ゆめ未来     

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今週の読書! 出星前夜/太閤暗殺

2015年06月20日 | もう一冊読んでみた
 今週は、この2冊。

出星前夜/飯嶋和一  2015.6.20

 先週に続き飯嶋和一さんの『出星前夜』を読みました。
飯嶋さんの作品は、一冊終わるとまた、読みたくなります。
『出星前夜』は、2008年に出版されています。

小学館/飯嶋和一にハズレなし!」をみても、発表当時話題になったと思うのですが、読み落としていました。

 この物語、要約するとこんなとになるのか。

 思えば、生は死から現れ、死へと戻っていく。そのわずかな間に見る夢のようなものだ。

 生は人としてふさわしい死を迎えるためにだけあった。


 ひどく幼い頃、人は神秘の力を宿しており、長ずるに及んでそれらをことごとく失っていく。

 思いどおりにならないことは世の常であり、最善を尽くしても惨憺たる結果を招くこともある。最善を尽くすことと、その結果とはまた別な次元のことである。しかし、最善を尽くさなくては、素晴らしい一日をもたらすことはない。

 人など簡単に殺せるわけがない。まともな心を備えた人間なら無理だ。だが、戦の興奮に駆られてしまえば何でもできる。怒りと憎しみの感情の一切を敵めがけぶつけるだけのことだ。何が起こるか誰にも見当もつかない。そんな興奮と熱気に皆が憑かれ、殺し合う。寒々とした熱狂だ。

 古来より戦というものは、勃発してしまえば独り歩きを始め、当初掲げられた意義などどこかへ消え失せて、結局は自国の民を大量に殺すだけのことである。


    『 出星前夜/飯嶋和一/小学館 』



太閤暗殺/岡田秀文  2015.6.20

 岡田秀文さんの『太閤暗殺』を読みました。
6月になって、岡田さんの作品はこれが3冊目です。

  ・『黒龍荘の惨劇』(2014年8月 光文社)
     2015年 第15回本格ミステリ大賞候補/第68回日本推理作家協会賞候補。
  ・『伊藤博文邸の怪事件』(2013年10月 光文社)
  ・『太閤暗殺』(2002年3月 光文社)
      第5回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞

彼の作品を発表とは逆順で読んできたことになりますが、太閤暗殺と伊藤博文邸以後では、作風が変わった感じがします。

例えば、このような雰囲気は、伊藤博文邸、黒龍荘にはなかったと思います。

 陽がさらに昇り、完全に山容を映し出すと、ふもとの渓谷を下る一条の藍色の糸が途中の森や丘陵に見え隠れしながら、足元の深緑の清流へと続いているようすが一望された。

読んだ3冊の本では、太閤暗殺が一番面白いと思いました。
文章も豊かでひろがりを感じます。

 読んだ皆さんの感想は......................読書メーター

    『 太閤暗殺/岡田秀文/光文社 』

コメント
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