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今週の読書! たんぽぽ団地/鳥打ちも夜更けには

2016年04月02日 | もう一冊読んでみた
 今週は、この2冊。
 たんぽぽ団地/鳥打ちも夜更けには/


■『たんぽぽ団地/重松清』  2016.4.2

 重松清さんの『たんぽぽ団地』を読みました。
童話のようなお話です。
昭和の時代背景は、しっかり捉えられています。

 昔の自分を覚えてくれているひとがいるというのは、やっぱり、うれしい。うれしくても、売れずじまいで終わってしまったことが、やっぱり、寂しくて悔しい。

 「母さんは、よく言っていたんだ。子どもにものごころがついたら、あとは自分で覚えておけばいい。その前のことをのこしておいてやるところまでが、親の務めだ、って」

 「イバるっていうのは、自分で自分をほめてあげることなんだからね。自分にもほめてもらえない自分なんて、かわいそうじゃん」

 「帰る場所があって、待ってくれるひとがいるうちは、どんなに長いお別れでも、挨拶は『さよなら』じゃなくて、『行ってきます』と『いってらっしゃい』なのよ」


 「ひとの一生で、いちばん最高のときって、いつ……何歳頃なんだろうね

 「誰かの思い出の中で生きればいい。お話の世界の中で、ずっと生きていくことだって、できるさ」


生きることの寂しさと悔しさ、昭和の思い出とにおいにつつまれ、流れていく物語なのです。
あなたも、そして、ぼくでさえ、だれかのこころのなかで思い出として生きていることに気づかされることでしょう。

 『 たんぽぽ団地/重松清/新潮社 』



■『鳥打ちも夜更けには/金子薫』  2016.4.2

 金子薫さんの『鳥打ちも夜更けには』を読みました。
金子さんの本を読むには、初めてです。

大人の童話のような不思議な物語でした。
はらはらどきどきさせるような場面はなく、淡淡として話は進んでいくのですが、何故か最後まで読んでしまいます。

 沖山は言っていた、自分のしていることを常に知っていなくてはならないと、と。
保田は言っていた、自分のしていることを知っているだけでなく、仮にそこに矛盾が見られたとしても、迷うことなくそれを遂行しなくてはならない、と。
そしてこの夜更け、天野は自分が遂行しようとしていることをはっきりと知っていた上に、なおかつそこに自分の生きる理由を見いだしてさえいた。


 だけども人間ってやつは自分の信じたいことだけを信じるようにできている、なあ、わかるだろう、正一、信じるってことのうちにも罠が張り巡らされているんだ、無数の罠だ! それこそ無限だ! 罠っ子の大海原だ!

 『 鳥打ちも夜更けには/金子薫/河出書房新社/ 』


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