滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

建築家の仕事

2009年02月14日 | インポート
今日は私の仕事について、いろいろ想うところをお話しようと思います・・・。と言っても、別に理想の建築とかについて、崇高で小難しいお話をするつもりはありませんので安心してください・・。(ちょっと話が長くなるかも知れませんが・・。)

私が建築設計をやっていて、一番嬉しいのは、やはり建物が完成してお施主さんが喜んでくださる事です。私の手掛けた住宅に住まう人、仕事場で働く人、来店されるお客さんなどなど・・の笑顔が見れることです・・。
何か・・こういう風に言うと、とても営業っぽく思われるかも知れませんが、一度お施主さん(お客さんも・・)に喜んでもらったときの嬉しさを知ると、一種の麻薬のようなもので辞められなくなってしまうものなのです。(例えが、適切でないかも知れませんけどね・・。)

もちろん、好きでこの仕事をやっているワケですから、自分のアイディアやオリジナル性をアピールしたい(認められたい・・)という気持ちも当然あります。こういう建築家としての野心も、ある意味で私は大切だと思っています・・。
と言うのも、この野心があるからこそ、感性や技術を研くため日々努力しレベルを上げていくのですから、結果的にはお施主さんの満足度の向上にもつながると考えるからです。

千円や二千円の買い物をするのではなく、数千万円~数億円もする建物の設計監理を、私を信用して依頼してくださる事に対しての期待と責任には、とても重いものがあります。
ですから・・私は、まず信頼してくださったお施主さんへの感謝の気持ちを忘れずに仕事に取り組んでいます・・。プランを考えているときや実施設計に取り掛かっているときでも、どうしたら喜んでもらえるのか?、どうしたら納得していただけるのか?とお施主さんの顔を浮べながら、これからできるであろう建物や空間に想いを馳せているものです。

また、工事監理をしているときなどは、業者さんが間違うことは人間ですから仕方ないとして、注意して直してもらっていますが、手抜きをしたり、邪魔くさそうに仕事をしている業者さんを見ると、ついつい感情的になって声を荒げてしまう事があります。やはり、お施主さんの顔が浮かぶと、いい加減な工事に対して憤りを感じてしまうのです・・。(私は人間が出来てないもので・・。)

建築家(設計事務所)とお施主さんの付き合いというものは、実は建物が完成してからの方がはるかに長いものです・・。私は、よく耳にする「建てたら、後はほったらかし・・。」と言われるのが一番嫌いなので、私が手掛けた建物だけは、絶対そう言われないようにしようと常々思って行動しています。
「自分が設計した建物は、私の子供のようなものですから・・。」などと言うと、何ええカッコ言うてんねんと思われるかも知れませんが、やっぱり・・自分が設計した建物がどのように使われているのか、どのように経年変化していっているのか、お施主さんは元気に過ごされているのか・・など、気になるものです。

なので、用件があっても・・なくても、お施主さんから連絡があっても・・なくても、定期的に、近くに行くついでがあったときや年末年始の挨拶ついでに顔を出して様子を伺うようにしています。
嬉しい事に、私がこれまで手掛けてきた建物は、全て完成後もお施主さんと良好な関係(お付き合い)を続けさせてもらっているので、たまに顔を出しても笑顔で迎えていただけます・・。

年末から最近にかけてのいくつかのブログの記事でもお話しているように、たまにお伺いすると、お店が順調な事を笑顔で話してくださるお施主さん、わざわざ私が設計したお店に寿司を食べに行った事を報告してくださるお施主さん、頼まれ事を届けに行ったついでに別の仕事を依頼してくださるお施主さん、久しぶりだと近況を何時間も話してくださるお施主さんなど・・、私にしてみれば、建物が完成する度に、一つ一つ新しい家族が増えていくような感覚さえあります・・。そして、その事が私にとってすばらしい財産なんだと思っています。

もちろん、いい事ばかりではなく、建物に不具合などが生じて、お施主さんから連絡をいただく場合もあります・・。そのときは、根気よく原因を調べて、なぜ不具合が生じたのかをきちんと説明して、お施主さんが納得される方法で手直しさせていただく事によって対処しています。
不具合の原因を知って、次の設計に生かす事がとても大切なので、そういう意味においても完成後の建物を定期的にお伺いして、小さな事でもお施主さんの声を聞く・・また、お施主さんが私にどんな小さな事でも言い易い(相談し易い・・)環境を普段から作っておくという事が重要なのです・・。

建築家の仕事というものは、技術やデザインを駆使して建物を建てること(夢や目的を実現さすこと・・)は当たり前なのですが、最終的には、どこまでいっても人と人の付き合い(信頼関係を築くこと・・)なので、お施主さんやその家族の人と深く接していく(理解し合う)作業そのものなのです・・・。













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