■欺す衆生 2020.3.9
月村了衛著 『欺す衆生』 を読みました。
隠岐隆が、友だち(彼は友だちと思っていないか)を次々に切り捨てていく凄みと、それすら忘れて怪物化(狂っていく)していく生き様が面白かった。
「大したもんだ、隠岐さん。もう完全に因幡さんを超えましたね」
「因幡? 誰だ、それは」
「えっ------」
なぜか砂州が絶句している。
「変なことを言うな。誰なんだ、 一体」
隠岐もこの頃は、詐欺師とはいえ多少はまともだったのだが。
酔いが回るほどにやりきれない想いが募っていく。
誰かに欺された者は別の誰かを欺していい。
強欲な輩を欺すのは痛快だ。その一方で、そんな輩を欺す自分はなんだと考える。
面白いもので、学生時代は特に勉強好きでもなかったこの自分が、気がつけば受験生以上に熱心に勉強している。<金>の力は大きい。人間にこの上ない活力とモチベーションをもたらしてくれる。
この笑顔は幻影ではない。俺がつかんだ幸せなのだ。
同じような道を踏んで、自滅していくパートナーたち。
罪はどこまでも追いかけてくる。因果は決して咎人を見逃さない。
であるならば、隠岐の明日は。
小説の登場人物の名字を、作家はなぜ読みにくい名字にするのでしょうかねえ。よりにもよって。
不思議です。
『 欺す衆生/月村了衛/新潮社 』
月村了衛著 『欺す衆生』 を読みました。
隠岐隆が、友だち(彼は友だちと思っていないか)を次々に切り捨てていく凄みと、それすら忘れて怪物化(狂っていく)していく生き様が面白かった。
「大したもんだ、隠岐さん。もう完全に因幡さんを超えましたね」
「因幡? 誰だ、それは」
「えっ------」
なぜか砂州が絶句している。
「変なことを言うな。誰なんだ、 一体」
隠岐もこの頃は、詐欺師とはいえ多少はまともだったのだが。
酔いが回るほどにやりきれない想いが募っていく。
誰かに欺された者は別の誰かを欺していい。
強欲な輩を欺すのは痛快だ。その一方で、そんな輩を欺す自分はなんだと考える。
面白いもので、学生時代は特に勉強好きでもなかったこの自分が、気がつけば受験生以上に熱心に勉強している。<金>の力は大きい。人間にこの上ない活力とモチベーションをもたらしてくれる。
この笑顔は幻影ではない。俺がつかんだ幸せなのだ。
同じような道を踏んで、自滅していくパートナーたち。
罪はどこまでも追いかけてくる。因果は決して咎人を見逃さない。
であるならば、隠岐の明日は。
小説の登場人物の名字を、作家はなぜ読みにくい名字にするのでしょうかねえ。よりにもよって。
不思議です。
『 欺す衆生/月村了衛/新潮社 』
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