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遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

正しくは「変異株」

2021-01-10 23:44:22 | BIONEWS

今日も寒かった。気温は低かったけど、天気は晴れ。雪後曇りの予報はハズレでした。
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今日10日(日)の天気全国的に真冬の寒さ大雪は峠越えるも雪は続く

北陸大雪 あす午前にかけて大雪警戒 雪弱まっても雪害注意 (tenki.jp)
「顕著な大雪」 初の発表(北陸中日新聞)

〈以下引用〉
石川、富山両県などでは七日夜から八日にかけて、気象庁が二〇一九年から運用を始めた「顕著な大雪に関する気象情報」が運用後初めて発表された。石川、福井県境で一八年二月に車両の大規模な立ち往生が起きるなどした反省を踏まえ、主に交通障害の発生に警戒を促す狙いがある。

発表はいいんですが、交通障害が8号線や東海北陸道で起こってんですが・・・その言葉、あんましポピュラーになってないよ。今日まで知らんかったよ。
今日は私も車をスタックさせてご近所様にご迷惑をおかけしました。助けてくれた人たちがどちらの方かわからないのが心苦しいです。もう明日は、よっぽど路面が好転しない限り車出しません。大学の仕事は今日済ませてきましたから。
明日は雪でなく雨になりそうだな。

寒気団収束帯ができたのか・・・ウイルスは終息してほしいけど、寒気は収束してほしくないなぁ。
分岐した寒気が日本海上で合流、雪雲の連続発生で記録的大雪に(読売新聞)

〈以下引用〉
福井県や富山県などの北陸地方を中心に記録的な大雪となったのは、朝鮮半島にある山脈で二手に分かれた冬の季節風が北陸沖の日本海上でぶつかり、帯状の雪雲を生み出す「日本海寒帯気団収束帯」(JPCZ)が発生したことが大きく影響した。〈中略〉
今回、北陸地方や新潟県などにJPCZが断続的にかかり続けたため、記録的大雪となった。JPCZは2018年に発生した北陸地方の記録的豪雪でも観測されている。

最初のきっかけは爆弾低気圧の日本海北上だったんだけど、これは太平洋岸の人たちにとっての台風みたいなもんでして、こちらも「何号」とか、何か名前をつけてほしいな。ちなみに南欧スペインの首都で大雪を降らせたサイクロンには「フィロメナ」という名前がついてます。

さて、変異はあちこちいつでもどこでも発生しているもんでしてな・・・
新たな変異ウイルス 羽田空港で確認 英国・南アフリカと異なる (NHK NEWS WEB)
ブラジルからの帰国者から検出された新型コロナウイルスの新規変異株について(国立感染症研究所)
今のとこ「見つかりました」っていうだけで、毒性や感染性がどうとかこうとかはわかってません。なんせ、この変異株の生まれたブラジルでのデータがなんとも・・・・。それにしても、日本の感染症研はしっかりゲノム解析してたんだな。ありがたや。
ちなみに、このブログでもつかってた「変異種」という言葉はこれから使わんようにします。遺伝屋や分類屋、ウイルス屋さんの間では「変異種」という言葉は間違ってることになってましてな。仲間内で評判が悪いのです。正しくは「変異株」なんです。国立衛生研究所のペーパーでも「変異株」ってゆうてます。「種」という言葉は分類学で厳密に決まってるもんでして、今話題になっているのは、あくまでもCOVID19のヴァリエーションでしかありません。変異で「種」が変わったりしません。人がどう変異しても、チンパンジーにはならないでしょ。マスコミが「変異種」で使ってる「種」は単に種類っていうだけの意味なんだろうな。ヴァリアントに対するわかりやすい言葉が見つからなかったんかな。

検査をPCRに依存してたら問題起こるって、最初の頃からゆうてるやん。今頃になってやっと報道の論説に出てくるようになってきたとです。
gooニュース
新型コロナ変異種、世界に拡大収束に向けたシナリオ狂い生じる

新型コロナウイルスのPCR検査が、根本的に疑わしいとしたら?(財経新聞)
COVID-19 testing: One size does not fit all (SCIENCE)

〈以下引用〉
PCR検査に使われる「基準としての遺伝子配列」は、2020年1月末に医学雑誌ネイチャーに掲載された論文の遺伝子配列が使われている。この論文は、2019年末に中国の武漢で肺炎となった患者の肺中体液に含まれていた、菌やウイルスなどの膨大な遺伝子から、周知済のコロナウイルスの遺伝子配列に類似したものを抽出して、新型コロナウイルスの遺伝子配列と「推定」したものだ。
本来は、無数の遺伝子の中から分離(単離、クローン化)して、対象である遺伝子を特定することと、分離したウイルスを新型コロナウイルスであると確認するための同定作業(分離して得られたウイルスが、既に発症と治癒を経た人の抗体を含む血清によって中和され無力化したことを確認する工程)が必須である。
こうした手順を踏まなければ、抽出したウイルスが目標としたウイルスかどうかを確認することは出来ない。武漢で新型コロナウイルスの遺伝子配列と推定したものは、感染症の病原体を特定する上での指針となる「コッホの原則」を満たしていないことになる。

まあ、今のとこ機能してるから、病気の原胃炎ウイルスの検出には使えてる配列なんだろうとは思うけど、正しい手順は踏んでないわけね。まあ、これからも変異は起こるのでPCRを無条件にありがたがるのはやめといたほうがよろしいと思う。ほんで、ワクチンもRNAだったりDNAだったりしてるんで、配列が適切かどうかは常に注意されてないとあきません。ワクチン関係者には問題になる変異があっても、すぐにそれに合わせて作り直せるって豪語してはりますが、それはまた安全性試験からやり直さなくていいのかどうなのか教えてほしいポイントはスルーされてますが、その辺は国ごとに違います。
Scienceの記事も勉強になりますが、ちょっと難しかったっす。

今週、講義で獲得免疫の話をするんだが、「はたらく細胞」で獲得免疫を来週やるらしい・・・しかもパイエル板・・・ぐぬぬ、見てから講義にネタにしたかった。orz  

コメント
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