古代日本国成立の物語

素人なりの楽しみ方、自由な発想、妄想で古代史を考えています。

無観客オリンピック

2021年07月09日 | 雑感
1都3県の会場でのオリンピック競技が無観客で行われることが決まった。ようやく結論が出た。実はチケットをもっていた(正確には当選していた)私はこの数カ月間の議論を複雑な思い、いや、腹立たしい思いで眺めていた。開催するのか、延期あるいは中止になるのか、という話があって、その後、なし崩し的に開催が決まり、観客を入れるのか入れないのか、入れるとすれば上限は何人か、会場によっては再抽選の必要が出てきて、その発表も延期になって。その間にも、聖火リレーが始まって、各種目の組合せが決まり、外国の選手団の入国が始まり、その中から陽性者が出て、そしていつの間にやら東京を中心に陽性者数が一気に増えてきて。

アスリートファーストが叫ばれるものの、私はその言葉すら素直に腹落ちしなかった。この5年間をオリンピックのためだけに費やしてきたアスリートのために開催してあげたい、開催すべきだ、というのが詭弁に聞こえて仕方がなかった。誰が何と言おうと、世界最大の商業イベントに巣食う利権のため、オリンピック開催という成果を自分のものにしたい政治家のため、にしか聞こえなかった。だから、仮にオリンピックが開催されても、有観客になっても、チケットを払い戻そうと決めていた。こんな茶番に付き合うのはまっぴら御免と観戦辞退で無言の抵抗をしようと思っていた。

それがだ、持っているチケットの価値を知った時に、情けないことにその決心が揺らいでしまった。私のチケットは7月27日の女子バレーボール予選、7月28日のカヌー予選とサッカー予選、各2枚づつの計6枚。バレーとカヌーは簡単にあきらめることができたのだけど、28日のサッカー予選の組み合わせはなんと、横浜国際競技場で開催される日本vsフランスの試合。これは見たい、見逃すわけにはいかない、と思ってしまった。抵抗したい強い気持ちと観戦したいという少し強い気持ちがぶつかり合った。すぐに結論は出せなかったけど、再抽選で外れてほしい、という気持ちが次第に強くなっていった。

そして昨日の無観客決定。正直なところ、ホッとした。でも、実はその裏でもうひとつ、複雑な思いで眺めていたことがあった。東京都が発表する毎日のコロナ陽性者数だ。陽性者が増えていくのは何とも残念なことだし、その中で亡くなる方もおられるのだ。いつまでも生活や仕事に大きな支障をきたしたくないし、早く終息してほしいという気持ちがあるに決まってる。でも一方で、陽性者数が増えれば無観客になる可能性が高くなる、とも思っていた。とくにこの1週間はその思いが勝っていた。そしてその通りになった。そんな私はいま、少し自己嫌悪に陥っている。
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