中田清介のブログ:ほんまち界隈

下町の風情を残す本町商店街の四季折々や日々の活動報告を綴っていきます(2022年6月よりgooブログに引っ越し)

物価下落とデフレスパイラル

2009-09-30 23:45:00 | 政治

 9月29日総務省が全国消費者物価指数について発表しています。本日の新聞報道も「物価下げ最大、4ヶ月連続」と報じていました。先日「浜 矩子」さんの「ユニクロ栄えて国滅ぶ」という文春誌上の一文を読んでいましたので、少し調べてみました。グラフデータのとおりです。
 ここ10年近く消費者物価指数は長引く不況の下デフレ基調もあり、対前年比マイナス基調で推移してきましたが、昨年の燃料高騰に起因する上昇と、リーマンショック以降の下落がはっきりとデータで出ています。21年8月の下落率はマイナス2.4%となり、昨年のガソリンの高騰に対する反動から来る下落ばかりでなく、日用品にまで拡大しているという分析です。ここで注目すべきは広範な品目に及ぶ急激な下落率ではないでしょうか。そういえばパソコンなどもずいぶん値が下がってきています。
 浜さんは文春誌上で、「安売り競争は社会を壊す恐るべき罠」という論文を発表していました。「とめどない安売り競争が、リーマンショック以降のグローバル不況に襲われた日本の至るところで繰り広げられている」とした上で、「こうした安売り競争は、物価と賃金が下がり続けるハイパーデフレの兆しではないか」と危惧し、「安売り競争の背後にある行動原理は、自分にとって利益が上がるように行動しているつもりが、社会全体では不利益を生み、自身も共倒れしてしまう。合成の誤謬という」と指摘しています。又、こうしたことの行き着く先は「保護主義と統制経済、そしてバブル経済の再来」と警告していました。
 なんともテンポのいい文章で、今何をなすべきか知恵を絞れと結んでいました。
 10年前にリチャード・クーさんが、金融再編後の不況下でのバランスシート不況を指摘し、合成の誤謬について同じ様に言っていたことを思い出します。

 「政治に経済は変えられない、政治は経済を分析しそれに反応し、対応するのが役目」とする浜氏の指摘を読み、景気対策やマニフェスト、政権交代に伴うここ一連のモラトリアム論争、次年度予算編成に対する改革方針など少し考えさせられる日となりました。

 先日9月議会の一般質問の中で、中心市街地活性化への取り組みかについて細野助博教授の一文を引用し以下のように見解を述べました。「高山市においても、行政は戦略的支援を重視する中で黒子に徹するべきはないか、戦略的支援とは必要な情報を用意して、活性化に必要な条件整備をし、且つ必要な指導や補助をして後は見守ることである」。将に分析し、反応し、対応することであるといえるのではないでしょうか。



里山の豊かさを感じるとき

2009-09-27 09:56:00 | まちづくり

 9月ももう終盤です。なかなか雨が降らないのですが、それでも茸がぼちぼち出始めているようです。このところ溜まった仕事を片付けねばならないため、家にこもりきりの状況ですが、昨日は少し茸の顔を見せていただきました。豊かな実りは将に地域の豊かさを実感する季節でもあります。
「地域の持つ豊かさの再評価で持続可能なまちづくりが必要」と、一般質問でも六月、九月と訴えてきました。
 四季折々の山村の暮らしや里山の豊かさは、私たちが守り伝えていきたい大切な地域の宝です。そうした地域の中にあって、小京都といわれる高山の伝統文化や人の暮らしは育まれてきました。後背地としての飛騨の山村の上に、高山というまちの暮らしが成り立ってきたともいえるのではないでしょうか。
 地域の持つ豊かさの再評価というのは、当たり前のこととして享受している暮らしの中の豊かさを、もう一度私たち自身が見つめなおすことから始まるのではないか。そうしたところからもう一度コミュニテイの意義を問いただし、支えあう暮らしの場を立て直す、その為の知恵を体系立てて政策に反映していく。そうしたことが重要といえるのではないでしょうか。個々の政策の課題は山積しています。まず進むべき道筋を示すことが肝要で、高山市の第7次総合計画後期計画の課題といえます。
 その際、政策の優先順位を示すことが政治の課題であると思っています。
 厳しい自然環境の中にあっても、共同体としての暮らしに必要な山の管理、水路の管理、田畑の耕作などを通じて維持されてきた山村集落の暮らしが崩壊しつつあります。
 市街地中心部でも、ライフスタイルの変化から、人口の空洞化が進み、暮らしの基盤が崩壊しつつあります。どちらも暮らしにくさの解消が、社会生活の維持に必要な地域となっています。
 移住交流など過疎化に対する施策の充実がいわれ、さまざまな試みが全国各地で取り組まれています。人口減少化社会にあって、私たちの地域にあった活性化の道を探っていかなければなりません。




棚田の実り

2009-09-22 17:11:00 | まちづくり

 今日は少し足を伸ばして、滝地区の棚田を見てきました。郊外ではすでに刈入れもはじまり、天候が気になりましたが何とか見てこれました。作柄を心配しましたが、山の上の実りも上々でした。
 人口減少化の中にあって集落対策が言われるこの頃ですが、山村集落の基盤は農業と林業です。高齢化の進む中にあって働き手が少なくなった山村では、耕作放棄地増加の問題があります。又林業の現場でも担い手の減少が大きな問題です。今後高齢化が更に進む中にあっては、ますますこうした状況は増加するばかりです。グローバリズムの中にあって、大規模経営体による担い手農業の推進、木材価格の低迷などの難問が横たわりますが、こうした地域にあっても、地域社会の維持に欠かせぬ相対的な活力を維持していくためには、地域の持つ豊かさを再評価し、観光と交流の視点で情報を発信していくことが大切といわれています。農産物は少量多品種の生産ではあっても、地産地消に取り組んでいくことで活路を見出すこと、林業では就労機会の確保やエコツーリズムなどとの連携で、都会との交流を増やすことなどが大切な視点とも言われています。
 滝地区は棚田を守る会のボランテイアとの協働で、さまざまな活動がなされている地域です。豊かな実りを得られる喜びは、誰にでも感じられる地域の豊かさの一つです。
もっともっとそうした交流の輪を広げていきたいものです。

 今日は美女峠方面へ移動し、私の好きな「ツリフネソウ」を撮影し、アケビを採って帰ってきました。



運動会シーズンです。

2009-09-14 00:08:00 | 学校と教育
 昨日はあいにくの雨でしたが、今日は晴天の下順延された運動会が西小学校でも開催されました。丁度今日は飛騨の「味祭り」が本町道りで開催されていたため、午後から出かけてきました。
 ご承知の通り少子化の進む西小学校では、各学年1クラスの状況が続いています。児童生徒の応援席も赤白それどれテント二張という状況です。往時のことを思うとリレーなどもあっという間にアンカーとなってしまいます。
 しかし親子、祖父母といった皆さんで楽しめる運動会は、地域コミュニテイの大切な絆の一つといっていいのでしょう。
 地域に於ける住まい方・暮らし方には、住居、住環境とともにコミュニテイとのかかわりが大切なのではないでしょうか。
 生徒の演技や競技でにぎわうグランドでしたが、校庭の二宮金次郎は今日も一人で読書に励んでいました。




政権交代と地方議会そして一般質問

2009-09-11 00:17:00 | 政治
内閣広報室の麻生内閣メールマガジンは、第44号で幕引の配信を送ってきました。民主党のメールマガジンは鳩山代表・菅代表代行が「地方6団体」の代表と意見交換を行ったと配信。政権交代が目前に迫ったとの感を強くしています。「地方6団体」とは全国知事会、全国市長会、全国町村長会、全国都道府県議長会、全国市議会議長会、全国町村議長会の総称です。政権交代を目前にして、民主党のマニュフェストに不安を抱く6団体側が早速民主党に出向き、今後の緊密な協議を申し入れたということのようです。鳩山代表からは、衆院選マニフェストに明記した「国と地方の協議の場を法律に基づいて設置する」との方針を改めて表明されたとのことです。
 10日は一般質問に登壇いたしました。政権交代の影響を問う質問もありましたが、民意の結果の政権交代ですから、新しい政権の意向を見守るしかありません。衆議院選挙の結果は、税金とその使い道について国民の意識が変わったとも見ることができ、政治とそれに携わる政治家は、自らを厳しく律していくことを求められたものと感じています。
 9月議会、今回は以下の内容で一般質問に臨みました。
1.全国空き家756万戸時代のまちづくりについて
 ア・高山市における住宅政策とまちなか居住推進策
 イ・総合計画に位置づけた住宅マスタープランとその進行管理
 ウ・人口減少社会におけるストックとしての空き家対策
2.第2次中心市街地活性化計画における課題  
ア・国が求める5つの活性化要件への対応
 イ・既存のハード整備の方針と新たなるソフト事業のマッチング
 ウ・機能特化型都市に位置づけられる高山市の活性化策と中心市街地活性化協議会の位置づけ
 主な発言の骨子は以下の通りです。
高山市の住宅政策と空き家対策については、住宅と住環境並びに地域コミュニテイとの関わりといった点で、スクラップ&ビルドからストック&クリエイトの考え方で持続可能性を重視した政策展開が必要なのではないか。中心市街地活性化への課題については、行政は戦略的支援を重視する中で黒子に徹するべきはないか、戦略的支援とは必要な情報を用意して、活性化に必要な条件整備をし、且つ必要な指導や補助をして後は見守ることである。」
 近日中にすべての発言内容を公開する予定です。