醉蝗茶房

80's&水滸&異常な日常

ダメな人たち其の20

2008年02月21日 20時08分45秒 | ダメな人たち
エピソード20:前の会社の役員O氏

 いや、予告を出してから、ちと時間が経っちまいましたが、いよいよ書きますじぇ、前の会社(笑)
 ぢつは、昨日当時の担当のお客さんから電話があって、その後の情報が聞けたんですわ。
 だもんで、最早時効と言うことで(笑)
 
 さて、前の会社から説明しないといけませんな。
 それまであっちこっちの会社を渡り歩いた寨主ですが、部門レベルの組織を作るってのは何度かやってきたものの、所詮最後に辿り着くのは会社としての在り様になってきて、そこにぶつかると改善も何もできない、とゆーか、権限もないし、変化を嫌う人もいるので、こりゃ会社組織を作る側にいないとやりたいことができないと思ったわけです。
 で、それならベンチャーも悪くないな、てな流れで起業8年目のオリジナルパッケージの会社に入りました。
 資料と話だけだと、結構まともなビジネスモデルだと感心してたんですがねぇ...
 と言うことで、今回の主人公のO氏は役員です。役員と言ってもベンチャーの役員ですから、寨主よりも4~5年下。ま、年なんて関係ないけどね。
 で、どーゆー人かと言うと、端的に言ってコンサルタントっす。
 そーゆーとカッコ良く聞こえるかも知れないけど、寨主から見えるこの手の人種は、くちから生まれた口太郎、話は上手いが実がない、所謂ナンパ師みたいな感じ(笑)
 ま、そーゆー人です。
 
 そして入社した途端に任されたのが、とあるメーカのさる基幹パッケージの新規開発案件。
 ま、普通メーカの自社パッケージは当然自社で作るんですけど、自社の業務ノウハウだけだと大規模POSに対応できないってんで、会社始まって以来初のパートナー丸投げ、しかもベンチャー企業に出すことになったんだそうで。
 ところが、プロジェクトに入って驚いた。
 そもそも社員と言っても、入社2~3ヶ月のメンバのみ。寨主も入社直後だし。
 当然、誰も自社のパッケージノウハウなんて持ってない。
 なので、案件担当役員のO氏に話をしますた。
 
寨主「あの、メンバ皆入社直後で誰もうちのパッケージ知らないんですが」
O氏「そうだろうね」
寨主「ドキュメントとかはあるんですよね?」
O氏「ないよ」
寨主「え゛...そしたら、Oさんがレビュー入るか説明してくれないと、ヤヴァいっすよ」
O氏「良いよ。まぁ、大丈夫だよ、普通に作れば良いんだから」

 で、結局説明もレビューも一度もなし。
 つか、普通って意味わかんねぇ(笑)
 そもそも、この案件て寨主が入る半年前からスタートしてるにも関らず、なーんにも進んでなくて、資料も何もない。
 しかも、O氏曰く、
「あ、来月お客さん社内のキーマン集めたステアリングコミッティがあるから、それまでに基本設計書完成させてね」
って、をい!
 よくよく聞くとね、半年前にスタートしてから数十人が辞めて、当初のメンバは0、PMも寨主で三代目だったんだって(-_-;;;
 しかも、中途のみで揃えられたメンバも上流工程経験者0...
 これって詐欺じゃん(笑)
 でもさ、悔しいから担当のお客さんのYさんと調整して、設計書起こしたっす。レビューも寨主が全部やって。
 頼んだって何もする気がないから、自社パッケージのノウハウが入らないことが判ってたって、寨主がどーにかするしかあるまい(笑)
 そしてステコミもどうにか通したある日、社長から声掛けられた。

社長「XXマスタのメンテナンス機能はコアだから、レビュー参加したい。Oも入れて。」
寨主「良いっすよ。じゃ、手配しときます。」

 で、レビューをやったんだけど、始めて3分もしないうち、社長炸裂。

社長「なんだこれ?全然うちのノウハウ入ってないし、最初の方針と違うじゃねぇか!どう言うことだ、醉蝗!」
寨主「確かにノウハウは入ってませんね。御願いしても情報何も頂けなかったんで。それと、最初の方針て何のことですか?」
社長「あ?入って三ヶ月も経つのに知らないのか?この資料のことだよ!」
寨主「ちょっと拝見...あの、この資料頂いてないんですが...」
社長「O!お前、何やってんだ!」
O氏「いや、口頭では説明してます。醉蝗さんが忘れてるだけだと思います。」
寨主「なるほどね。では、確認ですが、私以外のメンバには渡してあると言うことですよね?」
O氏「...」
寨主「皆、この資料知ってる?これ見てたら、今みたいな設計にはなってないと思うんだけどさ。」
一同「知りません。初めて見ました。」
寨主「だそうですが...」
社長「これは最初に説明するのが当然だろ、O!何やってんだ、お前は!」
O氏「いえ、私は皆に説明したし、資料も渡しています。皆が勘違いか忘れているだけです。」
社長「...もう良い。じゃ、取り合えず、この方針でデータベースの設計から見直せ。醉蝗さんもOと一緒に入ってくれるか?」
寨主「良いですよ。と言うより、最初からそれを御願いしてたわけだから。元々DB屋ですし、DB把握すれば設計なんて決まってしまいますから。」
O氏「いや、醉蝗さんには入ってもらわなくて良いです。」
社長「何故?本人も希望してるのに、なんでだ?」
O氏「醉蝗さんはやる気がないとしか思えないし、信用できないので私が一人でやります。」
寨主「...判りました。そこまでおっしゃるなら、お任せします。ですが、DBが決まらないと設計もし直せませんので、何時までに最新版頂けますか?」
O氏「週末に見直すから来週には渡します。」
寨主「では、それで構いません。」

 なるほどね、そー来たかって感じで(笑)
 結局、予想通り翌週には最新版は出来上がらず、出来上がったのは一ヵ月後、当然毎日催促してましたが、これまた当然のことながら、それ待ちで一ヶ月遅れになるわけで。
 当然、社長の耳には入りますわな。とゆーより、寨主の顔見る度「もらったか?」と聞くわけで、「まだです」と答えるわけで(笑)
 で、2週間を過ぎた頃、O氏から「社長に聞かれたらもらったと答えるように」とゆー、有難い指示が出たり(笑)
 もらったのに、進捗が上がらなければ、寨主の責任になるわけで、社長から突っ込まれます。
 が、ないものはないわけで、ないから進められないと答えるしかない(笑)
 で、社長も遂に怒り狂い、役員から降格して、担当PMとして直接O氏が陣頭指揮を執れってことに。
 寨主はまぁ、PMOでもなく、一担当でもなく、宙ぶらりんな位置付けに(笑)
 
 O氏が陣頭指揮を執り始めて暫く、PMなんてやったことのないO氏は寨主から見てると危なっかしくて仕方がない。
 だもんで、「こうした方が良いですよ」「ああしとかないと後で危ないですよ」てなアドバイスはしたものの、「余計なことは言わなくて結構です」だそうで(笑)
 ま、プライドが高いんですな。
 当然、進捗は遅れに遅れ、顧客調整しないとどーにもならない状況に。
 
寨主「流石にこの状況では、お客さんに黙ってるわけにはいきませんよ、迷惑も掛かるし。」
O氏「そんなことは判ってます。」
寨主「判ってるなら対応した方が良いでしょう。」
O氏「今のこの状況は、お客さんのせいですから」
寨主「は???な、何故???」
O氏「そもそも、お客さんから聞いていた話と違う部分があるから。」
寨主「それ、初耳なんですけど、何時の話?」
O氏「醉蝗さんが入社する前の話です。」
寨主「それって、既に半年以上前ってことですよね?今更そんな理由で、自責の遅れをお客さんのせいにするのは余りにも非道、余りにも無茶、それにそんな話は通らないですよ、普通。」
O氏「別に醉蝗さんにどうにかしてくれと頼んだわけじゃないから。」
寨主「まぁ、そうですが...」

 なのに、お客さんとの打合せには寨主も引っ張り出されました(笑)相手はYさんとその上司のDさん。

O氏「今の遅れに関しては、当初伺っていた話と違う部分があるので、それが原因になってます。」
D氏「は?今頃になって何言ってるんだ?そんなの去年の話だろ!」
O氏「それは、醉蝗さんが引き継がれた情報を勘違いしていて、今まで気が付かなかったので。」
寨主「え゛...」
D氏「だって、醉蝗さんが入ったのは4ヶ月位前でしょ?その前から判っていたのなら、何故その時言わなかったのよ?」
O氏「その時は、いつか調整しようと思っておりました。調整が済んだかを醉蝗さんに確認したところ、今回初めて勘違いが判明したんです。」
D氏「そんな入社前の話、途中から入った人が判るわけないだろ?だよね、醉蝗さん?」
醉蝗「...そうですね...」
O氏「言い訳しちゃダメでしょ、あなたの責任なんだから。」
醉蝗「ちょいと言わせて頂きますが、そこにおられるYさんも私が知らなかったことはご存知ですよ。実際、資料化もされてない情報ですし。」
Y氏「ええ、先程醉蝗さんに質問しましたから、状況は把握してるつもりです。資料がないことも勿論知ってます。」
D氏「そう言ってるけど?」
O氏「取り合えず、問題は今の状況を打開するために、調整を行うことです。それについては私が主管で仕切ります。」
D氏「...まぁ、よろしく」

 つか、バレバレも良い所ですが(笑)
 まぁ、その後仕切るってんで、顧客の別の担当部署の人たちと何回か打合せしたけど、その度に寨主も同席させられることに。
 が、これはO氏からの依頼でなくて、お客さんからの依頼ってとこがまた(笑)
 万事この調子なので、どこの部署の人と話してもトラブルになる。
 寨主がフォローする。
 寨主のせいにされる。
 顧客に論破される。
 話を切り替える(笑)
 
 そしてO氏の採った次の手段は、プロジェクトから寨主を外すことでした(爆)
 が、対外的には寨主がPMと言うことになってましたし、寨主が噛んでるお客さんとの懸案事項や打合せも沢山あったので、これは流石に驚いた。
 本当に大丈夫?と問う寨主に、O氏曰く、
 
「余計な心配です。」

 すげー(笑)
 結局、対外的にはまだ参加してることにして、実態は抜けろと言うことになったけど、そんなのお客が気付くに決まってるし(^_^;
 ま、何とか誤魔化して暫く凌いだけど、既に状況は遅れと言うより、意図的な状況隠しの状態で、寨主から見れば契約不履行で告訴もんの状況...
 詐欺の片棒担がされるのは御免なので、辞めることに。
 
寨主「退職しようと思います。」
O氏「良いですよ。何時ですか?」
寨主「...今月も月末まで10日もありませんから、ご迷惑を掛けないように来月末以降で構いませんが、すぐにと言うことであれば、それでも構いません。」
O氏「じゃ、今月末で良いです。」
寨主「了解です。」
O氏「あ、当日まで誰にも言わないでくださいね。」
寨主「え゛...でも、それでは引継ぎもできませんが。」
O氏「引き継ぐこともないですよね?」
寨主「いや...それなりにはあると思ってますが...」
O氏「あなたは何かを担当してたわけじゃないから、引継ぎ不要でしょ?それに私が全部判ってますから。」
寨主「...まぁ、私は構いませんが...」
O氏「それじゃ、黙っててね。」

 黙ってました(笑)
 当日の朝、会社で荷物まとめ出した寨主を見て、皆怪訝な顔付き。

Nさん「醉蝗さん、席替えですか?」
寨主「ん?まぁ、そんな感じかな。」
K氏「え?今日から?」
寨主「そうっす」
H氏「何やるの?」
寨主「皆の知らない仕事だね。」
K氏「どう言う意味?」
寨主「今日が最後の出勤日だから。」
一同「えっ」

 ま、普通驚くでしょう、突然PMがいなくなれば(笑)
 急遽、送別会やってくれましたけどね、有難いことに。
 
 で、辞めて暫く、寨主の後にPMになった人も辞めて、O氏も外れて、その次のPMが今仕切ってるらしいけど、中途で入ったのが運の尽きだね、今のPMは(爆)
 そして昨日のYさんからの電話では、ものすごーく機能を絞っての最初のリリースに、動くものが何もリリースされなかったとのことで、お客さんの社内で大問題化していて、Y氏曰く、
「多分、告訴ってことになるでしょうね。醉蝗さんにもあの頃は迷惑掛けてすみませんでした。」
などと言われて、やっぱなーと思いつつも忝く、寧ろ担当だったY氏の身が案じられ、

寨主「Yさんは大丈夫なんですか?」
Y氏「いやー、確実に飛ばされるでしょーねー(笑)」
寨主「...申し訳ありません...」
Y氏「気にしないでください。社内的にはOの責任ってことが判ってますからね。ま、どこも慣れれば同じですし(笑)東京戻って来たら、絶対電話くださいね。また呑み行きましょうね。絶対ですよ。」

 涙出ちゃいそう(T^T)
 ま、世のベンチャーが全てこんなだとは思わないけど驚いたねぇ。
 こんな状態でも、資金がないから金を出せ、みたいなことは顧客に言い続けてたし、半ば脅しに近い方法で強引に通させてたし。
 社長も含めて、他の役員と称する小僧どもも、似たり寄ったりのいい加減さだったし。
 二度と近寄りたくない世界ですな(-_-;;;

信頼できる情報筋によりますと...

2007年11月12日 12時05分08秒 | ダメな人たち
前の会社で寨主の後にPMになった方もお辞めになったそうで(^_^;;;
プロジェクト立ち上がったのが去年の10月だって聞いてるから、一年でPMが4人辞めて5人目ってことね...
今度は役員がPMらしいので(あれをPMと呼ぶならだけど...)、最後まで行くでせう(笑)
でも、そのPMが嫌さに、既に辞めそうな社員が数人いるらしい(-_-;;;
すげー(@_@)

ダメな人たち 補足資料2

2007年10月21日 08時53分22秒 | ダメな人たち
はい、予告通り第二弾資料の部長論文っす。
しかし、課長昇格の半年後に部長昇格させるのって如何なもんか(^_^;
10年前なんで時代を感じるねぇ(笑)

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 かつては絶対に倒産はしないと言われていた銀行、大手証券の倒産が相次ぐ昨今の状況は、バブル景気の際の過剰な投資、多角経営の失敗等に端を発し、さらには金融業界の不祥事、ならびに日本版ビッグバンの到来と目の廻るような変化とあいまって、加速度的に経済に打撃を与え続けている。
 当社においても、主要取引銀行である拓銀の倒産と言う事態を迎え、決してそれらが人事ではないことを実感させられることとなった。
 このような環境にあっては、銀行自体も経営の立て直しを迫られ、現在の貸し渋り傾向に拍車がかかるのも、ある面やむを得ないと言わざるを得ない。
 以上のような外的要因による経営の圧迫への対応、ストレートに言ってしまえば経営資金の供給源の確保は内部資金の留保の少ない当社においては資本コストが高かろうとも必須であり、当面銀行からの融資が主な資金源となるのは避けがたい。
 あえて言うまでもなく、これらの金融機関に対するスタンスは企業としての社会的な信用の確立以外にはなく、具体的には安定した業績の拡大、特に収益性を主眼とした経営を心掛けねばなるまい。

 平成9年度の決算はまだ出ていないが、現在までの状況から類推するに、全社的には前年度並の収支、各部毎に見た場合、利益計画を満たせそうもない部も見受けられ、平均した安定性を誇っているとは言い難い。これらを改善して、全社の利益体質が平均的な収益性によって成り立つ状況を造ること、言い換えればそれぞれの部がそれぞれ本来の責任を果たすことが当社の課題となろう。
課題に取り組むには、目的とする状態に対しての現在の阻害要因を見極め、これを排除もしくは改善していくことから始めなければなるまい。これから、それらの問題となる要因について述べていきたいと思う。
 まず、現状において発生しているトラブルの事象を考察すると、以下ようなものが挙げられる。

 ・予定外の工数、要員の追加投入によって、原価が増大した
 ・顧客調整がうまく取れず、外部要因乃至内部要因に起因する追加稼働の対価が獲得できない

 これらを分析すると、いくつかの問題点が思い当たるが、主要なものについて述べて見たい。
 一つは品質の問題で、これは今更語るまでもなく、我々の仕事においては最も重要なファクターである。高品質の仕事をすることは(生産物に限らず、無形の提案等においても)、顧客から見た信頼感を高める近道である。まず、品質の向上によって顧客の信頼を勝ち得ていれば、単価交渉においても追加工数の交渉においても、我々の発言の持つ説得力の重みが違ってくるため、有利な展開が期待できる。
 また、当然のことながら、品質の低下は無用の稼働を伴うため、原価の増加に直結する。顧客から見た場合、劣悪な品質の改善を意図した稼働は発注先の持ち出しで行うことが基本であり、本来受注側の責任で行う品質の維持に対して、顧客が責任を負う必要性は極めて少ない。これを前提に考えれば、障害等による追加稼動を顧客に対して請求することは、顧客の信頼を失って当然とも言える行為である。
 現在では、ISO9000対象のプロジェクトも珍しくなくなってきており、各顧客の各プロジェクト毎に品質向上策が検討されてはいるが、上述したように本来が我々の業務範疇であるからには、当社としての品質管理の指標、手法の確立は必須であり、早急に具体的な検討に着手する必要性があろう。
 品質の裏付けとなる要因は、上記のプロジェクト管理技術と開発技術である。プロジェクト管理はリーダ、マネージャクラスに対しての技術要件であり、開発技術は開発要員に対しての技術要件であるが、これらの当社としての取り組みの方向性についても、一考を要する。
 プロジェクト管理技術は手法に依存する部分が大きいため、例えばISO9000に則った管理要領等を遵守することで、ある程度の水準を維持することが可能である。当社では、全社標準となる要領等は存在しないことから、コストをかけてでも全社の水準を保つ努力が必要である。
 一方、開発技術についてであるが、現在の市場動向を見てもこれと特定できる方向性は決めにくい。これは、ハード、ネットワーク、OS、言語、ツールとどれを取っても多様化が進み、顧客の要件に合った最適なシステム要素の範囲が広がったことによる。このような状況の中で、技術教育を行っていくことは無論重要であるが、現実問題として何にでも対応できる要員の育成など、一朝一夕にできるものではない。
 であれば、多少消極的ではあるが、引き合いを選択する際に当社の体力に見合ったものを受注する配慮も必要であろう。これは、決して未見の技術に手を出さないと言うことではなく、予想外の稼働を積んでも収支があうよう、安易に受注せず、受注以前の計画段階で十分に検討した上で(他部門への相談も含めて)受注の可否を決定すると言うことである。

 もう一つはプロジェクトの受注時点での収支計画についてである。我々の業界、特に当社のように受託開発が主流のソフトハウスにとっては、残業費は変動費に相当し、原価の設定を難しいものとしている。当社では見積額の設定に対しての基準は特にないが、普通に考えた場合、見積額の決定は安全率を含んだ原価に利益を積んだものが基本である。
 つまり、営業努力の目標値が利益率であり、受注確定時点の利益率分は年度内の粗利として管理されるべきものである。これに対して受注確定時点の原価率は安全率を含んでいることと既に確定している数値であることから、目標値ではなく基準値であって、現場の努力はこれを下げることにある。
 現在、当社で年度初頭に決定される原価率は、部門の最終的な目標値であって設定時の論理的な根拠が甚だ曖昧である。当社の収支はプロジェクト毎の収支の積み上げで成り立っていることを考えれば、プロジェクト単位での利益管理、コスト管理は避けて通れない。
 現状発生しているトラブルを見ると、このような視点からの管理がなされていないことに起因すると思われるものもあり、これを改善しない限り過ちが繰り返される危険を常に孕んでいると言える。
 また、別の観点からこのことを論じれば、昨年から実施されている新人事体系は、主任クラスより上に対して実績を基にした評価を行うこととなっているため、数値化した評価基準としての利益率、原価率は最もこれに適応するものと考えることができる。
 いずれにしても、現在の当社のシステムでは主任クラスはもとより、課長クラスにおいても収益に対する意識が希薄で、経理もしくはプロ管のみが全体の収支を管理している状態では、安定した収益性を図ることには程遠いと言わざるを得ない。

上記の二点に比べれば小さな要因と言えるが、情報の共有という面でも問題は多々あると思われる。
現在の当社は開発セクションが3つに分かれているが、お互いがお互いの内容を良く知らないと言うのが実状である。
これによる弊害は意外と大きいと思われるので、ノウハウの平準化・人材の有効活用・ビジネスチャンスの効率的な獲得と言う観点から例証を挙げてみたいと思う。

新たな技術をベースにした新規プロジェクトが発足した場合、通常は業務要件とともに技術要件の調査/習得から入っていくこととなる。この時、書籍やセミナー等で習得できる内容は極一般的なものであって、ノウハウと呼べるものではない。この状態で開発を進めるとよく起こるのが、システム上の禁忌を犯してしまって、品質の低下、工数の増加を招くと言う事態である。
これは、誰が(どこが)そのノウハウを持っているかさえ押さえていれば、事前に相談することで避け得るトラブルであって、全く無駄なコストである。他部のメンバとの連携が図れることは、一からノウハウの習得を行うことに比べて、スキルアップのスピードが速くなり、特定技術の技術格差低減の即効薬である。

当社の規模と業績からすれば、何処においても人材不足は頭痛の種であるが、状況によってはプロジェクトの切れ目等でつなぎがうまく行かず空き工数が発生する場合が存在する。
現在は、各部内の空き工数についてはほとんどが不明確で、対処も各部内で閉じた形で行われるのが通常である。
しかし、その一方で要員不足のため、社外の要員の調達に頼らざるを得ないケースが頻繁に見られる。ここでも、社外要員の使用は原価の高騰を招き、調達できない場合はさらに品質・スケジュール等に影響を及ぼし、原価上昇の一因となる。
これは他部の空き要員の状況を把握し、適宜要員配置を行うことで、全社としては大幅なコスト低減となり、少ない人材の有効活用となる。

営業経由ではなく直接現場に引き合いが来るケースがよくある。このような場合、その引き合いは受けると受けないとに関わらず、そのセクション内でのみ判断されることが多い。特に見送られる引き合いでは、要員の状況、工数の大小、技術的な問題、開発期間、提示された単価等の様々なことが理由となるが、先々の展開を考えるとつないでおきたいものもある。
これも、他のセクションではそこの状況に適合するものも有り得ることで、全社で全ての引き合いを共有していないことが、みすみすビジネスチャンスを逃していることになる。

以上のような例は枚挙に暇がなく、その他にもデメリットはいくらも挙げられよう。小なりとは言え、積み重なれば大きな損失若しくは利益に直結するものである。「愚公山を移す」の譬えのように、派手ではないが地道に小さな無駄を省いて利益を上げる努力は比較的容易なことであり、改善にさほどの労力を要するものでもない。
少なくも情報処理を以って業務としている我々にとって、情報の共有がなされていないということは「紺屋の白袴」の謗りは免れ得ず、自戒したいところであろう。

さて、通産省発表の平成9年度12月特定サービス産業動態統計・月報によれば、情報サービス業の12月の売上高は前年同月比16.4%増と好調である。同速報でも10.3%増と他業種に比較してもかなり上向き傾向である。
中でも、我々の主業態である受託開発が同22.5%増とアウトソーシングと並んで突出している。
内容的には公官庁、通信業向けの開発、イントラネット構築関連の開発の需要が好調である旨、同資料は伝えている。
これらのことは、我々が現在手掛けている、または既に終了した最近のプロジェクトを見ても、首肯できるものである。コモンキャリアについて言えば、競争の激化から同業他社との差別化を図るための新サービス開始によるシステム投資であり、拡大する需要に対応するためのシステム投資であろう。最近の状況を見る限り、ここしばらくは勢いは衰えないかと推測される。
また、未だ同資料上では現れていないが、今年度はビッグバン関連で金融関係の開発増加があるであろうことは、引き合い等からも想像するに容易である。
しかし、これらの流れはいずれも好況な経済を背景にしたものではなく、企業の生き残りを賭けたものであるから、長期的な傾向と見ることは危険であろう。

このような状況は、今後も業種を変えて起こり得るものと考えられるが、それに対して当社の取り得る経営指針の一つとして、短期限定のスポット的な特化政策の採用は検討の余地があろうかと思われる。
この発想は至って簡単で、必要な時に・必要なものを・必要なだけ集めて投入すると言うプロジェクト制の根本をより先鋭的に拡大解釈したものと、特化の美味しいところだけを融合したものに過ぎない。
以前、バブル全盛の頃に銀行の三次オンを狙って特化政策を取ったソフトウェア開発会社は、知っての通り、大手から中小まで相当のダメージを受け、倒産・経営縮小をせざるを得ない状況に追い込まれた。かれらの失敗は、概ね現状のプラス要因が永久に続くと勘違いして、過剰な採用・新技術の軽視・教育の手抜きを行い、先に対する読みと対策を怠った結果である。別の表現をすれば、不要になった時に不要なものを(スキルを)次にどうするかを忘れていたということであろう。
スポット特化は、精々数年をターゲットに、特定の業種/技術に対してのノウハウを当社のセールスポイントとして営業を進め、これをその時点の当社の企業色として他社との差別化を図ると共に、社内に偏在する技術的・業種的なノウハウを各部を乗り越えた形で協力することで共有し、全社としての売上・技術・生産性の向上、人材の有効活用を図ることを目的とする。
これに伴い、事前の検討課題として、社内受発注制度の確立、管理会計とプロジェクト会計の明確な分離、要員公募制度の検討等は必須である。
気を付けなければならないのは、常に次に何に特化して行くのかと言うことに対しての注意を忘れると前者の轍を踏むことになるのと、各部が協力することが前提となるため、全社の意志統一がなっていなければ、効力が期待できないことである。
また、これはまず実験的に行うべきであって、まず1プロジェクトをモデルケースとして実施し、形的には社長直下の特命プロジェクトのようなものとして、各部から独立したプロジェクト形態が望ましい。
もし、これがうまく行くようなら、全社の次代の形態として各部内のプロジェクトにも適用していくことで、現在当社が抱えている問題のいくつかは解決されるのではなかろうか。

組織と言うものは、一度形作られると保守的になってしまい、いろいろな問題が内在していても急激な変化に対して拒否反応を起こし勝ちで、さらに状況を悪化させるものである。企業の老化とは、まさにそのような状態を指す言葉で、常にMore Betterな状態を考え、組織を活性化させていくことなくして、これを止めることはできない。上述の内容は、それに対する一つの方向性として、愚考したものである。

 冒頭で当社の課題としてとして挙げた、本来の責任を各部門がそれぞれ果たすと言うことは、平易な言葉で言いかえれば、各開発部門が品質を維持し、原価の削減を図り、人材の有効活用を行い、開発部門の計画に従って人事が中途採用を促進し、プロ管は協力会社を投入し、それらをベースに営業が利益を確保して、経理が財務を総括し、総務が全体をバックアップすると言うような、極めて当たり前のことを有機的に連携して行うことである。
 そのためには、それぞれが他部門を非難するのではなく、当社としての今後を如何にすべきかを真剣に話し合い、協力していくことが必要であろう。
現在の当社の組織を見ていると、それぞれの動きがばらばらで、統一性が取れているとは思えない。当社も創業20周年を迎えたが、次の20年を乗り切るためには、それぞれの意識改革を含めて企業としての改革を考えなければならない時期に差し掛かっているのではなかろうか。

以上

ダメな人たち 補足資料

2007年10月19日 13時03分47秒 | ダメな人たち
と、言うわけで、面白いもんが出てきたのでつなぎに(笑)
何かっつーと、寨主が10年前に書いた課長昇格時の論文です(爆)
シリーズで言うと、1~6辺りの登場人物が役員をしてた頃のもんです。
しかし、今読んでも良く書けてるな、とゆー自画自賛(笑)
もう一つ、この論文の半年後の部長昇格論文もあったんで、明日upします。
が、これって別に寨主の文才とか、マネージャとしての能力を自慢したいわけじゃなくて、こんなこと書かれちゃう会社の状況ってゆーか、役員たちの能力欠如の傍証として、エピソードの状況を把握してもらうには良さそうだと思ってね。

ちなみに、当時論文審査の後に役員面接審査があったんだけど、論文審査が通らないと面接には行けませんでした。
で、提出された論文は5人くらいの役員が読んで、コメントとランクを付けるんだけど、審査後に大体上司がこっそり見せてくれるってのが慣例になってました。
で、これも部長論文も似たような感じだったけど、銀行出身の経理役員は大絶賛してくれてて、創業役員は「何を言ってるか判らん」とか「難しすぎる」とかのコメントが付いて評価が低いと(爆)
つか、書いてることって当たり前のことだけで、大したこと書いてないじゃん(笑)
ま、一応「論文」なんで、国文出身の寨主としては、「論文」を書いたわけですが、技術者出身の役員たちには”論文調”が難しかったか、そもそも”経営”に関わる話が難しかったらしい(^_^;;;
見りゃ判りますが、長文です。

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 論題に基づき、XXXXXXXX部における問題点を技術・教育・運営の各観点から考察し、それぞれに対する実現可能な解決策を論述する。以下、内容の一部は既に部として実施中のものもあるが、それについては予め了承願いたい。

一章 技術的観点

 技術的観点から観た問題は以下の二点に集約される。
 一点は技術者の専門性の低下、二点目はプロジェクト管理技術の欠如である。

一 技術者の専門性の低下

 まず業界全般で技術の一般範囲が広くなっていることからくる技術者の専門性の低下であるが、現在の業界動向を俯瞰するとオープンシステム化の波は留まるところを知らず、C/Sからインターネットへと形を変えながら進行している。これらの技術は将に日進月歩で幅を広げつつある。
 この事象は、開発の現場に習得すべき技術分野の限り無い拡大を生む母体となっている。
 かつて、我々の時代には現在の技術の根本となる技術が一般的かつ狭い範囲で存在し、市販の書籍も少なかったこともあり、必要に迫られてではあるが自力で技術を習得せざるを得ない場面も多かった。
 このような経験をしてきたものにとっては、現在の進歩した技術もより具体的な構造イメージとして捉えることが比較的容易であるが、今を出発点とする技術者にとっては個々の技術の構造からの理解は難しいようである。
 開発を行う上で、そこまでの理解は不要であると言う意見もあるとは思うが、実際の開発ではそこまで理解していれば発生しないトラブルも事実として存在するし、そのような技術力があって初めてより有利な契約交渉も可能であると言えよう。
 現在の規模の当社では、品質が良いだけでは当然のこととして他社との差別化の対象とはなりえず、専門性、言い換えればより高い技術力のみがただ一つの武器となり得る。
 しかし、敢えて述べるまでもなく、個人としてのスキルで賄え得る範囲には自ずと限界があり、ましてや経験年数の少ない技術者にとってはこれは大きな精神的圧迫となっていることは事実である。最近の退職者の中においてもこれを理由とするものもいたほどであり、このような技術者の発生を防ぎ社員の定着率を向上させることは、部の、強いては経営の根幹に関わることで忽せにはできない。
 これらの経営的な課題は、方や技術者に技術的な向上を求め、方や技術的に負荷をかけないと言う一見相反するものであるため、解決方法は一つしか有り得ない。
 結論的には、この解決方法は至って簡単で、現在XXXXXXXX部において試行中であるが、各技術分野の分散習得である。現状では、全ての技術者に全ての技術分野を均等に、且つ深く極めることを求めるために広く浅くなる傾向にあり、プレッシャーとなっている。これをグループ化した技術者単位に特定の技術分野のみを絞り込んで習得させることによって、上記の問題を解決するものである。技術
者によっては、ある分野の習得が十分であれば、別分野へ技術力を伸ばすと言うように段階を踏んだスキルアップを図ることも可能であるし、部として見れば新規プロジェクト発足時に必要なスキルに従って、各グループから技術者をアサインすることで、副次的に要員管理の効率化を促す。
 但し、最終的にそこまで持って行くには時間もかかることであり、即効薬的にそこまでの効果は得られるものではない。

二 プロジェクト管理技術の欠如

 一で述べたようなオープンシステム化の流れには、一部マスコミ及びメインフレーム各社の唄い文句で安、早の二文字が付きまとう。
 ソフトウェア製造業は基本的に知識集約的な仕事であって、技術革新による生産性の向上がマスコミが喧伝するように画期的には起こり得ない。(確かに一部工程では労働集約的作業を伴うので、100%否定する訳ではないが)
 寧ろ、かつてのように全てを1ベンダで統一できた頃のシステムに比較すれば、製品間のインタフェースの違いや製品組み合わせの多様化から難易度は上がっている。当然、調査等の実際の開発以外で費消される工数も増加することとなる。
 しかし、エンドユーザは前述の造られた常識が前提となっているため、ここ数年のシステムは工期・工数共に以前に比べ縮小傾向にある。
 このような状況下での開発を行う場合、各技術者の技術力も然る事ながら、それらの技術者を取りまとめ、プロジェクトの問題点を把握補正し、維持運営していくためのプロジェクト管理技術の優劣がプロジェクトの成否の鍵を握ることとなる。
 社内及び社外のプロジェクトを観ても、品質的利益的に失敗と思われるプロジェクトではこの問題が散見できる。
 開発を行っていた技術者がリーダとなった場合、最初に訪れる戸惑いは何をどうすればよいか判らないと言う類のものが多く、プロジェクト管理を知らないことがその要因となっている。
 プロジェクト管理は本来技法であり、リーダの資質とは無関係であるため、あるパターンのポイントさえ押さえていれば、問題を最小限で食い止め軌道修正することも可能で、大きな失敗にはならないものである。
 現状では、XXXXXXXXX部においてはプロジェクト管理のためのツールとしての各種フォーマットの規定はされているが、残念ながらそれを使って行う方法論が確定されていない。各社では、ISO9000に準拠した管理要綱等を制定しているところもあるが、これらはプロジェクト管理の集大成である。
 当社でも全社の統一のプロジェクト管理方法の制定が望まれるが、これらの制定には時間も工数もノウハウも必要であるので、大上段に振りかぶらず少しづつ部内での統一を行うことが現実的であろう。
 このように方法論をルール化し、各プロジェクト運営において遵守させ定型業務のように実施させること、つまり具体的なマニュアルを提供して実行を義務化しいくことが、この問題に対する最も簡単な解決策である。

二章 教育的観点

 教育的観点からXXXXXXXXX部を眺めた場合、問題は教育の内容や方法ではなく、教育を受ける側の意識にある。逆に言えば、これは教育を行う我々側の、部下に対する動機付けが十分ではないことの証しであろう。
 一章でも述べたようにXXXXXXXXX部では、既に教育方法として技術の分散習得を採用しているが(ユニット制と称する)、内容的にはUNIX・DB・クライアントOSの三分野に部員を配し、それぞれのノウハウを業務とは別個に習得していくもので、運営は各ユニットに所属する課長代理クラスを中心に委ねられている。
 これらの活動はまだ初に就いたばかりではあるが、現時点で観ても部員の参加意識が受動的であるように見受けられる。このシステムの導入時の本義は、各自に動機付けを行った上でそれぞれが主体的に技術の習得に励むための基盤を設けることであった。が、新人は別としてもそれ以外までもが教えてもらうと言うスタンスになりつつある。これはこのシステムの運営が各自の業務等の都合によって間欠的になった場合、自主的な努力が行われなくなる可能性を秘めている。
 比較的若い世代の社員と話していて感じることは、上昇志向が少ないこととプライドが高いこと、それと自分自身に枠をはめて自分から出て来ないことである。無論、全ての社員がそうである訳ではないが傾向として否めないところであろう。指導教育のターゲットを考える時、これは外せないポイントである。
 易きに流れるのは人の常であって、善悪というよりそれが本性であると言う前提に立てば、これに対する指導方法には一顧を要する。
 つまり、業務命令として一方的に指示することでは意識改革には繋がらず、反感を買うか萎縮させてしまうこととなり、目的が達せられない懸念がある。
 私論では、仏教で言う方便なのかも知れないが、自身の技術力を高めることは会社への利益をもたらし、それで初めて自分の増収と言う形で戻って来ることを理解させることである。誰しもより良い生活を送りたいし、自分のことであれば主体的にならざるを得ない。酷な意見であることは重々承知してはいても、現実解を求めるならば上記の答えが導き出される。
 言わば、飴と鞭の論理だが、会社を公器と考えるならば自分がそれに参加している実感を持たせること、現実的に給与・賞与の形で評価することと合わせて行わなければ難しいと考える。
 この指導と実績に対する評価の考え方は、今回の改定された人事評定方式と主旨を同じくしており、新人事評定方式の運用が正しく行われれば問題を解決するかも知れないが、誤解を恐れずに言わせてもらえば今回の改定自体が若干付け焼き刃的な感が拭えなかったので、開発本部との密な連携を行った上で評価される側からも理解できる透明な評価方法の提示が必要なのではなかろうか。

三章 運営的観点

 ソフトウェア開発におけるプロジェクトの単位でも原価管理を行うことが一般的であるが、オープンシステム部というより、当社全体の雰囲気としてその考え方が希薄なように思えてならない。
 更に言うなら、収益に対する意識が低いのではないかと感じる場合が希にある。
 聞くところによれば、当社ではプロジェクト単位の予実管理は主に工数単位で行われていて、収益ベースの管理は部に対して一意に決められた原価率で全プロジェクト一律に行われていると言う。
 この形で管理を行うとすれば、社内的には契約時に原価見積を行い、利益率の最低限度等の基準を設けることが必要ではないかと思うが、現在の見積は工数見積のみで原価見積は行っていないし、利益率云々という話は聞いたことがない。
 当社の契約形態では、契約単価は当社のテーブルではなく、顧客のテーブルに従っていて、なおかつ同一顧客でもプロジェクト毎に単価が変わることがしばしばある。
 このような状況で工数ベースの管理を行っていれば、同一の契約工数を同一の実績工数で上げたとしても掛かる原価が同じであるため、利益に差異が生ずるのは当然である。
 また、管理単位が工数であるため、誰が何時間残業を行ったとしても工数的には1人月の計上しかされないので、見掛けと実績の原価の違いも発生する。
 「原価率」での管理について言えば、上記でも判るように売上に対する原価率で算出される金額は実際の原価とはなんら関係がないため、「売上に対して使用しても良い金額のパーセンテージ」でしかない。目標原価率と言うことなのであろうか。原価見積を前提に売価の決定を行っていないのに、目標原価率で成績を判断するのは、釈然としない。
 前年度の決算報告において、増収減益との話があったが、「入るを図って出づるを制す」の基本が忘れられ、「入る」にばかり気を取られてこれらのことが等閑にされていることが、根底にあるのではなかろうか。
 結局は、最初に述べたような状況を作り出しているのはそのような環境であって、一般の会社の管理職が持ち得るような、初歩的な経営に対する意識を持っていなくても管理職が勤まるような状況が、その元凶ではなかろうか。
 当社がより発展していくためには、現在のように管理職が高級SEであるだけではなく、どうしてもそれぞれのセクションに対しての経営意識を持つことが必要であると信ずる。
 このような状態に対して意識改革を行う一つの案として、見積を含めたプロジェクト管理に現在の工数ベースのプロジェクト管理だけでなく、収益ベースのプロジェクト管理も合わせて実施するよう義務付けるのはどうであろうか。
 ここで言うのは、何も財務諸表のような詳細且つ正確なものを指す訳ではなく、もっと簡素なものでよい。そして、意図はあくまで意識を持たせるためであるので、いきなりそれを評価と連動させないことである。例としてあげるならば、

 ・社員各ランク毎の全社共通の標準原価を設定する。
 ・各協力会社毎の単価テーブルを提供する。
 ・当社としての適正利益率を設定する。
 ・見積作成時は概算原価を算出し、利益率を上乗せしたものを作成した後、現在の工数見積と顧客毎
  の単価テーブルから採算ラインを検討して、提示金額を決定する。
 ・要員計画に従い、契約工数を開発期間に分配し、各月毎の原価及び売上配分を行う。
 ・月毎に確定した実績の原価と上記を使用して、収支の予実管理を行う。

というようなものである。この程度の管理であれば、基本的に開発に直接参与していない管理職であれば実現可能ではないだろうか。
 多少の誤差は出るとしても、このような管理を行っていれば、予算に対してその時の状況から今後どのような施策を行うべきか、どの程度の新規契約が必要か等の判断材料にはなるであろう。

四章 総論

 他社を経験した目で見ると、当社は良い社風を持っていると思う。比較的オープンであるし、技術的にも一級とは言わないまでもかなり高いレベルにあり、上昇志向もある。
 ただ、数年間離れて戻って来て見て思うのは、以前よりもそれが組織としてではなんて、個人に依存する割合が高くなってきていることである。これは具体的にどうと言うことではなく、直感的なものなので非常に説明しにくいのではあるが、そのように感じられる。
 20周年を迎えて、そろそろ曲がり角に来ているとも言えなくはないが、良い社風をもう一度組織の体質として取り戻したいものである。
 散漫ではあるが、これを当論文の総論として代えさせていただく。

唐突ですが...ダメな人たちシリーズ予告編(笑)

2007年09月26日 09時55分14秒 | ダメな人たち
今月で転職することになりました(爆)
これでまた、blogの更新ができるようになるかな?
いや、毎回ね、もう転職しないと思って転職するのよ。
40過ぎて4回目だけども(笑)
てか、転職したことある人は判ると思うけど、転職活動そのものも転職後も、やっぱり非常に疲れるす。パワーが必要ってことだけど。
なので、もう最後、もう転職しねぇといつも思うわけで。
なのに、何故か状況が転職せざるを得ない状況になっていって、心ならずも転職に至る...
が、今回は生まれて初めて転職を後悔したっす。
つか、思い起こせば入社初日に長くねぇと感じたもんです(笑)
ま、ベンチャーなので、色々至らない点は多いと思ってましたが、小さいが故に数字はシビアに見てるだろうと思いきや、”どんぶり”通り越して”ざる”だし(-_-;;;
売上計画の40%翌年度スリップなーんて言ってる時点で既に信じ難いのに、その40%って契約合意すらないんで、所謂不良仕掛じゃん(汗)
なんつーか、経営ってより博打なんですな。
そもそも、空いてる要員もいないのに、欲出して身の丈に合わない案件取るだけ取って、世間の1/5以下の体制でやれって、そりゃ無茶と言うより頭をヤラレてるとしか思えん(笑)
人も人だが、会社としても色々あるので、何か沢山ダメな人たちシリーズ書けそな予感(^_^)Y
取り合えず、週末にMacが死亡して緊急入院中のため、ちょいと先になるかもですが、乞うご期待(笑)

ダメな人たち其の19

2007年05月25日 12時35分41秒 | ダメな人たち
エピソード19:前の会社の同時入社のT君

 このシリーズ、過去部下についての話は一つしかありませんでしたが、遂に二つ目が登場(^_^;
 と言っても、前の会社に同日入社した三十過ぎのPLで、入社と同時に部下となったんで、採用責任はあたしじゃありません。
 ここんとこ、はっきりしとかないと、「お前の責任じゃん」と言われちゃうと切ない(笑)
 
 さて、T君。
 同時入社だったし、部下になるってことも入社当日に聞いたので、色々話を聞いてみた。
 まぁ、そこそこ頭は回るみたい。
 数億の案件でリーダやってきたとか、部下は20名だったとか、聞いたんだけど、本人が言う以上信じるしかないっすね。
 でもね、ちっと...と言うか大分違和感があったのは確か。
 だってさ、あたしゃ初めて会ったよ、「私は優秀ですので」と冗談抜きで素面で面と向かって言う奴に(-_-;;;
 
 それでも一年くらい、客先でリーダやらせてて、10人くらいを見てもらってました。
 週に2回くらいは顔出して、下のメンバとも話したりして、可能な限りキャッチアップしようとはしてたっす。
 一つの案件が終わって次の案件に移る頃、入社したばっかの本部長に呼ばれたっす。
 曰く、「T君がパワハラしてるって総務から聞いたんだけど、知ってる?」
 え゛、知らない...
 で、詳細を聞いてみたら、数ヶ月前に辞めたメンバが総務に伝えて行ったらしい。
 その子が辞める時、入れ替わり立ち代り理由を聞いたんだけど、誰にも理由を言わなくて、不審の極みだった事実はあったんですよね。
 端無くも、忘れた頃になって理由が判明したわけで。
 つか、総務(人事じゃなくて、総務ってとこも謎なんだけどね...)が掴んでたんなら、なんでその時に言ってくれないのよと。
 なので、今更ながらリサーチしたら、他のメンバにも同様のことをかなりやってた事実が出て来た。
 パワハラって言っても、epi11と違って、言葉によるもの、つまり”いぢめ”って奴です。
 それも呼び出して、陰でやってたらしくて、やられた本人が回りに話したことで皆知ってたんすよ。
 「君なんか辞めちゃってくれた方が良いんだけど」
 「君出来ないから、僕の下にはいらないよ」
 「全然ダメだね、君って。あしたから来なくて良いから」
 いや、陰湿と言うか、どんな権限があって異動/解雇を宣言しちゃってるわけ?
 言われた方も寨主に言ってくりゃ良いものを、じっと我慢してたみたい。
 ま、寨主も中途で入った部長だったから、彼らが敷居が高いと感じたのも仕方ないけど。背も高いし(笑)
 
 と、そんな話が出てる時、次の案件に入ったばかりのT君から話があると連絡が。
 営業部長と二人で行って、喫茶店で話を聞いたところ、
 「この案件やるんですか?」
 は?つか、やり始めたばっかじゃん?
 「聞きたいのは、会社としてこのままやるのか、やめるのかです。」
 すんません、意味不明ななんすけど...
 寨主「当然やるよ。契約交わしてスタートした案件だからね。」
 T君「じゃあ、社員はどうなっても良いと言うんですね?」
 寨主「ちょい待ち。何の話をしてるの?」
 T君「あのPMはダメな人で、このまま続けたら皆が迷惑します。それでも会社としてやれと言われればやりますがやるんですか?」
 寨主「どうダメか判らないけどさ、ダメならダメで営業的に話をすることも可能でしょ?問題があればクリアしていけば良いだけじゃん。」
 T君「つまりやれってことですね。」
 寨主「勿論。ここで投げたら契約違反だよ。悪くすれば告訴もんだよ。」
 T君「そうやって、会社は社員を犠牲にしていくんですか?」
 寨主「何でそんな極論になっちゃうわけ?それに、スタートしてまだ一週間でしょ?」
 T君「僕はもうできません。やりたくありません。」
 寨主「できないって、つまりやれる自信がないって理解で合ってる?」
 T君「客のPMが馬鹿なだけで、僕のせいじゃありません」
 なるほどね(笑)
 
 で、その後も何度か話して、お客さんの課長部長に話をして、援護射撃をしたんですけど、どうもしっくり来ない。
 だもんで、またリサーチしてみたら、5日目にPMと喧嘩したのが原因らしい...
 まぁね、確かに碌でもないPMだったことは確かだけどさ(笑)
 その後、何度か話す中で、自分でPLやると言い出した。
 大丈夫なのね?と聞く寨主に対して、T君曰く、
 「ええ、大丈夫です。僕がPLやって、このプロジェクト途中でコケさせて、あのPMに責任取らせてやりますから」
 をいをい、お前何言ってるんだと(@_@)
 完全に被害妄想爆走中で、復讐者と化しちゃってるんですけど...
 当然叱りましたけど、さっぱり納得してない様子。
 でも、代わりの人もいなかったし、寨主もコンサルとして別のエンドユーザに行きっぱなしだったので、そのまま続投、本部長には小まめにチェックするよう頼んでおきました。
 そしたらね、仕事来ないんだって。週に一回か二回、来るか来ないか。
 なのに、勤務表上は毎日残業までしてることになってるし(-_-;
 ここまで来ちゃうと業務上横領ってことになっちゃうので、本部長と二人で話しに行った。
 そしたらさ、もう言いたい放題ってか、何てーか...
 曰く、「部長がちゃんと見てないから僕がこうなったんだ。だから、責任は部長にある」
 曰く、「僕はお客の課長には買われている。だから、僕が話せばPMを外せる筈だ」
 曰く、「来たくなくて出社しなかったわけじゃない。それに家でも仕事はしていた」
 etc.
 もう良いって(笑)
 
 要するに自己中なんすけどね、一言で言っちゃえば。
 で、予想通り、遂にお客から即日T君を外せとのお達しが(^_^;;;
 その日も出社してなかったので、本部長がT君及びメンバにメールして、代わりにコンサル案件終了した寨主が入ることに。
 と、その日の午後、突如T君が登場。
 T君「どう言うことですか、あのメールは」
 寨主「書いてあった通りだよ。元々やりたくなかったんでしょ?だから、別案件を見てもらうと本部長も言ってるんだよ。」
 T君「お客さんがあんなこと言う筈ありません。罠ですね?」
 寨主「あのね...」
 T君「判りました、もう良いです。」
 で、いなくなった。
 はて、どうしたのかな?と思ってたら、暫くして再登場。
 T君「あ、お客さんから声掛けられたので、辞めることにしましたと伝えました。」
 寨主「は?」
 T君「それは困ると言ってましたよ、お客さん。何か言って来るんじゃないですかね?」
 寨主「わざわざそんなこと話しに行ったのか?」
 T君「いえ、前を通り掛ったらお客さんから声掛けられただけです。」
 見え見えじゃん(-_-;
 速攻で営業に連絡して、お客にお詫びの電話させたけどね。
 「いきなりそんな話に来られても困るから、内部統制よろしくね」と釘刺されたけど、お客さんは聞かなかったことにしてくれました(笑)
 この時点で、事業部長からの指示もあって、寨主の部下から外れました。まぁ、お客に取った行動考えたら、危なくって置いておけないし。
 もう、これから先はわけ判りませんて。言ってることもやってることも。部下じゃなくなったので、また聞きですが。
 即日出社しなくなったのはまだ判るけどね(笑)
 曰く、「僕辞めます、辞めるのは半年先になります。」
 曰く、「僕の給料が上がらないのは、周りが馬鹿だからです。実績を考えたら、上げるのが当然です。」
 曰く、「部下だった連中は、皆僕を信頼してます。僕以外の人間の言うことは聞かないと思います。」
 曰く、「僕がいたから、これだけ大きくなったんです。それを評価しないんですか?」
 
 病気一歩手前って感じですけど...
 ちなみに↑のコメントは、寨主の下から外れた後に、諌める本部長と寨主を無視して情けを掛けた役員が配属した、別部隊へ行って一ヶ月程度の間の話っす(笑)
 向こうの部長もメンバも怒ってたね(^_^;;;
 流石に2度目だったんで役員も激怒、「辞めさせりゃ良かった...」
 だから言ったじゃん(笑)
 ある意味、最強でしたな。
 だって、手柄は全て自分のお陰、問題は全て誰かのせい、こんな優秀な自分を理解できない周りは全て馬鹿だと、本気で信じてる風情でしたから...
 まぁ、前職が大手生保のシステム子会社で、I○Mとかに仕事出す立場だったらしいから、ほとんどI○Mがやってくれてたんでしょうな。
 寨主は結構叱る場面が多かったんだけど、営業が異常に可愛がってて、すぐフォローしたり持ち上げたりしたもんだから、益々図に乗っちゃったようなとこもあってね...
 お客の課長と喧嘩した時、営業がお客と呑み言って、T君に対して謝ってくれるよう頼むなんて、そこまでしたのよ(笑)
 なのにT君、「お客が謝って来ましたよ。僕が正しいって、やっと認めたんですよね。僕の勝ちです。」だと...
 数日前に聞いた話では、遂に先月末で退職したらしいけど、この先他でやっていけるのか、行く末を見てみたい誘惑に駆られちゃうっす(笑)

ダメな人たち其の18

2007年05月21日 21時19分41秒 | ダメな人たち
エピソード18:前の会社の元上司K氏

 転職したんで、前の会社の話を書くよん(笑)
 いや、別に現役で書いたって良いんだけどさ、近過ぎると生々しくて楽しくないかと思ってね(^_^;
 
 さて、元々前の会社に入社するに当たっては、オープン系の部門を立ち上げて欲しいってことで承諾した寨主でしたが、K氏はその時の面接官で以前は社長だったこともある役員でした。
 オープン系ってのは最近あまり聞かない表現なんだけど、要するにPCだとかUNIXだとか、.NETだとかJAVAだとか、世間一般で普通にやってる開発のことです。
 普通のことなのに何で?と思うでしょ?
 前の会社はちと特殊な生い立ちの会社で、元々特殊なコンピュータの専門開発会社だったので、普通じゃないことが普通で、普通のことが普通じゃなかったんですよね(笑)
 ま、ある意味、特殊な分野に関しては独占企業だったわけですが、ちと技術としては古くなって来てる関係で、先々の拡大を考えると、一般的な案件にも手を出せる組織が欲しかったってのは肯ける話ですな。
 
 そんな状況で入社したんですけど、入社して驚いた。
 面接時、「オープン系のメンバって、現在どのくらいいるんですか?」と聞いたら、「多くはないよ」と言われたのは確かだけど、寨主と同時入社のPL1名、客先常駐してるSE1名、配属直後の新人3名、以上(笑)
 こりゃ、人採用するところから始めないとどーにもならん...と、初っ端から思ってました。
 
 そんな入社数日後のある日、Kさんから呼ばれました。
 K氏「今ある案件なんだけど、お前見てくれ」
 寨主「良いですよ。で、どんな案件ですか?」
 K氏「保守案件なんだが、月に10万貰っていて、オンコールで何時でも対応する約束になってるんだ」
 寨主「え゛、月10万ですか...オンコールで何時でも対応だと、最低でも1名は本社に残って対応できないといけませんが、今聞いているメンバだと手元には新人しかいませんから難しいかと思われます。しかも月10万となると、他の案件とマルチで持たない限りどう考えても原価割れる筈なので、それを考えると今まで担当していたチームでそのまま維持した方が安全かと思いますが...」
 K氏「それをどうにかするのがお前の仕事だろうが!」
 寨主「どうにかするって...」
 K氏「折角採用したのに、そんなことも出来ないのか!」
 
 どうにか出来る人に会ってみたいもんで(笑)
 要は今までどんぶりで管理してたので、原価垂れ流しだったみたいで、それをTOPに指摘されて寨主に振って来たらしいんだけど、そもそもそんなもん取っちゃいけないでしょ?
 つか、一年どれだけ稼動するかわからんのに、人は基本的に貼り付けないといけなくて、しかも年間120万にしかならないし(-_-;;;
 ちなみにね、寨主が一ヶ月客先で稼動するだけで、最低でも150万程度は料金として頂いちゃうわけで、月10万なんてのは仕事として有り得ないんすよ(笑)
 でもね、今までその人って面と向かって反論されたことが殆どない人らしくって、酷くエキサイトしてましたな。
 エキサイトしたって、ダメなもんはダメだって(笑)
 普通は、滅多なことじゃダメって言わないし、この時も同様の案件を複数まとめてくれればとか、本社持ち帰りの案件が受注できればとか、条件付きで可能だよとは言ったけど、K氏が求めたのはこれ単独で収支を黒にせよってことだったのでダメです(笑)
 
 暫く経ったある日、またK氏に呼ばれました。
 K氏「おい、お前とPLと二人でVBのコーディングの派遣行け!」
 寨主「は?何とおっしゃいました?」
 K氏「VBのコーディングだよ」
 寨主「お言葉ですが、何のために私を採用したんですか?」
 K氏「つべこべ言わずに行けよ!」
 寨主「お断りします。それに私もPLもVBなんか知りませんよ。」
 K氏「あれもダメ、これもダメって、何もできねぇじゃねぇか!」
 寨主「部門を立ち上げて欲しいと言うことで入社承諾いたしました。若手の仕事をやらせたいなら何故採用したんです?」
 K氏「もう良い!」
 
 価値観の相違って奴ですな(笑)
 結局、K氏って技術を知らないんですけど、思い付いたら全て自分が正しいと思っちゃうタイプなんで、周りは振り回されちゃうんですわ。
 それでも元社長ってことで皆遠慮があったり、キレキャラ故に反論できずにいたみたいなんですよね。
 この後も、次から次からわけの判らない案件持って来て、全部寨主に却下されました(笑)
 だって、検討にも値しないような話ばっかだったんだもん...
 その頃、実は営業から依頼を受けて、2億くらいの案件の提案書を作っていて、もしそれが取れちゃったら、ちまちました数十万の案件なんて到底やるような状況じゃなかったんすけどね。
 当然、K氏は上司だったので、その情報も報告していて、知っていたんだけどねぇ(笑)
 
 で、そっちの話が徐々に進み始めた頃、また呼ばれたんですが。
 今度はもう一人のアホ役員とペア攻撃(笑)
 曰く、「オフショアなんて絶対成功しない!俺が失敗したんだから」
 曰く、「JAVAの製造工程の生産性は人月500stepも出ない筈だ!」
 曰く、「なんで請負なんて取らないといけないんだ!」
 
 つか、俺に何をしろと?(笑)
 オフショア失敗したのはあんたがアホだからだって(笑)
 月に500step書けないって?月500stepって、一日25行だよ?20分で1行書けないって、今までどんな奴に仕事させてたんだか(笑)
 取るなたって、あんたが提案書けって言ったからやってるわけで、自己矛盾も甚だしいってば(笑)
 まぁ、すったもんだした挙句、一応OKは出たんだけどね。
 ところが、出来上がった提案書を客先提案した後に、トンでもないことを言い出した。
 曰く、「提案書の内容にはOK出したが、客に提案して良いと言った覚えはない!」
 意味不明(笑)
 だって、客からは提案の催促が来てたし、コンペだから必ず取れると決まったわけでもないし。
 これには営業が激怒したね。「じゃあ、『さっきの提案は社内の間違いでした。取り消させてください』とでも言って来てください。営業は今後一切関知しませんから」とまで言い切ったね(笑)
 ま、そりゃそうだ。もし取れれば営業としては大きいし、客筋としても今後攻めると会社で決めてた筋だったしね。
 気分屋さんなので、機嫌が悪いと何もかんも判らなくなっちゃうんだろうな、きっと。

 で、最初の提案は通って、更に絞るって時の話。
 提案の前提は開発がオフショアで、寨主たちはPMOで全体統括だったんだけど、このオフショア先でまたいちゃもんが付いたっす。
 偶々寨主の知ってる会社に頼むことになってたんだけど、別に知り合いだからじゃなくて、多少高くてもビジネスモデルが良くできていて、リスク低減に効くと判断したからなんだけど、K氏はそんな話に耳も傾けない(笑)
 曰く、「俺はお前が信用できない。だから、お前の推薦する企業も信用できない!」
 なら、なんで最初から言わないのよ?
 一番最初の訪問の時、同席してたのは誰でしたっけ?(笑)
 それも、ここまで一緒に提案書作って来て、彼らが前提になってる提案出しちゃってるのに、今更どうしろと?(^_^;;;
 ところがそれから数日後、一気にそれを覆す出来事が。
 K氏「例のオフショアの会社な、あれで行こう」
 寨主「は?それは願ってもないですけど、何故急に?」
 K氏「いやさ、今日連絡があって、今月あそこの営業統括で入社した奴が○Pの奴で良く知ってるんだよ。あいつが行った会社なら大丈夫だから」
 寨主「なるほどね...」
 
 ふぁっくゆーあすほーる(笑)
 まぁ、前の会社自体がH○の落ち武者軍団で成り立ってるようなとこで、既に別の会社なのに○Pのつもりの奴が多かったから、驚かないっちゃ驚かないけどね。
 つかさ、多分本人は気付いてなかったと思うのよ、「今の部下であるお前は信用できないけど、昔の知り合いは信用できる」と本人に向かって言ってることに(笑)
 結局、値段で他社に取られたんだけどね。その時もキレてたねぇ(笑)
 
 そんなこんなしてるうち、年度が替わって、当初の目的通り、オープン系の開発部隊を立ち上げることになって、その人の下から外れましたが。
 とゆーか、このままなら入社した意味ないから辞めるよって話したら、営業が他の役員に根回ししてそうなったんだけど(笑)
 本当は、オープン系の仕事したかったのって、営業の人たちだったから。
 それから暫くしてからだったね、K氏が辞めたのは。
 結構大手で役員待遇とか聞いたけど、大丈夫なんでせうか(笑)
 やっぱねぇ、大人なんだから気分でフラフラしちゃダメよね...
 

ダメな人たち其の17

2007年01月24日 15時15分14秒 | ダメな人たち
エピソード17:数年前のお客さんのA部長

 すげー、久しぶり(笑)
 急に思い出したので、また忘れないうちに。

 世界に冠たる某大手メーカの物流子会社のシステム部長のAさん、歳の頃なら50代半ばくらい、普段は建設的でない余計な口は出すけど役割として必要なことは何もしない、普通のダメ系です(笑)
 が、この人のダメの真髄はそんなことじゃない。

 物流原価管理のシステムを作ってたんですが、原価の基礎となるデータは倉庫の現場で働いてる人たちに入れてもらわないといけなかったので、現場のマネージャを集めて、一泊二日の合宿で概要説明やらオペレーション研修をやることに。
 生憎その日は風邪気味だったんですけども、PMだったので私も担当のH君と一緒に同行して一部説明しに行きました。
 合宿故に食事にはそれなりにお酒も出たけど、具合悪かったので珍しくお付き合い程度にして、その後の呑み会はH君に任せて、食事後は翌日に備えて早々に寝ちまおうと考えました。
 うとうとしだした頃、部屋の電話がなりました。

H君「具合悪いとこ申し訳ないんですけど、来てもらえますか?」
寨主「何かトラブル?」
H君「いや、トラブルじゃないんですけど...」
寨主「どした?」
H君「いや、A部長が醉蝗を呼べと...」
寨主「酔ってるの?」
H君「いや、まだそれほどでは...」
寨主「じゃ、お付き合いだけ顔出すわ」

と、言うことでお客さんたちが呑んでる部屋へ行くことに。
 そこにいたのはA部長、H君、エピソード13に登場のHさん、Aさん、Sさん、A部長の気弱い上司Dさん、後はお客さんの現場のマネージャ数名と言ったところ。
 具合も悪かったし、初めての方もいたので端の方で大人しく呑んでたんですが、そろそろお暇しようかと思った矢先、目が据わって来たA部長が「醉蝗、外に呑み行くぞ」...
 が、合宿してた所が山の上で町までタクシーでないと行けない上、時間も時間でタクシーなんぞいないし、翌日は8:00から研修準備だし、具合は悪いし、そりゃ御無体なお話。

寨主「しかじかなんで、ちょっと無理ですよ」
A部長「なんでだよ」
寨主「いや、お仕事で来てますので、今日はほどほどに」
A部長「つまらねぇ奴だな。良いよ、そんなら」

で、一旦落ち着きました。が、ことはここから...

A部長「お前、どこ住んでるんだよ?」
寨主「茅ヶ崎です」
A部長「茅ヶ崎?けっ、格好付けやがって!」
寨主「うちは代々茅ヶ崎なんで...」
A部長「どうせ俺は埼玉だ!」
寨主「...」
A部長「お前、俺のこと馬鹿にしてるだろ?」
寨主「は?いえ、そんなことはありませんよ」
A部長「大体気にいらねぇんだよ、お前!」

と、この辺りで気弱な上司のDさんが、「A君、いい加減にしないか」と止めに入ったものの聞くもんじゃない(笑)
 周りの人たちも固まってるだけで、田螺の如し...
 寨主も理由もなく絡まれてるだけなんで、面倒臭くなって取り合えず謝ってはみたものの、絡むことが目的と化してるA部長の暴走は続く...
A部長「うるさいな、黙ってろ!馬鹿にしてるんだろ、醉蝗!」
寨主「してませんよ。お酔いのようですので、これまでにしませんか?」
A部長「何?ふざけるな、てめぇ表出ろ!」

と、ここで流石に切れたけど、大人なんで手ぇ出すような真似はしませんて(笑)

寨主「判りました。では、御勘気を被ったようですので、PMは降りさせていただきます。私一身につきましては、別途弊社からご連絡があると考えて頂いて結構です。では、明日がありますので、今晩はお先に失礼いたします」

と、冷静且つ丁寧にお伝えして部屋に戻りました(笑)
 ちなみに、契約上はA部長の所属する会社と直接契約してたわけじゃないので、そんなこと言わなくても良いんだけどね。
 要するに慇懃な啖呵を切ったわけで(笑)
 まぁ、取り合えず辞めることになりそうだなぁと思ったので、経緯を会社の役員にメールだけして寝ました。
 翌日、問題のA部長は帰っていて(呑み会だけ参加しに来たんですわ、つまり)そんな事件があったとは思えないほど、淡々と研修は進み無事終了。
 そして、帰社して顛末報告をメールした役員に話に行った時のこと。

寨主「しかじかのことがあって、PM降りると話して来ました。ご処分は存分に」
役員「あぁ、遂にお前もやられたか」
寨主「へ?」
役員「あの人の酒癖の悪さは有名で、俺も大昔食らったことがあるし、他にも何人もいるんだよ。毎回毎回絡み酒で、別に原因なんかないことも皆判ってるから気にするな。向こうの社長も知ってることだよ。」
寨主「え゛、そうなんですか...」
役員「取り合えず、ちょっと挨拶入れとくから、今度会ったらお前からも形だけ詫びといてくれれば終わりだよ」

 で、お咎めなし(笑)
 何でも、先方の社内でも有名らしくて、普通は余程のことがないと社員は一緒に呑まない、呑んでもA部長が酔わないうちに直ぐ逃げる、逃げられず絡まれたらスキを見て逃げる...なんてーことが常識化してるとか。
 当時の会社の役員と、A部長の会社の社長は同じ親会社出身で友達だったので、何かのついでにチクったらしく、A部長は社長から相当怒られたそうで(笑)
 後日、会った時に謝ったら、A部長から「いや、気にしないで」と言われたけど、普通の感覚だと「私の方こそ済まなかったね」くらい言っても罰は当たらないよな。
 酒癖の悪いのって嫌だねぇ(笑)

ダメな人たち番外編2

2006年01月10日 22時44分38秒 | ダメな人たち
エピソードβ:先週の木曜の寨主

 久しぶりにダメダメの寨主(^_^;

 先週木曜は初出勤、神田明神に皆で詣でた後に新年会っす。
 年明け入社の中途メンバもいたので、歓迎会込み込みってことで。
 18:00前から呑み始めて、まぁ初日で翌日も仕事だったんで、22:00には終了。
 で、そのまま良い子で帰宅しました。
 東海道が藤沢に着いた段階で、あと一駅と安心しちまったのが運の尽き。
 そんなに酔っちゃいなかったのに、かくんと寝ちったらしい。
 ハッと気が付けばそこは平塚、時計を見たら23:20くらいだったので、上りで帰ろうとホームを降り掛けると駅員さんが
「もう電車ないですよ」

 え゛...まだこんな時間なのに?

 仕方ないんでタクシー乗り場に行ったらすんごい行列...ま、初日の会社も多かったんでせう。
 で、やむなく、全くやむなく2時間歩くことに。
 これがね、寒いのよ。134号って海岸線だし。しかも、湘南大橋って500mくらいの長い橋があって、これがまた地獄っす。
 ま、それでも2時間で帰り着き(既に何度か歩いてますねん)、ガチガチだったんで長風呂で暖まって寝たんだけど...

 
翌日起きたら39°(T^T)

ダメな人たち番外編

2005年10月23日 11時03分42秒 | ダメな人たち
エピソードα:先週の月曜の寨主

 あー、ちょっと久々にダメダメなことがあったので(^_^;

 先週月曜日、中途採用の方が入社したので、歓迎会を開催することになりました。
 ま、最初は会社近所の居酒屋で呑んでたんですけども、そこで終わる筈もなく...
 寨主は給料日前で金無かったんで、終電で帰りたかったけど、当然帰してもらえる筈もなく、拉致されてタクシーで新宿へ。

 で、6人で行きつけのスナックへ入り、2:00過ぎまで呑んでて、ラーメン喰ってからさて帰るべぇと言うことに。
 皆タクシーで帰れる距離だけど、寨主はタクシーなんぞで帰ったら¥35,000コースなので、こーゆー場合は迷うことなくカプセルなんですが、この日は現金の手持ちが少なかったんで、カード使えるカプセルに行かなきゃならなかった。
 意外かも知れないけど、結構カード使えるカプセルって少ないんですな、これが。
 しかも、カプセルと言っても場所によってサイズの大小もあるので、寨主のようにデカい人間にとっては、どこでも良いと言うわけにはいかないんですわ。
 なので、寨主の頭の中には、常にその前提のカプセルマップがあるのですよ(笑)

 で、この日は新宿からだったので、阿佐ヶ谷の商店街にあるカプセルへターゲットロックオン!
 荻窪の人がいたので、青梅街道を阿佐ヶ谷で落としてもらいました。
 この日、台風が接近とかで、夜中は凄い豪雨。
 店が全部閉まった商店街のアーケードを歩いていて、ふと行き過ぎたことに気が付いた。
 ん?と思って引き返して見ると、なーんとつぶれて他の店になってるし(@o@)
 既に時間は3:00,雨は降ってるし、他にホテルは空いてないし、困った挙げ句、タクシーの運転手に聞いてみようと思い立った。

 タクシーに乗って運転手さんに、「中野でも高円寺でも良いんだけど、カプセル知らない?」と聞いたものの、運転手さん曰く、「さぁ、この辺りにカプセルなんてありましたっけ?」
 で、運転手さんに「したら、蒲田行ってくれます?」と頼んで、車は環八を一路蒲田へ。
 10分経ち、20分が経ち、やがて気が付いた。
 なんで蒲田なんだ???
 阿佐ヶ谷なんだから、新宿戻れば良かったのに、酔っぱらってたのね...
 結局、蒲田着いたの4:00過ぎで、タクシー代約¥10,000(T^T)

 呑んだ時の即断即決には注意しませうね...