観光都市高山の中心市街地の交通量調査結果を見ていただきます。グラフは左が休日、右が平日の調査結果です。調査個所は鍛冶橋交差点を挟んで本町1・2丁目と本町3・4丁目。国分寺通り。安川通り。上3之町の古い街並みの5カ所です。
H28年の結果からは休日の通行料約3万人、平日がその約4割の1万1500人。だいたい2対1の割合と言えます。調査地点は高山の中心部に位置し、観光資源でもある宮川、陣屋、宮川朝市、陣屋前朝市、古い街並みと接する観光エリアです。隣接商店街としては本町通り、安川通り、国分寺通りがありますが、本町通りは鍛冶橋交差点を挟んで南の1・2丁目と、北の3・4丁目では大きな差がでてしまっています。
休日の調査から読み取れるのは、観光客入込数が増加したH28.27と古い街並みと安川通りは上昇カーブを見せています。これは別院駐車場から流れる観光客の流れが、大きく作用していると見ることができると思います。
それと比して平日の人の流れは大きく違います。H28テで古い街並みの数値が大きく低下しています。これは観光バス規制の強化が響いているのでしょうか、この辺の分析は重要と感じます。
先の分析でH28年度は観光客数450万人、観光消費額1、000億円。地域への経済波及効果2,210億円と発表された姿を見ていただきましたが、市内経済を潤す観光のすがたを求める中では、上三之町を中心に集まるまちなみ観光の集客力を、どれだけ周辺地域へも回すのかも一つの視点です。そうした観点から見れば、本町1・2丁目の休日の集客力は4,011。古い町並みに集まる人の1/3を受け止めているともいえます。まちの回遊性を高める一助になっているともいえます。
そうした観点では国分寺通りは1/4ともいえますが、この地区は高山駅から本町通りまでの間に近年ホテルの開業が相次いでおり、交通ターミナルの利用効果とも相まって健闘しているといえます。
安川通りは確かに交通量調査では大きな数値となっていますが、別院駐車所への往復観光客数を考慮すれば、今後の動向は注視していくべきと感じています。
しかし他の地方都市に比べ観光資源がまちの中心部に集中し、まちなみ観光が主体となってにぎわいを見せる高山市は、恵まれていることは確かです。しかしその中身は体験観光等個人志向が強くなっており、体質改善への努力が求められるところとなっています。