古代日本国成立の物語

自称「古代史勉強家」。趣味は実地踏査と称して各地の遺跡、神社、歴史博物館を訪ねること。学芸員資格の取得を目指して勉強中。

博物館と知的財産について

2018年09月12日 | 学芸員資格・博物館
 博物館情報・メディア論の第二回課題レポートです。課題内容は以下の通りです。

 教科書第11章「博物館と知的財産」について、700~1000字でまとめよ。また、この字数と別に、末尾に150字以内でここまでの本科目の学習について感想を書くこと。

 レポートの評価にあるように、この第二回課題の対象範囲は前回の教科書12ページ分と比べると24ページ分と倍になっており、それをほぼ同じ文字数700~1000字に要約することは少し難易度が高いと感じました。教科書の対象部分を何度も読み、重要と思われる部分に下線を引き、それを文章でつないでいく。文章がブツ切りにならずに一つの文章として違和感なくつながるようにすることがポイント。そして推敲に推敲を重ねて制限時数に収まるように極限までスリム化していきました。

「博物館と知的財産について」

 博物館では極めて多くの著作物が扱われ、著作権法が例示するほとんどの種類が博物館資料に関係する。著作物に創作性が認められれば何らの手続きや方式も要せずにその創作者に著作権及び著作者人格権が付与されるため、博物館が著作物を利用する場合は著作権の権利関係を整理し、必要に応じて権利処理が必要となる。また、肖像権の問題についても注意を要する。例えば、個人の手紙に著作権が認められるケース、映像資料の登場人物に著作隣接権が認められるケースなどがある一方で、美術の著作物の利用においては、屋外での恒常的な展示を除き、売買などによってその所有権を取得した者が作品を公に展示する権利を有するとされる。
 博物館が他人の創作を利用する場合、それが著作権法上の著作物であり、利用の行為が著作権または著作人格権に抵触し、権利制限規定に該当せず、著作者の死後50年という保護期間に含まれる場合は、その権利者から利用許諾を得るなどの権利処理をしなければならない。展示物の写真や映像をインターネットで公開する際も、著作権を有せず保護期間が満了していない場合は複製権や公衆送信権に抵触するので利用許諾を得る必要がある。その場合、博物館はその権利者を探し出す必要が生じるが、権利者や相続人がわからない場合、文化庁長官の裁定により一定額の補償金を供託することで著作物を利用できるという裁定制度を用いることができる。
 データベースによって情報を公開する場合は、データベースの著作権と収録された個々の情報の著作権を区別して考える必要がある。特に文字・数値・画像・図面などの形態で情報を蓄積するファクト・データベースにおいては双方に留意しなければならない。他者の著作物を取り込む際の複製権、インターネットで公開する際の公衆送信権、未公表著作物である場合の公表権などが問題となる。加えて、外国の著作物についてもベルヌ条約等で保護されているので注意を要する。
 博物館が情報提供や学習支援などのために漫画やアニメのキャラクターの画像や映像を使用する場合、その容貌や姿態を具体的に表現しておればキャラクターも著作物として保護されるので注意が必要である。また、インタビュー映像を公開する場合には肖像権が問題となるが、肖像権は違法性が阻却されるか否かは個別事情で判断されるので、可能な限り事前に明示的同意を得ておくことが望ましい。

「感想」
 情報技術やメディアの活用において学芸員が獲得すべき知識や経験の広さと深さを再認識したが、日進月歩の情報技術を追いかけること以上に重要なことは、他の博物館でどんな技術やメディアがどのように活用されているかという先進事例を日頃から収集することと、外部専門家の知見を上手く活用することであると感じた。


<レポートの評価>
 今回は前回と比べ広範にわたる内容の上、法律用語が多くてまとめにくいものだったと思います。そんな中、非常によく内容を読みこなして理解していらっしゃることが伝わるレポートです。文中の言葉を理解し、自分の文章に利用する能力も、学芸員の仕事の上で大切なスキルとなるでしょう。学会、日本展示学会という博物館学会でも折に触れて語られるところです。ご興味があれば覗いてみられるのもよいかもしれません。

博物館情報・メディア論 (放送大学教材)
西岡貞一 篠田謙一
放送大学教育振興会

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