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スクープ!我が社はこうして機密を盗まれた 中国人の「産業スパイ」被害に遭った社長

2015年02月13日 07時43分22秒 | 経済
華麗な経歴で家柄も人柄もよく、仕事もできる。いい中国人の人材を採用したと喜んでいたら、それはスパイだった-被害を受ける日本企業が急増している。彼らはどんな手口で入り込んでくるのか。

■一橋大出身の才女

中国でビジネスを始めるに当たってそれなりに勉強して臨んだつもりだったのですが、やられてしまいました。

何年もかけて開発した製造技術を、自社の中国人社員に丸ごと盗まれてしまったんです。そして、知らないうちに中国国内でコピー工場が作られていた。そこの製品が我が社より安価で販売されていて、一時は顧客も奪われてしまいました。

バイオジェニック株式会社の渡部政博社長(56歳)はこう語る。同社は、健康食品などの原料の生産・販売を行うバイオ企業。東京と中国に拠点を構え、従業員は50名。現在は年商約6億円で、健康食品の需要増加と共に業績を伸ばしている。今回、中国人の「産業スパイ」に機密情報を盗まれた経緯をすべて明かしてくれた。

最初のきっかけは、'03年、一人の中国人女性A(当時36歳)を採用したことでした。弊社が扱う製品の一つ、アスタキサンチンの世界市場が拡大する見込みが立ったので、中国に工場を作ろうとしていたのです。ちなみにアスタキサンチンとは、エビやカニ、鮭などに含まれる赤橙色の色素です。強い抗酸化作用があり、アンチエイジングのための化粧品や健康食品の原料として使われています。

中国進出は初めてだったので、地元に広い人脈があって日本語も堪能な人を探していました。そんなとき、古くからの知人(日本人)から紹介されたのがAでした。Aは一橋大学出身で、当時、東京の証券会社で働いていた。「もっとやりがいのある仕事がしたい」と、転職先を探していたそうです。ハキハキとしていて、面接の印象は良かったですね。

経歴だけでなく、出自も申し分なかった。Aの父親は元サッカー選手で、国会議員として30年近く活躍していた人物。母親も、中国の有名なバレーボール選手でした。

両親がそんな有力者ですから、彼女にはスポーツ界だけでなく中国の政財界に幅広い人脈があるんです。中国で工場を立ち上げるときには、Aは大車輪の活躍でしたよ。おかげで国有企業が持っていた遊休地を借りることができましたし、すべて順調に進みました。

そして、中国・雲南省の昆明に工場を設立し、Aを現地法人の取締役副社長に抜擢。'05年に操業を開始しました。そのとき、Aの紹介で現地採用したのがBという男性です。四川大学の生物科学科を卒業し、当時23歳。その翌年、Bの紹介で同級生の男性Cも入社します。二人とも人あたりがよく非常に仕事熱心だったので、信頼していました。とくにBは、中国の工場長に育てようと考えて教育していたんです。

彼らの直属の上司として、現地の工場で仕事を共にしていた同社研究開発部部長の長瀬俊哉氏は、Bの印象をこう話す。

「真面目に仕事に取り組み、人柄もいい男でしたね。細かいところまで自分がきちんと理解するまで質問に来るし、夜遅くまで残って実験をすることもしょっちゅうでした。そのため非常に可愛がっていて、自分が知っていることはすべて教えました。いま思えば、バカでしたね……。でも当時は、不信感を抱くことは一切ありませんでした。月に1度はBの自宅に招かれて食事をごちそうになったり、家族ぐるみの付き合いをするほどの仲だったんです」

それから数年が経過し、工場が軌道に乗ってきた'09年。Aから、突然「会社を辞めたい」と言われました。理由を聞くと、「会社の将来に不安を感じる」と。引き留めましたが、辞めていきました。4ヵ月後、今度は中国工場で働くBも、転職すると言い出した。部長の長瀬と必死で止めたのですが、給料の折り合いがつかなかった。転職先は、うちより1万元(約19万円)ほどいいと言っていた。結局、最後は盛大な送別会をして快く送り出しました。

■裁判当日に裏切られた

その翌年、同じ業界の知人から衝撃的な話を聞きました。昆明の郊外に、うちの会社と同じような工場が操業していて、アスタキサンチンを製造しているというんです。しかも、その製品を日本の企業に販売している、と。

すぐに調査に行くと、たしかにそのコピー工場は存在しました。外観は、うちの工場と瓜二つ。企業のホームページには、アスタキサンチンの製造技術で4件の実用新案を申請していると記されていました。内容を調べると、うちが開発した技術そのもの。発明者には、辞めていったBの名前が入っていました。

驚くべきは、出願した日が、Bが辞める3ヵ月前だったことです。Bは在籍中に情報を盗み、実用新案を申請していたわけです。うちの中国工場のパソコンを調べると、新工場を立ち上げるための企画書などが大量に出てきました。残業していると思っていたら、こうした資料を社内で夜ごと作っていたようです。

さらに、コピー工場で作られたアスタキサンチンを日本で販売しているD社(中国企業の日本法人)は、Aが社長を務めていたんです。我が社の得意先にも、うちより安く製品を卸していました。向こうは研究開発費がかかっていないのですから、どう頑張っても価格では勝てるわけがありません。AとBはグルになっていたのです。愕然としました。

アスタキサンチンの培養技術について、我が社はあえて実用新案の申請をしていませんでした。なぜなら中国では、特許や実用新案を取得すると、その技術は誰でも閲覧できるWeb上に公開されてしまうんです。申請者が権利を持っていても、中国では無断で真似されるのがオチですから、技術は秘匿しておこうと判断しました。もちろん、AやBが入社する際には秘密保持契約を結んでいましたが、まったく意味はなかった。

我々は弁護士に相談して、裁判を起こすことにしました。訴えは、昆明市の中級人民法院(地裁)に受理されましたが、正直、勝てる自信はありませんでした。人治国家の中国では正義が勝つとは限りませんから。しかも、コピー工場のある昆明市近郊の石林という地域は観光以外に産業がなく、工場が地元の雇用創出に一役買っていた。石林当局も工場は無くしたくないと思うはずです。

その時期、Bの紹介で入社したCはまだ弊社に在籍していました。裁判に備えて、法律事務所でCの調書も取っていて、Bが新工場の設立を計画していたことなどを証言しています。それは正式な証拠として裁判所に採用されていた。

ところが、裁判の当日に裏切られました。朝8時に私が宿泊していたホテルに車で迎えに来るように、Cに指示していたのですが、何分待っても来ない。仕方なく自分で裁判所まで行くと、なんとCは被告人らと一緒にやって来たんです。前日の夜にBから言いくるめられたようでした。Cをその日に解雇しました。

■日本人とは感覚が全く違う

日本人には理解できない行動だらけですが、彼らは自分たちが悪いことをやっていると思っていないんです。騙されるほうが悪い、という感覚。先方を告訴すると決めたとき、Bから「自分たちの工場に出資してほしい、儲かるから一緒にやろう」という呼びかけがあったほどです。

裁判の直前、Bは我々のところへ来て、「ごめんなさい!」とつたない日本語で必死に謝ってきました。ですが、法廷が開かれると手のひらを返したように言いたい放題。閉廷後、裁判官がいなくなってからまた寄ってきて、「ごめんなさい」と頭を下げる。こいつらは裁判の意味が分かってるのか!?と血管がキレそうでしたよ。

結局、裁判は我々が勝利しました。申請した実用新案の権利は我が社に帰属し、案件受理費用の1000元(約1万9000円)は被告側が負担するように、と判決が出た。被告らは控訴しましたが、高級人民法院(高裁)でも判決は覆りませんでした。裁判官は正当な判決を下してくれたと思います。ただ、日本に有利な判決をしたことで、かなり叩かれたようですが……。

裁判には勝ちましたが、申請された技術は、情報がすでに公開されてしまっています。その結果、また新たなコピー工場が別の者の手によって作られ、稼働しているんです。それはもう止められません。Aも、相変わらず日本でD社の社長をしていて、アスタキサンチンの販売をしています。我が社の被害額は、総額にすれば十数億円になるのではないでしょうか。

今回の事件は、Aが首謀者となりBやCに指示していたようですが、いま思えば、Aにはちょっとおかしい点が数々ありました。

たとえば'08年頃、うちの会社の事業の一部を中国企業に売却するという話が持ち上がったときのこと。中国語での契約書をAに作らせたのですが、相手の中国企業に有利な条件に勝手に書き換えていたんです。結局、売却の話はなくなりました。Aは、その企業と裏で何か取引をしていたのかもしれません。

よく私はAから「社長は騙されやすいから気をつけてください」と言われていたんです。でも、まさかその本人から騙されるとは思ってもいませんでした。

でも、彼女らが最初から技術を盗むつもりで入社してきたのではなかったと思いたいですね。アスタキサンチンの需要が伸びて、「これは儲かる」と思ったから、商売欲が出たのではないでしょうか。私は、中国人が嫌いなわけではありません。被害に遭った我々を応援してくれる中国人もたくさんいました。ただ、日本人とは感覚が全く違うということを知っておくべきでした。

じつは日本の数々の大企業が、中国でこうした被害に遭っているのですが、ほとんど公にはされていません。技術を盗まれ、特許を取られたなどと言えば、会社の恥になりますから。でも、情報を隠せば痛い目に遭う企業は増える一方です。私たちの事例が他の企業に通用するかはわかりませんが、少しでも参考になればいいと思っています。

「週刊現代」2015年2月14日号より
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通帳で分かる! お金が貯まらない人の共通点3つ - 100万円ためるコツ

2015年02月13日 07時42分43秒 | お役立ち情報
「通帳を見ると、その人のお金の使い方が分かります」と言うのは、金融機関勤務を経て数多くの通帳を見てきたファイナンシャルプランナーの高橋幸緒里さん。お金が貯まらない人の通帳に多い共通点をあげてもらい、それに対しての「貯めるための対策」を教えてもらった。心あたりのある人はチェックしてみよう!

○共通点1: 普通預金に大半のお金が入っている

普通預金にお金の大半が入っているということは、"貯める仕組み"が作れていないということ。また、普通預金に入れておくと引き出しが簡単なので、つい使ってしまう原因にも。

貯蓄の鉄則は先取り貯蓄。「お金が残ったら貯蓄をしよう」などと悠長に構えていては、いつまでたっても貯まらない。まずは、収入から自動的に先取り貯蓄ができる"貯める仕組み"作りを始めよう。それには以下のような方法がある。

1)財形貯蓄・積立貯蓄をする
会社の財形貯蓄を利用したり、普通預金の口座に自動積み立てを設定する。その際のポイントとしては、積立日を給料日、もしくは給料日の翌日にすること。こうしておけば残高不足で積み立てができないということはなく、確実に貯蓄額が増えていく。

2)二口座制を利用する
「財形貯蓄や銀行の自動積み立てだと、いざという時にすぐに引き出せない」。そんな気持ちで二の足を踏んでしまうのなら、給与口座を"二口座制"にするのがオススメ。二口座制とは、給料を受け取っている口座以外の"第二口座"を指定し、そこに給料を分けて振り込んでもらうこと。こうすることで両方とも普通預金口座ながら、メイン口座と貯蓄口座の振り分けができる。制度として導入されている会社も増えているので、会社に問い合わせてみては?

○共通点2: 少額の引き出しが多い

「お財布の中身が寂しいから、取りあえず1万円おろしておこう」。こんな引き出し方が多い人は、一度に大きく残高が減らないため、無駄遣いをしている意識があまりないのでは? でも"ちりも積もれば山となる"のことわざ通り、月単位で合計すると思いがけない金額になってしまうことも多い。

そもそも、なぜ少額の引き出しが多いのだろうか? それは支出の管理ができていないからと言えるだろう。自分が何にいくら使うのかを把握できていないので、足りなくなった分をチョコチョコと引き出す必要が出てくる。

まずは、通帳の横に支出理由をメモすることから始めよう。支出把握のためには、家計簿をつけたりレシートを見直したりすることが有効だが、それだとハードルが高いと感じる人もいるだろう。お金をおろす度に、通帳の横に支出理由をメモ書きする程度であれば手軽に始められる。レコーディングダイエットではないが、「支出理由を書かなきゃ! 」という気持ちが、無自覚にお金を引き出すという行動の抑制にもなる。

○共通点3: クレジットカードの支払いが高額

クレジットカードでの支払いは実際にその場でお金が動かないので、つい使いすぎてしまう傾向があるそう。クレジットカードの使いすぎを防ぐための方法の一例は以下の通り。

1)クレジットカードの枚数を減らす
カードの整理も兼ねて、あまり使わないカードは解約し、メインカードとサブカードの2枚に集約する。クレジットカードの明細を絞ることで履歴の振り返りが簡単になり、明細の見直しがしやすくなる。

2)限度額を下げる
明細の見直しの習慣がついてきたら、毎月カードで支払うお金の流れも見えてくるはず。お金の流れが見えてきたら、"1カ月に使う自分の上限"も把握できるので、カードの限度額を下げよう。こうすることで物理的に買い物のしすぎを防ぐことができる。

「貯金をするためには、自分のお金の流れを見直すことが必須です」と高橋さんは言う。お金の流れを見直すためのツールとして、通帳は身近な最強のアイテムなのかもしれない。
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