古代日本国成立の物語

自称「古代史勉強家」。趣味は実地踏査と称して各地の遺跡、神社、歴史博物館を訪ねること。学芸員資格の取得を目指して勉強中。

博物館の機能からみた情報の蓄積と活用について

2018年09月11日 | 学芸員資格・博物館
 博物館情報・メディア論の第一回課題レポートです。課題内容は以下の通りです。

 教科書第3章「博物館の機能からみた情報の蓄積と活用」について、700~800字でまとめよ。またそれと別に、末尾に150字以内でここまでの本科目の学習について感想を書くこと。

 情報・メディア論は博物館の資料展示のみならず、資料の整理や保管など博物館の各機能において情報技術や様々なメディアを活用するための学問です。企業人として情報技術に(IT)に関わる仕事に携わってきた私は、企業活動や社会生活にITが入り込んでいく様を30年以上に渡ってつぶさに見てきました。その経験や知識が活かせる分野だと思いました。そういう私にとっても、博物館業務のこれほどまでにITの活用が検討され、実践されている状況に少し驚きました。


「博物館の機能からみた情報の蓄積と活用について」

 博物館が、資料の収集・保存、調査・研究、展示・教育という基本機能を本来的に果たすためには、集めた資料を調べて情報を取り出し、その情報を調査・研究や展示・教育に活かすことが求められる。そのためには資料と情報をセットで扱うことが必須となる。
 資料に関する情報を体系的に記録して文書として組織的に残していく、いわゆるドキュメンテーションにおいては国際的に標準化やモデル化が進められている。また、我が国においても情報通信技術を活用した博物館のデジタル・アーカイブ化が進められているが、これは博物館資料の情報をデジタル化するにとどまらず、生涯学習の振興に大きな役割を果たすと考えられる。
 資料の収集や調査研究においては、X線やCTスキャンによる解析、放射性同位元素による年代測定、生物のDNA解析など、近年の技術の発達に伴って取り出せる情報の質と量が格段に増え、これらによって得られた情報はデジタル化やネットワーク化によって博物館相互に活用されるだけでなく、様々な学術分野における研究にも活用されている。文化庁による文化遺産オンライン、国立科学博物館によるサイエンスミュージアムネットなどが代表例である。
 資料の展示においては、様々なニーズを持つ利用者との効果的なコミュニケーションが求められるが、展示室という物理的空間や解説スタッフの数、博物館までの距離などの制約条件を克服するために、展示に関する様々な情報をデジタル化することで館内のキオスク端末で閲覧に供することやインターネット上で公開することが可能となる。また、宗像市の「むなかた電子博物館」など、実空間や実物資料を持たないバーチャルミュージアムも実現している。
 教育においては、博物館における教育活動の体系化を行い、その体系に沿った情報の蓄積と活用が重要である。国立科学博物館による「科学リテラシー涵養活動」の体系化はその好例である。

「感想」
 現在勤める企業でICTに関わる業務を担当した経験から、技術的なことだけでなく、それが社会や生活に与える影響について理解しているつもりでいたが、博物館の運営においてここまで大きな影響があることを初めて知った。過去の業務で得た知識や経験を活かすことができるのではないかと感じた。


<レポートの評価>
 非常によく内容を読みこなして理解していらっしゃることが伝わるレポートです。文中の言葉を理解し、自分の文章に利用する能力も、学芸員の仕事の上で大切なスキルとなるでしょう。
 昨年はデジタル・アーカイブ学会が設立された年でもあり、この方面の研究会が定期的に開かれる見通しです。また、全日本博物館や日本ミュージアム・マネジメント学会、日本展示学会という博物館学会でも折に触れて語られるところです。ご興味があれば覗いてみられるのもよいかもしれません。

博物館情報・メディア論 (放送大学教材)
西岡貞一 篠田謙一
放送大学教育振興会

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
« 「Japanリベラルアーツ入門~... | トップ | 博物館と知的財産について »

コメントを投稿

学芸員資格・博物館」カテゴリの最新記事