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米加州山火事で「囚人消防士」奮闘中、給料に刑期短縮も

2007-11-10 12:44:50 | Weblog
米加州山火事で「囚人消防士」奮闘中、給料に刑期短縮も 2007年10月28日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20071028i202.htm?from=main2
 米カリフォルニア州南部で甚大な被害を出した山火事は、ようやく鎮火の方向に向かっているが、一般の消防士のほかに、多数の受刑者たちが消火活動に加わり、奮闘している。
 米国では特別に選ばれた受刑者が「塀の外」で労働することは珍しくなく、今回のような人手が必要な大災害では特に大きな役割を果たしている。
 同州は、25日に消火に従事した人員を1万2270人と発表したが、実はこのうち3割の3570人は「囚人消防士」だ。
 サンディエゴ郡北部の火災現場。マーク・ミラー隊長(48)のもとで、消火活動を終えたばかりの15人の受刑者たちに出会った。年齢は20歳から60歳まで。一般の消防士と区別できるように、囚人服と同じオレンジ色の消防服を着ている。
 火が拡大しないよう電動ノコギリを使って樹木を伐採し、下草を除去するのが彼らの任務だ。1時間1ドルの給料が支給される上に、活動期間に応じて刑期も短くなるという。
 薬物関連の罪で服役したという受刑者(42)は、「消防活動はやりがいがある。出所したら、本物の消防士になることも考えている」と話した。
 囚人消防士は常に隊長の指揮下におかれ、私語も厳禁。ルールを破ったらすぐに刑務所に逆戻りだ。「16年間指導しているが、殴り合いのけんかが一度あっただけで、トラブルはほとんどない」とミラー隊長。
 受刑者の屋外労働は多くの州で採用されているが、カリフォルニア州では、各地の刑務所に収容されている約17万人の受刑者のうち、屋外作業が許可されているのは女性約300人を含む約4400人。薬物関連や飲酒運転などで原則懲役2年以下の刑を受けた人から選抜される。殺人、傷害、レイプなど暴力犯罪を犯した受刑者は対象外だ。
 選ばれた受刑者は別の収容施設に移され、4週間の特別訓練を受ける。普段は樹木の伐採や清掃活動「あわや完全試合」中日・山井 落合監督は非情の交代などに従事しているが、山火事のほか、洪水、地震などの自然災害時にも多数が投入される。
 同州の広報担当者は、「我々にとって貴重な労働力だし、受刑者にとっても、社会のためになる仕事をして労働の意義や喜びを味わうことができる」と制度の意義を強調している。
 法務省矯正局によると、日本では受刑者を収容施設外の工場などで作業にあたらせることはあるが、災害時の救援・復旧活動には従事させていない。
 山火事は26日現在、サンディエゴ郡などの9か所で延焼が続いているが、14か所では鎮火した。焼失面積は2032平方キロに達した。



 単純に日本にも同様のシステムを導入することは、狭い日本では囚人が逃亡するリスクを考えると、中々難しいと思います(アメリカの場合は、仮に作業場から徒歩で逃げても、近くに人家がないために、逃げ延びることは限りなく困難でしょうし、そんなリスクを背負ってまで2年以下の軽い懲役刑の囚人は逃げないだろうという合理的な考え方をしているのかもしれませんね)が、囚人の社会復帰の意欲をかき立てるなど、中々合理的で興味深い取組だと思います。
 日本の場合は、2年以下の軽い刑ならば、大概は執行猶予がつくため、本当に本人が反省しているかは怪しいものですし、受刑者が行う労務作業も内職に毛の生えたようなお仕事が多く、出所後の世間の偏見やスキルそのものが未熟練のまま終わってしまうことを考えると、果たして本人が社会復帰するのにどれ程の効果があるんだろう…などとついつい考えてしまうのですが、労働力人口が不足するのは、先進国共通の現象だけに、囚人を腐らせるのではなく、どう労働力を確保しながら、当人にも立ち直ってもらうか、日本の刑務所制度も部分的には参考にしても良いのではないかと個人的には思います。


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