博物館実習、3日目のレポートです。3日目の午前中は須恵器の調査を通じて考古資料の取扱いを学びました。昼食を挟んで午後からは土器の接合を通じて考古資料の整理作業を学びました。
この日は9:45に出勤。午前のカリキュラムには考古資料の取扱いとして「作品調査」と書かれていたので何をするのだろうと思いながらバックヤードへ行きました。博物館は展示資料を他の博物館から借用することがありますが、その際、事前に借用先の博物館へ行って借用する資料の状態を確認して記録しておく必要があります。借用中に破損したり傷をつけていないことを証明するために、あるいは傷をつけてしまった場合はどの部分にどんな傷をつけたのかを明らかにするために、借用前に記録を取るのです。今ではデジカメで簡単にパシャっとできますが、伝統的な方法はスケッチを取ることです。そういう説明を白石さんからお聞きした後に、考古資料である須恵器をスケッチするように言われました。
須恵器を前においてA4の用紙に鉛筆で描いてみたのですが、不器用な私は1つの須恵器を描くのに20分ばかりの時間を要してしまいました。白石さんからは「少し角度が悪いので、もう少し視点を下げたほうがいい」とアドバイスをいただいて描きなおすことになり、次は所見も記入するように言われました。同じように20分ほどかけて描きなおして所見も記入しました。ここで中途半端な知識、というか知ったかぶりによって大失敗をしでかしました。スケッチはそれなりに描けたのですが所見が全く見当違いでした。そもそも調査やスケッチの目的を事前に教えていただいたにも関わらず、所見として須恵器の特徴を列挙してしまいました。傷の位置や大きさ、接合の状況などを記録しなければならないということを改めて指摘いただきました。加えて、通常は借用先でゆっくり調査している時間がないので、できるだけ要領よく時間をかけずに描く必要があることも教えていただきました。
あと2点の須恵器について同様の記録作業を行い、午前の部を終えました。
この日のランチは桃山学院大学のファミマでおにぎりとパンを購入し、気分転換のために車の中で食べました。
午後からは土器の接合です。予定では土器の注記をやったあとに接合作業ということになっていたのですが、白石さんの判断で注記作業を止めて、午後からの時間をすべて接合作業に費やすことになりました。実はこの土器の接合というのも密かに楽しみにしていたのです。テーブルに並べられた数十の土器片を見て、ジグソーパズルを解くように土器をつなぎ合わせていく作業で、一度やってみたいと思っていました。
余談ですが、春に鹿児島の上野原遺跡に併設する博物館にいったときに、接合によって復元された土器が実物か複製かを判断する方法を学芸員さんに教えてもらいました。それは土器の内側を見て接合された個々の土器片に注記があれば実物、なければ複製、ということでした。そりゃそうだわな。そんなことを聞いていたので、実は注記作業もやってみたいと思っていました。
で、肝心の接合ですが、これがなんとも難しかった。結局、休憩を挟んで3時間やったものの、ただのひとつも接合することができませんでした。この日は私のほかに3人のパートの方が同じ部屋で同じ作業をやっていました。経験豊富な方々の作業を見ているのは楽しかったのですが、自分の作業が全く進まないのが残念で悔しかった。皆さんから「それは私らが何度もやって最後に残ったものだから難しいわ」と慰めや励ましの言葉をいただきながら作業を続けました。休憩時間にはコーヒーをいれていただき、おやつまでいただいて何とも楽しい時間を過ごしました。白石さんは何度も顔を出してアドバイスをしてくれたのですが、結局は成果ゼロで終わってしまいました。もしかすると白石さんは接合作業の難しさを分からせるため、わざとこの数十の土器片を課題として与えたのかも。何もできなかった悔しさもあって、土器のことをきちんと勉強してみようと思いました。
以上、須恵器と土器に向かい合って悪戦苦闘した一日となりました。
↓↓↓↓↓↓↓電子出版しました。ぜひご覧ください。
この日は9:45に出勤。午前のカリキュラムには考古資料の取扱いとして「作品調査」と書かれていたので何をするのだろうと思いながらバックヤードへ行きました。博物館は展示資料を他の博物館から借用することがありますが、その際、事前に借用先の博物館へ行って借用する資料の状態を確認して記録しておく必要があります。借用中に破損したり傷をつけていないことを証明するために、あるいは傷をつけてしまった場合はどの部分にどんな傷をつけたのかを明らかにするために、借用前に記録を取るのです。今ではデジカメで簡単にパシャっとできますが、伝統的な方法はスケッチを取ることです。そういう説明を白石さんからお聞きした後に、考古資料である須恵器をスケッチするように言われました。
須恵器を前においてA4の用紙に鉛筆で描いてみたのですが、不器用な私は1つの須恵器を描くのに20分ばかりの時間を要してしまいました。白石さんからは「少し角度が悪いので、もう少し視点を下げたほうがいい」とアドバイスをいただいて描きなおすことになり、次は所見も記入するように言われました。同じように20分ほどかけて描きなおして所見も記入しました。ここで中途半端な知識、というか知ったかぶりによって大失敗をしでかしました。スケッチはそれなりに描けたのですが所見が全く見当違いでした。そもそも調査やスケッチの目的を事前に教えていただいたにも関わらず、所見として須恵器の特徴を列挙してしまいました。傷の位置や大きさ、接合の状況などを記録しなければならないということを改めて指摘いただきました。加えて、通常は借用先でゆっくり調査している時間がないので、できるだけ要領よく時間をかけずに描く必要があることも教えていただきました。
あと2点の須恵器について同様の記録作業を行い、午前の部を終えました。
この日のランチは桃山学院大学のファミマでおにぎりとパンを購入し、気分転換のために車の中で食べました。
午後からは土器の接合です。予定では土器の注記をやったあとに接合作業ということになっていたのですが、白石さんの判断で注記作業を止めて、午後からの時間をすべて接合作業に費やすことになりました。実はこの土器の接合というのも密かに楽しみにしていたのです。テーブルに並べられた数十の土器片を見て、ジグソーパズルを解くように土器をつなぎ合わせていく作業で、一度やってみたいと思っていました。
余談ですが、春に鹿児島の上野原遺跡に併設する博物館にいったときに、接合によって復元された土器が実物か複製かを判断する方法を学芸員さんに教えてもらいました。それは土器の内側を見て接合された個々の土器片に注記があれば実物、なければ複製、ということでした。そりゃそうだわな。そんなことを聞いていたので、実は注記作業もやってみたいと思っていました。
で、肝心の接合ですが、これがなんとも難しかった。結局、休憩を挟んで3時間やったものの、ただのひとつも接合することができませんでした。この日は私のほかに3人のパートの方が同じ部屋で同じ作業をやっていました。経験豊富な方々の作業を見ているのは楽しかったのですが、自分の作業が全く進まないのが残念で悔しかった。皆さんから「それは私らが何度もやって最後に残ったものだから難しいわ」と慰めや励ましの言葉をいただきながら作業を続けました。休憩時間にはコーヒーをいれていただき、おやつまでいただいて何とも楽しい時間を過ごしました。白石さんは何度も顔を出してアドバイスをしてくれたのですが、結局は成果ゼロで終わってしまいました。もしかすると白石さんは接合作業の難しさを分からせるため、わざとこの数十の土器片を課題として与えたのかも。何もできなかった悔しさもあって、土器のことをきちんと勉強してみようと思いました。
以上、須恵器と土器に向かい合って悪戦苦闘した一日となりました。
和泉市の歴史6テーマ叙述編I「和泉市の考古・古代・中世」 | |
和泉市史編さん委員会 | |
ぎょうせい |
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