想いをかたちに

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森林・林業・木材産業を取り巻く情勢

2010-10-07 | 木・材木屋


皆さん、こんばんは。

今日は、長野で木青連セミナーがあり、行ってきました。



講師は、中部森林管理局の城土局長。

テーマは、

「森林・林業・木材産業を取り巻く情勢と

今後に取り組むべき諸課題について」



局長は、林務行政を歩いてきた方ですが、

いろんな知識を持ち、また様々な分析をされる方だと、

以前から、挨拶を聞いて思っておりました。

内容を細かく書くと長くなりますので、

ここでは、気になったこと、考えていることを少し。



現政権で閣議決定された新成長戦略~「元気な日本」復活のシナリオ~

21の国家戦略プロジェクトの中に、

「森林・林業再生プラン」というのがあります。

このように国家戦略の中に、森林・林業のことが書かれたのは、

意外にも、初めてで画期的なことだそうです。

また、科学技術アクションプランや、経産省資料など、

様々なところで林業・木材業の事が触れられています。

先月発表された低層公共建築の新築が、

原則木造という指針も出ています。



今、まさに京都議定書もあり、森林・林業・木材を取り巻く環境は、

色々と変わろうとしています。



木はすぐには成長をしません。

現在、戦後植林の人工林は、45~50年の材が中心です。

高齢級の人工林は、50年~でこれから伐採期だという議論もあります。

しかし、建築に使えるいい材がとれる材齢は、

やはり、少なくても60年以上、欲を言えば80年必要のように思います。

たとえば、信州に多いカラマツですが、

若いカラマツはねじれが強く、ヤニが多く、使いにくいとされています。

それが、80年を超えてくると素直な木になり、

「天唐」といい、京都寺院の庫裡で使われる高級材です。

木には、もう少し成長が必要です。

ですので、今は間伐期だと思います。

山を健康に、木が育ちやすい山に手入れすることです。



残念ながら、その山を整備するための林道などの路網は、

環境先進国と言われるドイツの約1/7です。

これでは間伐したくても山には入りにくい。

間伐した材の使いみちがない。という話しもありますが、

現在、火力発電所は二酸化炭素排出量の観点から、

国の指導で、木質バイオマスにしているそうです。

しかし、その木質系燃料は輸入しているとのこと。



林材業の業界は非常に厳しい業界だと言われます。

しかし、この業界にいて思うことは、何か歯車が合えば、

一気にまわる可能性があると思います。

環境分野において、国の戦略にありように、

林業・木材業は重要な産業と位置づけられています。

糸口はあるように思います。

また、アンケートによると、約86%もの一般の方が、

木造住宅に住みたいと思っているようです。



何でもいいから、とにかく何かをやらないと何も変わらない。

局長の話を聞いて、勉強になったと同時に、

少し明るい光が見えたような気がしました。

ありがとうございました。




国興オーナーの声が聞ける動画

国興ホームページ

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