全てと言っても過言ではありませんが、プロジェクトって奴は問題が出てきます。
内部要因/外部要因、品質/コスト/進捗、技術的/人的etc.もう何でもありで、まるで『水滸伝』みたいっすよ(笑)
中には、トラブってる状態にいきなり突っ込まれる、所謂”火消し”と呼ばれるPMもいたりします。
ここ数年の寨主は将にこれだったりするんですけどね(^_^;
で、トラブルの際はまず状況の把握をしますわな。
状況は徹底的に我に利あらず、なんてー時でも、これを何とかするのがPMのお仕事です。

が、得てしてこの手の状況に陥ると、こんなことを言い出す奴が出てきます。
曰く、「本来はこうするべきではなかった」
曰く、「もう、どうにもなりません。やめるべきです」
等々...
要するに、今の状態を受け入れられないので、自分の考える理想論に走っちゃうわけで。
状況によっては、確かに採り得る選択肢もあるんですけど、ほとんどの場合は悪い言い方をすると”逃げ”になっちゃってるんですな。
自分しか見えてないと言うか。
例えば半年納期を延ばしてもらえば良い、と言うようなことを言いますが、お客さんにはお客さんの都合があって納期が決まってるわけで、こっちの都合でそんな簡単に納期を変えることなんかできません。況や、遅れの原因が自責だった場合に於いてをや(^_^;
プロジェクトを途中で投げるなんて言ったら、それまでのコスト持ち出すだけで終わればまだしも、場合によっては賠償なんてこともあります。

つまり、現実を見てない、もしくは見えてない、または見えてても見えないフリをしてるんですな。
何を言おうが、どう考えようが、現実ってのは厳然としてそこにあるわけで、まずそれを受け入れないと解決の糸口なんてもんは見つかりません。
で、その上で、現実的に採り得る最適な選択肢を考えるのがPMって商売なので、一緒になって「べき論」や「理想論」を振り回しても、何も現状の問題は解決しないっす。
ま、愚痴ですからね、言ってみれば(笑)

昨日の話じゃないけど、戦場で敵を前にして主将が愚痴ってたら、部隊は全滅しちゃうかも知れませんわな(笑)
「もっと兵力が多ければ」「こっちへ進撃しなければ」「普通有り得ない敵の動きだ」...
そんなこと言ったって、目の前がそうなってないんだから仕方ない(笑)
想定外の状況に置かれた時点で、『孫子』の言う”奇”の状況を敵に作られたってことですね。
そのまま何の手もなくぶつかれば、まず負ける状況です。
ではどうするか?
”奇”の状況を作り得た敵は、余程の名将でなければ、ある意味油断が生じてます。
であれば、敵の想定外の行動が取れれば、逆に敵が意表を突かれます。
その隙を生かして、戦うも逃げるも主将の意志になりますな。
ま、敵にすれば、「一杯喰わせて有利に戦う」ために作った状況の筈なので、”奇”を取り直したからと言って、戦ってしまうのは如何なものかと思いますが。

でもね、話はPMに戻りますけど、リアリストであることと、理想を持っていないことは、当然のことながら同義ではありませんので念のため。
プロジェクト開始から入ったPMなら、当然”あるべき姿”のプロジェクトを運営しようとします。
これは言わば表芸っすね、在って当たり前。
つか、方法論としての理想だけでなくて、色んな意味の”理想的な姿”を持ってないPMってのは、確実に人としての迫力に欠けます。
要するに、理想を持った上で、現実には現実的に対処しうる引き出しを沢山持ってるPMってのが、”理想のPM”ってことです(笑)