山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

早すぎるゴールデンウィーク?

2024年04月25日 | 山菜採り

 「明日は、アジ料理の続き。」と言っておきながら、今朝はT川に山菜採りに来ている。

 アジ料理はするんだけど、朝は山菜採り。

 もうちょっと付け足すと、山菜は、T川だけでなく、N川でもM川でも盛りを迎えようとしているのが分かる。

 正直に言って、いくつ身があっても足りない状態なのだ。

 この状態になるのが、例年だと5月の始め、いわゆるゴールデンウィークの頃だった。

 しかし、ここのところは、季節の廻りが1週間以上は早まってきて、海と山のゴールデンウィークが今なのだ。

 ここは、勝負どころなので、たとえ台所が収穫物で溢れかえっても出かけなければならない。

 ここで時を逸すると1年間を棒に振ってしまうことになる。

 まあ、「ちょっと早すぎるんじゃないか?」ぐらいの気持ちはあるんだけど、とにかく、自分の目で確かめておく必要もある。

 例によって、T氏と待ち合わせをして山に入った。

       斜面の下には雪

 これでも、例年よりずっと少ない。

       春は斜面の上から降りてくる

 同じ斜面なら、下に雪が残り、日の当たる上の方から芽吹きが始まる。

 T氏は、かなり気合が入っている。

 斜面を登って山菜を採り始めた。

 マタギは、家で待っている食材のことを考えると、あんまり気力が湧いてこない。

 季節の進み具合を観察しながら目的地に向かう。

       キクザキイチゲはここでも花盛り

       オオバキスミレに

         スミレサイシンも咲いています

       一番会いたかったクワダイ(イヌドウナ)は、いい感じ

       ミズ(ウワバミソウ)と

       シドケ(モミジガサ)は出始め

       フキノトウの二次形態は食べ頃

 そして、目的の広場に到着。

       あらららら

       『パラダイス』じゃないですか

 これを採らなかったらばちが当たるってもんだ。

 山菜採りモードのスイッチが入った。

 ホントのことを言うと、家には、去年のコゴミがもう少しだけ残っているんです。

 でも、これを採らないわけにはいかない。

 「俺はコゴミは採らない。」

と言うT氏も、家に在庫があるため、禁止令が出されているらしい。

 ここで、悪魔のささやきをかける。

「いい保存方法教えっから、試してみ。」

「おおっ、それはやってみるか!」

と言って採り始めた。

 そうして、・・・満足。

 さて、後半戦でクワダイを採るつもりでいたんだけど、途中で会った地元民と思われる若い衆から、

「あんまり荒らし過ぎねでのお。」

と言われてしまった。

 こちらとしては、SDGsを心がけているつもりなんだけど、そう言われてしまってから採って諍いになるのは嫌なので、クワダイは次回にまわすことにして、本日は終了することにした。

 既に十分な恵みを戴いているから未練はない。

 T氏と次回の再訪を確認しあって帰路に就いた。

 帰宅して玄関のフジ棚を見ると、

       いつの間にか

       花穂が伸びていました

 やっぱりうちのフジの花と、遥かに離れたT川の山菜とは、同じように季節を感じて成長しているようです。

 これから、花盛りに向かっていくのと一緒に、T川の山菜たちも盛りを迎えていくことでしょう。

 山の神様、ありがとうございました。

 またこの次もよろしくお願いいたします。

 ついでに、地元の方々へ。  乱獲はしませんから、これからも楽しませてくださいね。


獲物は美味しく料理してこそ

2024年04月24日 | 日記とレシピ

 久しぶりの釣り、そして獲物には大満足。

       数こそ多くないけどサイズが立派

 ただ、ここで満足し切ってはいけない。

 このお魚ちゃん達を美味しく調理して、初めてこのレジャーは完結するのだ。

 じゃあ、どうやって食べるかということなんだけど、ご覧の通りのつぶらな瞳。

 一つ目の料理は、何と言っても刺し身でしょう。

 尺レベルの2匹を選んで三枚におろします。

 ・ワタと頭を外してから三枚におろして

 ・腹骨を外して、血合い骨を抜き取ります

 確か、アジでも刺身の場合、ゼイゴを取る必要はなかったはず。

 久しぶりなんでうろ覚えなんだけど、やってみれば分かるでしょう。

 ・首根っこの皮をまな板に押さえつけて包丁の刃を立てて引っ張りました

       ゼイゴごときれいに剥けました

 この皮と身の間の銀色の部分が、脂がのって旨いのよ。

       一丁上がり!

 新鮮だとマタギでも剥けます(包丁とまな板の手入れも重要)。

 薄皮の美しさもさることながら、身に弾力があってプリプリしています。

 これほどいい状態で捌くのは久しぶりのような気がします。

 次です。

 本日はアジフライも作ることにしました。

 どうしてかと言うと、

       一昨日作った天ぷらの衣が残っていたから

 ここに卵1個を加えて解きほぐしたら、

       小麦粉を足して粘度を調節します

       ここではゼイゴを外して

 ・三枚おろしに衣とパン粉をつけて待機

       タルタルソースも作っておきましょう

 今回は、これまでの反省をもとに、

       卵を固めに茹でました

 これだと、ソースもベチャっとせずに、

       いい感じに仕上がるようです

 ※卵1個にタマネギ1/4個と、酢10,マヨ60g。塩コショウにパセリ適量

 準備が整いました。

 食事時に合わせて、

       フライを揚げて

       二丁目上がり!

       本日の夕食は、アジ定食Part1でございます

 極めて美味しかったです。

 やっぱり、旬のものを新鮮なうちに食べられるというのは、本当に幸せなことだと、つくづく感じます。

 今回は、海の神様からの恵みが一番。

 だけど、それを新鮮なまま運んだり調理したりできる道具があるってことは、何とありがたいことか。

 重ね重ねの感謝です。

 ただね、今回の料理では、一部下ごしらえが十分でなかった気がするんです。

 明日、続きの料理をすることになるから、そのことを確かめてみたいと思っています。

 To be continued!


不満解消だ!釣り日和

2024年04月23日 | 釣り

 昨日の『近所の山 のんびりコース』には、思いがけず満足させてもらった。

 何と言っても、遠征して採ってくる予定でいた山の幸が空振りになったのに、この『のんびりコース』のおかげですっかり満たされたのだから、ありがたい。

 強いて不満を挙げれば、二つあると言えばあるかな?

 一つ目は、美しく変身していたであろうN川の季節の変化をこの目で確かめられなかったこと。

 まあ、これは、山の神様と天気の神様の匙加減で決まることだから、マタギごときがどうこう言っても仕方がないことだ。

 季節が進んでしまったら、巻き戻しは効かない。

 また来年の楽しみにします。

 そして、もう一つ。

 せっかく仕掛けもエサも準備したのに、釣りに行けなかったこと。

 ん? でも、待てよ。

 こちらは、何とかなるんじゃねえか?

 そう思ったら、居ても立ってもいられなくなって天気予報を調べてみた。

 なんだ、行けるじゃん。

 早速、荷物を車に詰め込んで、目覚ましを午前1時半に合わせて準備完了。

 予定通り出発、そして到着。

       夜明け前の港

 空が白んでくる前に目的地に到着することができた。 この釣り場は、3年ぶりかな。

 風がそれなりに強いけれど、釣りはできるレベル。

 仕掛けを飛ばして、コマセを撒きながら『まずめ時』に備える。

 そんでですな、この後、アタリが出始めたんです。

 アワセて取り込むと、なかなかの良型。

 そこからは、時合いが途切れなかったので、写真は無理でした。

 アタリが遠のいて我に返ったときには、日の出時刻を過ぎていました。

       春霞(?)の港

       本日お世話になった釣り場

       雨も降り出し、遠くの景色も霞んでいます

 でもね、心は満足しています。

 だって、

       本日の収穫

 ホントに楽しかったんだよ、魚とのやり取り。

 タナ(仕掛けの深さ)を決める。

 アタリに集中。

 アワセ。

 取り込み。

 たまらないんですよ、このやり取りの快感。

 結果もさることながら、このスリリングなやり取りが、釣りの喜びの原点なんだよな。

 本日は、久しぶりに堪能させてもらいました。 

 海の神様、ありがとうございました。

 また遊ばせてくださいね。


初物は一番好きな料理で

2024年04月22日 | 山菜料理

 ついに出ましたねえ。

       本日の収穫物 タラノメ

 「ちょっとだけ」のつもりだったんですけど、意外と多いです。

 先ずは下ごしらえから始めます。

 根元の木質部を切り落として、芽を包んでいたハカマを外します。

       きれいになりました

 続きがあります。

       タラノメの基部に十字の切れ目を入れます

 『ふろふき大根』なんかと似た発想で、目的は『熱の通りをよくすること』です。

 この作業が、美味しいタラノメ料理につながります。

 そんでですな、ここまできてようやく気付いたんですわ。

 これ、多過ぎとちゃうか?

 一食や二食どころか、3日かけても食べ切れない量です。

「揚げてから冷凍しておく?」

それもありだけど、これまでの経験から考えると別の方法も考えられる。

「いや、半分は、そのまま冷蔵しておく。

 この手の木の芽タイプは、冷蔵しておくと、かなりの日数保管することができるのだ。

 多分だけど、厳しい冬を越して芽吹いたときに、『寒の戻り』に遭遇することは、少なからずあって、それを乗り越えてきたからこそ、今も栄華を誇っているんだと思うんですね。

 だから、冷蔵庫に入れても、「また冬が来たか」ぐらいの感覚で休眠に入るんじゃないかな。

 問題は、マタギの頭脳。

 このことに気付くのは、収穫物を袋から出してみたときだったら良かったのに、ハカマを外して切れ目を入れた後に気付いた。

 後悔先に立たず。

 ま、この経験が次の収穫時に生かされればいいか。

 半分を袋にまとめて冷蔵庫へ。

 今回料理するのは、

       これだけです

 で、どうやって戴くかと言ったら、タラノメ料理で一番好きな食べ方です。

 天ぷら、行ってみましょう。

       卵黄に冷水を加えて200g

 これを基準に粉類を準備。

       薄力粉110g+片栗粉30g

 ・押すように冷水に和えていき、これで完了。一時冷蔵庫へ

 ・揚げ油が170℃まで温まったら、タラノメに衣を絡めます

       2回目は、このぐらい

 ※一度に揚げる量は少なめに

 ※衣や素材は、揚げる直前まで冷蔵庫で冷やしておきます

 ※タラノメの場合、軸が太いので、あまり温度を上げずに、じっくりと火を通すことで美味しくなります

 3回揚げたら、

       もう十分です

       本日の夕食にまぜてもらいました

 今回は、ハンバーグが主菜なので、

       ちょっとだけ

 塩をかけて味わわせてもらいました。

 これがですね、トロっとクリーミーで美味しいんだわ。

 食感は、熟したアボカドに近いかな。

 揚げるとアクが抜けて、ほんのりと春の風味。

 いやあ、旨い!

 春の山菜採り、いよいよ第二幕が開きましたね。

 ワクワクは膨らむばかりです。

 山の神様、これからもよろしくお願いいたします。


幸せの青いタラ

2024年04月21日 | 山菜採り

 これから山菜採りに出かけるのは、二転三転どころか、四転ほどした結果決まった『近所の山 のんびりコース』だ。

 事前情報は殆どないが、A氏によると、同じ流域の山菜採り場での季節の進行が、去年に比べると、かなり遅れているらしい。

 それでも、何も出ていないということもあるまい。

 その辺の状況を確かめることが、今回の最大の目的になる。

 とにもかくにも、自分の目で見て判断することが、次のステップに進むためには必要なのだ。

 おいしいアンパンを食べて腹ごしらえが出来たころ、それまで降っていた雨が止んで、空が明るくなってきた。

 予報通りだ。

 それでは、出掛けてみますか。

 目的地に向かう途中で通る川原の桜並木が、満開から散り始めにかかり出した感じ。

 上流部の林道の入り口は、まさに見ごろの満開だ。

 林道の路上に雪は残っていないが、枯れ葉枯れ枝がところどころに目立つから、山仕事(林業)については、まだ本格的な作業は始まっていないようだ。

 車止めに着いて周りの景色を見る。

       雨上がりの霧が立ち上る

 新緑には、まだ早いのだが、ヤマザクラが花を咲かせ始めているのが見える。分かるかな?

       若いカラマツ

 植林のカラマツが芽吹き始めたようで、爽やかな黄緑色に癒される。

 足元にも黄緑色が広がりつつある。

       ヤブカンゾウや

       フキノトウ

 N川に比べると、若干季節の進みが遅いのかもしれない。

 林の中を見ると、

       コシアブラの新芽(ピンぼけ御免)

 この辺りも、間もなく山菜銀座になりそうですね。

 今日は、まだ少し早かったようです。

 ところが、

 おや? あれは、もしかすると!

       タラノメですよ

       さっきまで降っていた雨粒が、まだ残っています

       あらら、食べ頃じゃない

 タラノキ自体が棘に覆われているのは仕方がない。

 でも、更に野バラが二重三重に囲んで、タラノメを守っている感じ。

 しかしですねえ、君たちを見つけたからには、そんな障害物に怯んだりしませんよ。

 欲タガリは、手袋をはめて、鉈で藪を切り開きながらタラノメちゃんに会いに行きます。

 まるで、眠れる森の美女に逢いに行く王子様みたい。

 そして、目の前まで来たら、一番芽だけを優しくポキリ。

 見渡すと、そこら中に同じレベルに育ったタラノメがいっぱいあります。

 これは、多分、マタギがこの林への今年の一番乗り。

 人にとられた気配が全くありません。

 昨日までの高温と、夜半からの雨のせいかな。

 すごくラッキーです。

 大きめのタラノメだけを選んでいただいてきました。

 ・・・満足!

 実は、今朝、遠征を断念したN川でも、狙っていたのはタラノメだったんです。

 同じ収穫物なんだけど、かたや往復5時間コース。

 こちらは、1時間もかかりません。

 なあんだ、わざわざ危険を冒して遠征しなくても、こんな近くで、こんなにいい具合に芽吹いてマタギを待っていてくれたんだ。

 幸せを求める旅は、必ずしも遠くばかりを見なくてもいいということなんだね。

 これは、奥羽山脈の山の神様の計らいなのでしょう。

 ありがとうございました。