- 逆説的に聞こえるだろうが、裕福になることは、お金よりもむしろ考え方と関係している。
- お金の扱いをマスターできるかどうかは、私たちが考える以上に、心理や考え方と深く結びついているのだ。
- 本記事では、裕福な人々の特徴的な考え方を22個紹介する。今すぐに取り入れよう。
お金の扱いをマスターできるかどうかは、私たちが考える以上に、心理や考え方と深く結びついている。
ナポレオン・ヒルは、一代で富を築いた500人のミリオネアを集中的に調査した集大成として出版した1937年のベストセラー『思考は現実化する』(1999年、きこ書房、田中孝顕訳)で、そう説いた。
一代で富をなしたスティーブ・シーボルドも、過去30年にわたって世界で最も裕福な1200人を取材し、同じ結論に至った。逆説的に聞こえるだろうが、裕福になることは、お金よりもむしろ考え方と関係していると、シーボルドは『金持ちになる男、貧乏になる男』(2016年、サンマーク出版、弓場隆訳)で書いている。
以下、裕福な人々の特徴的な考え方を22個紹介するので、今すぐに取り入れよう。 本記事の投稿にはマンディ・ウッドラフ氏の協力を得ている。
1. お金持ちは貧困が諸悪の根源だと考える
……普通の人々は、お金を悪の源とみなす。
シーボルドによると、低所得者層では、「お金持ちになること」がある意味恥ずかしいこととみなされる傾向があるそうだ。
「平均的な人は、お金持ちは運がいいか不誠実だと思うように洗脳されている」とシーボルドは書いている。「ワールドクラスの人々は、お金があっても幸せになれるとは限らないが、生活は快適で楽になると知っている」
2. 裕福な人は利己主義を美徳とみなす
……平均的な人は、利己主義は悪だと考える。
「裕福な人は自分を幸せにしようとするが、世界を救うふりはしない」と、シーボルドはBusiness Insiderに語った。
問題は、そのような態度を中産階級の人々がネガティブにとらえることだ。それが、彼らが豊かになれない原因だと、シーボルドは書いている。
「自分を大切にできない人は、ほかの人も大切にすることはできない」とも、彼は指摘した。「自分で持っていない何かを人に与えることはできないのだから」
3. 裕福な人は行動を大切にする
……平均的な人は幸運を大切にする。
「大衆は宝くじが当たるのを願い、自分に幸運が訪れるように祈るが、偉大な人々は問題を解決する」とシーボルドは書いた。「[大衆は]神、政府、上司、あるいは配偶者などがヒーローになることを期待する。これが平均的な人の考え方で、生涯このアプローチを守りながら、時間だけが過ぎていく」
4. 豊かな人々は特定の知識を蓄える
……平均的な人は、正規教育が富へつながる道だと考える。
「ワールドクラスの偉人たち多くは正規教育をほとんど受けておらず、特定の知識の獲得と利用を通じて財をなした」と、シーボルドは書いている。「その一方で、大衆は修士号や博士号が富への道を切り開くと思い込んでいる。おそらく直線的な考え方に囚われていて、より高い意識レベルに到達することができないのだろう。……富は手段を問わない。結果がすべてだ」
5. 裕福な人は未来を夢みる
……平均的な人は、古きよき時代を懐かしむ。
「昔はよかったと思う人は、豊かになることはほとんどなく、不幸に苦しみ、ふさぎ込むことが多い」とシーボルドは書いている。「自分の力でミリオネアになる人々は、まだ見ぬ未来に向けて、自分の才能に賭け、夢と目標とアイデアを追い求めるからこそ、豊かになれる」
6. 裕福な人はお金のことを論理的に考える
……平均的な人はお金のことを感情的に考える。
「基本的には頭がよくて、教育水準も高くて、財産以外の点では成功している人は、貧困を恐れる臆病な思想家になり、退職後の快適な暮らしを、金銭面での最大の野望として掲げる」と、シーボルドは書いた。「ワールドクラスの人々は論理的な目を通して、お金の何たるかを見極める。偉大な人々は、お金が選択肢と機会をもたらす重要なツールであることを知っている」
7. 裕福な人は「情熱に従う」
……平均的な人は、好きでもないことをしてお金を稼ぐ。
「平均的な人の目には、裕福な人はずっと働き詰めのように見える」と、シーボルドは指摘する。「ワールドクラスの人々が用いる最も賢い戦略は、自分が好きなことをして、それに対して報酬を得ようとすることだ」
その一方で、中産階級の人々は自分で楽しいと思えない仕事をする。「お金はどうしても必要だし、お金は肉体や精神を駆使して稼ぐものだという直線的な考え方を学校でたたき込まれ、社会から押しつけられて生きてきたからだ」
8. 裕福な人は「挑戦に前向き」
……平均的な人は失望したくないからハードルを下げる。
「心理学者やメンタルヘルスの専門家は、挫折を味わわなくてすむように、初めから期待値を低く抑えるようにアドバイスすることが多い」とシーボルドは指摘する。
しかし、「大きな望みがないのに、夢を生き、裕福になれる者などいない」
9. 豊かな人は「他人のお金を使う」
……平均的な人はお金を稼ぐにはお金が必要と考える。
シーボルドによると、裕福な人は他人の財布から自分の将来のための資金を調達することにためらわないそうだ。
「豊かな人は、何かを成し遂げる際、自分の資金を注ぎ込むかどうかは重要ではないことを知っている。問うべきは、その対象に『買うだけの、投資するだけの、追い求めるだけの価値があるか』だ」
10. 裕福な人は「欲と感情が市場を動かす」と知っている
……平均的な人は市場が論理や戦略で動いていると考える。
「豊かな人は金融市場を動かす最大の要因は不安と欲であることを理解し、自分が観察するすべての取引やトレンドにおいて不安と欲を考慮に入れる」とシーボルドは述べている。「このように人間の本質を見抜き、それを取引に生かすことで、彼らは戦略的な優位性を得て、レバレッジを活用しながら富をより大きくしていく」
11. 裕福な人は自分の子に「裕福になる方法」を教える
……平均的な人は子供たちに生き残る方法を教える。
豊かな親は自分の子がまだ幼いころから、「持つ者」と「持たざる者」の世界について教育すると、シーボルドは指摘する。
多くの人はそれをエリート主義だと批判するだろうが、シーボルドはそう思わない。「[人々は]親が子供たちに、貧しいからという理由で大衆を見下すように教育していると言うが、それは真実ではない」と、書いている。「彼らが子供たちに伝えているのは、『客観的な現実の目を通して世界を見ろ』というメッセージだ」
12. 裕福な人は「富のなかに安らぎ」を見つける
……平均的な人はお金をストレスと感じる。 豊かな人がどんどん豊かになるのは、お金があればたいていの問題が解決できると認めることを恐れないからだと、シーボルドは言う。
「[中産階級の人々は]お金を生涯ずっと我慢しなければならない必要悪とみなす。ワールドクラスの人々はお金をすばらしい解放手段とみなし、それをたくさん得ることで、経済的な安心を得ている」
13. 裕福な人は娯楽よりも教育を重視する
……平均的な人は、教育よりも娯楽を求める。
豊かな人は、富を増やす手段として正規教育に頼ることはあまりないが、社会人になってからも学習を続けることの大切さは認識していると、シーボルドは説明する。 「豊かな人の家を訪問すると、最初に、彼らがより大きな成功をつかむための自主学習に用いるたくさんの本が並んだ棚が目に入る」とシーボルドは書いている。「中産階級の人々は小説や、タブロイド紙、娯楽雑誌を読む」
14. 裕福な人は同じ考え方の人々をまわりに集めようとする
……平均的な人は、金持ちは俗物だと考える。
中産階級の人々にはお金に関するネガティブな考え方が染みついているため、裕福な人は裕福な人同士で結びつくことになる、とシーボルドは指摘する。
「[豊かな人には]破滅と悲観のメッセージを聞いている余裕はない」と、シーボルドは書いた。「その態度から、人々は彼らを俗物であると誤解する。ワールドクラスの人々に俗物のレッテルを貼ることで、中産階級は自分と自分が選んだ平凡な道に自信が持てるのだ」
15. 裕福な人は収入を重視する
……平均的な人は節約に努める。
シーボルドは、裕福な人はすでに持っているものを守るのではなく、リスクを冒してでもさらに多くを得ることに集中すると主張する。
「大衆はクーポン券を集めながら倹約に努め、大きなチャンスを逃す」と書いている。「資金繰りが危機に陥っているときですら、豊かな人は大衆的な倹約思考を拒絶する。彼らは正しいところ、つまり大金を得るチャンスに意識を集中する達人たちだ」
16. 裕福な人はリスクを冒すべきタイミングを見極める
……平均的な人はお金に関して安全を重視する。
「レバレッジが富裕層の合言葉だ」と、シーボルドは書いた。「投資家でさえ、ときには損失を出すことがあるが、ワールドクラスの人々はたとえ何があろうと、いつでもより多くを稼げると確信している」
17. 裕福な人は不確実なことにも動じない
……平均的な人は快適さを求める。
「中産階級の人々は、肉体的、心理的、感情的な快適さをいちばんの目標とする」と、シーボルドは書いている。「ワールドクラスの人々は若いころに、億万長者になるのはたやすいことではなく、快適さを求める態度は挫折につながると学ぶ。彼らは不確実な状況が続いていても、そのなかで快適に活動する術を身につける」
18. 裕福な人はより多く稼げると予想する
……平均的な人は苦労を予想する。
「人生は苦労の連続で、今あるもので満足し、それに感謝することを学ばなければならないと主張するネガティブな人々に耳を貸してはならない」と、シーボルドはBusiness Insiderに書いたことがある。
もっと大きく考えろ、と。手始めに、100万ドル(約1.5億円)なんてどうだろうか?
19. 裕福な人は成功に執着する
……平均的な人は「執着」を醜い言葉とみなす。
「実際のところ、裕福な人々はお金だけでなく、自分がほしいものは何でも手に入れたいという、健全な執着心を持っている」と、シーボルドは書いた。「裕福な人はビジネスと人生をゲームとみなし、ゲームなのだから勝とうとする」
シーボルドは、自分が何を求めているのかを考え、それを手に入れるための方法を具体的に考えるべきだとアドバイスする。「勝つ」には、自分に厳しくする必要がある。
21. 裕福な人はお金を友とみなす
……平均的な人は敵とみなす。
「ほとんどの人はお金とのあいだに不利益で敵対的な関係を築いている。結局のところ私たちは、お金は希少なものと教えられて育ってきた。手に入れるのが難しく、保つのはもっと難しい」とシーボルドは書いた。
「お金を引き寄せたいなら、お金を敵とみなすのをやめて、最も頼りになる仲間と考えるべきだ。お金は友だ。心配や苦しみで眠れない夜を終わらせる力があり、それどころが命を救ってくれるかもしれない。豊かな人は、お金をほかの友人にはできない形でサポートしてくれる特別な友とみなし、この特別な感情があるため、お金との関係は日々強まっていく」
22. 裕福な人はすべてを手に入れられると知っている
……平均的な人は、家族か豊かさのどちらかを選ばなければならないと思い込んでいる。
富を得るには家族との時間を犠牲にしなければならないという考えは、ただの「言い逃れ」に過ぎないとシーボルドは断じる。
「大衆は、それが二者択一の問題だと信じるように洗脳されている」とも書いている。「豊かな人は、愛と豊かさにもとづいた考え方をもってこの難題に挑めば、ほしいものがすべて手に入れられると確信している」
※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。