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どうやら「起業は割に合わない」は本当らしい?9割の普通の人が富裕層になる唯一の方法

2015年02月21日 09時27分53秒 | お役立ち情報
 仏経済学者トマ・ピケティがブームである。昨年後半から今年にかけて多くの経済紙がピケティの『21世紀の資本』(みすず書房)を特集し、NHKの『白熱教室』にも登場した。

 ピケティは過去200年間の世界中の税務統計を集めて、その結果「r>g」という大発見を世の中に提示した。過去200年間、世界全体で資本収益率(r)は常に経済成長率(g)を上回っていたと結論付けた。そのメカニズムによって、資産を持つ富裕層に富が集積していくことになる。そこでピケティは全世界的に富裕層へ課税をして、富の偏在を解消していくべきだと説く。これが現在巻き起こっているピケティブームの一番主要な論点である。

 さて、本連載は常に世の中をウラ読みするコラムなので、本稿では世の中で議論されている正調のピケティ議論ではない、もうひとつの読み方について考えていきたい。

●事業を立ち上げるのは割に合わない?

 ピケティの「r>g」を前提に考えると、事業を立ち上げるのは割に合わないかもしれないのだ。いや筆者もなんとなく、これまでもそんな気がしていた。連続テレビドラマ『半沢直樹』(TBS系)を観たり漫画『ナニワ金融道』(講談社)を読んでいても、実際にいろいろな企業家の相談に乗っていても、なんとなく資本家や銀行家のほうが企業家よりも割がいいような気がしていたのだ。

 企業家の中でも自分で会社を立ち上げた起業家は、お付き合いしていると、人物としては非常に魅力的であることが多い。チャレンジャーで創意工夫に富んでいて、いつも何か面白いことを考えている。ただ儲かっている人もいるのだが、あまり儲かっていない人もいる。時流に乗って非常に儲かっている起業家は、筆者にもよくしてくれるし、周囲にも気前よくお金をばらまいてくれる。

 しかし、そういった調子のよい時期はいつまでも続くことはなく、10~20年の期間でみると、どちらかといえば苦労して経営している時期のほうが長いように見える。

 一方で資本家や銀行家はというと、人間的にはそれほど魅力も感じないし、堅いというか派手さはない。だが、長い目で見ると、お金はこういった人たちに還流しているように感じていた。

 起業家は結局、事業が傾くと財産をすべて奪われて夜逃げをする。一方で資本家や銀行家は、その前に貸したお金をきっちりと回収している気がしていた。

 そしてここが重要な点なのだが、経営学の理論を学んだ筆者は、そのような感覚は理論的には間違っていると思い込んでいたが、勘違いだったようなのだ。従来の経営学の理論では、同じ投資家でもリスク投資をした資本家は、起業家が失敗すれば株式が無になることで起業家と同様に資産を失う。融資というかたちで資金を供給した銀行家は、元本は安全だが、金利以上の儲けは手にすることができない。だからリスクを取った者がビジネスの成功を手にするし、リスクを取らない金貸しは金利しか手にすることができない。リスクを取ったのであれば、投資家も起業家も同じ船に乗った者同士である。そうだとすると「r=g」というかたちで資本家も起業家も同じ成果を手にできるはずだから、資本家や銀行家が有利だというようなことはない、とこれまでは考えられてきた。

 しかし、ピケティが発見したことは過去200年の歴史を通じて常に資本収益率は経済成長率よりも高い、つまり事実は「r>g」なのだ。第二次世界大戦後から現代までの期間が歴史上もっともこの両者の格差が狭くなった時期ではあるのだが、それでもr(資本収益率)は一貫して4~5%の間、そしてg(経済成長率)は3~4%の間にあって、常にrのほうが大きい。

 つまり事業を起こして産業発展を通じて経済を成長させていく行為へのリターンよりも、彼らに資本を提供してキャピタルゲインや配当、利子を搾取していく行為へのリターンのほうが、歴史を通じて常に高いというのである。

 これが事実であれば、起業家になるよりも資本家になるほうが、得られる期待値は高いというわけだ。そしてピケティが過去200年間のデータを集積した結果、どうやらそれが事実であるらしいということで、今、ピケティをめぐった大騒動が起きているのである。

 どうやら現実は、これまでなんとなく筆者がそう思ってきた通りで、中小企業の社長になるよりも、株主や銀行の立場になるほうが割がよいということが、ピケティの努力の結果、統計的にはっきりしたということだ。就職活動が近い自分の子どもには、小説『下町ロケット』を読ませるよりも、『半沢直樹』を見せておいたほうがよさそうだ。

●10%の富裕層でない人たちにとっての選択肢

 さて、「だったらみんな最初から資本家になったほうがいい」というわけではない。なぜなら、資産を持っていなければ資本家にはなれないからだ。その資産はというと、人口の10%が世の中全体の60~70%の資産を所有している。ここで再びピケティの論点の本筋に議論が合流することになる。

 もともと割のいい立場は、長い歴史を通じて、ごく一部の人たちの手に握られたままなのである。そこでそのような10%の富裕層でない人たちにとっての選択肢は、起業家になって一攫千金を狙うか、そうではない第三の選択肢、それは同時にほとんどの人が選ぶ選択肢でもあるが、サラリーマンになって経済成長よりもさらに低い上昇率の給料をもらいながら、その中で勝ち残って大企業経営者という「フローでの」富裕層を目指す道を選ぶかなのである。

 突き詰めて考えると、起業をするということも、サラリーマンから社長を目指すということも、経済成長以上に成功して自分が儲かる立場になるというわずかな可能性に賭けることである。少ない確率ではあるが、そうなった人は富裕層の仲間入りをすることができる。

 しかし当然ながら、経済成長率以下のペースでしか資産を増やせない普通の人になる可能性のほうが大きい。そしてそのような人たちは、資本家や銀行家たちに利潤の大きな部分を搾取されていくことになる。一攫千金の夢を追って起業して20年間がんばったけど、最後は銀行に家屋敷をとられてしまっておしまいということになる人も少なくない。なにしろ200年間を通じて常に「r>g」なのだ。

 とはいえ、ピケティが提唱するような世界規模で富裕層への増税が実現する現実的な方法は、当面は発見されないだろう。とすれば富裕層ではない90%の読者のみなさんにとってできることは、確率的な期待値ではなく、ボラティリティ(変動率)に賭けるしか富裕層の仲間入りをする方法はないということなのだ。

 ピケティが「チャレンジは結局、割に合わない」という事実を発見してくれたけれども、とれる選択肢は相変わらず「チャレンジするほかに方法はない」ということだったわけだ。
(文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役)
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レノボPCの人は今すぐチェックを! 全機種にSuperfishの大穴

2015年02月21日 09時14分00秒 | お役立ち情報
レノボPCの人は今すぐココ開いてSuperfishの脆弱性にやられてるかどうかチェックしてください! 「Good, ~」って水色の文字で出たらセーフ。「Yes」はアウトなので後述の指示に従ってね。

レノボ製のほぼ全パソコンに工場出荷の段階で「セキュアな取引きまで傍受できる」とんでもないアドウェアがプリインストールされていたことが、同社フォーラムに寄せられた苦情多数で明らかになりました。

ソフトの名前は「Superfish」。グーグルの検索結果やサイトを開くとユーザーの許可なしにサードパーティー製の広告を挿入するアドウェアで、少なくともChromeやIEでは動作が確認されています。

広告挿入もひどいけど、問題はそれだけじゃありません。こやつ、自己署名証明書を自己発行して、偽のSSL証明書を生成し、SSL通信の中身まで覗けるようにする不届き者なのです。俗に言う「オレオレ証明書」。

それの何が問題なのか? セキュリティの専門家のKenn Whiteさんがこんな一例を紹介してますよ。

This is a problem. #superfishpic.twitter.com/jKDfSo99ZR— Kenn White (@kennwhite) Fepuary 19, 2015

そう、バンカメの銀行口座で行う操作も第三者に丸見えになっちゃうんです!

ソフトで発行した証明書を見てください。「issued to Bank of America(バンク・オブ・アメリカ宛てに発行)」された証明書の発行主が…なぜか「Superfish」になってます。本来ならここには信頼ある認証局のVeriSignなんかがこなきゃダメなのに。Superfishは閲覧データをチェックして広告会社に転送するソフトなので、こんな風にセキュアなコンテンツまでアクセスできるのは大・大問題なのでありますよ。

問題はまだあります。ユーザーやThe Vergeが書いてるように、このSuperfish、同じ秘密鍵を使ってマシンのルート証明書まで発行できるんです。

つまり、誰かにこの証明書の暗号鍵を破られたら大ピンチ。Superfishに毒されたレノボPC(現段階ではほぼ全台)が信頼する証明書も生成可能になって、持ち主に悟られないまま外から悪玉コードを植え付け放題できるということです。オーマイガッデスなんまいだー!

この問題が表面化したのは今年1月、Lenovoコミュニティ管理者のMark Hopkinsさんが同社フォーラムに残した「レノボはコンシューマシステムからSuperfishをとりあえず削除しました」という書き込みがきっかけでした。そんなものをなぜ出荷段階で入れたのかについては、Superfishは「ユーザーが製品を視覚で発見・理解するのを支援」し、「ウェブ上の画像を瞬時に分析し、同じ製品や類似品でもっと安い価格のものを表示する」ものだと書いて擁護してます。でも、ここまで問題が大きくなると、そうも言ってられなくなりますね。

ここまでの記事を米版で公開した直後に、証明書の暗号鍵はErrata Security社のRob Graham氏によってアッサリ破られてしまいました…。これにてSuperfish搭載レノボマシンはすべて攻撃対象に。繰り返しになりますが、レノボPC持ってる人は一番上のリンク先で今すぐ感染してるかどうかチェックしてくださいね! 今すぐ!

SuperFishの中に暗号化された秘密鍵が入っていた。SuperFishのstringの結果のテキストで解読機に流してパスワード発見。komodia。これでSuperFishの証明書は陥落された。本当の意味でおしまい。http://t.co/sRzXS9b2wP— 高梨陣平 (@jingbay) Fepuary 19, 2015

Lenovoからはこんな声明が出ましたよ。

・今年1月より、Superfishは全レノボ製品でサーバーサイドのインタラクションをすべて無効にしておりますので、もう有効ではありません。この措置は市場に出回っている全製品のSuperfishが対象です。・レノボは1月に、このソフトウェアのプリインストールを停止しました。・今後もプリインストールする予定はありません。

やれやれひと安心…て、Superfish込みのPCをもう買ってしまった人の問題解決には全然なりませんけどね。root証明書が脆弱だと、そこが外部からの侵入を許すウィークポイントになります。その問題は残ったままです。

もし一番上のリンク先で判定結果が「Yes」と出てしまった方は、 マシンのバックアップをとって、Windowsをクリーンインストールするか、あるいはレジストリを開いて問題の証明書を手動で削除することをおすすめします。

それにしても一連の騒ぎで最悪なのは、レノボの声明のこのくだりでしょう。

当社ではこの技術について徹底的に調査しましたが、セキュリティの不安を裏付ける証拠は何ひとつ見つかりませんでした。しかしながらこの問題に不安を訴えるユーザーがいることも承知しておりますので、このソフトウェアを搭載した製品はすべて出荷停止としました。

ウェブで証拠がこれだけ出回ってるときに、それはちょっと…。「Superfishは無効にした、新しく出荷されるPCには搭載されてない」とは言っても、その前に買った人は脆弱性を抱えたままなので、言葉をどう入れ替えても問題の深刻さが和らぐことはないと思いますよ。

source: TNW, The Verge

Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文]

(satomi)
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